2017年 01月 30日 ( 4 )

沖縄-辺野古-高江-から-2017年1月30日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 石垣市への陸上自衛隊配備に反対する市民集会に800人が参加したという。
 また、「補償の問題ではない。命に関わる安全の問題だ」。琉球新報が伝える米軍ヘリ伊計不時着で作物被害者の心からの叫びである。
 今の日本の姿を見たとき、やはり、ともにこう叫ばざるを得ない。

 琉球新報は2017年1月30日 14:50付けで、「ABCニュースやFOXニュースなど米メディアによると、イエメン中部バイダ州で28日、海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが「ハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)」し、負傷者が出たと報じた。航空ジャーナリストのブログ「The Aviationist」は事故を「墜落」と伝えた。米軍は事故機を破壊した。」、と報じている。


 2017年1月30日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-石垣陸自配備、800人抗議集会 市長の受け入れ糾弾-2017年1月30日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「石垣市への陸上自衛隊配備に反対する市民集会が29日、市総合体育館で開かれ、市内全域からこれまでで最大規模の約800人が集結した。中山義隆市長の陸自受け入れ表明を糾弾し配備阻止を訴える決議を採択して、最後に『ミサイル』『基地』の文字に×印を付けたボードを掲げ配備反対をアピールした。」
②「中山市長は配備の可否を判断する前に配備候補地周辺4地区から『意見を聞く』と発言しながら面談せずに、昨年12月26日に突然配備受け入れを表明した。これを受け、4地区も加入する『石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会』が主催し、市民集会を開催した。4地区の住民や戦争体験者、高校生ら10人が登壇し意見を発表した。」
③「4地区代表で発言した嵩田地区の中辻敦子さん(37)は『市長は自分の子どもが通う学校横への配備を受け入れるのか。私たちの地域にも人は住み、学校もある。話し合いもできなかったのはとても残念だ』と市長の対応を批判し『今まで通り静かで穏やかに農作業できる地域であってほしい』と求めた。」
④「戦争体験者で4地区内の川原に住む上原重次郎さん(79)は自身の体験から『基地があると必ず標的にされる。絶対に造らせてはならない』と語気を強めた。八重山農林高校3年の野原心さんも『勝手に配備計画を進めることは疑問だ。将来も安心して暮らせる島であってほしい』と願いを込めた。」


(2)琉球新報-「補償でなく命の問題」 米軍ヘリ伊計不時着で作物被害・上田さん-2017年1月30日 05:00


琉球新報は、標題について次のように報じた。



①「20日にうるま市与那城伊計に不時着した米軍普天間飛行場所属のAH1Z攻撃ヘリが21日に農道から離陸した際、排気熱により畑の作物が焦げた。不時着現場の横で黄金イモを栽培している上田淳子さん(68)は『今回は葉だけの被害で、地中のイモには影響はなかったが、日中はこの場所で仕事をしている。もしその時に落ちてきたら怖い』と声を震わせた。」
②「沖縄防衛局から補償について連絡が来たが『補償の問題ではない。命に関わる安全の問題だ』と訴えた。不時着後も同型機やMV22オスプレイが1時間に何度も飛ぶ状態について『米軍はわが物顔だ。日本政府が許しているからではないのか』と指摘した。」
③「上田さんは伊計島内で2~3千坪の畑を手掛けている。『伊計の黄金イモは人気があり、年中収穫しているが今の季節が一番おいしい。今回負傷者がいなかったのは良かったが、高校生と植え付けたイモの葉が焼けてしまった』と肩を落とす。イモは島内のインターネットを使った通信制高校『N高等学校』の生徒らと3カ月前に植え、今週には収穫予定だという。」
④「上田さんは20日の米軍の演習について『普段とは違っていた。家の上空をヘリが飛んでいたので、どこかおかしいと不安に思っていた』と振り返る。その後、家から畑の中にヘリが降りていくのが見えたという。『いつかヘリが家に当たらないか、本当に怖い』。」
⑤「夫の清さん(69)は、24日に玉城正則自治会長が中嶋浩一郎沖縄防衛局長に署名を手渡す際も同席し、『伊計島は辺野古の基地からそれほど遠くなく、米軍機が飛ぶ回数も多い。米軍に対しては住民が感じる不安を強く訴え、指導してほしい』と話した。また、『不時着して以降、畑に規制線が張られたり、要請に行ったりと畑仕事ができなかった』と語った。」


(3)琉球新報-日米、尖閣に安保条約適用確認 2月の両国防衛相会談で-2017年1月29日 19:20


 琉球新報は、「2月に来日するマティス米国防長官が、稲田朋美防衛相との初会談で沖縄県・尖閣諸島について、米国による防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象だとする米政府の立場を確認することが分かった。複数の日米政府筋が29日明らかにした。強固な同盟関係を打ち出し、海洋進出を強める中国をけん制する狙い。安倍晋三首相とトランプ大統領が合意した2月10日のワシントンでの直接対話に向け安保分野で信頼醸成を図る。日米両首脳は28日深夜に電話会談し、日米同盟の重要性で一致。トランプ氏はマティス氏訪日に関し「一番信頼する閣僚を派遣する」とした。(ワシントン、東京共同)」、と報じた。
 
 

(4)沖縄タイムス-陸自配備反対「意見聞きたかった」 石垣・中山市長も集会に参加-2017年1月30日 08:01


 沖縄タイムスは、「会場後方には中山義隆市長も姿もあった。開会時から秘書と共に参加したといい、取材には「反対する皆さんの意見、どんな不安があるか聞きたかった。一人一人の持ち時間が少なかったが、踏み込んだ話、いい意見はあった」と述べるにとどめた。受け入れ表明の撤回を求める声について『難しい』としながら、可否判断前に聞くとしていた候補地近隣4地区の意見は『機会があれば聞きたい』と話した。」、と報じた。


(5)沖縄タイムス-「現場で闘い、国際社会に訴えていく」 辺野古ゲート前で抗議-2017年1月30日 13:46


 沖縄タイムスは、「名護市辺野古のキャンプ・シュワブのゲート前では30日午前、新基地建設に反対する市民約50人が抗議行動し、『工事をやめろ』とシュプレヒコールを繰り返した。集会で、ヘリ基地反対協の安次富浩共同代表は『きょう、翁長雄志知事が訪米に出発する。トランプ政権に対峙(たいじ)していくにはわれわれが現場で闘い、国際社会に訴えていくしかない。県政をしっかり支えていこう』と呼び掛けた。午前8時40分ごろ、工事用ゲート前に座り込んでいた約20人の市民を機動隊員約40人が排除し、その間に工事車両3台が基地内に入った。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-那覇空港で滑走路閉鎖 空自F15が脱輪-2017年1月30日 14:34


 沖縄タイムスは、「30日午後1時19分、航空自衛隊那覇基地所属のF15戦闘機1機が那覇空港から離陸しようとしたところ、前輪タイヤが脱輪した。滑走路は閉鎖され、ヘリ以外の離着陸ができない状態が続いている。那覇空港事務所は午後2時20分現在で、『再開のめどは立っていない』とコメントしている。同空港事務所によると、F15戦闘機は4機編隊の訓練で離陸しようとしたところ、最後の1機が滑走路南側で脱輪したと那覇基地から報告があった。空自は、燃料を一部抜き取り、機体を持ち上げた上で、代替タイヤなどを設置して移動する予定。」、と7報じた。
 また、「離着陸ができないため、那覇空港着の航空機は上空で待機中。同空港事務所は『今後は目的地変更の便も出てくる可能性もある』と話している。」、と伝えた。


(7)琉球新報-山城さんの早期釈放訴え 乗松さん、アムネスティ声明朗読 那覇地裁前に70人超-2017年1月30日 15:02


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設や米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯建設の抗議行動で、中心的役割を果たしていた沖縄平和運動センターの山城博治議長が威力業務妨害容疑などで逮捕・起訴され、100日以上勾留が続いていることを受け、『山城博治さんたちの早期釈放を求める会』は30日午後、那覇市の那覇地方裁判所前で緊急集会を開いた。『アジア太平洋ジャーナル・ジャパンフォーカス』エディターの乗松聡子さん(51)は国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)が26日に発表した山城さんらの即時釈放要求の原文(英語)を読み上げ『国際人権規約の批准国として、不当勾留を直ちに解消せよ』と訴えた。」
②「雨が降りしきる中、裁判所前には70人以上の市民が集まり、シュプレヒコールを上げた。乗松さんがブラウン大学名誉教授のスティーブ・ラブソンさんらと共に、山城さんらが政府の弾圧を受け、不当に長期勾留されている実情をアムネスティ・インターナショナルに伝え働き掛けたことで、今回の緊急要請文書をはじめとする国際的なキャンペーンが始動した。」
③「乗松さんは『人権運動の権威であるアムネスティ・インターナショナルだけでなく、世界の多くの主要紙が日本政府の沖縄いじめと弾圧を問題視している』と述べ、日本政府の非人道的な市民運動抑制策に警鐘を鳴らした。声明文を読み上げた後、乗松さんは同会の仲宗根勇共同代表と那覇地裁にアムネスティ・インターナショナルの原文を提出した。」


(8)琉球新報-オスプレイ墜落か イエメンで飛行 米軍が機体破壊-2017年1月30日 14:50


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「ABCニュースやFOXニュースなど米メディアによると、イエメン中部バイダ州で28日、海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが「ハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)」し、負傷者が出たと報じた。航空ジャーナリストのブログ「The Aviationist」は事故を「墜落」と伝えた。米軍は事故機を破壊した。」
②「米中央軍は29日の声明で『作戦を支援していた米軍機がハードランディングし、追加の負傷者が出た。航空機は飛行が不可能となり、その場所で意図的に破壊された』と発表した。『ハードランディング』した米軍機の機種については言及していない。」
③「事故は米軍が実施した急襲攻撃の現場近くで起きた。奇襲攻撃ではヘリコプター部隊が武装勢力の拠点を襲撃し、武装勢力のメンバー14人と民間人16人、米兵1人が死亡した。」



by asyagi-df-2014 | 2017-01-30 16:45 | 沖縄から | Comments(0)

日米両政府は、1996年にオスプレイの危険性言及していた。しかし、直後に表記を削除。

 毎日新聞は2017年1月30日、標題について次のように報じた。


(1)米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還を明記した1996年12月の日米特別行動委員会(SACO)最終報告の合意直前、米側が内部資料で垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの危険性に触れ、その直後、SACO最終報告からオスプレイの表記を削除していたことが分かった。合意2カ月前の日米協議では、普天間の代替施設を巡り日本側が国内向けの説明の仕方を尋ねたのに対し、米側がオスプレイには直接触れない回答例を示していたことも判明した。
(2)琉球大の我部政明教授(国際政治)が文部科学省の科学研究費補助金の成果報告書としてまとめた米側資料のうち、米軍が作成し当時の防衛庁と交わした96年11月27日付の文書「防衛施設局のための沖縄県及び地域社会説明の想定問答集」に、オスプレイを巡る13の論点が示されていた。米軍は90年代からオスプレイの沖縄配備を検討していたとされ、問答集では「オスプレイの構造は既存のヘリコプターより複雑」「飛行試験中に事故が報告され、開発計画は一時中止されかけた」などと言及。「既存のヘリと比べ安全か?」とする想定質問があった(回答はなし)。
(3)普天間返還を巡る同年10月22日の日米協議の「議事録」では、日本側が代替施設の滑走路の長さを沖縄県側へどう説明するか助言を要請。回答例として「オスプレイには触れない」「具体的に言及する」「既存機種に合わせて(滑走路を)建設し、後に米政府がオスプレイ配備を発表したら延長する」の3案が併記されていた。その後、11月の想定問答集で米側は「防衛庁の望ましい回答」として「代替の海上施設は普天間に配備されたヘリの移転先でありヘリポートである」と記し、オスプレイに直接触れないことを「模範解答」としていた。
(4)こうした経緯の中、同年11月22日に作成され「海上施設はヘリコプターとオスプレイ部隊の駐留を支援するよう設計される」と記載されたSACO最終報告の「草案」から、12月2日の最終報告では「オスプレイ」の文言が削られていた。当時オスプレイは開発段階で、91年6月に試作機が墜落。92年7月には着陸直前にエンジンから出火して落下、海兵隊員ら7人が死亡している。【鈴木美穂】
(5)日米協議に携わった政府高官の話:「米側からオスプレイ配備の可能性はあるとの説明はあったが、当時はまだ開発途上のため正式な話ではなく、削除したというような経緯ではない。資料は米側の視点で書かれた内部文書で、コメントするのは適当でない。」
(6)我部政明・琉球大教授(国際政治)の話:「96年当時、オスプレイの沖縄配備計画は米側ではオープンとなっていたが、91、92年に重大事故を起こし、沖縄の反発を恐れる日本政府の思惑もあってSACO最終報告に明記されなかった。その過程で米政府は『沖縄の住民に対する説得は日本政府の責任』と強調する一方、日本政府は責任を負いたくない姿勢を見せていた。お互いの責任のなすりつけ合いの結果と言える。」


 恐らく、「96年当時、オスプレイの沖縄配備計画は米側ではオープンとなっていたが、91、92年に重大事故を起こし、沖縄の反発を恐れる日本政府の思惑もあってSACO最終報告に明記されなかった。その過程で米政府は『沖縄の住民に対する説得は日本政府の責任』と強調する一方、日本政府は責任を負いたくない姿勢を見せていた。お互いの責任のなすりつけ合いの結果と言える。」(我部政明・琉球大教授)、というのが真実なのであろう。
 そこに見えるものは、主体性の欠如という日本という国の未熟さであるし、「沖縄ならやむなし」との差別感ではないか。




by asyagi-df-2014 | 2017-01-30 12:13 | 米軍再編 | Comments(0)

ちょっといい話。東京MX「ニュース女子」があっただけに。

 こんな記事を読むと、前を見つめて行きたくなります。
 沖縄タイムスは、2014年1月30日の[大弦小弦]で、阿部岳記者の「問題を見逃せばあすも仲良く付き合える。書けば嫌われる…」を掲載しました。
 この[大弦小弦]を全文引用します。


 問題を見逃せばあすも仲良く付き合える。書けば嫌われる。記者も人間、よく悩む。徳島新聞の土井良典さん(34)の答えはシンプルだ。「記者は嫌われてなんぼです」
▼ITのまちづくりで脚光を浴びる神山町の担当。町長と議員が公費で上京する日程に浅草観光があると報じた。怒った町長は役場、学校にまで取材拒否を指示した。土井さんはそれも報じ、撤回に追い込んだ
▼役場によく通う記者は地元紙の土井さんの他にいない。だからこそ「うちが最後のとりで。見逃せばそのままだ」と踏ん張った。一連の報道は新聞労連の疋田桂一郎賞を受賞した
▼日米両政府を批判するのは派手に映るかもしれない。実は、日ごろ顔を合わせる身近な権力を批判する方が難しく、真価を問われる。最近の沖縄では、副知事「口利き」の報道がある
▼土井さんは、あれだけ批判した町長に「記者魂を発揮したな」と声を掛けられたという。誠実な取材姿勢は伝わっていた。最高の褒め言葉だったはずだ
▼本紙の高江報道も、土井さんと同時に新聞労連の賞を受けた。それを知った建設会社の知人から電話があった。「人を食い物にして賞をもらって、上等だねぇ」。確かに強く批判した。口ごもっていると、「おめでとさん」と祝福され電話は切れた。どきどきするが、これだから記者はやめられない。(阿部岳)


 こちらこそ、これだから前に行ける。



by asyagi-df-2014 | 2017-01-30 10:49 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

2017年1月2日の「TOKYO-MXTV」の番組「ニュース女子」。(6)-辛淑玉さんの見解より-

 琉球新報は2017年1月27日、東京MX「ニュース女子」に対する辛淑玉さんの見解を掲載した。
 このことから、あらためてこの問題を考える。


 辛淑玉さんは、「1月2日に放送されたTOKYO MX『ニュース女子』は、とにかく酷(ひど)かった。」、とまず切り出す。
 そして辛淑玉さんはその思いをこう吐露する。


 「見ていて、こみ上げる怒りを抑えるのがこれほど難しかった経験はかつてなかった。胃液があがってきて、何度も吐いた。その後も、何気ない会話の中で突然涙が出てきたり、幾日も眠れぬ夜を過ごし、やっと眠れたと思えば悪夢にうなされた。私が、この番組の放つ悪意に冷静に向き合えるようになるまでには、時間が必要だった。友人や報道陣からの問い合わせに簡単な返信すらできなかったことを、この場を借りてお詫(わ)びしたい。」


 だから、「いま、可能な限り、私の思いを言葉にして綴(つづ)りたいと思う。」、と。
 ここで、辛淑玉さんの見解を要約する。


Ⅰ.東京MX「ニュース女子」の問題点。


(1)「ニュース女子」の手口は、基地反対運動について、徹底的にニセの情報を流すというものだ。
(2)現場にも行かず、当事者にも取材をしない一方で、反基地運動によって迷惑をこうむっているというニセの「被害者」を登場させる。そして、「沖縄の反基地運動はシンスゴという親北派の韓国人が操っている。参加者はカネで雇われたバイトで、その過激な行動で地元の沖縄人は迷惑している」というデマを流して視聴者の意識を操作する。
(3)これは、沖縄の人々の思いを無視し、踏みにじる差別であり、許しがたい歪曲(わいきょく)報道である。また、権力になびく一部のウチナンチュを差別扇動の道具に利用して恥じない「植民者の手法」でもある。
(4)多くの報道で、「ニュース女子」が取材もせずに番組を作ったことが指摘されていたが、彼らは取材能力がないためにネトウヨ情報を検証もせずに垂れ流してしまったのではない。この番組は、「まつろわぬ者ども」を社会から抹殺するために、悪意をもって作られ、確信犯的に放送されたのだ。


Ⅱ.東京MX「ニュース女子」の背景


(1)為政者にとって、自分になびかない者の存在は、自らの優越性を否定されるため最も憎い存在であり、だから国家体制を批判する者には「非国民」のレッテルを貼り、他の国民が寄ってたかって攻撃するよう仕向ける。その手先としてメディアを使う。そこにあるのは「愚かな国民など、この程度のことを吹聴しておけば簡単に騙(だま)せる」という国民蔑視だ。
(2)国家権力の素顔を見抜き、闘いを挑んでくる「生意気な非国民ども」に対しては、ただ潰(つぶ)すだけでは飽き足らず、嘲笑(ちょうしょう)して力の差を見せつけた上で、屈辱感を味わわせようとする。「ニュース女子」が、年始特番の、しかも冒頭で私を名指しして嘲笑したのは、私が怒って抗議してくると想定した上でのことだろう。感情的になって抗議してくればそれを笑い飛ばす、抗議してこなければ、「抗議してこないのは、報道内容が正しかったからだ」と宣伝材料に利用できる。どっちにころんでも美味(おい)しいというわけだ。


Ⅲ.辛淑玉である私について


(1)私はなぜ、在日への差別だけでなく、さまざまな差別に声を上げるのだろうか…。
時に、自分でも不思議に感じる時がある。お金も、時間も、体力も、あらゆるものを犠牲にして、どうしてここまでやるのかと。もっと楽な生き方ができたはずなのにと言われたことも、一度や二度ではない。
(2)確かなのは、被差別の歴史に共感する胸の痛みがあるということだ。
(3)歴史や文化は異なっているが、ウチナンチュも在日朝鮮人も、日本の国家体制によって植民地支配を受け、人間としての権利を保障されず、排除・差別されてきた。
(3)ウチナンチュは日本国籍を付与された一方で島ごと奪われ、沖縄戦では「国体」や本土の日本人を守るための捨て石にされた。敗戦後は膨大な米軍基地を押し付けられ、いまも命・生活・人間の尊厳など多くを奪われ、抑圧されている。
(4)朝鮮人は、頼んでもいないのに帝国臣民にされ、日本兵の下請け・弾よけとして最も危険できつい労役につかされた挙げ句、敗戦後は日本国籍を一方的に剥奪(はくだつ)され、国籍がないことを理由に戦後補償の対象から外され、「外国人」として排除、差別を受けてきた。
(5)経緯に違いはあっても、植民地支配の対象とされてきた点では同じ位置に立たされている。
(6)そして、私は「殺せ」と言われ、沖縄の友人たちは「ゴキブリ」「ドブネズミ」「売国奴」「土人」と言われ、まとめて「反日・非国民」とくくられている。沖縄で起きていることは、私にとって他人事ではないのだ。
(7)彼らの痛みは私の痛みでもある。在日としてこの国に生を受けた以上、見て見ぬふりは許されないと私は思っている。


Ⅳ.「在日」と「オキナワ」が闘うことの意味


(1)「どんな発言にも表現の自由はある」と「中立公平」を装い、サイレント・マジョリティーの位置を確保して高みの見物(これこそが特権である)をする人々の沈黙によって、「在日」も「オキナワ」も、孤立無援の状態で表現の自由を奪われている。
(2)差別と闘う責任は、被差別の側ではなく、差別構造を作り出し温存する側にこそある。この国の主権者は、自らの社会から差別をなくすために払う努力を、主権を奪われたままの在日に押し付けてはならない。同様に、沖縄に押し付けてもいけない。
(3)新しい基地を作らせないという闘いは、ヤマトンチュ自らが政治の中枢部でなすべきであり、そうしなければ根本的な解決には至らない。


Ⅴ.決意


(1)いまこそ、マジョリティーが矢面に立って闘わなければ構造は変わらない。自分に火の粉が降りかからない限り動かない者が多数派の社会に、未来はないのだ。
(2)デマを流し、政権の尖兵(せんぺい)として憎悪扇動を行うこの番組を、決して許してはならない。あらためて、それだけは言っておきたい。


 こうした辛淑玉さんの「訴え」に震える。
 「どんな発言にも表現の自由はある」と『中立公平』を装い、サイレント・マジョリティーの位置を確保して高みの見物(これこそが特権である)をする人々の沈黙によって、『在日』も『オキナワ』も、孤立無援の状態で表現の自由を奪われている。』、とする辛淑玉さんの主張は、すべてのものを撃つ。
 だから、「差別と闘う責任は、被差別の側ではなく、差別構造を作り出し温存する側にこそある。この国の主権者は、自らの社会から差別をなくすために払う努力を、主権を奪われたままの在日に押し付けてはならない。同様に、沖縄に押し付けてもいけない。」、との念いが、「新しい基地を作らせないという闘いは、ヤマトンチュ自らが政治の中枢部でなすべきであり、そうしなければ根本的な解決には至らない。」、との主張と共鳴する。


 そして、「いまこそ、マジョリティーが矢面に立って闘わなければ構造は変わらない。自分に火の粉が降りかからない限り動かない者が多数派の社会に、未来はないのだ。」、と「幾日も眠れぬ夜を過ごし、やっと眠れたと思えば悪夢にうなされた。私」から私たちは、熱い想いを受け取る。


 以下、琉球新報の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2017-01-30 09:07 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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