2016年 12月 30日 ( 4 )

沖縄-辺野古・高江から-2016年12月30日

 「オスプレイ墜落で事故原因となった空中給油訓練について、在日米軍は29日までに日本政府に対し、年明けにも空中給油訓練を再開すると伝達した。」(琉球新報)、「オスプレイ空中給油訓練、年明け再開 政府は拒否しない考え」(沖縄タイムス)。
 このことに、昨日の「山城議長拘束、刑法学者41人が疑義 釈放求め声明」(琉球新報)の記事を並べてみると、日本の危機的状況がおのずと見えてくる。
 日本国憲法を変えようとする者達の描く像が、人々の日常の中に、すでに投影されてしまっている。
 残念ながら、沖縄から日本が見えるという構造が変わらずある。
 換えなければ。


 2016年12月30日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-空中給油 来月再開 オスプレイ訓練 海兵隊、本紙への回答修正-2016年12月30日 06:30


 琉球新報派、標題について次のように報じた。


①「オスプレイ墜落で事故原因となった空中給油訓練について、在日米軍は29日までに日本政府に対し、年明けにも空中給油訓練を再開すると伝達した。また、在沖米海兵隊は先に空中給油訓練を『19日に再開した』と琉球新報に回答していたが28日、『空中給油訓練は(事故が起きた)12月13日以降実施していない』と回答を修正した。沖縄県がオスプレイ自体の飛行中止を求める中で、事故原因となった訓練も再開されることになり、県内の反発は必至だ。」

 米軍は事故原因について、米空軍嘉手納基地所属のMC130特殊作戦機が、米海兵隊普天間飛行場所属のMV22オスプレイに空中給油をしている際に給油ホースが切れ、オスプレイのプロペラに衝突したことで発生したと説明してきた。
 事故は13日夜に発生した。米海兵隊は6日後の19日にオスプレイの飛行訓練を再開し、県が強く反発していた。飛行再開時、米軍は事故の契機となった空中給油訓練は当面休止し、集合教育、地上でのシミュレーションが完了した後に日本政府側に再開を連絡するとしていた。
 一方、在沖米海兵隊はその後の22日、琉球新報の質問に「空中給油を含むMV22の飛行訓練を19日に再開した」と回答していた。沖縄防衛局などはこの回答について、空中給油訓練は再開していないと説明するなど、齟齬(そご)が生じていた。
 琉球新報は在沖米海兵隊に「日本政府は空中給油は再開していないと説明している」などと26日に事実確認の再質問をしたところ、在沖米海兵隊は28日、前回の回答にあった「空中給油を含む」の文言を削除した上で、「MV22の飛行訓練を19日に再開した」と回答した。
 さらに「12月13日以降、ティルトローター機(オスプレイ)の空中給油訓練はしていない」とし、前回の回答を修正した。


(2)沖縄タイムス-オスプレイ空中給油訓練、年明け再開 政府は拒否しない考え-2016年12月30日 09:05


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市安部の海岸に新型輸送機オスプレイが墜落した事故で、米側は、停止していた空中給油訓練を来月上旬に再開する意向を日本側へ伝達した。29日、複数の政府関係者が明らかにした。防衛省は、空中給油訓練の再開前には、県など関係自治体に説明するとしている。」
②「米軍は事故から6日後、オスプレイの機体には問題がないとして飛行を再開した。空中給油機の給油ホースが、乱気流などによりオスプレイのプロペラと接触し損傷したことが原因として、空中給油訓練は停止していた。飛行再開に当たっては、日米は『慎重かつ段階的なアプローチ』として、集合教育や手順の確認、地上におけるシミュレーションなどを実施してから再開すると合意していた。」
③「政府関係者によると、米側は19日の飛行再開の数日後には、手順の確認を終え機体に問題がなく、詳細な原因の解明には数カ月かかることなどから訓練の再開を打診してきた。日本側は安全対策に関する情報を求め協議は難航していたが、米側は海上の訓練空域など安全対策上の措置を示してきた。政府はさらに情報を求め続けるが、訓練再開は拒否しない考えという。」
④「墜落事故は13日夜に発生。安倍晋三首相は28日(現地時間27日)、米ハワイで行われた日米首脳会談で、オバマ大統領にオスプレイの事故に遺憾の意を伝え、安全確保と情報提供を要請した。オバマ大統領は『引き続き緊密に意思疎通していく』と発言していた。」
⑤「27日には県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協、会長・翁長雄志知事)が、28日には県議会が、それぞれオスプレイの配備撤回などを求める抗議要請をしたが、防衛省や外務省、沖縄防衛局から空中給油訓練の再開時期についての説明はなかった。」


(3)沖縄タイムス-沖縄で米兵逮捕、酒気帯び運転の疑い 「酒抜けたと思った」-2016年12月29日 19:02


 沖縄タイムスは、「沖縄署は29日、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで米陸軍トリイ通信施設所属の1等軍曹(31)を現行犯逮捕した。呼気から基準値の約2・5倍のアルコールが検出されたが、『酒は抜けたと思った』と容疑を一部否認しているという。容疑者は29日午前2時48分、北谷町美浜の町道で酒気を帯びたまま普通乗用車を運転した疑い。沖縄署の警察官が補助灯の消えた車両を止め、運転していた容疑者に職務質問したところ、酒の臭いがしたという。」、と報じた。


(4)琉球新報-オスプレイ墜落などに抗議 嘉手納ピースアクション-2016年12月30日 13:47


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「毎週金曜日の朝に米軍嘉手納基地の各ゲートで抗議行動をしている嘉手納ピース・アクションは30日朝、北谷町砂辺の嘉手納基地第1ゲート前で、米海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの墜落事故や胴体着陸、米空軍嘉手納基地配備のP8哨戒機の重大事故などに対する抗議集会を開いた。参加した約150人は『嘉手納基地撤去』『沖縄から米軍は出て行け』などとシュプレヒコールをした。嘉手納ピース・アクションは嘉手納基地の撤去を求めて4月から活動している。今回を含むこれまでの抗議行動には延べ4100人が参加した。」
②「世話人の伊波義安さん(75)は『嘉手納基地を撤去させない限り、沖縄や日本、アジアの平和は訪れない。ここはアメリカの侵略戦争の拠点だ』と力を込める。伊波さんは1959年に嘉手納基地を飛び立った米軍機が宮森小学校に墜落するのを目撃し、消火活動に当たった。伊波さんの友人は事故で母を失った。毎週金曜日の抗議行動には毎回100人近くが集まる。『沖縄を差別することへの怒りが行動を起こしている』と説明する。西原町から訪れた与那嶺みどりさん(63)は『沖縄はまだ戦争は終わっていない。うちなーんちゅとして我慢できないところまできている。この気持ちを意思表示しないといけない』と参加理由を語った。そして『基地は県外へどうぞ』と訴えた。」


(5)沖縄タイムス-高江で逮捕…裁判所に勾留を認められたのは57%-2016年12月30日 16:09


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県米軍北部訓練場のヘリパッド建設に抗議して逮捕された市民ら延べ14人の勾留率が、約6割にとどまることが沖縄タイムスの調べで分かった。裁判所に勾留が認められたのは約57・1%で、2015年の全国刑法犯の約90%を大きく下回る。抗議運動を支援する弁護士は『警察は法解釈を誤り、抗議活動を弾圧するための不当逮捕を繰り返していた』と批判する。」
②「ヘリパッド工事は7月に本格的に再開され、8月に警察官を転倒させたとして男性が公務執行妨害の疑いで逮捕されたのを皮切りに、11月までに計9件延べ14人が逮捕された。大半は警察官への公務執行妨害容疑だ。ところが4件4人については、逮捕後に那覇地検が那覇簡裁に勾留請求をせず、処分保留で釈放している。1件2人は請求したが、裁判所に認められなかった。8月に逮捕された男性についても、地検は勾留請求していない。市民側は現場を撮影した映像と警察の説明が食い違うと指摘し、『警察発表はおかしい』と訴えていた。抗議運動を支援する小口幸人弁護士は『警察は逮捕の判断を誤り、建設工事を進めるために権限を乱用している』と批判する。」
③「小口弁護士は、抗議の現場で警察官が公務執行妨害容疑の解釈を誤解していた時があったと振り返る。同容疑は職務執行に対し、『暴行や脅迫』がないと成立しない。ところが現場では市民が指示に従わないだけで、警察官が『公務執行妨害になるぞ』と警告する場面があったという。また、4件6人の不起訴処分(起訴猶予)がヘリパッド完成後の12月下旬に集中していることも判明。池宮城紀夫弁護士は『高江の工事が終了してから、不起訴にしたとしか思えない』と語る。」
④年明けには辺野古の埋め立て工事が本格化する予定だ。『警察は犯罪の疑いが薄い市民を不当に逮捕している。憲法で保障された表現の自由を弾圧するのを慎むべきだ』と訴えた。」
⑤「辺野古、高江の抗議行動を巡って起訴された沖縄平和運動センターの山城博治議長について、県内外の刑事法の研究者41人が28日、釈放を求める緊急声明を発表した。『長期勾留は正当な理由のない拘禁』」で、憲法違反と指摘している。声明は抗議行動に絡んだ起訴事実は政治的表現行為とし、『自由は最大限尊重されなければならない』『違法性の程度の極めて低いもの』と指摘。捜査が終わっていること、証拠隠滅の恐れがないことからも、『速やかに解放すべきだ』とした。」
⑥「呼び掛け人の1人、琉球大の森川恭剛教授は『政府は沖縄の民意を力で踏みにじりながら法治国家であると豪語し、刑事司法も追随している』と述べた。」


 【容疑者の勾留】 逮捕された容疑者の身柄を刑事施設などに収容し、逮捕に引き続き拘束する処分。検察官が請求し、裁判所が認めるかを決める。犯罪をしたと疑う相当の理由(犯罪の嫌疑)があり、かつ住所不定だったり、罪証隠滅や逃亡の可能性があったりした場合に認められる。期間は10日間だが例外的な罪を除き、さらに最大10日の延長ができる。




by asyagi-df-2014 | 2016-12-30 20:28 | 沖縄から | Comments(0)

「土人」「シナ人」発言を考える。(50)

 沖縄タイムスは2016年12月4日、「根底に日本人のおごり 映画監督/作家・森達也さん【インタビュー「土人」発言・25】」の記事を掲載した。なお、沖縄タイムスのこの問題のインタビュー特集はこれで終了した。
 森達也さんは、インタビューで次のように語る。


(1)とっくに消えていなければいけない言葉が出た。若い機動隊員が「土人」「シナ人」という言葉を使ったことに驚いた。その後の政治家の対応にさらに驚いた。
(2)若い機動隊員は、意味を知らずに口にした言葉だったかもしれない。しかし、沖縄から怒りの声が上がる中、問題発生から時間が経過していろいろ考えることもできたはずなのに、鶴保庸介沖縄担当相や菅義偉官房長官は「差別と断定できない」とした。そこに根の深い問題がある。
(3)日本には、アジアに対する蔑視感情がある。大東亜共栄圏思想が昭和初期まで続く中で、本来なら大戦に負けて、その意識を変えなければいけなかった。米国に負けたという意識はあっても、中国に負けていないという意識がある。
(4)アジアを加害したという実感もなく戦後を迎え、経済大国になってアジアでナンバーワンになったという意識。そこにあるのは、アジアは劣等国という蔑視感情だ。その感情が沖縄にも向けられている。常に自分より下のものをつくっておきたいという日本人のおごりが根底にある。
(5)沖縄と本土の溝をどう埋めるか。そこは歴史認識が重要だ。一人一人が近現代史をもっとかみ締めなければいけない。


 日本人は、「いつになったら」と考える。
森さんが指摘する次の差別意識を本当に超えることができるだろうか。


「アジアを加害したという実感もなく戦後を迎え、経済大国になってアジアでナンバーワンになったという意識。そこにあるのは、アジアは劣等国という蔑視感情だ。その感情が沖縄にも向けられている。常に自分より下のものをつくっておきたいという日本人のおごりが根底にある。」


 今回の「土人」「シナ人」発言は、ただ単に沖縄だけに向けられた差別意識だけではなく、日本人の構造的差別感を問うたものである。したがって、「構造的沖縄差別」を克服する道は、日本人の植民地主義の克服とともにある。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-30 16:52 | 沖縄から | Comments(0)

「土人」「シナ人」発言を考える。(49)

 沖縄タイムスは2016年12月3日、「戦前から続く偏見、今も 元沖教組委員長・石川元平さん【インタビュー「土人」発言・24】」の記事を掲載した。
 石川元平さんは、インタビューで次のように語る。


(1)「土人」「シナ人」発言の波紋が広がっている。その発言を擁護する松井一郎大阪府知事をはじめ、鶴保庸介沖縄担当相と菅義偉官房長官は「差別と断定できない」と政府見解を示した。「沖縄に寄り添う」と口では言うが、この問題で本音がはっきり見えた。
(2)明治時代の文部省唱歌「蛍の光」の4節には、琉球処分によって沖縄が日本領となったことを誇示する歌詞がある。年末の紅白歌合戦では、今でも幕閉めで大合唱されるが、沖縄の歴史を知らないからだろう。
(3)明治の国定教科書に、沖縄の「土人」という記述があるのを確認した記憶もある。明治以降の誤った教育が、沖縄戦における「住民虐殺」にもつながった。
(4)今回の問題を歴史に残る暴言として済ますわけにはいかない。沖縄は戦争で本土の捨て石にされた。米軍基地問題をはじめ、沖縄の犠牲で本土の人々はぬくぬくとしている。
 大方の本土の人々は戦後の総括をしていない。沖縄戦も総括をしていない。明治の教育を受けた人たちの沖縄に対する偏見が払拭(ふっしょく)されていないから、若い機動隊員の発言につながる。過去を振り返り、反省をしていない。そこに差別発言の要因と大きな不幸がある。


 確かに、「大方の本土の人々は戦後の総括をしていない。」。
 「沖縄戦も総括をしていない。明治の教育を受けた人たちの沖縄に対する偏見が払拭(ふっしょく)されていないから、若い機動隊員の発言につながる。過去を振り返り、反省をしていない。そこに差別発言の要因と大きな不幸がある。」、との指摘は重い。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-30 12:41 | 沖縄から | Comments(0)

「中山義隆石垣市長が石垣島への陸上自衛隊受け入れを表明」を考える。

 琉球新報は2016年12月26日、「石垣市平得大俣への自衛隊配備を巡り、中山義隆市長は26日午前10時、市役所で記者会見を開き、受け入れる考えを表明した。尖閣諸島周辺での中国公船による領海侵犯などを挙げ『南西諸島地域の防衛体制の充実ということが極めて重要である』との認識を示し『市民の生命・財産を守る立場として石垣島への陸上自衛隊配備について理解した上で、配備に向けた諸手続きを開始することを了承する』と説明した。」、と報じた。
 このことについて考える。
 琉球新報は、2016年12月27日の社説で、次のようにまとめている。


Ⅰ.問題点
(1)候補地近辺の開南、於茂登、嵩田、川原の4地区が反対する中で、地元への説明も不十分なままの受け入れ表明は、禍根を残すことになる。本来なら、防衛省の計画全体を見定め、住民への影響を図った上で受け入れか否かを決めるのが市長の責務だ。少なくとも直接影響を受けるであろう、4地区とは話し合うべきだった。これまで「市民の声を聞いて判断する」と繰り返してきた市長自身の発言とも矛盾する。
(2)配備ありきの姿勢では市民の了解は得られない。中山市長は、防衛省側に計画の詳細を明らかにさせた上で、民意を問うて決定すべきだ。


Ⅱ.視点
(1)配備については昨年11月、防衛副大臣が石垣市に警備部隊と地対空、地対艦ミサイル部隊(計500~600人)を配備する方針を伝え、平得大俣地区の市有地とその周辺を候補地に挙げた。あれから1年以上たつが基地の面積や施設の位置など詳細は明らかにされていない。住民生活への影響が見えない中で、候補地に近い4地区が配備に反対するのも当然だろう。
(2)中山市長は防衛省による2回の住民説明会、市主催の公開討論会と市議会の議論を経たとしているが、近隣4地区との面談は見送った。説明不足の感は否めない。
(3)住民のもう一つの懸念は、陸自配備が逆に先島の緊張を高めるというものだ。
(4)陸自レーダーの配備によっては、市登野城にある国の電波望遠鏡の観測に影響し国立天文台のプロジェクトを阻害する可能性もある。
(5)中山市長は「南西地域の防衛体制充実のために陸自配備が必要だ」と抑止力論を挙げるが、専門家から疑問も出ている。元防衛官僚で官房副長官補を務めた柳沢協二氏は「最前線にパワーがあれば『(中国を)拒否する力』はある」と認める一方で、「相手側に本当に戦争する意思があれば、最初に攻撃される」と述べている。陸自配備は抑止力という点でも、もろ刃の剣なのだ。


 
 今回の石垣市長の陸上自衛隊受入表明は、明らかに、(1)陸自配備が逆に先島の緊張を高めること、(2)基地の面積や施設の位置など詳細は明らかにされていないなど地域住民への説明責任が果たされていないこと、(3)日本政府が進める南西諸島の島嶼防衛計画(要塞化)は、米軍再編(エアシーバトル構想)の中に沖縄を組み込むこと,という理由から大きな問題がある。


 以下、琉球新報の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-30 09:18 | 米軍再編 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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