2017年 03月 08日 ( 2 )

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月8日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 「全国青年司法書士協議会は7日までに、政府が推進する名護市辺野古の米軍新基地建設工事について『住民投票による合意がなく、憲法上の土台を欠く』と指摘し、中止した上で全国の自治体を候補地として国民全体の議論を深めることを求める会長声明を発表した。沖縄の基地問題については『沖縄県の固有の問題と考えて放置すれば、無意識にも【沖縄県は本土とは違う】という差別をしてしまうことにつながらないだろうか』と疑問を呈した。」、と琉球新報は伝える。
 どこか不思議な気がする、とまで思えてしまう。
 この考え方がまっとうであるにもかかわらず。
しかし、少しずつでも、変わってきている。
 「法的根拠が乏しいままに移設工事が進められることで、憲法の理念がないがしろにされていくことを看過できない」、「国民が自分の暮らす地域に問題が及ばないことを期待して見て見ぬふりを続けていれば、日米安全保障条約の利益を享受する一方で、負担を沖縄に偏在させることを暗に認めることになる」との指摘は、燦然と輝く。


 2017年3月8日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-辺野古海域の文化財調査を 名護市教委、国に要求-2017年3月8日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設予定地で、名護市教育委員会が沖縄防衛局に対し、大浦湾の埋め立て工事に入る前に海域の文化財調査を求めていることが7日までに分かった。建設予定地の米軍キャンプ・シュワブでは昨年7月に新たな遺跡として海域と陸域の両方にまたがる『長崎兼久遺物散布地』が認定された。文化財保護法に基づき、同散布地は海域も含めて工事で改変される前に調査が必要となっている。さらに市教委は、同散布地の範囲外の海域でも関連の文化財が存在する可能性も視野に海域の調査を求めている。調査の状況によっては工事スケジュールに影響する可能性もある。」
②「沖縄防衛局は本紙取材に『キャンプ・シュワブ内の文化財調査は県、市教委で調整してきた。今後も関係法令に従い、適切に対応する』と回答した。」
③「市教委は2015年度の文化財調査で土器や石器、陶器、碇石(いかりいし)など海域や陸域で発見し、県教育委員会が16年7月に新たな遺跡として認定した。市教委ではこれまで海域の文化財調査を実施した実績がほとんどない。しかし、今回は海域の調査が必要との見解で県教育庁文化財課の助言も受けながら調査方法の技術的な面や期間、範囲などの計画の取りまとめを急いでいる。市教委文化課は『(文化財が)陸上から海に流れている可能性もある』との見方を示し防衛局と調整を進めていることを説明した。」
④「碇石に詳しい沖縄考古学会の當眞嗣一会長は『水中にあっても埋蔵文化財の対象だ。碇石も見つかっている。海をなりわいにしていたということだ』と指摘。海域の文化財の範囲に関し『調査しないとどう広がるのかは分からない』と述べ、海域も広く調査する必要性が高いことを強調した。」(古堅一樹)


(2)琉球新報-新基地「全国を候補地に」 全国青年司法書士協議会が会長声明-2017年3月8日 08:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「全国青年司法書士協議会は7日までに、政府が推進する名護市辺野古の米軍新基地建設工事について『住民投票による合意がなく、憲法上の土台を欠く』と指摘し、中止した上で全国の自治体を候補地として国民全体の議論を深めることを求める会長声明を発表した。沖縄の基地問題については『沖縄県の固有の問題と考えて放置すれば、無意識にも【沖縄県は本土とは違う】という差別をしてしまうことにつながらないだろうか』と疑問を呈した。」
②「声明は2月28日に、会長の梅垣晃一氏(当時)の名前で発表した。『法的根拠が乏しいままに移設工事が進められることで、憲法の理念がないがしろにされていくことを看過できない』と指摘。最終的に移設先を決める際には、憲法にのっとり国会での法律制定と当該自治体での住民投票による同意を得て決めるべきだとしている。」
③「沖縄の米軍基地問題を巡る現状については『国民が自分の暮らす地域に問題が及ばないことを期待して見て見ぬふりを続けていれば、日米安全保障条約の利益を享受する一方で、負担を沖縄に偏在させることを暗に認めることになる」と指摘した。」
④「基地建設は国政の重要事項に当たり、憲法41条で国権の最高機関と規定される国会での立法措置が必要になるとした。新基地建設により、自治体の都市計画など自治権が制限されるため、憲法92条の規定から、制限の範囲や代償措置などは法律で規定される必要があると指摘した。憲法95条で、特定の自治体のみに適用される特別法の制定には住民投票が必要とされていることにも言及している。辺野古への新基地建設の法的根拠としては2006年と10年の閣議決定しかなく、県や名護市の住民投票による同意も得ていないとした。」(沖田有吾)


(3)沖縄タイムス-抗議船と海保のゴムボート衝突 辺野古沖-2017年3月8日 11:28


 沖縄タイムスは、「8日午前9時20分ごろ、沖縄県名護市辺野古沖に張られたフロートの外で、新基地建設に抗議する市民の船と海上保安庁のゴムボートが衝突した。抗議船には1メートル以上のひびが入り、ゴムボートも破損が確認された。市民側は『海保側がぶつかってきた』と非難した。この日も大型作業船によるコンクリートブロック投下が確認された。カヌー7艇が抗議のためフロート内に入り、海保に一時拘束された。」、と報じた。
 また、「米軍キャンプ・シュワブゲート前では、市民ら約150人が座り込み、新基地建設反対を訴えた。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-山城議長ら傷害などで争う方針 器物損害は認める 公判前整理手続き-2017年3月7日 05:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍基地建設への反対運動で、公務執行妨害や威力業務妨害などで逮捕・起訴され、4カ月以上勾留されている沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)ら3人の公判前整理手続きが6日、那覇地裁(潮海二郎裁判長)であった。山城議長の弁護側は手続き後、器物損壊罪について認める一方で、公務執行妨害、傷害、威力業務妨害罪については争う方針を示した。」
②「三宅俊司弁護士は、昨年8月に北部訓練場付近で、山城議長がフェンスを設置していた防衛局職員を転倒させたとして傷害と公務執行妨害罪に問われていることについて『国の高江の工事は違法で【公務】ではない』と反論。『加療約2週間とされる傷害結果も生まれていない』と指摘した。」
③「同年1月に名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前にコンクリートブロックを積み上げたとされる威力業務妨害罪については、『新基地建設に反対する表現の自由の一貫だ』と主張。罪に当たる行為はしていないとした。」
④「潮海裁判長は17日の初公判で、3人の罪状認否や冒頭陳述までを行うと決定。その後、山城議長と宜野座村の男性(66)が問われている威力業務妨害罪の審理を先に進める方針を固めた。第2回公判は27日、第3回は4月17日に開かれる。」


(5)琉球新報-稲葉さん釈放「ほっとしている」 3カ月以上勾留続く-2017年3月8日 13:38


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場移設に伴う新基地建設に抗議活動により威力業務妨害罪で起訴され、3カ月以上勾留が続いていた稲葉博さん(66)が8日、那覇拘置所から釈放された。那覇地裁の裁判官が7日、保釈を決定した。保釈後、稲葉さんは『本当に限界だった。今はほっとしている』と語った。拘置所前などで自身らの釈放を求めて集まった人たちに対して『土日も含めて毎日声が聞こえてきて勇気づけられた。本当に有り難かった』と話した。一方で、勾留が続く山城博治沖縄平和運動センター議長については『弁護士以外との面会もできず、私よりももっときついだろう。想像するだけで胸が痛い』と話した。」、と報じた。


(6)琉球新報-抗議市民を一時拘束 辺野古新基地建設、ブロック投下作業進む-2017年3月8日 12:04


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画で、工事が予定される大浦湾の海域では8日午前9時ごろから、沖縄防衛局が汚濁防止膜の海底基礎となる大型コンクリートブロックの投下を始めている。午前11時までに少なくとも1個を投下した。」
②「市民らは抗議船4隻、カヌー約10艇で抗議をしている。そのうち、臨時制限区域に沿った支柱付きの浮具(フロート)内に入った抗議船1隻とカヌー3艇が海上保安官によって一時拘束された。抗議船を拘束するために海保のボートが横付けした際、船の左側面後方に傷が付いたとして、市民らは『賠償しろ』と抗議した。」
③「工事関係資材などの出入り口となる米軍キャンプ・シュワブのゲート前では反対する市民約170人が集会を行いながら、工事車両を警戒している。午前11時時点で工事車両の出入りはない。」


(7)琉球新報-飛行差し止め求め控訴 第3次嘉手納爆音原告団-2017年3月8日 13:55


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「第3次嘉手納爆音訴訟の原告団と弁護団は8日、米軍機の夜間飛行差し止め請求を棄却した2月23日の那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)判決を不服として、福岡高裁那覇支部に控訴した。控訴審で原告は、騒音被害が健康被害であることの立証に注力し、米軍機の夜間飛行差し止めや1審のおよそ1・5倍となる損害賠償額の増額、将来請求などを求める。」
②「1審判決は、健康被害の一部を認め、子どもや戦争体験者への爆音の悪影響に言及したほか、損害賠償基準額を過去最高水準に設定するなど前進も見られた。一方、米軍機の飛行差し止めについては、被告(国)の支配が及ばない第三者(米国)の行為の差し止めを請求するものだとして、従来の基地爆音訴訟と同様に『第三者行為論』を採用して棄却した。」
③「控訴前の事前決起集会で新川秀清原告団長は『今日から新たな戦いが始まる。静かな夜を取り戻し、子や孫に胸をはれるよう頑張ろう』と呼び掛けた。」


(8)琉球新報-菅氏「状況大きく変化」 普天間5年内停止-2017年3月8日 11:08


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「菅義偉官房長官は7日午後、宜野湾市の佐喜真淳市長から2019年2月までの普天間飛行場の運用停止(5年以内運用停止)の実現を要請された。その後の記者会見で、5年以内運用停止について『(国と県が合意した)当時と状況は大きく変わってきている』などと述べ、翁長雄志知事の姿勢などを理由に実現が困難になっているとの見解を改めて示した。」
②「菅氏は『(運用停止は)地元の協力が得られることが前提だ。しかしながら、翁長知事が埋め立て承認を取り消したことで政府と沖縄県の間で訴訟が起きた。大きな変化が生じている中で、5年以内の運用停止というのは、なかなか容易ではない』などと強調し、県との訴訟などを経たために、政府が仲井真弘多前知事と5年以内運用停止を合意した13年末当時とは状況が変わったとの考えを述べた。」
③「菅氏への要請後の佐喜真市長によると、菅氏は『地元の要望を重く受け止めていきたい』などと述べた上で、同飛行場の負担軽減策を話し合う『普天間飛行場負担軽減推進会議』の開催を検討する考えを示した。」
④「5年以内運用停止を巡り、安倍晋三首相は2月の衆院予算委員会で『残念ながら翁長知事に協力していただけていない。難しい状況だ』と述べ、実現は困難との見解を示している。佐喜真氏は鶴保庸介沖縄担当相にも運用停止を要請した。」




by asyagi-df-2014 | 2017-03-08 18:26 | 沖縄から | Comments(0)

「辺野古が唯一の解決策」を考える。(1)-沖縄タイムス社説より-

 安倍晋三首相は、いつもの調子で、「辺野古が唯一の解決策」、と言いきる。
彼の自分だけの切迫感は、いつしか大衆の心を支配していく。そんな絵面が、浮かんでくる。
 やはり、安倍晋三だけでなく日本の「辺野古が唯一の解決策」を捉え直さなくてはならない。


 沖縄タイムスは2017年2月28日に「[辺野古代替案提言]計画見直しのうねりを」、「『辺野古唯一』に代案 合理性を世論に訴えよう」、と社説を掲載した。
 まずは、この沖縄タイムスの社説で、この問題を考える。
 沖縄タイムスは、「米軍普天間飛行場の辺野古移設計画について検討してきた民間のシンクタンク「新外交イニシアティブ(ND)」は27日、那覇市内でシンポジウムを開き、辺野古に代わる代替案を明らかにした。」、と伝える。
 また、その代替案について、「『辺野古が唯一の解決策ではない』『今こそ辺野古に代わる選択を』-シンポジウムに込められたメッセージは明瞭である。単なる願望の表明ではなく、日米双方にとってのメリットにも配慮した具体的提言になっているのが特徴だ。」
、と評価する。
 沖縄タイムスは、NDの「代替案」の内容について、「提言をきっかけに議論が深まり、辺野古に代わる解決策を求める声が国内外で高まるのを期待したい。」、とし、次のように説明する。。


(1)日米が合意した再編計画によると、沖縄の海兵隊のうち、主力の第4海兵連隊を含む約9000人をグアム、ハワイ、オーストラリアに移すことになっており、実戦部隊で沖縄に残るのは第31海兵遠征隊(31MEU)だけになる。
(2)31MEU(2000人規模)は、長崎県佐世保に配備されている揚陸艦に乗ってアジア太平洋地域を巡回し、非戦闘員救出や人道支援・災害救援、各国との共同訓練などに参加している。沖縄には1年の半分程度しかいない。
(3)代替案は、海兵隊の運用を見直し、31MEUの拠点を沖縄以外に移転することによって新基地を建設することなしに普天間返還を可能にする、というアイデアだ。海兵隊が担ってきた人道支援・災害救援の活動を自衛隊も分担し沖縄に連絡調整センターを置くことや、同活動のため日本が高速輸送船を提供する、ことなども盛り込んでいる。


 ただ、この「代替案」について、次のような押さえもする。


(1)このような提言に対しては、「海兵隊がいなくなると中国が沖縄を取りに来る」「中国に誤ったメッセージを送ることになる」との疑問や批判が直ちに起こりそうだ。
(2)そのような指摘は検証不可能なだけに一人歩きし、ネットを通して拡散しやすいが、柳澤協二・元内閣官房副長官補が指摘する別の側面を見逃すわけにはいかない。「米国が海兵隊を中国向けに使う、そのために辺野古が必要という誤ったメッセージのほうが、はるかに危険だ」(26日付本紙)。
(3)日米防衛協力のための指針(ガイドライン)では尖閣を含む離島防衛は主として自衛隊が担うことになっている。
(4)「中国の弾道ミサイルの発達で沖縄の米軍基地は脆弱(ぜいじゃく)になった」と、基地の分散化を主張するのはジョセフ・ナイ元米国防次官補である。「沖縄でなければ」という議論は成り立たなくなった。 


 最後に、沖縄タイムスは、次のようにまとめる。


(1)翁長雄志知事は、来県した岸田文雄外相に普天間飛行場の県外移設や5年以内の運用停止など12項目の要望をまとめ、文書で要請した。「辺野古移設に固執すると、今後の日米安保体制に禍根を残す」との翁長知事の指摘は、NDの提言とも基本認識で共通する。県も新たなステップを踏み出すときである。
(2)反対を主張するだけでは建設を止められない。米世論を動かし計画見直しの機運を作り出すためには、辺野古に代わる選択肢を県が何らかの形で示す必要がある。


 私たちは、長い間の労働問題の裁判闘争等の中で、被害者が立証責任を求められる、という理不尽さに辟易してきた。
 沖縄の問題も、また、「反対を主張するだけでは建設を止められない。米世論を動かし計画見直しの機運を作り出すためには、辺野古に代わる選択肢を県が何らかの形で示す必要がある。」(沖縄タイムス)、という構図から自由ではないということの覚悟がいるということなのかもしれない。
 まずは、「辺野古が唯一の解決策」を打ち切るためには、この地平に立つことが必要である、ということである。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-08 07:46 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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