2017年 01月 19日 ( 4 )

沖縄-辺野古-高江-から-2017年1月19日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


「宮城さん(チョウ類研究者の宮城秋乃さん)は『ヘリとオスプレイが同時に飛ぶ時が一番うるさかった。空がうなり、風を切るような音だった。米軍機が飛ばない時は、カエルの声がよく聞こえた。せっかくこんなに生き物がいる場所なのに』と指摘。『集落や高江小中へも行ってみたが、うるさかった』と騒音の大きさを強調した。」、と琉球新報は伝える。
 安倍晋三政権の「沖縄の負担権限」の示すものは、実は、「高江で米軍訓練激化 オスプレイとヘリ同時飛行 風圧、騒音激しく」(琉球新報)ということだった。つまり、それは歴史の繰り返しということでしかない。
 こんなことが許されていいはずがない。


 2017年1月19日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「在沖米軍 台湾移転を」 米国務副長官候補が提言-2017年1月19日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「ジョン・ボルトン元米国連大使は、17日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルへの寄稿で『米国は台湾への軍事装備販売を増やし、米軍の台湾駐留によって東アジアの軍事力を強化できる』と述べ、在沖米軍の一部を台湾に移転することを提案した。タカ派として知られるボルトン氏は一時、トランプ次期政権の国務長官候補の一人と報じられ、現在、国務副長官への起用が取り沙汰されている。ボルトン氏の提言はトランプ氏の外交政策に影響を及ぼす可能性もある。」
②ボルトン氏は『台湾は地理的に沖縄やグアムよりも東アジアの国や南シナ海に近い。この地域への迅速な米軍配備をより柔軟にする』と説明。さらに『日米関係を悩ます沖縄から、少なくとも一部米軍を(台湾に)再配置すれば、ワシントン(米政府)は東京(日本政府)との緊張を緩和するのに役立つかもしれない』と述べ、沖縄の米軍基地問題解決になると指摘した。また『海洋の自由を保障し、軍事的な冒険主義や一方的な領土併合を防ぐことは、東アジアや東南アジアでの米国の核心的利益だ』と強調し、中国をけん制した。台湾との軍事協力の強化は『米国の核心的利益を達成するための重要な一歩だ』とした。」


(2)琉球新報-高江で米軍訓練激化 オスプレイとヘリ同時飛行 風圧、騒音激しく-2017年1月19日 08:30


 琉球新報は2017年1月19日、標題について次のように報じた。


①「東村高江の集落に近い米軍北部訓練場ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)のN4地区の周辺で18日、米軍ヘリやオスプレイによる訓練が行われた。チョウ類研究者の宮城秋乃さんが同日、自然観察で訪れた際に確認した。米軍ヘリは少なくとも4機が飛行し午前11時半ごろから午後5時ごろまで5時間余、県道70号の上空を含む空域で低空の旋回を繰り返していたという。」
②「宮城さんによると、オスプレイは2機が相次いでN4地区のヘリパッドへ着陸した後、そのまま離陸していった。米軍ヘリの低空飛行で県道70号沿いにあった三角コーンが吹き飛んだり、オスプレイが離着陸する際、木の枝が折れて飛び散り、その枝をN4地区ゲート前にいた警備員が拾う場面もあった。また、訓練場内の林の中からは銃声が約30分間聞こえたという。」
③「宮城さんは『ヘリとオスプレイが同時に飛ぶ時が一番うるさかった。空がうなり、風を切るような音だった。米軍機が飛ばない時は、カエルの声がよく聞こえた。せっかくこんなに生き物がいる場所なのに』と指摘。『集落や高江小中へも行ってみたが、うるさかった』と騒音の大きさを強調した。」


(3)沖縄タイムス-辺野古ゲート前 機動隊70人、抗議の市民ら40人を排除-2017年1月19日 10:39


 沖縄タイムスは、「名護市辺野古の新基地建設に反対する市民は19日午前、米軍キャンプ・シュワブゲート前で抗議行動した。午前8時40分ごろ、ゲート前に座り込む市民ら約40人を機動隊員約70人が強制排除。工事車両2台がゲートから基地に入った。市民らは午前5時40分ごろから集まり、プラカードを手に『辺野古の海を守ろう』などと新基地建設反対を訴えた。7時30分からゲート前に座り込んだ。」、と報じた。


(4)琉球新報-F15が嘉手納基地に緊急着陸 排気口カバーの一部はがれる-2017年1月19日 13:07


 琉球新報は、「米軍嘉手納基地で19日午前9時36分、同基地所属のF15戦闘機が後部排気口のカバーの一部がはがれ落ちそうになった状態で緊急着陸した。目撃者によると、排気口を取り囲んでいるカバーの一部が垂れ下がっていた。機体は滑走路のワイヤに引っかけて停止し、けん引されて駐機場へ戻った。」、と報じた。


(5)琉球新報-浮具の設置作業続く 辺野古新基地建設-2017年1月19日 12:54


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、19日午前9時半ごろ、海上で支柱の付いた浮具(フロート)を設置する作業を進めた。新基地建設に反対する市民らは抗議船やゴムボート、カヌーで抗議した。」、と報じた。
 また、「米軍キャンプ・シュワブでは午前8時半ごろ、工事車両用ゲートからクレーン付きトラック2台が基地内に入った。新基地建設に反対する市民ら約30人がゲート前に座り込み抗議の声を上げた。機動隊員数十人が市民らを排除し、工事用車両を通した。」、と伝えた。


(6)沖縄タイムス-津田大介さん・安田浩一さん、「ニュース女子」問題でMXテレビ出演辞退-2017年1月19日 12:05


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「東京の地上波テレビ局、東京MXテレビの番組『ニュース女子』が沖縄県東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設の抗議行動に関し事実と異なる報道(2日放送)をした問題で、ジャーナリストの津田大介さんと安田浩一さんが18日までに同局が放送する別のニュース番組への出演を辞退した。『取材がずさんで事実でない』『報道に値しない』と2日の番組を批判している。」
②「2人が出演を辞退したのは、同社が毎週月-金曜に放送する『モーニングCROSS』。津田さんは1月と2月に出演予定だったが辞退。17日付で自身のツイッターに『【ニュース女子】について何らかの検証や総括がない限りは出演しないつもり』と投稿した。安田さんは1月に予定していた出演を取りやめた。」
③「本紙の取材に対し津田さんは『2014年11月の知事選以降、沖縄で取材して感じる基地問題の現状とは明らかに異なる内容だ。取材もずさんで、事実ではない』とコメントした。」
④「東京MX側は16日の番組後に『さまざまなメディアの沖縄基地問題をめぐる議論の一環として放送した』見解を公表。これに対し津田さんは、番組を検証する姿勢が見られず対応がひどいと指摘。『ネットの書き込みと同レベルの内容を放送すれば、視聴者へ与える悪影響は大きい。地上波テレビ局としての責任を感じてほしい』と求めた。」
⑤「安田さんは『現地の人に話を聞く、裏取りするという取材の基本ができていない。抗議行動をおとしめるデマで、報道に値しない』と批判した。」


(7)沖縄タイムス-「沖縄を差別、愚弄」 朝日放送「正義のミカタ」をBPOに申し立て-2016年1月16日 18:15


 沖縄タイムスは、「朝日放送(大阪市)の番組『正義のミカタ』で、沖縄県の翁長雄志知事や沖縄人を差別、愚弄(ぐろう)する発言があったとして、奈良県に住む沖縄県出身者らでつくる市民団体は15日、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会と放送人権委員会に審議を申し立てたと明らかにした。代表の崎浜盛喜さんによると、米軍普天間飛行場の移設問題を取り上げた昨年10月24日放送の同番組で、出演者が『沖縄県や知事は新基地と言うけれど、新基地ではなくて改築』『沖縄振興予算は沖縄だけに認められている振興予算』『辺野古の反対運動の3分の2は本土から。仕事です。日当も労働組合から出ている』などと発言した。」、と報じた。
 また、「団体は『発言は事実をねじ曲げたばかりか意図的に捏造(ねつぞう)し、差別に満ちたヘイトスピーチそのものだ』などと批判している。朝日放送広報部は『申し立てを承知しておらず、現段階でコメントできない』としている。」、と伝えた。




by asyagi-df-2014 | 2017-01-19 17:14 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-中国電力島根原発2号機で中央制御室に外気を取り入れる送風管に腐食穴が見つかる。

 毎日新聞は2017年1月18日、「中国電力島根原発2号機(松江市)で中央制御室に外気を取り入れる送風管(ダクト)に腐食穴が見つかり、原子力規制委員会は18日、全原発でダクトを点検するよう各電力会社に指示することを決めた。既に営業運転した4基は先行して指示を出し、腐食が見つかった場合、原子炉を停止して対策を求める可能性があるという。」、と報じた。
 また、「島根2号機では昨年12月、点検のためダクトに巻かれた保温材を外したところ、最大で縦約30センチ、横約100センチの腐食穴が計19個見つかった。保温材を外して行う点検は規制対象外で、2号機では1989年の運転開始以降、一度も点検していなかった。ダクトに腐食があると、事故時に放出された放射性物質がダクトを通じて中央制御室に入り込み、運転員が被ばくする恐れがある。このため規制委は全原発での点検が必要だと判断した。」、と報じた。




by asyagi-df-2014 | 2017-01-19 13:43 | 書くことから-原発 | Comments(0)

原発問題-原子力規制委員会は18日の定例会合で、九州電力玄海原発3、4号機が新規制基準に適合したことを示す審査書を正式決定。

 毎日新聞は2017年1月18日、標題について次のように報じた。


(1)原子力規制委員会は18日の定例会合で、九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県)が新規制基準に適合したことを示す審査書を正式決定した。これで安全審査に合格した原発は全国で5原発10基となった。九電は年内の再稼働を目指しており、今後は周辺自治体の地元同意の手続きが焦点になる。
(2)九電は2013年7月に、玄海3、4号機の審査を申請。規制委は昨年11月に審査書案をまとめた。審査書は約410ページで、想定する最大の地震の揺れ(基準地震動)を620ガル(ガルは加速度の単位)、津波の高さを約6メートルに引き上げるなどの安全対策を盛り込んだ。審査書案に対し、一般からは昨年の熊本地震を受け、地盤のさらなる調査を求める声など4200件の意見が寄せられたが、大きな修正はなかった。
(3)審査合格を受け、九電は年内にも2基を再稼働する方針。今後は設備の詳細設計などをまとめた「工事計画」と、重大事故の対応手順などを示す「保安規定」の二つの審査のほか、現地での使用前検査の手続きが必要になる。九電は3号機については、ウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を使用するプルサーマル発電を実施する方針。合格した原発では4基目の導入となる。
(4)一方、避難計画にはなお課題が残る。政府は昨年12月、事故の際の住民の避難計画を了承したが、一部の施設では放射性物質の流入を防ぐなどの整備は終わっていない。玄海原発の半径30キロ圏には全国の原発で最多となる20の離島を抱え、約2万6000人が住む。事故時には住民の島外移送などを想定しているが、地震や津波などの複合災害下で有効に機能するかが問われる。
(5)再稼働のためには地元同意を経る必要がある。佐賀県や地元の玄海町などは前向きな意向を示す一方、同県伊万里市などの周辺自治体は慎重姿勢で、同意手続きが今後どのように進むかは不透明だ。
(6)玄海原発は全国の原発の中でも使用済み核燃料プールの空き容量が逼迫(ひっぱく)し、3、4号機が稼働すれば5年程度で満杯になる見通し。九電は燃料の間隔を詰めて対応する方針だが、「核のごみ」の課題も抱える。既に合格した原発は玄海の2基のほか、九電川内1、2号機▽関西電力高浜1~4号機(福井県)▽同美浜3号機(同)▽四国電力伊方3号機(愛媛県)。このほか、関電大飯原発3、4号機(福井県)も、今年度内に事実上合格する見通しだ。【酒造唯】


 原子力規制委員会は、基準地震動の620ガル、津波の高さの約6メートル、避難計画、地元同意の問題、といった多くの命に関わる問題を置き去りしたまま、適合の決定を下した。
 これまた、「3.11」の意味は内在化されていない。





by asyagi-df-2014 | 2017-01-19 12:33 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄から-三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第63回

沖縄の地で、体を張って新しい歴史を作ろうとしている人たちがいる。
そこには、その煌めきの記録を残そうとしているジャーナリストがいる。
だとしたら、その生きざまの瞬間を私たちは受け取る必要がある。
三上知恵の沖縄撮影日記。

 
 今回の報告は、「自衛隊配備を問う! 宮古島の市長選挙」、と2017年最初の報告。
三上さんは、宮古島市市長選挙について、こう切り出す。


 今週末、日本の南の端っこの小さな島で、とてつもなく大切な選挙があるのだが、その重大さに気付いている人がどれだけこの国にいるのだろうか。沖縄本島からもさらに南に飛行機で40分、およそ5万5千人が住む宮古島だ。今回、この宮古島市長選挙で止められたら、まだこの国を救えるかもしれない、そんな濁流が徐々に私たちを飲み込もうとしている。ここから先、引き返せるポイントは少ない。流されながらも捕まってこの濁流から這い出すための岩は、この先には、もうないかもしれないと私は焦っている。


 なぜ、三上さんは、このようにまで語りかけるのか。
 三上さんは、「あえて誤解を恐れずに一言でいえば」、と次のように報告する。


 この南西諸島を軍事要塞化する計画は、自分の国の安全のつもりがアメリカの対中戦略に巻き込まれ損でしかなく、多大な犠牲を出しかねない方向に突き進んでしまっているということだ。その端緒となるのが地対艦ミサイルの設置である。日本の防衛省は、それを「抑止力」といい、仮に先島を舞台に軍事衝突が起きたとしても地域限定の戦争にとどめる考えだが、それが局地戦で終わる保証はどこにもない。いつの間にか日本が戦争当事国になるだろう。そんな物騒な話は初期消火に当たった方がいいとお考えの方は、ぜひ宮古島市長選挙に注目してほしいのだ。


 また、三上さんは、今回の宮古島市長選挙について、次のように書き込む。


 立候補しているのは、届け出順に、元県議の奥平(おくひら)一夫さん(67)、現職で3期目を目指すの下地敏彦さん(71)=自民推薦=、医師の下地晃さん(63)=社民、沖縄社会大衆推薦=、前市議の真栄城(まえしろ)徳彦さん(67)の4人だ。下地敏彦現市長は、受け入れの是非を市議会で話し合うことも、市民に問うこともなく、水面下のやり取りで防衛省と受け入れ態勢を整えてきた。自衛隊の容認派でさえもその不透明さに対する不信感が強い。だから保守の真栄城さんも自衛隊容認だが、市政刷新を訴えて立候補した。一方で革新系の下地晃さんは、自衛隊配備問題は国が決めることだとして明確な反対を表明していない。そこで元県議の奥平さんが自衛隊配備反対を前面に出して立候補し、翁長知事の応援を得ている。

 四つ巴の複雑な選挙だが、現市長勝利なら自衛隊配備の決定打になるし、奥平候補が勝てばブレーキがかかるということだ。だがこの問題で安倍政権は、辺野古・高江同様、強硬姿勢をとる。菅官房長官は先週、宮古島市長選挙の結果がどうあれ、自衛隊の配備方針に全く変更はないと言ってのけた。それだけこの選挙の動向を気にしているのであろうが、あきれた発言である。

 配備先の千代田・野原という二つの集落が市議会に撤回要請を上げているにもかかわらず、黙殺して受け入れ表明に走った現市長。この市長に対して仮に市民がNOを突き付けたなら、それは宮古島市民が受け入れ表明を認めていないのであるから、民主主義国家ならば重く受け止めるとしか言えないはずだ。記者会見の場で易々と繰り返される民意軽視発言に対し、切り込まないでパシャパシャとキーボードを叩くだけの記者たちの無言が情けない。「市長選挙なんて、頑張ったって国防の方針は変えません。無駄ですよ」と反対する住民にいって無力感を与えようとする権力側のアンフェアな姿勢をなぜ追及できないのだろう。辺野古の埋め立てを急転直下認めてしまった前沖縄県知事しかり。沖縄県民の意見など聞いていたらなにもできない。知事や市長というトップだけをなんとか丸め込めばいいのだと高をくくったような現政府の態度。それは民主主義の全否定であり、国民主権を揺るがすものだ。


 宮古島は、実は、「宮古島の意気は軒昂である。」、とします。
 その意味を、三上さんはこう記します。


 同日行われる補欠選挙への立候補を決めたのだった。

 候補になったのは「てぃだぬふぁ」共同代表の一人、石嶺香織さん。3人の乳幼児を抱えての出馬である。しかも、本人も周囲も選挙はズブの素人。街宣カーも告示日には間に合わず、ウグイスも候補者本人。運動員も少ないものの、みんなまっすぐな気持ちだけで参加しているので独特の熱気のある選挙戦を展開していた。彼女たちの活動を1年余り追いかけていたのだが、なまじ政治的な活動に疎かっただけに逆に怖いもの知らずで、溢れんばかりの正義感と行動力で突き進む。その行動力は清々しいくらいだった。特に香織さんは学級委員キャラでエネルギッシュ。ストレートな表現であちこち壁にぶつかり、たんこぶはできるけれども、そこを撫でながら泣き笑いして、すくっとまた立ち上がるような女の子だ。当然、まだ無名なかおりさんだが、自衛隊配備を憂う人々の票を集めてどこまで票を伸ばせるか、今は全く未知数だが、楽しみでもある。

 今回の動画の後半は、神事を収録した。昨日17日、有名なユタ(神事をつかさどる人・霊的職能者)の方を呼んで、自衛隊配備予定地の横でこの土地が軍事的に利用されて争いが持ち込まれないよう土地の神様に祈る行事が行われたのだ。これは、すでに航空自衛隊のレーダー基地を抱えて苦労も多かった野原(のばる)集落と、隣の千代田集落が主催したもの。自分たちの故郷である宮古島が他人の手によってさらに要塞化され、挙句、防波堤にされるなんてまっぴらだ。しかし彼らの集落が上げた抗議決議が宮古島市長に無視され、また国にも「市民の選択など国防に影響はない」と梯子を外された。ならば神や先祖を味方につけようという発想は、宮古島らしい。

 沖縄本島のユタに当たる職能者を宮古島ではカンカカリャ(神がかり)と呼ぶが、今回招聘された男性のカンカカリャは、私が30年ほど前、宮古島でシャーマニズムの調査をしていた時にしばらく通って勉強をさせていただいた方だった。当時から、珍しい大学出の男性ユタとして有名で、今も彼は引っ張りだこのようだ。その根間忠彦さん自身も、過去には保守系しか応援してこなかったということだが、自衛隊配備については島の未来が危ういと今回ばかりは断固反対で、すでに各地で祈願をしていたそうだ。各地域の神々がまだ大きな影響力を持っている宮古島ならではだが、どこでも大きな事業を始めるにあたっては、まずはその集落の神様が望むものかどうかを聞いてみるのが通例だ。そして根間さんが言うには、神の意思はそこにはない。争いしか見えていないということだった。


 民俗学を学んだ三上さんとして、さらに、このように続ける。


 宮古島の住民が、現時点で自衛隊の問題をどこまで理解しているのかはわからない。ガードマンを置くくらいの表層の理解だけで抵抗感のない人もいるだろうし、何より無関心層がまだ多いかもしれない。でも、無関心であっても、宮古島には先祖を敬い目上の人を大事にする文化が根強く息づいているため、おじい、おばあが望まないことはNOだし、神さまが拒否しているという案件は、基本的に進まなくなる。ここでは民主主義によるブレーキも働くが、神さまのブレーキも大きな威力を持つ。

 こんな話は迷信と笑う人がいるかもしれないが、人間の共同体だけでは見誤る判断を補完するシステムとして、畏敬の念を抱く神と、その神秘世界を存在せしめている豊かな自然がある。この、神と自然と共同体が三位一体で有機的に繋がっている場所では、住民の大事なものを奪うようなとんでもない事業は簡単に受け入れられない。民俗学を学んだものとして、豊かな伝統文化が息づいている集落に出会った時に私がいつも感心するのは、必ずそこには神と自然と共同体の調和があるということだった。とても抽象的なことを言っているようだが、私はまだ宮古島に生きる人々のその見えない力を期待し、信じている部分がある。


 最後に、三上さんは、このようにまとめる。
 どうぞ、それぞれが考えて下さいと。


 人間の判断など、たかが70、80年の産物だ。しかし「神」という超越した存在に抽象化させて人々が先祖から子孫までスライドさせていく普遍的な価値観というものは、そこに生まれただけで過去の知恵から学び、未来に責任を持つ哲学を教えてくれる。時空を超えて必要な時に立ち現れて私たちの判断を助けるシステムとして機能する。

 戦後手にした、いや本当に掌握できていたのかどうかも今となっては怪しい「民主主義」というものは、たかが70年余りでぐらついている。沖縄の島々で、いまなお地域の規範や救済や歓喜をもたらす存在でありつづけている「神」のほうが、よっぽど確かな存在として機能しているのかもしれないと思うのは、民俗学者のたわごとだろうか。


 以下、三上智恵の沖縄(辺野古・高江)撮影日記第63回の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2017-01-19 10:14 | 沖縄から | Comments(0)

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