2017年 03月 01日 ( 2 )

沖縄-辺野古-高江-から-2017年3月1日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


「米軍北部訓練場の一部返還の条件だったヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設事業で、沖縄防衛局が発注後に契約を変更し、工事費がN1地区で約1億9千万円から約11億6千万円と6・1倍に、G地区で約2億1千万円が約11億3千万円と5・4倍に膨らんだことが28日分かった。抗議活動に対応する警備業務の追加や、工期短縮のためのヘリコプターでの資材空輸などを主な要因としている。」、と沖縄タイムスは伝えた。
 これに対して、専門家の反論は、「5倍、6倍に膨らむのは考えられない。契約をやり直すべきだ」「沖縄総合事務局の調整官として沖縄振興の公共事業でダムや空港、道路の整備に関わってきたが8~9回の契約変更や、5~6倍の工事費増というのはあり得ない。異常事態だ。会計検査の対象になるだろう。」「増額を伴う契約変更の繰り返しは「国策」や「住民の反対」とは別に、公共事業の執行の適正化という観点から違和感を持つ」、ということ。
 まさしく、「異常事態だ」。


 2017年3月1日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-1億9千万円が11億6千万円に 高江ヘリパッド工事費、増えた理由は-2017年3月1日 07:20


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍北部訓練場の一部返還の条件だったヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設事業で、沖縄防衛局が発注後に契約を変更し、工事費がN1地区で約1億9千万円から約11億6千万円と6・1倍に、G地区で約2億1千万円が約11億3千万円と5・4倍に膨らんだことが28日分かった。抗議活動に対応する警備業務の追加や、工期短縮のためのヘリコプターでの資材空輸などを主な要因としている。」
②「同事業では、二つのヘリパッドと進入路などを整備するN1地区で9回、一つのヘリパッドを建設するG地区で8回、契約を変更。事業は続いているため、さらに増える可能性がある。平和市民連絡会の北上田毅さんが情報公開請求で資料を入手した。いずれも一般競争入札。N1地区では2014年1月に1億8900万円、落札率96・8%で北勝建設、G地区では15年1月に2億520万円、落札率92・1%で仲程土建と契約した。」
③「東村高江の集落を囲むように六つのヘリパッドを建設する事業の一環で、県内外から反対する市民らが集まり、抗議活動を展開。着工できない状態が続いたが、政府は昨年7月、最大800人の警察機動隊を動員し、工事を強行した。N1地区では昨年8月に警備業務の追加で、約6億円、同10月に歩行訓練ルート整備やヘリコプターでの資材運輸31回で約3億2千万円を増額した。G地区では同8月に警備業務で約2億8千万円、同10月に資材空輸24回などで約6億2千万円を増額した。」
④「防衛局は沖縄タイムスの取材に、反対する市民のテントや車両が放置され、通行困難な状態が続いたことから契約変更が必要となったと説明している。北上田さんは『5倍、6倍に膨らむのは考えられない。契約をやり直すべきだ』と指摘。昨年12月の北部訓練場の過半返還を急いだため、警備強化、ヘリでの搬入が必要だったと批判し、『許し難いとしか言いようがない』と語った。H地区では2億1800万円で契約し、昨年12月に契約変更したが、151万円の小幅な増額にとどまっている。」
⑤宮田裕沖国大・沖大特別研究員の話:「沖縄総合事務局の調整官として沖縄振興の公共事業でダムや空港、道路の整備に関わってきたが8~9回の契約変更や、5~6倍の工事費増というのはあり得ない。異常事態だ。会計検査の対象になるだろう。積算根拠を含め合理的な説明が必要だ。そもそも公共事業で、警備予算を上積みするのが考えられない。増額を伴う契約変更の繰り返しは「国策」や「住民の反対」とは別に、公共事業の執行の適正化という観点から違和感を持つ。


(2)沖縄タイムス-「貧乏退散」シール、入居窓口から見える位置に 沖縄県住宅供給公社-2017年3月1日 07:51


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県住宅供給公社(那覇市旭町)で、公営住宅の入居申請などを受け付ける窓口カウンター内に『貧乏退散』と書かれたシールが貼られていたことが28日、分かった。2月上旬に外部からの指摘を受け、公社は『不適切だった』と謝罪。シールを剥がしたが、生活困窮者の支援者は『貧困を、自分たちが生きる社会の問題として考えていない証拠だ』と厳しく批判している。」(社会部・島袋晋作)
②「シールは、カウンター越しにあるキャビネットに貼られ、来訪者から見える状態だった。そばには『どん底』『人生強気』と書かれたシールも貼られていた。」
③「2月上旬、団地への入居継続を希望する男性の付き添いで公社を訪れた司法書士の安里長従さんが発見。問題を職員に指摘し、経緯や趣旨の説明を求めた。指摘を受けた公社はシールを剥がすとともに、職員や退職者を含む歴代の担当者から聞き取り調査をしたが、住宅部の崎浜秀人部長は『時間が経過し、経緯が確認できなかった』『指摘を受けるまで誰も気付かなかった』と説明。いつから貼られていたかも不明という。シールは『駄菓子の景品』であり、『何げなく貼ったと推測され、意図したことはないと考えている』との見解を示した。その上で『窓口に来られた県営住宅の入居者らに対して、不快な思いをさせたことに心よりおわびする。配慮が足りなかった』と謝罪。全職員に対して注意喚起したと説明した。」
④「沖縄憲法25条を守るネットワーク(沖縄25条の会)の事務局長も務める安里さんは『生活困窮者も訪れる場所。長期間貼られていても、そこに想像力が及ばなかったことこそが問題だ』と批判。『行政がそういう感覚でいれば、市民による貧困の自己責任論やバッシングにもつながりかねない』と警鐘を鳴らした。」
⑤「県住宅供給公社の窓口カウンター内に『貧乏退散』と書かれたシールが貼られていたことに対し、県営住宅の住民は不信感と怒りをあらわにした。『「何、これ、私たちを差別しているの』。那覇市古波蔵の県営住宅に住んで25年になるという女性(52)は、記者からシールの写真を見せられて驚きの声を上げた。『何の目的で、どういう意味で貼っていたのか知りたい。嫌な気持ちになった』と険しい表情で話した。両親と一緒に入居する女性(36)は『約30年住んでいるが、両親は申請のたびに【すみません】との思いで頭を下げている。気持ちが苦しい』と語った。」
⑥「小学生の子どもを含め、家族5人で住んでいる男性(37)は『こんなシールが貼られているのに、職員の誰一人と気付かなかったことが許せない。そういう目で入居申請する人を見ているのだろう』とあきれた。同市壺川の県営住宅に住む男性(50)は、姉と母親の3人暮らし。『ぎりぎりの生活をしている自分たちに向けて言われているみたいで涙が出る』と悲しげな表情。『もしステッカーを見つけていたら、その場で剥がしてやりたい。悔しい』と憤った。」


(3)琉球新報-宮古島でもサンゴ死滅 高水温原因、八重干瀬で68%-2017年3月1日 05:00


 琉球新報は、「環境省は28日、宮古島周辺でもサンゴの白化が進み、約3割が死滅したと発表した。特に池間島北部にあるサンゴ礁群「八重干瀬」の平均サンゴ死滅率が68%に上り、同省が本格調査を始めた2004年以降、初めて60%を超えたと発表した。前年度の死滅率は0%だった。同省自然環境局生物多様性センターの担当者は昨夏の長期的な高海水温が原因だと指摘した上で『国内有数の貴重なサンゴ礁にとって大きな打撃となった』と述べた。」、と報じた。
 また、「同海域は平均サンゴ被度も前年度比26ポイント減の9%で他の海域と比較して影響が大きかった。また、同海域周辺では感染症の一種で、サンゴが白っぽくなる『ホワイトシンドローム』という病気の発生も確認された。」、と報じた。


(4)琉球新報-サンゴの7割死滅、過去最悪 沖縄・八重山の石西礁湖、白化が深刻-2017年2月20日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「沖縄県の石垣島と西表島の間にある国内最大規模のサンゴ礁『石西礁湖』の再生に向けた取り組みを話し合う『石西礁湖自然再生協議会』が19日、石垣市の八重山商工高校で開かれた。専門家や関係者ら約50人が参加し、昨年発生した大規模白化で約7割の群体が死滅した状況などを確認。報告では過去の大規模白化と比べても深刻であることが指摘され、今後の対策などについて意見交換した。」
②「琉球大学海洋自然科学科の中村崇准教授は環境省とともに昨年9月に調査しサンゴの種別でまとめた白化現象について報告。35地点で約6400群体を調べ、11種別の白化率などを分析した。結果コブハマサンゴを除く10種類で98%以上が白化、うち4種類は100%だったことを説明した。その上で『一度大規模な白化現象が起こると、地形の複雑さが失われ、多様性をつくる環境にも影響を与える。藻類の繁茂で元に戻りにくくなる』と指摘し『原因が分からないと対策もできない。どの種のサンゴが残り、どこの被害がひどいのかなど把握し分析するため継続的なモニタリングが重要だ』と提起した。」
③「そのほか昨年の海水温の状況やサンゴの病気などに関する報告もあった。同協議会は2006年に設置。今回で20回目。」


(5)沖縄タイムス-高江ヘリパッドに抗議、継続誓う シュワブ前で集会-2017年3月1日 13:15


 沖縄タイムスは、「名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前のテントで1日、東村高江周辺のヘリパッド工事への抗議継続を誓うアピール集会が開かれた。約250人が参加。ノグチゲラの営巣期に当たる3~6月の工事中断期間が始まったことに合わせた。
高江の住民が、米軍機事故を恐れて地域を離れる人が出ていると報告した。工事現場を調査した土木技術者は、すでにのり面が崩れかけ、芝生を敷いただけの実態を説明。『ずさんな工事に多額の税金が使われている。再整備でさらに額が膨らむ可能性がある』と批判した。」、と報じた。
 また、「一方、新基地建設に向けた作業が続くシュワブ沖の海上では、大型作業船がコンクリートブロック6個をクレーンで海中に投下した。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-嘉手納基地の旧海軍駐機場、今後も使用か 米総領事が示唆「外来機が飛来した場合」-2017年3月1日 13:05


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「北谷町と嘉手納町、沖縄市でつくる嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協、会長・野国昌春北谷町長)は28日、旧海軍駐機場を米空軍機が使ったことに対し、ジョエル・エレンライク駐沖米総領事に抗議した。三連協によると、エレンライク総領事は駐日米大使や本国、米軍に要請を伝え、両国間の協議は続けるとしながらも『嘉手納基地に外来機が飛来した場合のバランスを持たないといけない』と述べ、米軍の意向として旧駐機場を今後も使う可能性に含みを持たせた。」
②「三連協副会長の當山宏嘉手納町長は、発言に対し『外来機の飛来が増えているのは米軍の都合であり、海軍だけが使っていた旧駐機場を外来機が使っていいとはならない。負担軽減として移転を長年待っていた住民への裏切りだ』と抗議、騒音が発生する使い方をしないよう強く求めた。」
③「三連協は、旧駐機場の使用は1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意に違反すると問題視。抗議の文章を事前に駐沖米総領事に送っていたが、米軍だけでなく国務省ルートでも改善につなげようと直接、総領事に面談して要請した。」
④「エレンライク総領事は、昨年10月に米本国のF16戦闘機が未明に連日離陸し、100デシベル前後の爆音が測定されたことの再発防止策にも言及。『在沖米軍第18航空団司令官が上層部と掛け合い、外来機の深夜の離陸をしない方針を決めた』と話したという。」
⑤「嘉手納町屋良側にあった旧駐機場は昼夜を問わないエンジン調整音や悪臭があり、住民は被害を受け続けてきた。SACO合意に基づき、ことし1月中旬に滑走路を挟んで反対側となる沖縄市側に移ったが、直後に空軍機が旧駐機場を使用したことで住民の反発が高まった。新しい駐機場を造るために日本の税金157億円が使われている。」




by asyagi-df-2014 | 2017-03-01 16:41 | 沖縄から | Comments(0)

「働き方改革」を考える。(2)-日本労働弁護団「非正規雇用問題を真に解決するための立法を求める決議」より-

 朝日新聞は2017年2月23日、「政府の働き方改革実現会議(議長・安倍晋三首相)が22日開かれた。焦点の『残業時間の上限規制』を巡る突っ込んだ議論はなかったが、会議後、経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長はそれぞれ記者団に対し、できるだけ早くトップ会談の場を設けて合意形成を目指す考えを明らかにした。」、と報じた。
 安倍晋三政権による「働き方改革」がいよいよ正念場を迎える。
 このことを考える。
 2017年2月10日に行われた「高プロ・裁量労働制の規制緩和に反対し、真に実効性ある長時間労働規制を求める院内集会」で出されたアピールには、「日本社会に蔓延している長時間労働が引き起こす最大の問題は、数多くの労働者の命と健康を奪っているということである。」、と提起されている。
 安倍晋三政権の「働き方改革」を捉えることは、この政策がこの提起をどれぐらい踏まえることができているかということを基準に考えることである。
今回は、2016年11月12日の日本労働弁護団第60回全国総会で採択された「非正規雇用問題を真に解決するための立法を求める決議」から、政府の方針と非正規雇用問題や同一労働同一賃金問題を考える。
 日本労働弁護団は、安倍晋三政権のこのことに関する政策について、「安倍政権は、2016年6月2日に閣議決定した一億総活躍プランにおいて、『働き方改革』の一つとして、『同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善』をあげた。同プランは、我が国労働者の 4割を占める非正規労働者の賃金水準が低い現状を示したうえで、『再チャレンジ可能な社会をつくるためにも、正規か非正規かといった雇用の形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保する。そして、同一労働同一賃金の実現に踏み込む』 とする。」、と説明する。
 日本労働弁護団は、この政策について、次のように反論する。


(1) 雇用が不安定で賃金などの待遇も著しく低い非正規雇用労働者が我が国の労働者の約4割を占めるようなったのは、自公政権が非正規雇用を拡大する政策を取り続けてきたからである。
(2)安倍政権も、2015年9月の国会で労働者派遣法改正法を強行採決し成立させたが、 同改正法は、派遣労働者さえ入れ替えれば同一事業所で事実上無期限に派遣労働を使い続けることを可能とするものであり、「常用代替禁止」 の理念を放棄するものであった。
(3)非正規雇用労働の弊害をいうのであれば、非正規雇用労働者を増やさない・減らすことが必要であるが、安倍政権にそのような観点はない。
(4)今こそ、派遣労働、有期雇用労働についての厳格な入口規制が必要である。
(5)非正規雇用労働者の低処遇の問題についても、安倍政権は、やはり昨年9月、野党から提出されていた、いわゆる「同一労働・同一賃金推進法」を骨抜きにして成立させ、派遣労働者と正規雇用労働者との待遇格差を放置する立法政策を取った。非正規雇用労働者の待遇改善と真逆の態度をとってきたのである。現在議論されている労働契約法20 条等の改正についても、いわゆる「人材活用の仕組み」による「労働条件の相違の合理性」肯定の余地が残される恐れがある。非正規雇用労働者の低処遇の問題を真に解決するのであれば、 労働契約法20条やパートタイム労働法8条等の改正において、「人材活用の仕組み」を削除し、「職務の内容」 を合理性判断の基本とすべきである。
(6)その他、労働条件の相違に合理性があることについての立証責任が使用者側にあることを明記するなどの実効性ある措置も必要となる。


 この上で、日本労働弁護団は、「非正規雇用問題の真の解決のために、非正規雇用の入口規制、実効性ある不利益取扱い禁止を内容とする非正規雇用の『入口規制』と『不利益取扱い禁止』に関する立法提言骨子案」を2016年10月7日に発表した。当弁護団は、真の非正規雇用の問題解決のため、さらには男女賃金等の差別是正のために、今後とも取り組みを強める決意である。」、と宣言している。


 確かに、次のことが言える。


Ⅰ.非正規雇用労働の弊害をいうのであれば、非正規雇用労働者を増やさない、減らすことが必要であるが、安倍晋三政権にその観点はない。
Ⅱ.非正規雇用労働者を増やさない、減らす施策が必要である。そのために、派遣労働、有期雇用労働についての厳格な入口規制が必要である。
Ⅲ.非正規雇用労働者の低処遇の問題を真に解決するのであれば、 労働契約法20条やパートタイム労働法8条等の改正において、「人材活用の仕組み」を削除し、「職務の内容」 を合理性判断の基本としなければならない。


なお、日本労働弁護団は、同一労働同一賃金問題について、次のように押さえている。


「そもそも、同一価値労働同一賃金原則は、日本も1967年に批准しているILO100号条約「同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約」1951年採択)で明記されているように、本来は男女賃金等の差別是正のための原則である。安倍政権が、同一労働同一賃金を言うのであれば、現在も蔓延る男女の賃金格差も直視し、性による賃金などの差別禁止を実効のある法制度を検討しなければならない。」


 つまり、安倍晋三政権の同一労働同一賃金とは、常套手段であるスローガン主義に過ぎず、本質論とはほど遠いものである。


 以下、日本労働弁護団の決議の引用。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-01 07:52 | 書くことから-労働 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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