2017年 03月 24日 ( 3 )

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月24日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 『バクレー監督と行く沖縄』の福島県からの参加者の「事件や事故の賠償に日本の税金が使われているとは知らなかった」との声は、私も含めた多くの「本土」の人間の知識である。
したがって、「確定している過去の米軍機騒音訴訟の損害賠償を巡り、米側から賠償金が支払われていない問題で、岸田文雄外相は23日の参院外交防衛委員会で、日米安全保障条約に基づく訓練から発生する騒音については、米側が賠償を負担しないと主張していることを明らかにした。」との沖縄タイムスの記事は、日本の主権国家ではない「姿」と沖縄が置かれてきた「現実」を暴露する。


 2017年3月24日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「集団自決」現行記述にとどまる 米軍再編に検定意見 2016年度教科書検定-2017年3月24日 14:55


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「文部科学省は24日、小学校道徳と主に高校2年生が使用する教科書の2016年度検定結果を公表した。高校日本史教科書8冊中6冊が沖縄戦の『集団自決』(強制集団死)を取り上げたが、『日本軍による命令』『軍命』を明記した教科書はなく、現行本と同様の記述にとどまった。」
②「『集団自決』を巡る記述について、06年度検定意見は日本軍の命令や強制の有無を断定的に記述するのは避けるよう求めている。県内からは検定意見の撤回を求める声が上がっているが、文科省の担当者は『審議会の専門的な審議結果によるものであり、撤回ということは考えていない』と説明した。」
①「米軍再編の目的について、実教出版社の1冊の『沖縄の基地負担軽減それ自体が目的ではなく、世界規模での米軍再編の一環』との記述に関し『生徒が誤解するおそれのある表現』との検定意見が付いた。文科省は『米軍再編には沖縄の基地負担を軽減する目的も含まれている』などとして、記述の変更を求めたことを明らかにした。」


(2)琉球新報-「思いやり予算」現場巡る バクレー監督ら あす上映会-2017年3月24日 12:50


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「在日米軍駐留経費・思いやり予算の在り方を問うドキュメンタリー映画『ザ・思いやり』のリラン・バクレー監督=神奈川県=らが23日、本島中部地域を訪れて米軍普天間飛行場やキャンプ瑞慶覧など米軍施設周辺を巡った。富士国際旅行社が22日から3泊4日で実施するツアー『バクレー監督と行く沖縄』の一環で、県外から5人が参加している。」
②「バクレー監督は『思いやり予算がどう使われているか見れば驚くはずだ。参加者に知ってほしい』」と述べた。次作『ザ・思いやりパート2』も製作中で、ツアーでは作品に登場する人たちを訪ねる。」
③「一行は23日、北谷町北前の米軍キャンプ瑞慶覧第5ゲート(北前ゲート)前を訪れ、米軍人・軍属による事件被害者の会の村上有慶さん(67)=北谷町=の話に耳を傾けた。福島県から参加した八幡隆英さん(67)は『事件や事故の賠償に日本の税金が使われているとは知らなかった』と語った。」
④「25日午後2時から那覇市若狭の不屈館で「ザ・思いやり」を上映する。問い合わせは事務局佐藤契さん(電話)090(2625)8775。」


(3)沖縄タイムス-米軍機騒音訴訟の損害賠償金 「米側は負担しないと主張している」と岸田外相-2017年3月24日 15:17


 沖縄タイムスは、「確定している過去の米軍機騒音訴訟の損害賠償を巡り、米側から賠償金が支払われていない問題で、岸田文雄外相は23日の参院外交防衛委員会で、日米安全保障条約に基づく訓練から発生する騒音については、米側が賠償を負担しないと主張していることを明らかにした。伊波洋一氏(沖縄の風)への答弁。」、と報じた。
 また、「岸田氏は、日米間の協議で妥結をみない理由として『米側は、日本側から提供された施設区域を使用し、日米安保条約の目的達成のために所要の活動を行っており、発生した騒音問題は、米側が賠償すべきものではないとの立場を取っている』と答えた。その上で、日本政府としては日米地位協定第18条に基づき、米国政府に対して騒音訴訟に伴う損害賠償金の分担を求めると説明した。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-辺野古で抗議の市民、機動隊が強制排除 工事車両31台入る-2017年3月24日 11:37


 沖縄タイムスは、「沖縄県名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前では24日午前、新基地建設に反対する市民らが最大で約50人集まり『辺野古を守ろう』と声をあげた。午前8時45分後ごろ、約40人の機動隊員による強制排除が始まり、市民ら約25人がごぼう抜きにされた。9時5分までの間に大型ミキサー車や砂利を積んだ大型ダンプカーなど車両31台がゲート内に進入した。」、と報じた。
 また、「海上では大型作業船3隻がクレーンを上げて作業を進め、そのうち1隻がボーリング調査などで使われるスパッド台船を組み立てた。市民らがカヌー8隻と監視船2隻で抗議を続けている。」、と報じた。


(5)沖縄タイムス-「住民に恐怖感与える訓練は問題」と国は言うけれど… 沖縄・宜野座村議会、米軍つり下げ事故に抗議-2017年3月24日 13:08


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県宜野座(ぎのざ)村議会の小渡久和議長ら全議員12人は23日午後、嘉手納町の沖縄防衛局を訪れ、米海兵隊UH1Yヘリのつり下げ物資の落下事故に抗議した。提供施設外上空での米軍機の飛行訓練の即時中止や、集落に近い着陸帯『ファルコン』」の即時撤去などを求めた。」
②「中嶋浩一郎局長は『住民に恐怖感を与える訓練は問題である』と述べ、施設外で訓練しないことなど米側に求めていく考えを示した。」
③「米海兵隊の太平洋基地政務外交部長のスコット・コンウェイ大佐は昨年12月、つり下げ訓練について『宜野座村の住宅地上空では今後しない』としていた。」
④「議員団は発言がほごにされたことに反発。村民の生命や安全、平穏な生活を求める意見が相次いだ。村議からは『何回抗議しても変わらないのは何が原因か』『抗議した後の米軍とのやりとりを議会に報告してほしい』などの声が続いた。」


(6)沖縄タイムス-住宅建設現場から米国製5インチ艦砲弾1発 沖縄・南城市であす不発弾処理-2017年3月24日 10:35


 沖縄タイムスは、「沖縄県南城市大里嶺井の住宅建設現場で発見された米国製5インチ艦砲弾1発の不発弾処理作業が25日午前9時から行われる。交通規制が同9時半から同11時半ごろまで、周辺の市道などで行われる。処理現場から半径88メートルが立ち入り禁止で、避難対象は32世帯94人。避難所と現地対策本部が嶺井公民館に置かれる。」、と報じた。




by asyagi-df-2014 | 2017-03-24 17:11 | 沖縄から | Comments(0)

共謀罪」を考える。(6)-「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」より-

 東京新聞は2017年1月6日、「安倍晋三首相は五日、犯罪計画を話し合うだけで処罰対象とする「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を二十日召集の通常国会に提出する方針を固めた。」、と報じた。
また、この背景を、「菅義偉(すがよしひで)官房長官は五日の記者会見で、『共謀罪』法案の通常国会への提出に関して、二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックに向けテロ対策の強化が必要だと主張し『テロを含む組織犯罪を防ぐことは、国民も望んでいる。これまでの国会審議の意見を踏まえ、最終検討している』と述べた。」、とも伝えた。
 政府は2017年3月21日、「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案を閣議決定した。

 緊急かつ重大な課題である『共謀罪』について考える。


 共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者が、2017年2月1日、呼びかけ人7名と賛同者130名の計137名で、「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」を発表しました。
 この「声明」についてまとめてみます。


Ⅰ.主張
(1)この立法は以下に述べるように、犯罪対策にとって不要であるばかりでなく、市民生活の重大な制約をもたらします。
(2)こうした多くの問題にかんがみ、私たちは、「テロ等準備罪」処罰を名目とする今般の法案の提出に反対します。


Ⅱ.反対の根拠


Ⅰ. テロ対策立法はすでに完結。
Ⅱ. 国連国際組織犯罪防止条約の締結に、このような立法は不要。
Ⅲ. 極めて広い範囲にわたって捜査権限が濫用されるおそれ。
Ⅳ. 日本は組織犯罪も含めた犯罪情勢を改善してきており、治安の悪い国のまねをする   必要ない。
Ⅴ. 武力行使をせずに、交渉によって平和的に物事を解決していく姿勢を示すことが、   有効なテロ対策。


Ⅲ.反対の根拠の詳細


Ⅰ. テロ対策立法はすでに完結。

 テロ対策の国際的枠組みとして、「爆弾テロ防止条約」や「テロ資金供与防止条約」を始めとする5つの国連条約、および、その他8つの国際条約が採択されています。日本は2001年9月11日の同時多発テロ後に採択された条約への対応も含め、早期に国内立法を行って、これらをすべて締結しています。


Ⅱ. 国連国際組織犯罪防止条約の締結に、このような立法は不要。

(1)2000年に採択された国連国際組織犯罪防止条約は、国際的な組織犯罪への対策を目的とし、組織的な犯罪集団に参加する「参加罪」か、4年以上の自由刑を法定刑に含む犯罪の「共謀罪」のいずれかの処罰を締約国に義務づけているとされます。しかし、条約は、形式的にこの法定刑に該当するすべての罪の共謀罪の処罰を求めるものではありません。
(2)本条約についての国連の「立法ガイド」第51項は、もともと共謀罪や参加罪の概念を持っていなかった国が、それらを導入せずに、組織犯罪集団に対して有効な措置を講ずることも条約上認められるとしています。
(3)政府は、同条約の締約国の中で、形式的な基準をそのまま適用する共謀罪立法を行った国として、ノルウェーとブルガリアを挙げています。しかし、これらの国は従来、予備行為の処罰を大幅に制限していたり、捜査・訴追権限の濫用を防止する各種の制度を充実させたりするなど、その立法の背景は日本とは相当に異なっています。ほとんどすべての締約国はこのような立法を行わず、条約の目的に沿った形で、自国の法制度に適合する法改正をしています。
(4)国内法で共謀罪を処罰してきた米国でさえ、共謀罪の処罰範囲を制限する留保を付した上で条約に参加しているのです。このような留保は、国会で留保なしに条約を承認した後でも可能です。
(5)日本の法制度は、もともと「予備罪」や「準備罪」を極めて広く処罰してきた点に、他国とは異なる特徴があります。上記のテロ対策で一連の立法が実現したほか、従来から、刑法上の殺人予備罪・放火予備罪・内乱予備陰謀罪・凶器準備集合罪などのほか、爆発物取締罰則や破壊活動防止法などの特別法による予備罪・陰謀罪・教唆罪・せん動罪の処罰が広く法定されており、それらの数は70以上にも及びます。一方、今般検討されている法案で「共謀罪」が新設される予定の犯罪の中には、大麻栽培罪など、テロとは関係のない内容のものが多数あります。そもそも、本条約はテロ対策のために採択されたものではなく、「共謀罪」の基準もテロとは全く関連づけられていません。本条約は、国境を越える経済犯罪への対処を主眼とし、「組織的な犯罪集団」の定義においても「直接又は間接に金銭的利益その他の物質的利益を得る」目的を要件としています。


Ⅲ. 極めて広い範囲にわたって捜査権限が濫用されるおそれ。

(1)政府は、現在検討している法案で、(1)適用対象の「組織的犯罪集団」を4年以上の自由刑にあたる罪の実行を目的とする団体とするとともに、共謀罪の処罰に(2)具体的・現実的な「合意」と(3)「準備行為」の実行を要件とすることで、範囲を限定すると主張されています。しかし、(1)「目的」を客観的に認定しようとすれば、結局、集団で対象犯罪を行おうとしているか、また、これまで行ってきたかというところから導かざるをえなくなり、さしたる限定の意味がなく、(2)概括的・黙示的・順次的な「合意」が排除されておらず、(3)「準備行為」の範囲も無限定です。
(2)「共謀罪」の新設は、共謀の疑いを理由とする早期からの捜査を可能にします。およそ犯罪とは考えられない行為までが捜査の対象とされ、人が集まって話しているだけで容疑者とされてしまうかもしれません。
(3)大分県警別府署違法盗撮事件のような、警察による捜査権限の行使の現状を見ると、共謀罪の新設による捜査権限の前倒しは、捜査の公正性に対するさらに強い懸念を生みます。これまで基本的に許されないと解されてきた、犯罪の実行に着手する前の逮捕・勾留、捜索・差押えなどの強制捜査が可能になるためです。とりわけ、通信傍受(盗聴)の対象犯罪が大幅に拡大された現在、共謀罪が新設されれば、両者が相まって、電子メールも含めた市民の日常的な通信がたやすく傍受されかねません。将来的に、共謀罪の摘発の必要性を名目とする会話盗聴や身分秘匿捜査官の投入といった、歯止めのない捜査権限の拡大につながるおそれもあります。実行前の準備行為を犯罪化することには、捜査法の観点からも極めて慎重でなければなりません。


Ⅳ. 日本は組織犯罪も含めた犯罪情勢を改善してきており、治安の悪い国のまねをする   必要ない。

(1)公式統計によれば、組織犯罪を含む日本の過去15年間の犯罪情勢は大きく改善されています。日本は依然として世界で最も治安の良い国の1つであり、膨大な数の共謀罪を創設しなければならないような状況にはありません。今後犯罪情勢が変化するかもしれませんが、具体的な事実をふまえなければ、どのような対応が有効かつ適切なのかも吟味できないはずです。具体的な必要性もないのに、条約締結を口実として非常に多くの犯罪類型を一気に増やすべきではありません。
(2)そればかりでなく、広範囲にわたる「共謀罪」の新設は、内心や思想ではなく行為を処罰するとする行為主義、現実的結果を発生させた既遂の処罰が原則であって既遂に至らない未遂・予備の処罰は例外であること、処罰が真に必要な場合に市民の自由を過度に脅かさない範囲でのみ処罰が許されることなどの、日本の刑事司法と刑法理論の伝統を破壊してしまうものです。


Ⅴ. 武力行使をせずに、交渉によって平和的に物事を解決していく姿勢を示すことが、   有効なテロ対策。

 イスラム国などの過激派組織は、米国と共に武力を行使する国を敵とみなします。すでに、バングラデシュでは日本人農業家暗殺事件と、日本人をも被害者とする飲食店のテロ事件がありました。シリアではジャーナリストの拘束がありました。安保法制を廃止し、武力行使をしない国であると内外に示すことこそが、安全につながる方策です。


 確かに、今回の共謀罪法案は、「広範囲にわたる『共謀罪』の新設は、内心や思想ではなく行為を処罰するとする行為主義、現実的結果を発生させた既遂の処罰が原則であって既遂に至らない未遂・予備の処罰は例外であること、処罰が真に必要な場合に市民の自由を過度に脅かさない範囲でのみ処罰が許されることなどの、日本の刑事司法と刑法理論の伝統を破壊してしまうものです。」、というものです。
 この「声明」は、共謀罪法案の問題点を確認させます。
 あらためて、次の理由により共謀罪法案に強く反対します。


Ⅰ. テロ対策立法はすでに完結。
Ⅱ. 国連国際組織犯罪防止条約の締結に、このような立法は不要。
Ⅲ. 極めて広い範囲にわたって捜査権限が濫用されるおそれ。
Ⅳ. 日本は組織犯罪も含めた犯罪情勢を改善してきており、治安の悪い国のまねをする必要ない。
Ⅴ. 武力行使をせずに、交渉によって平和的に物事を解決していく姿勢を示すことが、有効なテロ対策。


 以下、「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」の引用。




by asyagi-df-2014 | 2017-03-24 11:48 | 共謀罪 | Comments(0)

沖縄から-三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第68回

沖縄の地で、体を張って新しい歴史を作ろうとしている人たちがいる。
そこには、その煌めきの記録を残そうとしているジャーナリストがいる。
だとしたら、その生きざまの瞬間を私たちは受け取る必要がある。
三上知恵の沖縄撮影日記。

 
 今回の報告は、「山城博治さん5カ月ぶりに保釈」について。
まずは、山城博治さん逮捕とこの5ヶ月間について。


(1)高江の山の中で連日抗議行動が続いていた去年10月17日、突如リーダーの山城博治さんが逮捕された。
(2)一本2000円もしない鉄条網を切った器物損壊での逮捕。いつものように3日で出てくるのかと思ったが今回は全く違っていた。そのあと、10カ月も前に小さなブロックを積み上げて抵抗した件など、微罪をいくつか重ねて取り調べが続き、留置場から出られなくなった。そして、なんと5カ月間も、家族の接見すら許さないという非人道的な長期勾留が始まった。「反対運動をやればこうなるぞ」というみせしめと、精神的に窮地に追い込むあからさまな手法。裁判を受けないままに5カ月も自由を奪われるのだから、代用監獄制度と言われても仕方がない。国内だけでなく海外からも日本の後進的なシステムに抗議の声が上がった。
(3)遅すぎた裁判。ヒロジさんの一回目の公判は3月頃に開かれると聞いた去年、まさかそれまでずっと勾留してるつもりなのか? と耳を疑ったが、果たしてその通りになった。この間に高江のヘリパッドは完成し、オスプレイは落ち、辺野古の工事は再開した。抗議行動の主要メンバーを幽閉し、その間になりふりかまわず、できるだけ工事を進めてしまおうという政府の魂胆が見え見えである。
(4)自分が命懸けで体を張って守って来た事柄が、どんどん悪い方に進んでいくのを塀の中で知る日々は、きっともがき苦しむようなつらさだっただろう。我々外の世界にいる者も、まったく会えないどころか、手紙さえ届けてもらえなかった。会えないので、留置場や拘置所の建物の下でほぼ毎日のように仲間が歌を歌い、励ましつつ過ごすしかなかった。おととし、悪性リンパ腫で5カ月間入院していた時よりひどい。ヒロジさんはもっと遠くの、誰の手も届かない世界に置かれてしまった。そんなことがまかり通る世の中でいいのか? 黙秘を貫いたら出られなくなる、と脅かされていたようだが、黙秘する権利は堂々と主張するべきであり、それで不利益をこうむることがあってはならない。


 次に、裁判と保釈について。


(1)裁判の傍聴券は限られているが、一目ヒロジさんに会いたいと、朝から大勢の県民が列を作った。そして裁判が始まると、いつもヒロジさんと現場で歌っていた歌を、法廷まで届けと言わんばかりに裁判所の周りで大声で歌い、応援しながら待った。傍聴した法廷の様子を語る北上田さんは、いつも冷静で、ヒロジさんのブレーン的な役割を担ってきた頭脳派の人物。でも、5カ月ぶりに再会したヒロジさんの様子を語るときだけは、珍しく涙ぐんでいた。確かにそうだろう。この弾圧は基地にあらがう沖縄県民、みんなの頭上に下された鉄槌なのだ。それを体一つで受け止めて沖縄県民を代表して闘っている姿に落涙せず、何に涙を流すのか。
(2)ところがこの裁判の翌日、突如接見禁止が解かれて、ヒロジさんは400通余りの手紙を受け取ったという。感激にむせび泣いていると、夕方になってから保釈があるかもしれないと聞き、あわてて逮捕された時の山を歩く長靴をはいた。土のついた長靴とジャージといういでたちで、ついにヒロジさんは待ちわびていた県民の前に現われた。送られてきた本や手紙がぎっしり詰まった段ボールを抱えて、痩せて一回り小さくなったようなヒロジさんが満面の笑みを浮かべて拘置所の出口から歩いてきた。そして真っ先に、妻の多喜子さんを抱きしめた。この瞬間をみんながどれだけ待っていたことか。


三上さんは、こんな風に今回の報告を結びます。


(1)今回の私のコラムだが、とにかく本当にヒロジさん帰ってきたんだね、と実感してもらいたいので、文章よりも映像を見てほしい。ヒロジさん不在の間に、あらゆるヘイトスピーチがさらに横行して、山城博治は、過激派でプロ市民で沖縄県民が迷惑しているという真逆の記事がバンバン出ていた。嘘も1000回言えば本当になるという恐ろしい時代を私たちは生きている。しかし、事実はちゃんとその目で見てほしい。この会見の様子、裁判中の外の様子を見てほしい。これだけ大衆に慕われるヒロジさんの人間像を見てほしいのだ。ネット上でちまちまと凶悪な「山城博治」像をねつ造している人間も、反対運動を憎み、これでもかと権力を振るってくる政府側の組織の人も、あなたたちが逮捕されたらこれだけの人が声を上げてくれますか? ヒロジさんを揶揄してきたような人間の誰一人として、仮に被告席に立たされる日が来ても、これほどの人々が応援に殺到することなどない。
(2)権力者が持っていない財産を、沖縄の人々はまだまだ持っている。どんなに過激な沖縄ヘイト集団であっても屈服させることができない尊厳が、こちら側にあるのだ。私はそれを伝える側でよかった。悪口やデマでアクセス数を稼いだり、視聴率を稼いだりする仕事でなくてよかった。正々堂々と沖縄県民が抵抗する姿、自由と平和を求めて立ち上がっていく姿にカメラを回しているだけで、日本中、いえ海外からもその映像を見せてほしいと言ってもらえる。沖縄県民はこうして歴史に残る弾圧に耐え抜いたリーダーの保釈の瞬間を迎えた。是非動画をみてほしい。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-24 06:10 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧