2017年 01月 31日 ( 3 )

沖縄-辺野古-高江-から-2017年1月31日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 「米NBCニュースは『オスプレイの着陸失敗は敵による襲撃とは関係がない』と報じた。」、と沖縄タイムスは、イエメンでのオスプレイの着陸失敗を報じる。
 また、「中央軍によると、作戦では、海軍特殊部隊シールズが同日未明にアルカイダの拠点を襲撃。激しい銃撃戦で1人が死亡、3人が負傷。米兵らの救出に派遣されたオスプレイが着陸に失敗し、さらに1人が負傷した。機体は着陸後に飛行不能となったため、意図的に破壊したという。複数の米軍事紙は、米軍筋による情報として『オスプレイによる負傷者は2人』などと伝えている。」、と沖縄タイムス平安名純代・米国特約記者は今何が行われているかを伝える。
 日本政府は、このオスプレイ墜落をきちんと把握し、その原因等を日本国民に知らせなけれなまらない。


 2017年1月31日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「危険と隣り合わせ」 那覇空港の空自機脱輪、足止めの乗客に疲労といら立ち-2017年1月31日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「航空自衛隊のF15戦闘機によるトラブルで約2時間にわたって滑走路が閉鎖された沖縄・那覇空港。欠航や目的地変更などで少なくとも7千人以上に影響を及ぼすなど、終日混乱した。出発ロビーは搭乗便の振り替えなどを求める観光客やビジネスマンらでごった返した。足止めとなった乗客からは那覇空港の軍民共用への疑問の声や、長引く待ち時間に疲れた表情を浮かべる姿も見られた。」
②「滑走路が閉鎖されて1時間以上が経過した午後2時20分ごろ、那覇空港の各航空会社のカウンター前には振り替え便を求める人が列をつくった。正午すぎの便で久米島に向かう予定だった清水せい子さん(67)=三重県=は『狭い機内で1時間以上も待たされ、頭がくらくらしパニック障害を起こす寸前だった』と疲れた表情を浮かべた。自衛隊機と民間機が共用する那覇空港については『危険と隣り合わせだ』と述べ、自衛隊や米軍基地など『戦争を連想させる全ての軍事機関に嫌悪感を覚える』と憤った。」
③「羽田から那覇に向かっていたJAL909便は、目的地を変更し米軍嘉手納基地に降り立ち、到着時刻が3時間半の遅延となった。出張で同便に搭乗していた20代の女性=東京都、会社員=によると、嘉手納基地に午後2時20分ごろ着陸した後、那覇空港から燃料が届くまで機内で2時間半以上待たされた。『空調も切れて暑かった。客室乗務員に【どうしてくれるのか】問い詰める客もいた』と述べた。また、石垣発那覇行きの一部の便は、那覇空港上空で引き返し石垣に戻った。那覇空港到着まで2時間近く遅れが出た。搭乗していた長嶺翔太さん(22)=那覇市、会社員=は『自衛隊のトラブルはよくある印象がある』と淡々と話した。」
④「宮古空港では午後2時半ごろ、那覇空港に着陸できなかった全日空機が目的地変更で着陸した。宮古空港管理事務所によると、一時5機分の駐機スペースが満杯になり、着陸した飛行機が誘導路で待たざるを得なかった。一方、国際線ターミナルでは突然の滑走路閉鎖に困惑する外国人観光客の姿も見られた。韓国・ソウルから約3時間遅れで那覇空港に到着したヤン・スンミさん(63)は『滑走路に故障機がある影響で降下許可が出ないと機内アナウンスがあり、空中でずっと待機していた。雪の影響で出発も遅れたのに到着も遅れるなんて、ついてない』と話した。」


(2)琉球新報-米軍オスプレイ墜落か イエメンで4人負傷、攻撃支援中-2017年1月31日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「ABCニュースやFOXニュースなど米メディアによると、28日、イエメン中部のバイダ州で、海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが『ハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)』し、負傷者が出た。」
②「航空ジャーナリストのブログ『The Aviationist』は事故を『墜落』と伝えた。米メディアによると事故による負傷者は4人。米軍は飛行不能となった事故機を破壊した。」
③「米中央軍は29日の声明で、『作戦を支援していた米軍機がハードランディングし、追加の負傷者が出た。航空機は飛行が不可能となり、その場所で意図的に破壊された』と発表した。『ハードランディング』した米軍機の機種については言及していない。」
④「事故は米軍が実施した奇襲攻撃の現場近くで起きた。奇襲攻撃ではヘリコプター部隊が武装勢力の拠点を襲撃し、武装勢力のメンバー14人と民間人16人、米兵1人が死亡した。ブログでは、事故を起こしたオスプレイは奇襲攻撃で負傷した兵士を搬送するためだったとしている。また飛行不能となったオスプレイを破壊したのは、最新のステルス戦闘機に使用されているレーダー塗料が使われているなど、敵に機体がわたるのを防ぐためだとした。」


(3)琉球新報-トランプ政権へ辺野古阻止要請へ 翁長沖縄知事が訪米向け出発-2017年1月30日 18:57


 琉球新報は、「沖縄県の翁長雄志知事と稲嶺進名護市長、辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議の訪米団が30日午後、31日の米国への出発を前に那覇空港で出発式を開いた。翁長知事は、オール沖縄との出発式に先立つ会見で『米大統領が変わって新しいトランプ政権の下で、辺野古を造らせない、造れないということやオスプレイ配備反対を訴え、理解を得たい』と抱負を述べた。」、と報じた。
 また、「稲嶺名護市長は『基地問題はすぐれて人権問題であることを訴えたい。辺野古新基地建設問題は、強い意志で反対していることをしっかり伝えたい』と決意を語った。オール沖縄共同代表の呉屋守将氏は『沖縄の思いを世界に発信して共有してもらいたい』と訪米団の意義を語った。」、と報じた。
 さらに、「一行は31日に米国へ向けて出国し、2月5日に那覇に戻る。米連邦上下両院議員やその補佐官、有識者らと面談する予定。」、と伝えた。


(4)沖縄タイムス-オスプレイが着陸失敗 イエメンで米兵救出中に-2017年1月31日 07:37


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米国防総省は29日未明、米軍がイエメン中部で国際テロ組織アルカイダの掃討作戦を実施し、米兵1人が死亡、3人が負傷したと発表した。襲撃地点近くで米兵らの救出作戦に当たった米海兵隊の垂直離着陸型輸送機MV22オスプレイが着陸に失敗し、さらに1人が負傷した。」
②中央軍によると、作戦では、海軍特殊部隊シールズが同日未明にアルカイダの拠点を襲撃。激しい銃撃戦で1人が死亡、3人が負傷。米兵らの救出に派遣されたオスプレイが着陸に失敗し、さらに1人が負傷した。機体は着陸後に飛行不能となったため、意図的に破壊したという。複数の米軍事紙は、米軍筋による情報として「オスプレイによる負傷者は2人」などと伝えている。
③「米NBCニュースは『オスプレイの着陸失敗は敵による襲撃とは関係がない』と報じた。」
④「米中央軍によると、アルカイダの戦闘員14人も死亡した。」
⑤「トランプ大統領は28日、過激派組織「イスラム国」(IS)の壊滅に向けた戦略を30日以内に策定するよう命じる大統領令に署名している。」


(5)沖縄タイムス-辺野古新基地:「米軍いらない」ゲート前で抗議 長島付近で作業確認-2017年1月31日 13:06


 沖縄タイムスは、「31日午前8時50分ごろ、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ工事用ゲート前で新基地建設反対を訴え座り込んでいた市民を約40人の機動隊員が排除した。その直後に工事車両5台が基地内に入り、最後尾の車両はパワーショベルを積んでいた。市民は同日午前6時半前から抗議を開始。正午までに約60人が集まり、ゲート前で『米軍いらない』『戦争させない』などと声を張り上げた。一方、辺野古沖の長島付近では、作業船がフロートの近くで作業をしている様子が確認された。」、と報じた。


(6)琉球新報-住民に配慮した騒音分布図を 中部市町村会が防衛局に要請-2017年1月31日 12:06


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「防衛省が進める米空軍嘉手納基地周辺の航空機騒音を示す騒音分布図(コンター)の見直しを受け、中部市町村会(会長・島袋俊夫うるま市長)は31日午前、嘉手納町の沖縄防衛局に中嶋浩一郎局長を訪ね、住民意見に配慮したコンター見直し作業を行うよう要請した。中部市町村の首長や住民ら約800人が参加して25日に開かれた『住宅防音事業問題の解決に向けた住民総決起大会』(同実行委員会主催)で決議された要請文も手渡された。」
②「中部市町村会の要請文は(1)コンター見直し作業で基地周辺市町村と住民に配慮(2)(うるささ指数W値が)75以上の区域内の早急な建具復旧工事の実施(3)住宅防音予算の増額│を求めている。」
③「當山宏嘉手納町長は『(米軍は)騒音防止協定も土日も深夜も関係なく訓練し、嘉手納の騒音は激しくなっている。日常的な負担を基地周辺住民は負っている。コンター拡大はあっても縮小はあり得ない』と述べ、住民への配慮を求めた。」
④「中嶋局長は『関係自治体の意見を踏まえて適切に対処したい。防音工事を待っている方がいることも承知している。予算のことではあるが、重く受け止め対処したい』と話した。」
⑤「要請後、島袋市長は『(見直し後のコンターが)公表されてからでは遅い。事前に対策をとの思いで要請した。騒音のある所全てを住宅防音工事の対象にするべきだ』と話した。」





by asyagi-df-2014 | 2017-01-31 16:58 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-福島第Ⅰ原発のメルトダウンまたはメルトスルーの実像。

 標題について、毎日新聞は2017年1月31日、柳楽未来記者が次のように報じた。


(1)東京電力は30日、福島第1原発2号機の原子炉圧力容器の真下をカメラで撮影し、足場に何らかの堆積(たいせき)物があるのを確認、画像を公開した。6年前の東日本大震災による事故で溶融した核燃料の可能性があるとみて、詳細な分析を進める。炉心溶融は同原発1~3号機で起きたが、これが溶融燃料だとすると初の撮影になる。
(2)東電は、パイプ(長さ10・5メートル)の先端にカメラを取り付け、圧力容器を囲む原子炉格納容器の貫通口から挿入して内部を撮った。この結果、圧力容器の真下にあるグレーチング(格子状の足場)の複数箇所に黒や褐色に映った堆積物があった。グレーチングが無くなっている部分もあり、溶融燃料落下による損傷の可能性も含めて調べる。圧力容器下部に設置されている制御棒の駆動装置やケーブルなどに大きな損傷は見つからず、炉内に大半の燃料がとどまっているとする従来の解析結果と一致した。
(3)堆積物が溶融燃料ならその近くは放射線が特に強いとみられるが、挿入したパイプには線量計が付いていないため確認できていない。堆積物は圧力容器の保温材やケーブルの被覆材である可能性もあるという。東電は2月から、カメラなどを“尾”の部分に搭載した遠隔操作のサソリ型ロボットを投入し、本格的調査を始める。記者会見した東電原子力・立地本部の岡村祐一本部長代理は「今回の調査結果を、溶融燃料の取り出しに向けた基礎データにつなげたい」と語った。
(4)国の廃炉計画では、2018年度に1~3号機のいずれかで溶融燃料取り出しの具体的な工法を決定し、21年中に取り出しを開始する。


 また、朝日新聞は2017年1月31日、富田洸平・杉本崇記者が次のように報じた。


(1)東京電力福島第一原発2号機の原子炉直下で30日、黒い塊が初めて撮影された。東電はこの成果を、核燃料取り出しに向けた「大きな一歩」とする。溶け落ちた核燃料か、違うのかを確認するために、東電は来月、調査ロボット「サソリ」を投入。放射線量などを測定する。
(2)「今回の調査で、サソリの進路に大きな障害物がないとわかった。圧力容器の直下まで行けそうだ」。東電幹部は胸をなで下ろした。サソリは2台のカメラや線量計などを搭載して圧力容器の直下まで自走し、作業用の足場などに付着した塊の線量を計測するほか、圧力容器下部がどう壊れているかなどを調べる。
(3)調査で写った黒っぽい塊が、強い放射線を出していることが分かれば、溶け落ちた核燃料だと確認できる。塊の大きさや量、広がりなどは、今後、溶け落ちた核燃料を取り出す方法を決める際の重要な判断材料になるとみられる。一方、1、3号機の内部調査は難航している。東電は2015年、1号機の格納容器に調査ロボット2台を投入したが、途中で動けなくなり、核燃料そのものは確認できなかった。3号機は格納容器内の水位が高く、核燃料や圧力容器下部の様子を調べるには水中用ロボットが必要。東電などはロボットの開発を進めている段階だ。
(4)東電などは、ロボット調査などの結果をもとに核燃料の取り出し方法を決める方針。取り出しは21年から始める計画だが、計画は遅れが続いている。




by asyagi-df-2014 | 2017-01-31 12:07 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄から-三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第64回

沖縄の地で、体を張って新しい歴史を作ろうとしている人たちがいる。
そこには、その煌めきの記録を残そうとしているジャーナリストがいる。
だとしたら、その生きざまの瞬間を私たちは受け取る必要がある。
三上知恵の沖縄撮影日記。

 
 今回の報告は、「自衛隊配備と闘う母親たちの選挙 その結果は…」、と前回報告の宮古島の選挙の結果の報告。
三上さんは、市長選挙について、こう切り出す。


 陸上自衛隊のミサイル基地を容認した宮古島市長・下地敏彦候補に挑んだのは3人。保守1人、革新2人だ。今回の宮古島市長選挙、自衛隊配備問題が島を左右する大きな争点だというのに、それに反対する革新側が候補者を絞り切れなかった。それが敗因になることは誰だってわかっていた。このことは今更の話だ。「大人の事情」という子どもじみた人間関係のもつれが、いつだって大事な時に人間の結束を砕く。どこだってそうだ。主義主張が似ている者同士だからこそ、分かり合えなかった傷口は生々しく、感情のしこりは質が悪い。それはもう言うまい。


 よくわかるだけに、そうなのだなと頷いてしまう。
 三上さんは、この市長選挙の結果について、こう綴る。


 結果は現職が辛うじて逃げ切った。でも下地敏彦候補9587票に対し、2人出てしまった革新のうち奥平一夫候補が9212票まで迫った。人口5万5千人の宮古島市で375票差。本当の横一線の闘いだった。社民・社大が推した下地晃候補の4020票があったら楽勝だったとは、もう言うまい。最大の争点だった自衛隊問題だけで見たら、配備に反対していた2候補の得票13000人であり、今回投票した有権者の44%が確実に自衛隊配備に反対していることになる。これは大きい。


 そして、三上さんは、こうも続ける。


(1)保守から市政刷新を訴えて立候補した真栄城徳彦候補は、自衛隊配備は住民投票をしてから決めるべきだと主張した。「反対」と「民意を問うてから進めるべき」という人、つまり現市長の進め方を否定する2つの立場の合計は、19777票だから67%になる。今のまま配備ありきで進んでいいとしたのは、投票した人のわずか32%。そして投票率が68.28%と低かったため、自衛隊に積極的に賛成した人は、当日有権者数43401人のうちの22%に過ぎないのだ。
(2)この結果を受けても、さすがの狸おやじである。当選した下地敏彦現市長は即座にこういった。
 「配備の賛否が大きな争点となり、今回の選挙で市民が配備を認めると判断したと考えている。ある意味、今選挙は形を変えた住民投票だったと思う。住民のほとんどが参加し、結論を出した」
 市長選としては投票率は過去最低の68%だというのに、「ほとんどが参加した」と言い、全有権者の2割しか自衛隊配備に賛同していないのに「自衛隊配備を認めるという結論が出た」と断定した。片腹痛い。そして「住民投票は必要ない」と、ことあるごとに自衛隊問題の住民投票を否定してきたご本人が「これは住民投票だったと思う」という。明らかにこれは、今後、住民投票が提起されるのを牽制したものだ。住民投票が成立したら覆されるということを一番よくわかっているからこそ恐れているのだろう。
(3)しかし、数字をちゃんと見ずに短いニュースでコメントだけを聴く市民は、市長が結論が出ましたと言ったら、そうなのかと思ってしまう人もいる。宮古島の知人から何人も、残念だったね。でも賛成が多いならあきらめるしかないということさ、などと電話をもらった。ため息が止まらない。自衛隊配備反対をあきらめるような結果ではないはずなのだが。


 実は、三上さんの今回の報告は、これからが力が入る。
市長選挙と同時に行われた市議会議員選挙の補欠選挙について、語り出す。


(1)今回、わたしの新作ドキュメンタリー映画『標的の島~風かたか~』の主人公たちでもある宮古島の自衛隊配備に反対する若いお母さんたちのグループ「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」から共同代表の石嶺香織さんが、同時に行われた市議会議員の補欠選挙に出馬していたことは前回ここに詳しく書いた。選挙の終盤から投開票までの様子を今回動画にまとめたので、ぜひ時間のある時に見てほしい。
(2)基礎票もなく支援団体もない、地縁血縁さえない3人の子を持つママさん候補がどんな闘いをしたか。無謀といえば無謀。準備や下積みや秩序や慎重さを重視する当たり前な人たちの中には、暴走だ、無謀だと彼女たちにブレーキをかける人たちも多かった。正論だと思う。でも、既成の概念やがんじがらめの島の構図を突き抜けていく力というのは、常識派が目をむくような突拍子もないところから飛び出してくるのだろう。暗雲に覆われて窒息しそうな空の下、ほんの一瞬だけ刺す光にさっと手を伸ばし、「あそこに行こう!」と叫ぶ瞬発力と、すぐに「それいいね!」と躍り上がって続いていくノリ。多くの場合、それは若者の特権なのだろうが、今は若い人の方が常識の枠を気にしてスマホの中の世界にだけ居場所を求める風潮にある。香織さんの周りに集まってきたのは、決して若いと言えない人も大勢いたが、感性で生きる自由度の高い人々だったのだろう。少人数ながらハートのある、しかし呑気で票読みする人もいない、笑顔が絶えない、あまり見たことのない選挙戦だった。
(3)終ったから正直に言うが、わたしは石嶺香織さんという人には、ママさんグループの代表でいてほしかった面もある。市議になってしまえば市民全体に奉仕するのだから、一つのグループに首っ引きではいられないし、何より、信念をもって活動する市民の姿はドキュメンタリーになるが、市議の政治活動を撮影しても観客に面白がってもらえるかはわからない。でも、当選は無理でもきっと、彼女の選挙活動が自衛隊問題への関心を高めるだろうし、市長選自体が盛り上がるからいいだろう、そんな風にしか当初は思っていなかった自分がいた。まさか、街宣カーも準備できずに第一声を上げた素人候補者が、当選するとは思わないではないか。
(4)そう、彼女は当選したのだ。補選トップ当選の前里こうけん候補8374票、2位の石嶺香織候補は7637票で、次点に3000票差をつけた堂々たる結果だった。7600人もの人が彼女を見ていてくれた。3人の乳幼児を抱えて奮闘してきた姿を知っていてくれたのだ。資金も知名度もないけど正義感と情熱は人一倍ある、それでどす黒い雲が渦巻く政治の闇に飛び込み、雲間を広げたという快挙。
(5)人はみなオリンピックが大好きで、体操選手の宙返りのように自分には到底できない人類の技に歓声を上げ、拍手を送る。スゴイ人はスゴイものだと感動するのだろう。でも私にとっては、自分には到底できない事を次々にやってのける彼女たちの方が、インパクトがある。みんながあきらめている「政治」。変えられそうもない構造。開きそうもない古い扉。重くて醜い現実を直視することだけでも、普通は耐えられないのに、そこに正面から切り込んでいくというアイディア自体が、3回転半に挑戦するフィギュアスケート選手と同様にすごいと思う。
(7)私にはできない。あんなに人を信じられないし、自分の力をあそこまで認めていない。この状況が最悪であるということを認識する力は持っているが、彼女たちは認識して向き合う力だけでなく、打破することができると思い込むほどの強い信念の力を持って行動できてしまう。私は、映像を使って人々に知らせて、目覚めた国民を一人でも多く作ることで、大衆の力で状況を変えていこうと頑張っている。すごい遠回りで、手間暇かかっている。ところが彼女たちは「私が」乗り込んでいって変えよう! という。市議会にも、審議会にも、ヒロジさんが逮捕されている名護署の中にもどこにでも、その体ひとつ、いや、赤ちゃんを抱いて入っていって「まず話をしたいのです」と向き合う。みんな面食らうのだけれども、彼女らのその凛とした強さは、私にとっては月面宙返りより「すげえ!」ことなのだ。
(8)宮古島市議会は、議員26人中女性は石嶺香織さん一人。自衛隊に反対しているのはたったの3人。どれほどこれから苦労するだろうか。私はかわいい妹を猛獣の檻に放すくらい、心配でならない。自衛隊問題だけやっているわけにはいかないし、市議として猛勉強しつつ3人の子育ても佳境で、潰れるのではないかと凡庸な老婆心が動く。でも彼女は猛獣たちを恐れてはいない。獣の足にかみついたネズミは小さいかもしれないが、どんなに振り払っても噛み付いた正義の歯は猛獣のスネに深く刺さったまま。そう、彼女は相当しつこい。納得するまで諦めない黄金のネズミなのだ。


 三上さんは、64回の報告を、次の言葉で終わる。
 爽快さと力を感じさせる中で。


 香織さんはさっそく、当選証書授与式に0歳児のひなちゃんを伴って参加した。ひなちゃんは待機児童である。「仕事場に連れてくるな」と言うならば、保育所待機児童問題を解消せよ! と訴えるところから香織旋風の始まり始まりなのである。


 以下、三上智恵の沖縄(辺野古・高江)撮影日記第64回の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2017-01-31 08:59 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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