2017年 01月 12日 ( 3 )

神奈川労働局藤沢労働基準監督署は、三菱電機と当時の上司を労働基準法違反(長時間労働)容疑で横浜地検に書類送検。

 電通に続き、大手企業の違法性が明らかになる。
 このことは、企業の無法ぶりだけでなく、実は、日本の労働行政が、労働者の命や生活を守るのでなく、逆に企業の利潤追求のための手段となってきたのかを物語っている。

 毎日新聞は2017年1月11日、「大手電機メーカー三菱電機が新入社員だった男性(31)に労使協定で定めた上限を超える違法な長時間残業をさせたとして、神奈川労働局藤沢労働基準監督署は11日、法人としての同社と当時の上司を労働基準法違反(長時間労働)容疑で横浜地検に書類送検した。広告大手の電通も昨年末に違法な長時間労働を理由に送検されたばかりで、男性は取材に『これを機に、三菱電機も日本社会も社員の働かせ方を改めてほしい』と話した。」、と報じた。また、「書類送検容疑は、2014年1月16日~2月15日、神奈川県鎌倉市の同社研究所で医療用半導体レーザーの研究開発などを担当していた男性に、上限(月60時間)を超える時間外労働をさせたとしている。藤沢労基署は昨年11月に適応障害を発症した男性の労災を認めた際、月100時間超の残業があったとしたが、今回は証拠に基づき時間外労働は約78時間と認定したという。」、と報じた。
 毎日新聞は、このことについて、2016年11月26日に「元社員の労災認定『月160時間残業』 上司命令で過少申告」、として次のように伝えていた。


(1)入社2年目の三菱電機の男性(31)が違法な長時間残業を強いられて適応障害を発症したとして、神奈川労働局藤沢労働基準監督署が24日、労災と認定した。東京都内で25日に記者会見した男性によると、「過労死ライン」とされる80時間の2倍に当たる約160時間の残業をした月もあったが、上司の命令で少なく申告させられていた。
(2)男性は「不眠と意欲低下で『早く死んで楽になりたい』『逃げたい』とばかり考えた。過労自殺した電通の新入社員と自分は紙一重」と話した。男性は休職期間満了後の今年6月に解雇され、現在はうつ病と診断されて療養中。今後、三菱電機に解雇撤回を求めるという。
(3)認定などによると、男性は2013年4月に入社し、情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)で医療用半導体レーザーの研究開発などを担当した。14年1月以降に月100時間超の残業を強いられ、同年4月上旬ごろに適応障害を発症した。同社の入退室記録によると、繁忙期の同年1月16日から1カ月間の残業は約160時間に及んだ。しかし上司の命令に応じて59時間半と過少申告した。
(4)同社広報部は「労基署の判断を確認のうえ、対応を検討する」とコメントした。


 被害者の男性は、「これを機に、三菱電機も日本社会も社員の働かせ方を改めてほしい」、と話している。
 安倍晋三政権が、今最も受けとめなくてはならないことの一つが、この訴えにある。





by asyagi-df-2014 | 2017-01-12 20:01 | 書くことから-労働 | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江-から-2017年1月12日

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。


 驚くべきことだ。
 沖縄タイムスは2017年1月12日、「米軍オスプレイが2014年6月、落雷に遭った事故が当初の『駐機中』との説明とは異なり、宮崎県の市街地上空を飛行中に起きていたことが分かった。」、と報じたのである。
 この米軍の行為は、悪意ある改竄である。
 沖縄タイムスは、こう続ける。
「悪天候の中で飛行が許可された理由は、海軍安全センターが報告書の公開にあたって削除した。『公表すれば、事故原因調査に支障が出る』と説明している。」
「当初、センターの公表リストでは最も重大なクラスA(200万ドル以上)に分類されていたが、最も低いクラスC(5万ドル~50万ドル)に分類し直された。」
 沖縄タイムスは、「普天間所属のオスプレイは昨年12月にも乱気流、強風の中で夜間の空中給油訓練を実施し、名護市安部の海岸に墜落した。13日で事故から1カ月を迎えるが、正確な事故原因が公表されないまま飛行は再開されている。」、と報告を締める。
 このことは、極めて命に関わる問題だ。
 さらに、沖縄タイムスは、「報告書に記された緯度経度によると、実際の発生場所は宮崎県小林市の上空。高度は不明だが、付近には県立高校や市役所がある。」、と指摘する。
 そうなのだ、私たちの上空をオスプレイは飛んでいるのだ。沖縄の日常の恐怖と同様に。
 確かに、「人命より、米軍の都合が優先されていることが改めて分かった」、ことを確認した。


 2017年1月12日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-突起付き浮具設置か 辺野古新基地 市民、危険と批判-2017年1月12日 08:30


 沖縄タイムス、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、米軍キャンプ・シュワブ沿岸の砂浜に、突起物の付いた新たなフロートが並べられているのが11日午後、確認された。新たなフロートは12日以降、海上に設置される可能性がある。新基地建設に反対する市民は『カヌーや抗議船が乗り越えられないようにする対策ではないか。とがっているようにも見え危険だ』などと怒りの声を上げた。」
②「新たなフロートは通常のフロートの『浮き玉』に棒と四角い板が取り付けられた形状をしている。抗議船船長を務めるヘリ基地反対協議会の仲本興真事務局長(68)は『フロートを乗り越える抗議行動をけん制したものかもしれない。そこまでやるかという感じだ』と指摘した。」
③「沖縄防衛局はこの日、米軍キャンプ・シュワブ沖合で海底に沈めたコンクリートブロックと『浮き玉』をワイヤで結び付ける潜水作業を行った。海上では建設に反対する市民らが抗議船2隻、カヌー17艇、ゴムボート1艇で抗議行動を実施。カヌーの11人が一時拘束されたがすぐに解放された。」


(2)琉球新報-番組で沖縄ヘイト 東京MXテレビ基地問題特集-2017年1月12日 08:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「東京ローカルのテレビ局が2日、米軍北部訓練場のヘリパッド建設に反対する市民をテロリストに例える内容の番組を放送した。番組の発言者らは、建設に反対する市民らについて『何らかの組織に雇われている』と指摘、背後の組織についてヘイトスピーチ(憎悪表現)やレイシズム(差別主義)に反対する団体『のりこえねっと』(東京都)を挙げ、共同代表で在日3世(韓国籍)の辛淑玉(シンスゴ)氏を名指しで批判した。これに対し辛氏は『沖縄ヘイトは植民地の遺産だ。番組は沖縄に何をしてもいいというお墨付きを与えた。罪深い』と話している。辛氏は、放送倫理・番組向上機構(BPO)や法務省、国連に人権救済を申し立てる考えだ。」
②「問題の番組は『東京メトロポリタンテレビジョン(通称・東京MXテレビ)』(東京都千代田区)が2日に放送した『ニュース女子』。沖縄の米軍基地問題を特集し、軍事ジャーナリストの井上和彦氏が沖縄を訪れた場面を報じた。スタジオでは、東京新聞・中日新聞の長谷川幸浩論説副主幹が司会を務め、経済ジャーナリストの須田慎一郎氏、元経済産業省の岸博幸氏らが意見を交わした。番組のテロップでは反対市民について『過激派デモの武闘派集団【シルバー部隊】『 逮捕されても生活の影響もない65~75歳を集めた集団』とし『過激デモに従事させている』と解説した。『敵意をむき出しにされた』とし、取材交渉を断念したと説明し、市民らの声は取り上げなかった。」
③「井上氏は『(反対市民が)救急車も止めたとの話がある』『テロリストみたいだ』『カメラを向けると(市民は)凶暴化する、襲撃されると言われた』と発言した。普天間基地周辺で男性の名前とみられる『光広』や『2万円』と書かれた茶封筒が見つかったとして『反対派の人たちは何らかの組織に雇われているのか』とのナレーションが流れた。日当の根拠についての説明はなかったが、井上氏は『韓国人はいるわ、中国人はいるわ、何でこんなやつらが反対運動やっているんだと地元の人は怒り心頭』『大多数の人は米軍基地に反対とは聞かない』と決め付けた。」
③「スタジオの発言者は辛氏の反差別運動などの取り組みを挙げ『隙間産業。何でもいいんです盛り上がれば』『親北派だから反対運動している』などと批判した。」
④「番組に対し、のりこえねっとは『辛淑玉を誹謗(ひぼう)中傷する虚偽報道に対する抗議声明』を発表した。辛氏は『一切取材を受けていない。番組は、金でしか動かない人たちから見た沖縄観の典型だ。正義や道徳、思いで動く人たちが理解できないのだろう。沖縄ヘイトの内容を公共放送で流した点は罪深い』と話している。」
⑤「東京MXテレビは琉球新報の取材に対し『状況確認および回答の可否も含めて、結論が出ておりません』と回答した。」


(3)沖縄タイムス-オスプレイ、宮崎で落雷 市街地上空 プロペラ破損 2014年-2017年1月12日 05:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍オスプレイが2014年6月、落雷に遭った事故が当初の『駐機中』との説明とは異なり、宮崎県の市街地上空を飛行中に起きていたことが分かった。右側のプロペラ3枚のうち2枚が破損したほか、複数の制御機器にトラブルが発生していた。本紙が情報公開請求で米海軍安全センターの調査報告書を入手した。」
②「報告書によると事故機は14年6月26日午前10時51分、岩国基地(山口県)を離陸。普天間飛行場に向けて飛行していた午前11時43分、雷に打たれた。乗員は明るい閃光(せんこう)と乱気流を感じたという。乗員3人にけがはなく、そのまま普天間に着陸した。事故は当初、海軍安全センターの公表リストに掲載されたが、その後説明がないまま消去されていた。米軍は本紙や県などの問い合わせに『飛行中に落雷の兆候はなかった』『普天間に駐機中だった』などと説明していた。報告書に記された緯度経度によると、実際の発生場所は宮崎県小林市の上空。高度は不明だが、付近には県立高校や市役所がある。また、当日は飛行前から悪天候が予想されていたことも判明した。出発地の岩国と航路に近い鹿児島空港の気象観測では雷雨やあられ、乱気流の警報が出ていた。ところが、事前の飛行計画にはこれらの警報の記載がなかった。何らかの理由で乗員に伝えられなかった可能性がある。」
③「悪天候の中で飛行が許可された理由は、海軍安全センターが報告書の公開にあたって削除した。『公表すれば、事故原因調査に支障が出る』と説明している。ただ、事故機の飛行計画がずれ込んでいたことは分かった。事故機は別のオスプレイと計2機で6月24日、兵器と兵員の輸送のため普天間から韓国の米軍烏山(オサン)基地に飛行。当初はその日のうちに引き返す予定だったが、荷物の積み降ろしに時間がかかった。翌25日、給油のため岩国に飛行した時も、悪天候のために一時待機を強いられていた。」
④「落雷事故による被害総額は28万6627ドル(約3300万円)。当初、センターの公表リストでは最も重大なクラスA(200万ドル以上)に分類されていたが、最も低いクラスC(5万ドル~50万ドル)に分類し直された。」
⑤「普天間所属のオスプレイは昨年12月にも乱気流、強風の中で夜間の空中給油訓練を実施し、名護市安部の海岸に墜落した。13日で事故から1カ月を迎えるが、正確な事故原因が公表されないまま飛行は再開されている。」


(4)琉球新報-沖合で潜水作業進む 辺野古新基地建設 市民80人が抗議-2017年1月12日 11:47


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、沖縄防衛局は12日午前、沖合に沈められている大型ブロックと新たに運んだ大型の「浮き玉」をワイヤで結びつける潜水作業を複数カ所で行った。この作業は11日に続いて2日目。米軍キャンプ・シュワブ沿岸の砂浜では浮具(フロート)とフロートに取り付ける突起物がそれぞれトラックで運ばれた。フロートに突起物を取り付ける作業が行われる。沖合と砂浜での作業の準備が済み次第、沖合に設置した大型の「浮き玉」を目印に「臨時制限区域」を示すフロートや油防止膜(オイルフェンス)が設置されるとみられる。」
②「新基地建設に反対する市民は抗議船3隻、ボート1隻、カヌー12艇で抗議行動をしている。海上保安庁はゴムボートを少なくとも10艇を出し、市民の動きを警戒している。」
③「米軍キャンプ・シュワブのゲート前では建設に反対する市民約60人が12日午前7時ごろから集会を始めた。午前10時半現在、市民ら約80人が集まり、「新基地反対」と声を上げながらテント前からシュワブ沿岸が見えるゲートの付近まで行進しシュプレヒコールを上げている。」


(5)琉球新報-「番組はヘイトスピーチそのもの」 東京MXテレビに市民が抗議-2017年1月12日 11:35


 琉球新報は、「東京ローカルテレビ局の東京MXが2日に放送した番組『ニュース女子』で本島北部のヘリパッド建設に反対する市民をテロリストに例えるなど攻撃する内容を放送した問題で、東京の市民ら有志は12日午前、千代田区の東京MX社の前で抗議行動をした。フリーの雑誌編集者川名真理さんがSNSで呼び掛け、17人が集まり『番組はヘイトスピーチそのもの』『謝罪・訂正して検証番組を放送せよ』などと声を上げた。」、と報じた。
 また、「川名さんはマイクを手に『現場で座り込みをしている市民が日当をもらっているなどあり得ない。うその内容を公共放送を使って流したことは大きな問題だ』と主張した。『人間の尊厳を懸けた闘いをあざけ笑った。ヘイトスピーチだ。そもそも本土に住んでいる私たちが沖縄に基地を押し付けている。それを自覚してほしい』などと訴えた。」、と伝えた。


(6)沖縄タイムス-オスプレイ飛行中落雷、なぜ米軍は隠していたのか-2017年1月12日 11:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍の隠蔽(いんぺい)体質が改めて浮き彫りになった。『普天間飛行場に駐機していたオスプレイに落雷した』と発表された2014年6月の事故は、実は宮崎県の市街地上空を飛行中に起きていた。重大事故の隠蔽に、沖縄県内の訴訟団や市民団体は怒りをあらわにした。」
②■頼和太郎さん(リムピース編集長):「落雷に遭ったのが駐機中ではなく、宮崎県の市街地上空で飛行中だったことをなぜ隠していたのか。これは国内でオスプレイ配備に反対の声が根強い中で、事故の重大性を小さく見せたかったのだろうと考える。当初、米軍側が被害クラスAとしていたものをクラスCに分類し直したことからも、日本国内の世論を気にしてオスプレイの事故率を上げたくないという米軍側の思惑が見える。
 航空機が落雷に遭うのはよくあることだがプロペラの破損や制御機器のトラブルなど、重大な問題が発生しているのであれば安全な場所に不時着するべきだった。市街地上空で大きな事故を招く危険性もある中、そのまま普天間飛行場まで飛行を続けたことは考えられない。オスプレイ以外の米軍機でも同じような事案が繰り返され、隠されている事実がもっとあるはずだ。(談)」

プロペラ破損したまま普天間へ戻る
③「『あまりにもひどい』。普天間爆音訴訟団の島田善次団長は、落雷でプロペラが破損したままのオスプレイが、そのまま普天間飛行場まで飛行していたことに怒りの言葉を何度も口にした。『政府や米軍が繰り返す安全性は、全くのうそだ。ひどいという言葉しか頭に浮かばない』と吐き捨てるように言った。
 同訴訟団の石川元平副団長は『県民だまし、国民だまし。みんなだまされ続けている。オスプレイの問題だけでなく、米軍絡みのあらゆる事件事故に通じる』と強調。『オスプレイは“空飛ぶ棺おけ”。本土に住む人たちも早く気付くべきだ』と声を荒らげた。」
④「『米軍の説明はごまかしばかりで全く信用できない』。第3次嘉手納爆音訴訟原告団の新川秀清団長は、米軍が昨年12月の同機墜落を『不時着水』と矮小化していることを挙げ、『事故を小さく見せかける米軍のやりたい放題に対し、政府は何も言えない。植民地と変わらない。怒りの沸点を超え、ワジワジーという言葉では全く足りないくらいだ』と憤った。」
⑤「県統一連の瀬長和男事務局長は『事故率を低く見せ、安全だと示したい思いがあるかもしれない』と不信感を示した。宮崎県の市街地上空での落雷については『そもそもオスプレイに反対だが、市街地上空を飛ぶこと自体が問題』と指摘。悪天候が予想された中での飛行実施について『人命より、米軍の都合が優先されていることが改めて分かった』と語気を強めた。」


(7)琉球新報-沖縄の米施政権に「影響なし」要求 65年覚書で米が日本にくぎ刺す-2017年1月12日 10:53


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「外務省は12日、外交文書24冊を一般公開した。沖縄関係は1冊。米施政権下の沖縄への経済援助などを話し合う日米協議委員会の機能拡大を図る日米間の交渉で、1965年に公文を交換する際、米側がサンフランシスコ講和条約第3条を根拠に「琉球諸島に対する合衆国の権利に影響を及ぼさない」と記した不公表覚書を出していたことが分かった。米側の施政権に変更を及ぼさないよう日本側にくぎを刺す狙いがあったとみられる。」
②「佐藤栄作首相も65年3月24日に、外務省から交渉状況の報告を受け『チャレンジする気はない』と述べ、米側の施政権を変更する意志がないことを示していた。これを受け外務省は翌日の3月25日、駐日米大使館のエマーソン公使に佐藤首相の意向を伝えていたことが極秘公文で分かった。」
③「沖縄の日本への返還が約束され、復帰に向けた話し合いが進む70年、施設の縮小などを理由とした米軍基地従業員の大量解雇を巡っては、米側が日米協議委員会の議題として取り上げられることを避けていたことが分かった。同年の第18回会合に向けた事務折衝で米側が出した議題案に盛り込まれておらず、外務省の極秘メモに『正式の議題としては取り上げられたくないとの意向』と記されている。」




by asyagi-df-2014 | 2017-01-12 18:07 | 沖縄から | Comments(0)

「説明責任を果たさない外務省の『政治的な成長の段階』は、87年時点と変わらない」

 西日本新聞は2016年1月3日、標題について次のように報じた。


(1)日本の外務省が1987年、米政府に対し、核兵器の持ち込みに関する密約を含む50年代後半の日米安全保障条約改定交渉など、広範囲にわたる日米関係の米公文書の非公開を要請していたことが、西日本新聞が米情報自由法に基づき入手した米公文書で明らかになった。密約などについて米側は要請通り非公開としていた。米公文書公開への外務省の介入実態が判明したのは初めて。

 「際限ない」米側不快感示す
(2)文書は87年4月、米公文書の機密解除審査部門責任者の一人、故ドワイト・アンバック氏が作成した「機密解除に関する日本の申し入れ書」。作成から30年たち機密解除の審査対象となる50年代の米公文書について、在米日本大使館は87年1、3月、機密を解除して国務省刊行の外交史料集に収録しないよう同省東アジア太平洋局に文書で申し入れており、同局とアンバック氏が対応を協議した3ページの記録だ。申し入れは米歴史学者の調査で判明していたが内容は不明だった。
(3)文書によると、日本側が非公開を求めたテーマは(1)「核兵器の持ち込み、貯蔵、配置ならびに在日米軍の配置と使用に関する事前協議についての秘密了解」(2)「刑事裁判権」(3)「ジラード事件」(57年、群馬県で在日米軍兵士が日本人主婦を射殺した事件)(4)「北方領土問題」(5)「安保改定を巡る全般的な討議」。(1)(2)については「引き続き(公開)禁止を行使する」との結論が明記されていた。
(4)日米外交史に詳しい菅英輝・京都外国語大教授は(1)について安保改定時の「米核搭載艦船の通過・寄港を事前協議の対象外とした核持ち込み容認の密約」だと指摘。今も関連文書の一部は非公開だ。(2)は53年の日米行政協定(現在の日米地位協定)の改定時に、米兵らの公務外犯罪のうち重要事件以外は日本政府は裁判権を放棄したとされる問題とみられるという。一方、(3)(4)(5)については事実上、要請を拒否する方針が記されていた。
(5)文書によると、アンバック氏は「われわれは広範囲にわたる際限のない非公開要請には同意できない」と強調。外交史料集刊行などに「深刻な問題を引き起こす」と警告し、全て受け入れれば関係する二つの巻のうち1巻は全体の約3分の1、残る1巻は60%以上の分量が影響を受けると懸念。「これは米政府による情報公開を外国政府が統制できるのかという根源的な問いを提起している。答えは明らかにノーだ」と強い不快感を示していた。


 また、松永勝利さんのFBでこのことが次のように紹介されています。


 西日本新聞が新年早々の1月3日、調査報道による特ダネ記事を掲載しました。
 日本の外務省が1987年、米政府に対し、核兵器の持ち込みに関する密約を含む50年代後半の日米安全保障条約改定交渉など、広範囲にわたる日米関係の米公文書の非開示を要請していたことを西日本新聞が米情報自由法(FOIA)に基づいて入手した米公文書で明らかにしました。
 日本側の要請に対して、米側は核持ち込みの密約など一部については同意したものの、そのほかの公文書については要請を拒否する方針を示したようです。
 その理由について米公文書の機密解除審査部門責任者の一人故ドワイト・アンバック氏はこう説明しています。
「これは米政府による情報公開を外国政府が統制できるのかという根源的な問いを提起している。答えは明らかにノーだ」
 米海兵隊のオスプレイ沖縄配備についても日本側が情報隠しをしていたことが分かっています。米側は1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告の草案で、オスプレイの沖縄配備を明記していたにも関わらず、当時の防衛庁の高見沢将林運用課長が文言の削除を求めたため記述が消されました。沖縄県民に知らせないためです。
 その後、日本政府は沖縄側からオスプレイ配備の可能性を問われても、一貫して「知らぬ」としらを切り続け、配備を公に認めたのは、それから15年後の2011年12月のことでした。配備10カ月前のことです。
 西日本新聞が突き止めた事実は、日本政府が米国との交渉で、米国にとっては自国民に公表しても構わないと判断できる事柄についてさえ、日本国民に伝えてもらっては困ると考えるような外交を繰り返してきたことを白日の下にさらしました。
 この事実を突きつけられた外務省は西日本新聞の取材に対して
 「外交上のやりとりにつき、お答えは差し控えさせていただきます」と答えています。
 この姿勢について西日本新聞は関連記事でこう締めくくりました。「説明責任を果たさない外務省の『政治的な成長の段階』は、87年時点と変わらない」
 琉球新報としてもすぐに追いかけ取材するべきですが、公文書を入手する作業などが必要です。さらに報道まで日数を要するでしょう。
 3日夕のデスク会議で「すぐにでも沖縄の読者に伝える必要がある記事だ」と判断し、友好関係にある西日本新聞に記事の転載をお願いし、快諾していただきました。
 琉球新報の4日朝刊1面に本記、3面に関連記事を掲載させていただきました。記事冒頭に「西日本新聞提供」と断り書きを入れさせていただきました。感謝申し上げます。
 下記で西日本新聞の記事を読むことができます。
 今後も新聞連携を深めていきたいと思います。

外務省が「核密約」非公開要請 米公文書で裏付け 介入実態が判明したのは初(西日本新聞)


 松永勝利さんは、「西日本新聞が突き止めた事実は、日本政府が米国との交渉で、米国にとっては自国民に公表しても構わないと判断できる事柄についてさえ、日本国民に伝えてもらっては困ると考えるような外交を繰り返してきたことを白日の下にさらしました。」、と指摘します。
 確かに、「説明責任を果たさない外務省の『政治的な成長の段階』は、87年時点と変わらない」、との西日本新聞の結論は、まさに今を言い当てている。


 以下、西日本新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2017-01-12 09:30 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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