2017年 03月 04日 ( 3 )

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月4日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 2017年3月4日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


 そうなのだ。
 「名護市辺野古の新基地建設を巡る訴訟で県と国が和解してから4日で1年」になった。
 このことを、沖縄タイムスは、「国は、昨年末の辺野古違法確認訴訟で勝訴し工事を再開したが、翁長雄志知事はあらゆる手法で阻止する姿勢をみせる。」、と伝え、その背景を「違法確認訴訟に至る和解条項の『判決に従い、互いに協力して誠実に対応する』という文言を巡る見解の相違があ。」、と説明する。
 これまでの経過を見た時、確かに、「国は一方的な『解釈』のもと、新基地建設工事を強行」するという、あざとい安倍晋三政権の手法が際立つ。


(1)琉球新報-文化の力で基地建設止める 辺野古ゲート前、三線と琉球舞踊披露 きょう「さんしんの日」-2017年3月4日 11:50


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「名護市辺野古への新基地建設阻止に向けて市民が抗議行動を続ける米軍キャンプ・シュワブゲート前で4日午前「さんしんの日」に合わせた三線演奏会が始まった。三線や箏の奏者20人の演奏による『かぎやで風』の踊りで幕開けし、ゲート前に集まった100人以上の市民も『てぃんさぐぬ花』の合唱やカチャーシーで盛り上がった。若者たちの歌など芸能の披露が続き、正午の全県一斉の三線合奏にも加わった。」
②「飛び入りで参加した彫刻家の金城実さんは『滝落とし』の演奏に乗せて、げたを持って踊る『げた踊り』を勇壮に披露した。金城さんは『太刀を持つことが許されなかった琉球の人たちが、薩摩の役人の横暴から逃れるためにげたを持った。攻撃のためではなく身を守るための文化だ』と紹介した。」
③「ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は『ゲート前のさんしんの日演奏は3年目になる。沖縄には文化の力がある。どんな妨害があろうと、政府が辺野古の基地建設をあきらめるまで何度でもやる』と語った。」
①「午前10時半時点で工事関係車両の基地内への出入りはなく、約150人の市民がゲート前の沿道に集まっている。海上では新基地建設に反対する市民らが抗議船2隻とカヌー10艇で工事の様子を警戒しているが、作業の様子は確認されていない。」



(2)琉球新報-「民主主義問われる」 辺野古新基地で志位委員長 名護市長と面談-2017年3月4日 14:17


 琉球新報は、「共産党の志位和夫委員長は4日午前、名護市役所に稲嶺進名護市長を訪ね、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設に向けた連携を確認した。志位氏は辺野古新基地建設阻止を掲げる県や市、市民らの動きに関し『日本の民主主義が問われる闘いだ』と述べた。解散・総選挙の可能性が指摘される衆院選、来年の名護市長選や知事選などで野党共闘を結束させ、勝利を目指す考えを示した。稲嶺市長は『野党共闘を成功させてほしい』と期待した。」、と報じた。
 また、「志位氏は辺野古の浜テントや米軍キャンプ・シュワブゲート前も訪れ、辺野古新基地建設に反対する市民らにあいさつし、国会や各種選挙で基地建設阻止へ尽力することを誓った。」、と報じた。


(3)沖縄タイムス-経団連会長「返還は効果大きい」 普天間飛行場の跡地利用に協力示唆-2017年3月4日 09:16


 沖縄タイムスは、「日本経済団体連合会(榊原定征会長)と九州経済連合会(麻生泰会長)の役員らが3日、宜野湾市役所を訪ね、同市の佐喜真淳市長から米軍普天間飛行場の現状と跡地利用に向けた取り組みなどについて説明を受けた。会合は非公開だったが、終了後、榊原会長は記者団に対し『返還後は年間8千億円の経済効果があるという。(跡地の)有効活用は県民全体に効果が大きい』と経済界としても普天間の跡地利用に協力する考えを示した。」、と報じた。
 また、「佐喜真氏は、市がふるさと納税や寄付金なども活用し2017年度中の設立を構想する、跡地利用や人材育成などのための基金についても協力を求めた。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-辺野古訴訟、県と国の和解から1年 条項、割れる見解-2017年3月4日 09:13


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設を巡る訴訟で県と国が和解してから4日で1年になった。国は、昨年末の辺野古違法確認訴訟で勝訴し工事を再開したが、翁長雄志知事はあらゆる手法で阻止する姿勢をみせる。背景には、違法確認訴訟に至る和解条項の「判決に従い、互いに協力して誠実に対応する」という文言を巡る見解の相違がある。」(政経部・大野亨恭、東京報道部・上地一姫)
②「2016年3月4日、翁長知事と安倍晋三首相は、福岡高裁那覇支部が示した(1)埋め立て工事を直ちに中止する(2)判決が確定するまで円満解決に向け協議する(3)確定判決には従う-ことが柱の和解を受け入れた。一審、福岡高裁那覇支部判決で国が勝訴した後、12月の最高裁弁論で、県は違法確認訴訟を和解の「枠外」とする一方、国は「枠内」と主張した。国が枠内を主張する背景には、和解条項を盾に撤回などの知事権限の“封印”を狙う国の思惑が透けて見える。」
③「国は『判決に従い、互いに協力して誠実に対応する』との文言を利用し、知事は埋め立て承認を復活させ、その後も知事権限などは行使しない-と県の動きを縛ることを狙う。
一方、県は、最高裁判決は数ある知事権限の一つへの判断にすぎないとし、和解にある「互いに協力」という文言は今後の知事権限を縛るものではないと反発する。和解で想定していたのは『是正指示取り消し訴訟』だったが、実際に県と国が争ったのは違法確認訴訟だったため、そもそも和解条項は適用外との認識だ。」
④「だが国は、『法治国家であり、判決や和解に従い埋め立て工事を進める』(菅義偉官房長官)と繰り返す。国は一方的な「解釈」のもと、新基地建設工事を強行している。」


(5)沖縄タイムス-「政治色が強い」会場使用認めず 孫崎享さん勉強会「沖縄とトランプ大統領」-2017年3月4日 11:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「県立博物館・美術館を運営する指定管理者『沖縄美ら島財団』(花城良廣理事長)は3日までに、『沖縄とトランプ大統領』をテーマに元外務省国際情報局長の孫崎享さんを招いた勉強会(主催・東アジア共同体研究所琉球・沖縄センター)の会場使用について、『政治色が強すぎる』などの理由で申請を認めない決定を出した。主催者の緒方修センター長は『過去に講演会やシンポジウムを開いているが、なぜ今回はだめなのかが分からない。孫崎さんの現政権批判の論調が理由なら、言論の自由に関わる問題だ』と批判している。」
②「緒方センター長によると、20日に予定していた勉強会はトランプ米大統領の就任と、名護市辺野古の新基地建設や中国脅威論に固執する安倍政権とのはざまで沖縄はどうするべきかを考える趣旨だった。2月中旬、同館に会場の申請を出したが、担当者から『中身がそぐわないので貸すことができない』との連絡があったという。緒方センター長は『米国と安倍政権に翻弄(ほんろう)される沖縄、基地問題について、県民が知りたいテーマでもある』と指摘。『孫崎さんの勉強会の、どこがそぐわないのかが分からない。今回のような対応がまん延すれば、次第に公共的な施設では自由な言論は禁止になりかねない』と訴え、同館に文書での回答を求めた。」
③「一方、昨年4月から同館施設を運営する指定管理者の美ら島財団の担当者は、孫崎さんの勉強会を『政治色が強い』との理由で会場使用を不許可にしたことについて『同館設置の趣旨に則していなかった。政治色の判断基準は決まっていないので難しいが、統括と班長、担当者3人の計5人でさまざまな観点から判断した』と説明した。県と協議した結果、4月以降の施設利用について『土日、祝日は設置目的に沿った事業への利用を優先し、仮予約の時点で内容や趣旨などを精査することに決まった』と説明。勉強会の予定が3月中にもかかわらず、4月以降の利用基準で判断したことについては『担当者の誤りだった』と同センターに謝罪した。」




by asyagi-df-2014 | 2017-03-04 17:22 | 沖縄から | Comments(0)

大阪地裁は、改めて禁止を求めるとともに、実施した場合、仮処分申請をしたNPOに1日当たり60万円の支払いを命じる決定。

 朝日新聞は2017年3月4日、標題について次のように報じた。


(1)大阪市生野区内で「ヘイトスピーチ」のデモを禁じる仮処分決定を受けた大阪府内の団体メンバーの男性に対し、大阪地裁は改めて禁止を求めるとともに、実施した場合、仮処分申請をしたNPOに1日当たり60万円の支払いを命じる決定を2日付で出した。
(2)NPOは在日コリアンの人権擁護活動をしている「コリアNGOセンター」(大阪市生野区)。男性がデモを昨年12月29日に実施すると予告したため、差し止めを求めて申し立て、大阪地裁は同月20日、センターの半径600メートル以内での侮辱や名誉毀損(きそん)行為を禁じる仮処分決定を出していた。
(3)センター代理人の林範夫弁護士は「仮処分決定が出たにもかかわらず、本人が年末年始に何度も対象地域周辺に来たため、申し立てた。今回の決定により、鶴橋周辺では事実上、ヘイトスピーチをさせない抑止的な効果があると思う。もし、ヘイトをやろうとする者がいれば、我々はまた同じような申し立てをする」と話した。
(4)センターは、男性が昨年のデモなどを実施した場合は1日につき100万円を支払うよう求める間接強制の申し立てを出していた。


 2016年12月20日のことについては、毎日新聞が次のように報告していた。


(1)在日コリアンへの差別や排除をあおるヘイトスピーチを巡り、大阪地裁(森純子裁判長)は20日、大阪市生野区でデモを主催した大阪府内の男性に対し、同区のNPO法人の事務所から半径600メートル以内でのデモを禁止する仮処分決定を出した。法人が13日に仮処分を申し立てていた。禁止圏内には、JR鶴橋駅や在日コリアンが多く暮らすコリアタウンが含まれる。
(2)法人は民族教育などを進める「コリアNGOセンター」(生野区桃谷3)。法人によると、ヘイトスピーチ対策法が成立した今年5月以降、同種の仮処分決定は、6月の横浜地裁川崎支部に続き全国で2例目。
(3)申立書によると、「在日特権を許さない市民の会」元幹部の男性がネット上で、今月29日に鶴橋駅周辺で「防犯パトロール」と称したヘイトスピーチデモを行うと予告した。 法人は大阪市が国内で最も多くの在日コリアンが暮らす自治体だとしたうえで、「出自を理由に差別されない権利の保護は極めて重要」と主張。デモは人格権を侵害するとして差し止めを求めた。
(3)大阪市では7月、ヘイトスピーチをした団体などの公表を盛り込んだ全国初の条例が施行されたが、対策法と同様、事前規制や罰則の規定はない。 法人の郭辰雄代表理事は「今回の司法判断は画期的で、ヘイトスピーチ防止に大きな弾みがつく」。元幹部の男性は「今回の活動は防犯パトロール。ヘイトスピーチには当たらない」とコメントした。



 ヘイトスピーチ対策法は、残念ながら事前規制や罰則の規定はない。しかし、このような積み重ねで、「ヘイトスピーチをさせない抑止的な効果」を発揮していくことが、現状では重要である。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-04 12:01 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

沖縄から-三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第66回

沖縄の地で、体を張って新しい歴史を作ろうとしている人たちがいる。
そこには、その煌めきの記録を残そうとしているジャーナリストがいる。
だとしたら、その生きざまの瞬間を私たちは受け取る必要がある。
三上知恵の沖縄撮影日記。

 
 今回の報告は、「ヒロジを返せ! 県民大集会」。
この報告で、三上さんが最も訴えたかったことの一つは、次のことです。


 「アノヒトタチ、無責任だわ。中国が攻めてきたらどうするの?」と沖縄の基地反対運動を白い目で見る人々が増えているようだが、中国の脅威より先に、一人ひとりの人権が守れない国になっている恐怖になぜ鈍感でいられるのだろうか。弾圧が始まっている危機になぜ気づかないのだろうか。国の都合で人権が奪われても仕方がない人がいる、なんてことを認めてしまったら、どれだけ恐ろしい社会が復活してしまうのか想像できているだろうか。それは、こんな不当な長期勾留を傍観しているあなたがたが作り出してしまう社会なのだ。」


 三上さんの66回目の報告です。


(1)「ヒロジを返せ! 県民大集会」の熱気を伝えます。


 「ヒロジを返せ!ヒロジを返せ!」
 裁判所の職員が制止するのを振り切って数百人が敷地になだれ込んだ。「代表だけにしてください!」「プラカードはだめです!」

 しかし、集会参加者の熱を抑え込むことは、もうできなかった。
 2月24日。裁判所前で開かれた博治さんら3人の即時釈放を求める大集会で、那覇地裁の阿部正幸所長あての即時釈放を求める抗議文を決議した。代表がそれを提出するために裁判所の敷地に入っていくときのことである。
 集まった人々の思いは強く、沖縄県警もなすすべがない。裁判所の玄関を埋め尽くした人々の歌「今こそ立ち上がろう」を聞いているしかなかった。右奥の建物には、沖縄の平和運動を牽引してきた唯一無二のリーダー・山城博治さんが勾留されている。もう四カ月も、家族に会うことさえできぬまま、手紙も受け取れない、人権を侵された状態で囚われの身となっている。
 でも、この日は1000人を超える人たちのシュプレヒコールが、冷たいコンクリートに囲まれた空間にも届いただろう。博治さんは自分で作詞した「今こそ立ち上がろう」の合唱を聞いて、3畳の部屋でむせび泣いていたかもしれない。参加者の目にも涙があった。何人も泣いていた。「ヒロジ」と書かれたプラカードが空につきあげられ、抗議の声は途絶えることなく那覇に街に響き渡っていた。「われらのリーダーを返せ!」の声は長い列となって、重い冬曇りの国際通りを練り歩いた。


(2)三上さんは、今回の逮捕劇の愚かさを報告します。


 一本千数百円しかしない有刺鉄線を二本切った。それで逮捕拘束された例があるだろうか。器物損壊といってもごく微罪である。その後、辺野古のゲート前にブロックを積んだこと、防衛局員を揺さぶってけがを負わせたこと、いろいろ合わせて威力業務妨害と傷害容疑だという。証拠隠滅もできない、逃亡の恐れもない博治さんを4カ月も勾留するに足る正当な理由など全く見当たらない。それなのに最高裁は保釈を認めなかった。人権の最後の砦であるはずの司法は、またも沖縄のためには機能しなかった。これは明らかに、国の方針に背く表現などは認めませんよ、という権力を使った恫喝である。反対運動するとこうなりますよ、という表現行為の萎縮を狙った見せしめ行為に裁判所がお墨付きを与えたも同然であり、これは日本国民の表現の自由の一角が確実に崩れ始めている姿そのものである。


(3)さて、山城博治さんについては、こんな報告です。


 博治さんは稀有なリーダーである。よく泣く。人前でわんわん泣く。怒鳴るし怒るけど、豪快に笑う。すぐ踊る。大衆の抵抗運動を指揮する軍師としての才能は、いうまでもない。非暴力でありながらひるまずに実力阻止をする体制を次々と編み出して、ケガ人も逮捕者も極力出さない中で、継続可能な抵抗の形を維持する。何よりも、圧倒的に不利な状況にあるときにこそ、「今日はこちらが勝っているぞ! なぜなら…」と意気消沈する仲間を鼓舞する天才なのだ。小さな勝利を見つけるのがうまくて、小さな勝機を最大限に活かす。一緒にいると、もっと頑張れるという気持ちを全員が持てる。明日も来ようという楽しさまで生まれてくる。

 その中でも、私が博治さんを突出したリーダーだと思うのは、常連であれ初心者であれ、地元からだろうと本土からだろうと、まったく分け隔てなく来てくれる人たちを大切にする細やかさだ。名前を覚える。役割を与える。短気で怒鳴ったときでも、後で必ず頭を下げ、言い過ぎた、という。何より同じうちなーんちゅだろう? という姿勢で沖縄県警にも防衛局員にも、警備のアルソックにも話しかける。対立しながら、本当の敵はお前たちではない。こっち側に来たかったらいつでも大歓迎だ。電話してこい! と携帯番号も叫ぶ。そんな博治さんだから、悪性リンパ腫で入院生活に入るときにも、いつもは激しくぶつかり合っている沖縄県警のなじみの警官たちが心配して駆け寄ってきた。

 「新聞で読んだよ」「知らなかったよ」

 中には肩に手を当てて、一刻も早く良くなって。また戻ってこられるように…と言ってくれた警官もいたという。その日の様子は撮影できなかったが、6月23日の慰霊の日に合わせて、博治さんが抗がん剤治療のスケジュールの合間に、入院先から一度ゲートに戻った日に私はカメラを回していた。頭に毛がなくなり、マスクをして、両脇を抱えられるように歩く博治さんだったが、ゲート前まで来ると県警の3人が近づいてきた。

 「元気そうだね…」「嬉しいような。難しいね」と言って笑いあっていた。「高江からだから、もう長いもんな。情が移らないと言ったら、うそになるよな」。そういう博治さんも嬉しそうだった。名護署員だったと思う。サングラスをしていて目は見えなかったが、彼も嬉しそうだった。そしてこう言った。

 「元気になってから、また、お互い暴れましょう」

 彼に会ったことがある人は、30分で彼を好きになるだろう。私は15年博治さんを見てきたが、彼のことはよく知ってるつもりだ。でも今、モザイクをかけ、意図的に編集した博治さんの携帯電話レベルの動画が流布され、辺野古の過激派リーダーという虚像が作り上げられている。趣味の悪い戯言と言っていられないほど出回って、ついにテレビ番組で無批判に取り上げられる世の中になった。逮捕されても仕方がない悪人であると思い込みたい人たちも視聴者の中にはたくさんいるようで、沖縄ヘイトが一つの社会現象にまでなった感がある。


(4)三上さんは、こんな取り組みを。


 『標的の村』『戦場ぬ止み』、いずれを見ていただいても、リーダー山城博治の魅力は伝わると思う。間もなく25日から公開になる(沖縄は11日から)『標的の島 風かたか』も、さらに人間臭い博治さんの姿が見る人の心をとらえるだろう。それでも、世の中の人たちが「ニュース女子」のような番組を見て基地反対運動を分かったかのような態度で切り捨てていく現象に歯止めがかけられない、追い付かない、と焦りが募る。

 私は考えた。一つ、私にできることとして、博治さんの魅力を25分にまとめたVTRを作った。そして、今月発売になるDVD『戦場ぬ止み』の特典映像とした。すでにこの映画を見た人でも、未公開映像25分『不死鳥 山城博治』を見るために、また手に取ってくれるかもしれない。DVDなら、自宅でゆっくり何度でも見ることができる。誰かにあげることもできる。そういう場所に、ちゃんと正面から博治さんをとらえた映像を、置いておきたかった。そこには、入院する前のゲート前最後の日の映像から、退院して歌と踊りで迎えられた2015年9月20日の復活の日、正月の大演説まで、人間・山城博治の名シーンが詰まっている。私たち映画スタッフから博治さん救済のためにできることはこんなことしかないが、最大の愛を込めて作った。

 今、予約販売をネットで受け付けているので、予約だとずいぶん安く、3000円ちょっとで買える。沖縄の平和運動を誤解しているかもしれない人がいたら、ぜひ紹介してほしい。このマガジン9の読者はここで私の動画でたくさん見てくれているかもしれないが、いずれもニュースでは全く流れてないものばかりである。どんな思いで基地建設に反対しているのか、どんな人たちが毎日踏ん張っているのか。日当をもらっているとか、外国人ばかりとか、まったくのデマを信じ込まされる前に、映像を見てほしい。


(5)最後に、金沢の地で三上さんが得たもの。「決意」について。


 ところで、私は今日金沢に来ている。昨夜遅くまでかかって、新しい映画の最後の作業を東京で終えて、その足でやってきた。石川県は3年前、県内9カ所で連続して『標的の村』上映活動を大成功させてくれた土地だ。まだ放送局員だった私に、こんな風に熱烈な支援で、沖縄も、動画製作者も支えようという人々がいることを力強く示してくれた場所だった。それは、アメリカ軍の試射場の建設問題と闘って勝った内灘とか、珠洲の原発反対運動に勝ったとか、そこに至る苦労をよく知る土地柄だったことと無縁ではない。

 内灘闘争のあった土地に生きるある女性が「金は一年 土地は万年」と書かれたむしろ旗を沖縄の闘争現場に持って行ったとき、博治さんがすかさず「内灘からですか」と笑顔で言ってくれたそうだ。彼女はすっかり感激し、博治ファンになったという。博治さんは日本各地の住民闘争について深い思いを持っていた。だから沖縄だけが被害者であるような言い方もしなかったし、遠くから来てくれる方々の思いに報いたいと懸命だった。

 この女性が言っていた。初めて辺野古に行っておろおろしていた時に、やさしく声をかけてくれたのが博治さんだった。そして、いつも来る人たちに対して、「周りを良く見てほしい。一人でいる人がいないか。遠くから一人でも来てくれている仲間を大切にしてほしい。目配りをしてほしい」と。

 私は今夜その話が聞けてとても嬉しかった。遠い金沢で、博治さんを知る人がたくさんいて、そのすごさを口々に語るのを見て誇らしかった。過激派呼ばわりされ貶められ幽閉されたままの今の状況に焦って空回りしていたけれど、全国には博治さんのことをちゃんと知ってる人がたくさんいる。自分のことのように心配してくれている人がたくさんいる。山城博治は沖縄県民の誇りであるだけでなく、日本中のがんばっている人たちの誇りでもあるのだ。また不死鳥のように現場に舞い戻ってくるその日まで、自分のやるべきことをやろう。彼の分まで頑張ろうと歯を食いしばっているたくさんの仲間たちと同じように。


 以下、三上智恵の沖縄(辺野古・高江)撮影日記第66回の引用。






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