2016年 12月 31日 ( 4 )

沖縄-辺野古・高江から-2016年12月31日

 沖縄の現場に立てないのなら、せめて事実をきちんと確認したい。
 それも、覚悟のある記者の言葉から。
 そんなことから、琉球新報と沖縄タイムスの記事を残すことにしました。
 自分の資料の基本としても。
 思えば、「構造的差別では語るに足らない、もうひとつの差別が浮き彫りになった1年だった。」(仲村清司さん)、という事実に気づかされる日々でもありました。
 2016最後の「沖縄-辺野古・高江から-」です。


 2016年12月31日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-米軍属殺人、高江強行、辺野古裁判… 記者が振り返る沖縄基地問題1年 【深堀り】-2016年12月30日 18:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「2016年も沖縄は米軍基地問題に翻弄(ほんろう)された。米軍属による暴行殺人事件に県民の怒りが広がり、6万5千人規模の県民大会につながった。国は北部訓練場の過半を返還して負担軽減をアピールする一方、違法確認訴訟の勝訴を理由に27日、名護市辺野古の新基地建設を再開した。しかし、新基地で運用されるオスプレイは13日、名護市安部への墜落と普天間飛行場への胴体着陸という二つの事故を起こしており、危険性を白日の下にさらした。基地問題の重要局面を取材した記者たちが、それぞれの視点で振り返った。」

【米軍属による暴行殺人事件】県民の「痛み」軽視】
①「悲惨な事件さえ政府は政治利用していないか。元海兵隊員で軍属の男による暴行殺人事件を受け、日本政府は26日、軍属の範囲を明確化する日米合意に達したと発表した。岸田文雄外相の『日米同盟のさらなる深化につながる』との発言に、怒りに近い感情が芽生えた。事件から半年後、被害女性の父親は米軍関係者の事件がこれ以上起きないようにと訴え、『一日も早い基地の撤去を願っている』との手記を発表した。その家族を前に『(事件は)日米の深化につながった』と言えるだろうか。」
②「女性を悼み、6万5千人が集まった県民大会では、登壇者や参加者から『被害者は私だったかもしれない』との声が聞こえた。自宅の近くをウオーキングしていただけの女性を無慈悲に襲い、殺し、山中に遺棄した事件。多くの県民が悲惨さに胸を痛め、自分のことのように受け止め、会場に足を運んだ。しかし、事件の痛みは政府にとっては『日米関係への悪影響』に変質する。それは米軍も同じだ。オスプレイの墜落事故後、在沖米軍のトップは『感謝されるべきだ』と言い放った。」
③「『事件事故を起こさないでほしい』『被害者をこれ以上出さないで』という切実な訴えを、上から目線で『日米関係が深化した』『感謝されるべきだ』と言い放つ日米の再発防止策など期待できない。                            ④「『娘にお酒をついでほしかった』。そんな小さな幸せを壊す根本原因は何か。日米が目を背け続ける限り、沖縄の犠牲はやまない。」
(社会部・新崎哲史)

【安倍政権と沖縄】米国優先 高江工事を強行】
①「安倍晋三首相の目に、沖縄は映っていない。沖縄からは、そのことがよく分かる。28日朝(現地時間27日午前)、米ハワイ・真珠湾での演説を聞き、改めて確信した。名護市辺野古の新基地建設問題で、安倍政権は最高裁判決を『錦の御旗』に、知事が埋め立て承認取り消し処分を取り消した翌日に工事を強行的に始めた。」
②「東村高江周辺の米軍北部訓練場へのヘリパッド建設でも、国は反対する市民を排除するために大量の機動隊を投入、抗議をあざ笑うかのように自衛隊ヘリで上空から資材を搬入した。」
③「建設反対、という県民の声に安倍政権は耳を傾けない。そうして民意に反して造られたヘリパッドも、建設が進む辺野古新基地も、完成後に使用するのは米軍だ。沖縄の人々は日々、米軍機の墜落に恐怖し、騒音に耳をふさぎ、凶悪犯罪におびえる。戦後71年がたった今も、沖縄はまさに米軍の『占領下』だ。」

【首相の目は、常に米国に向いている。】
①「首相は真珠湾での演説で、かつての敵国日本を許した米国を『大いなる寛容の心』の持ち主だと絶賛した。戦後、手を差し伸べてくれた米国に感謝した。日米は『寛容』の大切さを世界へ発信する任務があるとも言った。沖縄がいまだに『占領』されているにもかかわらず、だ。その姿勢は戦後、米海兵隊を本土から沖縄に押し付けた構図と重なる。『沖縄から目をそらせば、全てがうまくいく』。そんな思考が透けて見える。米国の『寛容の心』の裏で沖縄が苦しめられている現実を、決して表に出さないよう、政府は躍起だ。」(政経部・大野亨恭)

【翁長県政と基地】保革で揺らぐ知事態度』
①「翁長雄志知事が、米軍基地問題へのスタンスを厳しく問われた年だった。」
②「米軍北部訓練場の返還とヘリパッド建設で、一度は返還を『歓迎する』と発言して3日後に撤回。さらに返還を『苦渋の選択の最たるもの』と発言したため『ヘリパッド建設容認』と報じられ、物議を醸した。端的に言うと、翁長県政は『建白書』と書かれた旗の下に、さまざまな立場の勢力が集結した『1点共闘主義』だ。」

 建白書の主張は「普天間飛行場の県内移設断念」と「オスプレイ配備撤回」であり、これを「全ての米軍基地の県内移設断念」に拡大すれば、保守系の支持層が「非現実的だ」とそっぽを向く。

 だからヘリパッド建設の反対を明言せず、那覇軍港の浦添移設は「容認」と表明した。革新系の支援者からは失望の声も漏れる。

 辺野古以外の県内移設への対処を通して「県政-与党-市民」という三角形に、まだら模様が浮かび上がった年でもあった。

 もともと革新色が強い与党だが、建白書の実現を重視しているため、知事に公然と異を唱える場面は少ない。ただ、地元では「なぜ知事に県内移設を容認させるのか」という支援者の突き上げにさらされる。

 知事と「腹八分、腹六分」で連携するが、与党は「われわれが支援者に頭を下げて我慢している『腹二分、腹四分』に、知事はどの程度、思いをはせているだろうか」との疑心も持つ。

 現在の米軍再編計画の基礎となったSACO(日米特別行動委員会)最終報告は、大半の返還予定基地を県内に移設する内容だ。

 知事は戦後71年もの間、沖縄が過重な基地負担を背負わされてきた歴史を繰り返し訴えている。であれば、新たな負担のたらい回しであるSACOの正当性を問い直し、保守系の支持層に丁寧に説明して理解を得るのが筋ではないか。(政経部・吉田央)

【辺野古違法確認訴訟】権力のゆがみ 是正せず 

 翁長雄志知事の辺野古埋め立て承認取り消し処分の適法性を巡って国と県が争った「辺野古違法確認訴訟」は、あっけない最高裁判決で幕を閉じた。最高裁は12月、明確な根拠法や話し合いがないまま新基地建設をごり押しする国の「ゆがんだ権力行使」について何も言及することなく、わずか12ページの判決で訴訟を終局させた。国の提訴から約5カ月。明らかに審理不十分だ。

 代執行訴訟の和解を受け、国の是正指示の違法性を訴えて県が審査を求めた国地方係争処理委員会(係争委)は、決定主文で是正指示の違法性を指摘するか、「円満解決」に向けた協議を強く促すべきだった。

 ただ、仮に係争委が国に是正指示の違法性を勧告したとしても、国にそれを順守する義務はない。90日という法定の審査期間もネックになったのだろうか。

 係争委は国が地方に違法な介入をした場合に、不服を申し立てられる「駆け込み寺」として新設された第三者機関だ。しかし改正地方自治法が与えた権限は弱く、このような深刻な国と地方の対立では機能しないことが明らかになった。

 9月の違法確認訴訟の一審福岡高裁那覇支部判決は、「辺野古唯一」や「沖縄の地理的優位性」を認定した信じがたいものだった。最高裁は法治主義を真っ向から否定した一審判決に対し、判断枠組みの変更で逃げずに、法解釈と審理不尽を指摘して破棄差し戻しを決断するべきだった。

 県が最高裁への上告理由書で訴えた「国内法に基づかず、米軍基地を建設することが許されるのか」との指摘を、全国の都道府県はどれだけ深刻に受け止めたのだろう。今後、他府県で米軍基地建設が議論され、都道府県が反対した場合、国は今回と同様に、是正指示と提訴を連発するのだろうか。(社会部・国吉聡志)

【米海兵隊撤退決議】撤退機運の醸成 道半ば

 海兵隊は沖縄に駐留する必要があるのか?

 名護市辺野古の新基地建設問題で閉塞(へいそく)感が漂う中、古くて新しい問い掛けがクローズアップされた。

 県議会は5月、「在沖海兵隊の撤退」を求める決議と意見書を全会一致で初めて可決した。自民会派は退席したが、公明会派は賛成に回った。翁長雄志知事が参加した5月の県民大会でも主要スローガンの一つとなった。知事を支持する最大の議員グループ「立憲ネットワークおきなわ」は12月、海兵隊撤退を求める声明を出した。

 日本政府は海兵隊の地上部隊と航空部隊を切り離すことはできないと主張してきた。であれば、普天間飛行場の県外移設といった部隊や施設ごとに議論するより、全体の撤退を求める方が合理的だ、そんな見方が広まりつつある。

 戦闘部隊を輸送する艦船は長崎県佐世保市にあるという状況を一つとっても、沖縄でなければ運用できないという根拠は乏しい。

 小さなかごにあまりにも多くの卵を詰め込みすぎていることが、沖縄問題の本質だ。かごの中に押し込めたまま、バランスを取る弥縫(びほう)策では解決につながらないことは、この20年間で証明されている。

 ただ、機運を醸成できたかといえば、そうではない。翁長知事が「撤退」に踏み込んだことはなく、県内でも意見がまとまっていないのが実情だ。

 海兵隊は在沖米軍の兵力の6割、面積の7割を占める。撤退すれば米軍絡みの事件・事故は大幅に減り、基地問題の大半が消滅する。掛け声倒れに終わらず、「辺野古が唯一」と繰り返す日本政府の“固定観念”を崩すにはどうすればよいか。「雨垂れ 石を穿(うが)つ」ような政治的エネルギーが必要なのは間違いない。(特別報道チーム・福元大輔)


(2)琉球新報-墜落オスプレイ、残骸回収やり直し 米軍、トラック1台分-2016年12月31日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが13日、名護市安部の海岸に墜落した事故で、米海兵隊は30日、同海岸の浅瀬付近に散乱しているオスプレイの残骸や部品の回収作業を行った。米海兵隊は機体の回収作業を終了したと22日に発表したが、住民が調べたところ、墜落現場付近の浅瀬や岩礁に無数の残骸や部品が回収されずに残っていた。そのため、安部区は28日、沖縄防衛局担当者に『完全な回収』を求める抗議文を手渡した。米軍は防衛局を通じて数日内に回収作業を行う意向を示していた。」
②「作業は30日午前10時ごろから夕方近くまで行われた。米海兵隊員25人以上が3艇のゴムボートに分乗し、周辺の海域に潜水しファイバー繊維、鉄、プラスチック、電気ワイヤなどの残骸や部品を集めた。集めたものは複数のカヌーに積み込み浜に運んだ。トラック1台分の残骸や部品が回収された。沖では海上保安庁のボートが作業を見守っていた。」
③「同日の朝、作業の連絡を受けたという當山真寿美区長は『できるだけ早くやるように求めていた。しっかり回収してほしい』と話した。区民の男性は『まだたくさん残骸が残っていたので、米軍が回収を行うのは当然だ。元の状態に戻してほしい』と求めた。」


(3)沖縄タイムス-知事は直ちに「撤回」を 政治的判断には説明責任[平安名純代の想い風]-2016年12月31日 10:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米ニューヨーク・マンハッタンの5番街にあるトランプ・タワー内のレストランで約2週間前、元米高官と会食した。同氏が推した人物がトランプ新政権に閣僚入りしたこともあり、新政権や対日交渉役の顔ぶれの変化などに関する話題がしばらく弾んだ。」
②「米軍再編に深く携わり、訪沖経験もある同氏との会話はやがて辺野古移設へと移り、高江のヘリパッドがもうすぐ完成すると告げると、遠くを見るような表情で『高江も辺野古も一つの大きなパズルのピース(断片)だ。辺野古を阻止しようというならば、パズルそのものを作り替える必要があるのだが…』と声を落とした。『沖縄は島全体がひとつの米軍基地だ』と語るその元高官は、米政府内にある沖縄の民意の尊重を説く声は、いつの時代も米軍にひっくり返されてきたと指摘し、『法廷で争える今がその構図をひっくり返す最大のチャンスだ。すべてのカードを使って最後まで闘い抜く必要がある』と強調した。」
③「翁長雄志知事は26日、辺野古埋め立て承認取り消し処分を取り消した。『新基地は造らせないと改めて決意を固めた』といいながら、自ら工事再開を復活させた言動の不一致を理解するのは難しい。』
④「米側では今後の展開について、工事再開後に県が埋め立て承認を撤回する場合、日本政府は撤回によって生じる不利益の補償を県に請求できるため、撤回の時期が長引くほど展開は沖縄にとって不利になると予想する。一方、県内では、知事はなぜ取り消しを急ぐ必要があったのかと指摘する声もある。うるま市具志川九条の会のメンバーら約100人は26日午前、県庁で抗議集会を開催。元裁判官の仲宗根勇共同代表は、『承認取り消しを取り消すならば、同時に撤回に踏み切るべきだ』と何度も強調し、埋め立て承認が復活すれば工事が再開され、後に撤回しても、裁判で勝つまで工事が続いていく危険性を指摘。同会議メンバーらも、翁長知事は承認取り消しでは第三者委員会を設置し時間をかけて検討したが、今回はなぜこんなに急ぐのかと疑問視。『現場に危機的状況を招かないでほしい』と訴えた。」
⑤「前述した元高官に、こうした状況を告げると『少数でも正論だ。戦略のない闘いに勝利はない。行動の遅さは致命的結果を招く』とと撤回の重要性に理解を示した。」
⑥「確かに沖縄は再び最高裁で敗れた。しかし、自信を持てばいいのだ。沖縄の自己決定権を主張するのに世論を恐れる必要はない。建設的な批判を尊重し、軌道修正して闘いを続ければいいのだ。そのためにもまず、翁長知事は今回の重大な政治的判断を巡る県民への説明責任を果たし、直ちに撤回を実行する必要がある。」


by asyagi-df-2014 | 2016-12-31 17:30 | 沖縄から | Comments(0)

「土人」「シナ人」発言を考える。(52)

 沖縄タイムスは2016年12月14日、「沖縄『土人』発言から見えるもの 琉球独立学会がシンポ」の記事を掲載した。
 沖縄タイムスは、次のように伝えた。


(1)琉球民族独立総合研究学会のオープン・シンポジウム「高江、辺野古問題、『土人・シナ人』発言問題から考える琉球独立」が3日、沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学であり、発表者が高江、辺野古の基地建設や機動隊員による差別的発言の問題点について議論した。会場には約120人が参加。各発表に耳を傾けた。
(2)シンポでは、高江・ヘリパッドいらない住民の会の儀保昇氏が高江の現状について報告。「12月までに工事がどんどん激しくなり、今では1日に100台の車が砂利を運び込んでいる。山の中は惨憺(さんたん)たるもの」と報告した。その上で「現場の県警は他府県から来た警察の指揮下に入っているように動いていて惨めだと思う。抗議をする人たちが力ずくで排除されているが、それでも朝から多くの人たちが来てくれることが救い。アキラメテナィビランドー」と呼びかけた。
(3)龍谷大学の松島泰勝教授は、日本国憲法の改悪が琉球独立運動に与える影響について発表。国民の権利や言論や表現の自由が制限される自民党の改憲草案の問題点を指摘しながら「国家の独裁体制のような状況が実現され、独立学会の活動も大きな規制を受ける恐れがある」と説明。「辺野古や高江の背景には、改憲で日本を独裁国家にしていく大きな動きがある。独立学会としては今後の琉球独立を目指して、実効性の高い自らの憲法草案を作る必要がある」と強調した。
(4)琉球大学大学院の親川志奈子氏は、「土人」という差別的な表現への怒りとともに「私たちは土人ではない」という反応も多かったとして「これでいいのかと大変違和感を覚えた」と問題提起。人類館事件などを例にしながら「この痛みや怒りと正しく向き合わなければ『土人と一緒にするな』と差別される存在を前提としたまま、逆に私たちも差別者になる。日本人に同化しなければ差別されてしまうという心理は、悲しいまでの被植民者の精神の表れだ」と問題視した。
(5)このほか、琉球新報の普久原均編集局長は高江での記者拘束の問題や「土人」発言の概要について、西原町議会の与那嶺義雄議員は植民地主義や琉球・沖縄人のアイデンティティーの重要性について、それぞれ基調講演した。


 確かに、「『この痛みや怒りと正しく向き合わなければ【土人と一緒にするな】と差別される存在を前提としたまま、逆に私たちも差別者になる。日本人に同化しなければ差別されてしまうという心理は、悲しいまでの被植民者の精神の表れだ』と問題視した。」、との指摘は、一方で、真実を突いている。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-31 15:45 | 沖縄から | Comments(0)

「土人」「シナ人」発言を考える。(51)

 沖縄タイムスは2016年12月11日、「「対等な生き方できない」 土人発言巡る会合で金城馨さん」の記事を掲載した。
 沖縄タイムスは、金城馨さんの声を次のように伝えた。


(1)沖縄に関する文献を集めた大阪市大正区の「関西沖縄文庫」を主宰する金城馨氏(63)が10日、福岡市で講演した。今年10月に沖縄県にある米軍北部訓練場の工事反対派に現場を警備していた機動隊員が「土人」といった暴言を吐いたことに関し、「社会で差別が普通にあり、対等な生き方ができない問題がある」などと訴えた。
(2)金城氏はこの日、約30人を前に「過去と向き合う力」をテーマに講演。1903年に大阪で開催された内国勧業博覧会で沖縄の女性が見せ物扱いされた「人類館事件」を例に、日本社会に以前から差別意識が根強いことを問題提起した。
(3)米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古移設については「あれだけ沖縄県民の反対意見が強くても強行しようとするのは明らかに政府による暴力だ」と指摘。明治政府が琉球を併合した「琉球処分」を引き合いに出し「暴力が今も継続されているということだ」と強調した。


 確かに、この問題が提起したことは、「社会で差別が普通にあり、対等な生き方ができない問題がある」、ということだった。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-31 11:19 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄の2016年は。沖縄タイムスは、「『土人』『シナ人』発言」を読者が選んだ、と伝える。では、自分たちの2016は。

 考えてみれば、2016は、問われた年だったのだ。
 自らの主体性を試された日々だったのだ。
 それは、「構造的差別では語るに足らない、もうひとつの差別が浮き彫りになった1年だった。」(仲村清司さん)。
 事実が見えた。まして、「国家の仕組みが構造的差別だとすると、人が人を見下す民族的差別が表出した。」(仲村清司さん)、と。
 今、茨木のり子の詩が聞こえてくる。
「悪意はどこまでも広がるが、善意の声はすぐにかき消されてしまう。抵抗するためには小さき者、声なき者の声に耳を澄ませて聞き取らなければならない。」(喜納えりかさん)の声に、重なる。
 茨木のり子の詩が、沖縄の声と共鳴する。


ばさばさに乾いていく心を
ひとのせいにするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか


苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし


初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった


駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄


自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ




 沖縄タイムスは2016年12月30日、「ことし1年間を象徴する言葉として、沖縄タイムスがノミネートした19語の中から読者が選ぶ『沖縄版・流行語大賞2016』に、『【土人】【シナ人】発言』が決まった。東村高江周辺のヘリパッド建設に反対し、現場で抗議する人々に対し、いずれも大阪府警の機動隊員が言った。発言は機動隊員個人の問題ではなく、琉球処分からつながる本土側の県民への差別意識が露骨に出た言葉として批判が集中した。」、と報じた。
 果たして、日本人が選ぶ「2016」に「『土人』『シナ人』発言」は入るだろうか。
沖縄が「琉球処分からつながる本土側の県民への差別意識が露骨に出た言葉」として位置づける重要性に、どうやら「本土」の大部分は気づきもしないのだろう。
なお、2位及び3位についても、「2位は、名護市安部の海岸に米軍普天間飛行場所属のオスプレイが墜落したことを受けた『オスプレイ墜落?不時着?』が選ばれた。国内配備後、機体が大破した初めての重大事故で、配備に反対してきた県民の間に衝撃が広がる中、米軍や政府は『墜落』という言葉を使わず、『不時着水』を繰り返した。3位もオスプレイ墜落に関連し、在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官が『被害がなかったことは【感謝されるべきだ】』との発言が選ばれた。」、と沖縄タイムスは報じた。
  沖縄タイムスは、沖縄の2016を次のように伝える。


 ことし1年間を象徴する言葉として、沖縄タイムスがノミネートした19語の中から読者が選ぶ「沖縄版・流行語大賞2016」に、「『土人』『シナ人』発言」が決まった。東村高江周辺のヘリパッド建設に反対し、現場で抗議する人々に対し、いずれも大阪府警の機動隊員が言った。発言は機動隊員個人の問題ではなく、琉球処分からつながる本土側の県民への差別意識が露骨に出た言葉として批判が集中した。
 投票は20日から5日間、本紙ホームページやファクスで受け付け、計147人が参加。複数投票も可能とし、「土人」「シナ人」発言は投票総数の約6割を占める79票を集めた。
 2位は、名護市安部の海岸に米軍普天間飛行場所属のオスプレイが墜落したことを受けた「オスプレイ墜落?不時着?」が選ばれた。国内配備後、機体が大破した初めての重大事故で、配備に反対してきた県民の間に衝撃が広がる中、米軍や政府は「墜落」という言葉を使わず、「不時着水」を繰り返した。
 3位もオスプレイ墜落に関連し、在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官が「被害がなかったことは『感謝されるべきだ』」との発言が選ばれた。


 また、このことについて、「本土との温度差が浮き彫りに」、と次のように続けた。


 「衝撃的な発言だった」「沖縄の1年を象徴する言葉だった」。東村高江の米軍北部訓練場周辺で10月18日、大阪府警から派遣されている機動隊員が、工事に抗議する市民に対し「触るなくそ。どこつかんどんじゃボケ。土人が」「だまれ、こら、シナ人」などと発言した。ことしの「沖縄版・流行語大賞」投票者の55・2%が「土人」「シナ人」発言を選んだ。
 理由は「本土との温度差と沖縄に対する差別感情が浮き彫りにされた」などがあり、2位の「オスプレイ墜落?不時着?」、3位の「感謝されるべきだ」と複数回答で選んだ人も多かった。三つの言葉を“同質”として「言葉が持つ意味や背景に注目し、直していかなければならない流行語」「日本の人権意識が丸出しになった」「沖縄弾圧がひどくなった1年を表している」と憤る意見があった。
 また、国が強行するヘリパッド建設をはじめ、名護市辺野古の新基地建設を巡る国と県との法廷闘争がある中、6位の「不当弾圧」、12位の「違法確認訴訟」も関連して票を集めた。


 さらに、仲村清司さんと喜納えりかさんの次のような談話を載せた。


■仲村清司さん(58)作家・沖大客員教授
 ベストテンの上位が基地問題で占めている。沖縄が厳しい状況に置かれていることが、そのまま投票結果に表れた。機動隊員による「土人」「シナ人」発言、オスプレイ墜落に伴うニコルソン四軍調整官の「感謝されるべきだ」発言の根底には差別がある。
 構造的差別では語るに足らない、もうひとつの差別が浮き彫りになった1年だった。国家の仕組みが構造的差別だとすると、人が人を見下す民族的差別が表出した。日本政府と沖縄、本土と沖縄の溝が深まった。ここまで言われるのかと想像もしていなかった言葉に、衝撃を受けた結果が得票に反映されたのだろう。
■喜納えりかさん(41)ボーダーインク編集者
 投げつけられた侮蔑(ぶべつ)の言葉が、今年を象徴するものとして選ばれた。まずはそのことを忘れずにおきたいと思う。発言そのものだけではなく、かろうじて保ってきた建前が崩壊したという衝撃も反映されたのだろう。振り返ってみると、つくづくそんな年だった。
 悪意はどこまでも広がるが、善意の声はすぐにかき消されてしまう。抵抗するためには小さき者、声なき者の声に耳を澄ませて聞き取らなければならない。


 さて、このことについて、私たちがどのように答えることができるのか。
 2016をどのように総括できるのか。まさしく、それが、問題なのだ。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-12-31 06:37 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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