2016年 12月 20日 ( 4 )

沖縄-辺野古・高江から-2016年12月20日

 宜野湾市長は、「極めて遺憾だ」。
 宜野湾市民は、「また平気で飛ばすんだ。命が軽視されている」、「本土の人は何を思うのか。沖縄ではアメリカのやりたい放題だ」。
 名護市長は、「言語道断だ」。
 名護市民は、「胴体着陸も同時に発生している。人命にかかわる事故が起こってからでは遅い。今こそ県民が怒りの声を上げないといけない」。
 那覇市民は、「日本政府は自分たちさえよければそれでいいのか。沖縄のことをよその国の様にしか考えていないのではないか」。
 北谷町長は、「県民の不安や恐怖を一顧だにしない軍事優先の動きだ。原因が機体の異常でないと示したかったのではないか」。
 宜野座村長は、「安全性に対する疑問が残る中での飛行再開は、県民の理解を得られない」。
 国頭村長は、「米軍の説明を聞く限り、県民は納得しない。政府にはもっと強く米軍に申し入れてほしかった」。
沖縄県知事は、「県民に寄り添うとしながら米側の説明をうのみにし、米軍の考えを最優先し、飛行再開を容認する政府の姿勢は極めて県民不在だと言わざるを得ない。日米安保に貢献する県民を一顧だにしないもので強い憤りを感じる」。
 自民党県連会長は、「県民が苦しんでいるのを無視して言いなりになって(再開を)許可できるのか」。
 これだけでも足りない。
沖縄県知事の「日本国の在り方が変わらない限り、とても県民の気持ちを伝えることはできない」という言葉の重みと深刻さを、安倍晋三政権は肝に命じるべきだ。


 「言葉を尽くしても尽くしきれないほどの、怒りとむなしさを感じる」。
 「日米地位協定の下、日本が物事を主体的に判断するような状況にない。法治国家ではない」。
 「民主主義、地方自治を守るという意味で、今の日本国の在り方はとても耐えられない」。 「沖縄担当大使、沖縄防衛局長にその都度、申し入れをしても『米軍に伝えます』以外に何ら反応がない。当事者能力がない」。


 2016年12月20日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-オスプレイ飛行再開 墜落6日後、県民反発 米軍、県に直前通告-2016年12月20日 07:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「13日夜に名護市安部の海岸で墜落して以降、飛行を停止していた米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが19日午後1時58分、普天間飛行場を離陸し、飛行訓練を再開した。事故前の運用と同様、午後10時近くまで飛行した。詳しい事故の経緯や原因が明かされない中、地元の反対を押し切って事故から6日後に飛行再開したことに翁長雄志県知事をはじめ、県民から怒りの声が上がっている。」
②「19日に飛行を全面再開する米軍の意向を受けた沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長ら幹部は19日朝、県庁や宜野湾市、名護市などを訪れて飛行再開を伝えた。それ以外の関係自治体にはファクスで知らせた。」
③「米軍普天間飛行場を飛び立ったオスプレイは伊江村の米軍伊江島補助飛行場で、着陸してすぐに離陸する訓練『タッチ・アンド・ゴー』などを繰り返した。普天間飛行場移設に伴う新基地建設が強行される名護市辺野古や、墜落現場となった名護市安部上空でも飛行が確認された。」
④「普天間飛行場を抱える宜野湾市長は『極めて遺憾だ』と述べた。事故現場となった名護市の稲嶺進市長は『言語道断だ』と憤った。その他の市町村首長からも飛行再開の根拠を疑問視する声が上がった。」


(2)琉球新報-訓練に自民県連「冗談じゃない」 防衛局長呼び出し抗議-2016年12月20日 10:00


 琉球新報は、「『あなたたちが県民の声を中央に伝え、駄目だと言い切らないといけないんだよ』。オスプレイの飛行再開を受け、自民党県連(照屋守之会長)は19日、那覇市の県連事務所に沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長を呼び、強く抗議した。政権与党の自民県連が政府機関を呼び出すのは異例だ。」、と報じた。
 また、「事故からわずか6日後の飛行再開に照屋会長は『冗談じゃないよ』と憤慨。中嶋氏に対して『県民が苦しんでいるのを無視して言いなりになって(再開を)許可できるのか』などと終始声を張り上げ、時にソファの肘掛けをたたくなどして怒りを抑えきれない様子でまくしたてた。」、と伝えた。


(3)琉球新報-「命が軽視されている」 オスプレイ飛行再開 国も黙認 県民不在-2016年12月20日 10:13


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「墜落から6日でオスプレイが訓練を再開した。バラバラに壊れた機体が目に焼き付いている沖縄県民からは『あまりに早い』と懸念を顧みない米軍の姿勢に強い批判が広がった。再開初日は那覇上空も飛行。『沖縄を何だと思っているのか』と、飛行再開を容認した日本政府に対しても県民の憤りが高まっている。」
②「嘉数高台公園でウオーキング中の奥間俊満さん(69)=宜野湾市嘉数=の上をオスプレイが飛んだ。奥間さんは『ひどい。最低だ』と声を荒らげる。自宅は飛行ルート下。『本土の人は何を思うのか。沖縄ではアメリカのやりたい放題だ』といら立ちを隠さなかった。」
③「宜野湾市喜友名の飲食店で働く女性(48)が店の片付けをしていると、独特の騒音がとどろいてきた。『また平気で飛ばすんだ。命が軽視されている』と失望感をあらわにした。」
④「19日夜、名護市民会館で開かれた新たな基地建設に反対するシンポジウムに参加した比嘉美津江さん(64)=同市=は『胴体着陸も同時に発生している。人命にかかわる事故が起こってからでは遅い。今こそ県民が怒りの声を上げないといけない』」と力を込めた。東村高江に住む伊佐育子さん(56)は『これを許していいのか、県民が問われている』と話した。またオスプレイがこの日離着陸した伊江村の反戦平和資料館の謝花悦子館長は事故状況を説明しない米軍について『県民をばかにしている。道理も何もない』と批判した。」
⑤「南城市のスーパーで買い物を終えたばかりの赤嶺栄子さん(66)=南風原町=は『県民の生活を無視しているようだ』と指摘。仕事のため那覇市にいた会社員の上村英之さん(34)=沖縄市=は『原因を解明してから再開するべきで、早過ぎると思う』と話し、会社員の荻堂盛涼さん(55)=那覇市=は『うるさいし、危ない。オスプレイの飛行そのものに反対だ』と切り捨てた。那覇市の女性(80)は『日本政府は自分たちさえよければそれでいいのか。沖縄のことをよその国の様にしか考えていないのではないか』と批判した。」


(4)琉球新報-米軍、事故機の一部普天間へ搬送 沖縄オスプレイ事故-2016年12月20日 10:13


 琉球新報は、「米軍は20日午前1時50分ごろ、名護市安部海岸に墜落したオスプレイの機体の一部を、うるま市の米軍ホワイトビーチから宜野湾市の米軍普天間飛行場へ搬送した。機体は2台のトレーラーに積まれ午前1時10分ごろホワイトビーチを出発し、県道85号を南下したのち渡口十字路を仲順方面に走行。国道330号を野嵩方面に進行し、米軍普天間飛行場野嵩ゲートに入った。」、と報じた。


(5)沖縄タイムス-オスプレイ飛行再開:市町村長「容認できぬ」怒りの声 一定の理解も-2016年12月20日 10:05


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「墜落事故を起こした在沖米海兵隊のオスプレイの飛行が再開された19日、基地を抱える関係自治体の首長からは『容認できない』と怒りの声が相次いだ。一方、再開に一定の理解を示す意見もあった。」
②「沖縄防衛局の遠藤仁彦次長から説明を受けた當眞淳宜野座村長は『安全性に対する疑問が残る中での飛行再開は、県民の理解を得られない』と指摘。仲間一金武町長も『強い憤りを感じる。原因究明までは飛行中止を強く求めたい』と訴えた。伊集盛久東村長は『原因究明したとは言えず、飛行再開は早すぎる。遺憾だ』と憤り、宮城久和国頭村長は『米軍の説明を聞く限り、県民は納得しない。政府にはもっと強く米軍に申し入れてほしかった』と政府の対応を批判した。高良文雄本部町長も『詳細な原因究明もされないままの再開は、県民を見下しているとさえ感じる』と憤慨。恩納村の長浜善巳村長は『知事や多くの市町村長、議会も抗議の声を上げる中、県民無視で極めて遺憾だ』と批判した。」
③「一方、オスプレイの離着陸が確認された伊江村の島袋秀幸村長は『早期再開は釈然としないが、内容を聞いて、再開には一定の理解をする』との見解を示した上で、早期の訓練移転などを求めた。」
④「米軍嘉手納基地に隣接する嘉手納町の當山宏町長は『本来の事故原因は究明されておらず、県民は納得していない。短期間で安全性が確認されたのか疑問が残る』と指摘。野国昌春北谷町長も『県民の不安や恐怖を一顧だにしない軍事優先の動きだ。原因が機体の異常でないと示したかったのではないか』と非難した。米軍の対応を『一方的な通告だ』と指摘した島袋俊夫うるま市長。『すぐに米軍の発表を受け入れ、周知した日本政府の対応は違和感がある』疑問視した。那覇市の城間幹子市長は『納得が得られるような事故原因の究明はされていない。飛行再開は断じて認められない』と強調した。」


(6)沖縄タイムス-翁長知事、政府に不信感「法治国家ではない」-2016年12月20日 09:11


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「『言葉を尽くしても尽くしきれないほどの、怒りとむなしさを感じる』。オスプレイ飛行再開を受けて急きょ開かれた19日の記者会見で、翁長雄志沖縄県知事は声を震わせた。飛行を容認した日本政府に『日米地位協定の下、日本が物事を主体的に判断するような状況にない。法治国家ではない』と不信感をあらわにした。」
②「この日朝の登庁時、記者団に囲まれた際は、日本政府の対応を『言語道断。そういう政府は相手にできない』と批判。『法治国家ではない』と言い切った。」
③「『民主主義、地方自治を守るという意味で、今の日本国の在り方はとても耐えられない』。会見では終始冷静な口調ながら、厳しい言葉を連ねた。繰り返される事件事故に、『沖縄担当大使、沖縄防衛局長にその都度、申し入れをしても【米軍に伝えます】以外に何ら反応がない。当事者能力がない』とばっさり。『日本国の在り方が変わらない限り、とても県民の気持ちを伝えることはできない』と表情をこわばらせた。」


(7)琉球新報-辺野古訴訟、沖縄県が敗訴 最高裁、上告退ける-2016年12月20日 15:03


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡り、国が県を相手に提起した不作為の違法確認訴訟で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は20日午後、上告審の判決を言い渡し、県の上告を退けた。国の請求を認め、承認取り消しは違法だとした福岡高裁那覇支部の判決が確定した。判決を受けて翁長知事は年内にも承認取り消しを『取り消す』見通しで、国は年明けにも埋め立て工事を再開する構えだ。一方で、翁長知事は辺野古への新基地建設阻止の姿勢を堅持する方針を示しており、新基地建設を巡る県と国の対立は新たな局面に突入する。」
②「不作為の違法確認訴訟の一審・高裁那覇支部は9月16日、翁長知事による承認取り消しは違法だとして、同取り消しの違法性の確認を求めていた国の主張を全面的に認める判決を出した。県は判決を不服として、同23日に上告していた。最高裁は12月12日、口頭弁論を開かずに判決を言い渡す決定をし、判例や法令違反に関する県の上告受理申し立ての一部を審理の対象とするとした。」
③「普天間飛行場の辺野古移設を巡っては、仲井真前知事が2013年12月27日に沖縄防衛局による埋め立て申請を承認。辺野古新基地建設阻止を公約に当選した翁長知事が15年10月13日に承認を取り消した。代執行訴訟での和解を経て、国は16年7月22日に不作為の違法確認訴訟を高裁那覇支部に提起した。」


(8)沖縄タイムス-辺野古訴訟、沖縄県の敗訴確定 最高裁が上告棄却 工事再開へ-
2016年12月20日 15:02


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、石井啓一国土交通相が沖縄県の翁長雄志県知事を訴えた『辺野古違法確認訴訟』の上告審で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は20日、沖縄県側の上告受理申し立てを棄却する判決を言い渡した。翁長雄志知事の辺野古埋め立て承認取り消し処分を違法とした一審福岡高裁那覇支部判決を支持する内容で、県側の敗訴が確定した。」
②「判決を受けて、知事は年内にも処分の取り消しに向けた手続きに入る。政府は埋め立てを伴う本体工事に向けた準備に着手する。ただ県側は、仲井真弘多前知事が下した埋め立て承認処分の撤回や岩礁破砕許可など知事権限の行使を検討しており、普天間飛行場の移設計画が円滑に進むかどうか不透明だ。」
③「辺野古沿岸部の埋め立てを巡っては、翁長知事が2015年10月、埋め立て承認処分を取り消した。国側は処分の取り下げを求めて県側に是正を指示したが従わなかったため、今年7月に提訴した。」
④「9月の高裁那覇支部判決は『仲井真前知事の承認に瑕疵(かし)はなく、普天間飛行場の騒音被害を除去するには、辺野古に新基地を建設するしかない』と判示。承認取り消し処分の違法性を認め、国の是正指示に従わず違法に放置していると認定した。」
⑤「県側は10月、一審判決を不服として憲法で定められた地方自治権の侵害などを訴える上告理由書と、一審が公有水面埋立法の解釈を誤っていると指摘する上告受理申し立て理由書を提出。最高裁は12月12日、地方自治権の侵害などを訴える上告については『上告理由に当たらない』として棄却した。」


 以下、琉球新報、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-20 20:23 | 沖縄から | Comments(0)

オスプレイ飛行再開に抗議す。-琉球新報、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞の社説から-

 安倍晋三政権の暴挙。
 民主主義の根幹を破壊する政府の行為に強く抗議する。
それは、該当県知事に、「日米地位協定の下、日本が物事を主体的に判断するような状況にない。法治国家ではない」と糾弾され、「民主主義、地方自治を守るという意味で、今の日本国の在り方はとても耐えられない」、と見放される事態なのだ。


 このことについて、琉球新報は2016年12月20日、その社説で、「オスプレイ飛行強行 墜落の恐怖強いる 命の『二重基準』許されぬ」、と厳しく批判した。
また、朝日新聞は「オスプレイ再開 県民より米軍なのか」、毎日新聞は「スプレイ再開 政府はなぜ認めたのか」、、東京新聞は「オスプレイ 飛行再開、理解できぬ」、とそれぞれが政府の対応を批判した。
ただ、琉球新報は「墜落」と見出しに掲載したが、東京新聞が文章の中で「墜落」と表現したものの朝日新聞と毎日新聞は「墜落」という表現を新聞社としては使用していない。 各新聞社には、「大本営発表」をそのまま受け取るのではないく、独自に判断することこそが、報道の自由と深く関わるということを忘れて欲しくない。
 また、余りにも早く飛行再会することへの「理解」について、毎日新聞その問題点を次のように指摘する。


「米軍は、事故の原因について、給油ホースがオスプレイのプロペラに接触したためで「搭載システム、機械系統、機体構造」に問題はない、と改めて日本政府に説明した。政府は、防衛省・自衛隊の専門的知見から、米軍の説明に合理性があると判断し、飛行再開の通知を「理解できる」と容認した。ところが、オスプレイの機体構造に問題がなかったとしても、なぜ空中給油中にホースがプロペラとぶつかるような事故が起きたのかという根本原因は解明されていない。
 防衛省は、米軍の説明にもとづいて『乱気流が影響していると思われるが、他の要素もあるようで、調査中』(幹部)と話している。」


 このことについて東京新聞は、「二十二日には政府主催の米軍北部訓練場の部分返還式典が行われる。返還条件として新設されたヘリパッドは、当初は想定されていなかったオスプレイも使用する。飛行再開を急いだのは、返還式典を前に、オスプレイの飛行を既成事実化するためではないのか。」、と種明かしをする。
 さらに、今回のオスプレイ飛行再開についての具体的な疑問について、琉球新報は次のように押さえる。


(1)米軍は13日の墜落事故からわずか3日後に飛行再開を政府に通告、6日後に飛行を全面再開した。政府は「安全性確認までの飛行停止」を求めていたが、それを覆す無責任な飛行容認である。事故原因の徹底解明、それに基づく安全性の確認が反故(ほご)にされた。県民の生命の安全をないがしろにする暴挙と断ずるほかない。
(2)安倍晋三首相はテレビ番組で「原因が究明されるまで運航をやめるよう米側に要請した」と言明した。にもかかわらず菅義偉官房長官は飛行再開を「理解できる」と容認した。モラルハザード(倫理欠如)は甚だしい。首相は自らの発言に責任を持つべきだ。稲田朋美防衛相は翁長雄志知事に「県民と国民が理解し安全ということがない限り飛行はやめるよう申し入れた」と明言した。それが一転、「空中給油以外の飛行再開は理解できる」と容認した。
(3)事故機は回転翼を前に傾けた「固定翼モード」で墜落した。オスプレイの元主任分析官は「ヘリモードで補給できない事実は、予期されなかった航空機の欠陥」と新たな構造的欠陥を指摘している。従来指摘されている軟着陸のためのオートローテーション機能欠如の影響を含め、事故原因が解明されたとは到底、言えない。防衛相が「空中給油訓練以外の飛行」を認めると強弁するなら、オスプレイの空中給油は全廃すると明言すべきだ。
(4)名護市職員は、給油ホースを出した空中給油機が米軍機と並んで市役所上空を何度も通過したと証言している。危険な空中給油が海域だけでなく市街地など陸域上空でも行われている疑いがある。
(5)県民の猛反発が予想されながらの飛行再開は、ヘリパッド完成に伴い22日に迫る米軍北部訓練場の過半の「返還式典」と無関係ではなかろう。オスプレイを飛行再開させねば同訓練場のヘリパッドは無用の長物となるからだ。
(6)オスプレイ対応のヘリパッドは県内に69基あり、50基が伊江島や北部訓練場、中部訓練場(キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン)に集中する。米軍普天間飛行場の「オスプレイ墜落の恐怖」が本島全域で一層、強まる。東村高江区住民の中にはオスプレイの訓練激化を恐れ転居した家族もいる。本紙「声」欄に「伊江島飛行場、高江、辺野古(新基地)を結ぶ魔の三角形」の投稿が載った。オスプレイが縦横無尽に飛び交う恐怖を県民に強いる。金武町の小学6年女子児童は「きょうふ心いっぱい。オスプレイ事故の避難訓練をしないといけないのかな」と書いた。


 各社の社説の主張を要約する。


Ⅰ.琉球新報の主張

(1)県民の命を危険にさらすオスプレイの飛行再開は断じて許されない。墜落原因が不明なMV22オスプレイの飛行を強行した米軍、容認する政府に強く抗議し、改めて飛行停止と撤去を要求する。
(2)防衛省の土本英樹審議官は佐賀県議会で「オスプレイ配備は安全確保が大前提」とし、佐賀では給油訓練を実施しないと述べた。審議官は来県し「安全確保のため沖縄でも給油訓練を実施しない」と約束すべきだ。 陸自オスプレイ配備を予定する佐賀の県議会、市議会で防衛省幹部、職員は何度も参考人質疑に応じている。防衛省は墜落事故が現実となった沖縄でこそ県議会、地元議会の質疑に応じるべきだ。県民の安全を軽視する「命の二重基準」は許されない。
(3)住民、県民に墜落の恐怖を強いてでもヘリパッドでのオスプレイ運用を優先する軍隊の論理と日本政府の追従姿勢が明らかだ。オスプレイの飛行再開、ヘリパッドの運用強行は県民の怒りの炎に油を注ぐことになろう。
(4)県民に恐怖と忍従を強いるオスプレイ飛行再開は許されない。構造的差別に基づき配備された構造的欠陥機は撤去させるしかない。


Ⅱ.朝日新聞の主張


(1)政府はなぜ、これほどまでに米軍の言うがままなのか。その姿勢が改めて問われている。
(2)米軍の説明の根拠は何か。同様の事故が再発する恐れはないのか。胴体着陸事故の日本側への通報が遅れた理由は――。米軍の、そして日本政府の説明は十分とは言えない。
(3)日本の捜査機関が事故調査に手を出せないことも、県民の怒りを増幅させている。米軍関係の事件・事故に、基地の外でも米軍に警察権を認めている日米地位協定があるからだ。今回の大破事故でも、海上保安本部が米軍に捜査協力を申し入れているが、返事さえない。日本側が捜査に加われないのならなおさら、政府は米軍に十分な情報開示を求め、国民・県民に丁寧に説明すべきなのに、その努力はあまりに乏しい。
(4)「もうこういう政府は相手にできない。法治国家ではない」。翁長雄志知事の言葉は、県民の不安を顧みない米軍への怒りとともに、米軍にもの言えぬ政府への失望の表れだろう。事件や事故のたびに問題となる地位協定の改定にも、政府は本腰を入れて取り組むべきだ。
(5)事故後、在沖米軍トップの四軍調整官が副知事に「パイロットは住宅や住民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」と述べ、「占領者意識そのもの」と県側の猛反発を受けた。あまりに早い今回の飛行再開も、米軍・日本政府と県との溝をいっそう深めかねない。
(6)オスプレイはすでに本土各地を飛んでおり、配備計画も進んでいる。オスプレイによる不測の事故も、そして国民不在の事後の対応も、沖縄だけの問題ではない。


Ⅲ.毎日新聞の主要


(1)空中給油訓練中に名護市沖に落ち、機体が大破した重大事故から1週間もたたないうちの飛行再開だ。翁長雄志(おながたけし)・沖縄県知事が「言語道断」と批判したのは当然だ。
(2)飛行再開を決めた米軍の判断は納得できない。それ以上に、簡単に再開を受け入れた日本政府の対応に問題がある。防衛省は、事故機を実際に見ておらず、米側から説明を聞いただけで合理性があると判断したという。これが住民の安全に責任を持つ政府の態度だろうか。4年前にオスプレイの国内配備を受け入れるにあたって、日本政府は過去の事故などを検証したが、今回はそういう姿勢は見られない。
(3)情報提供も不十分だ。県や市への説明が再開当日に行われたのは、日米当局の誠意を疑わせる。また、名護市沖の事故と同じ日、別のオスプレイが普天間で胴体着陸事故を起こしていたことが明らかになったが、当初、米軍から連絡はなく、防衛省は報道で事実を知った。その後の米軍の説明では、脚部を下ろす電気系統の故障が原因という。
(4)日米地位協定が壁になり、日本側が事故を捜査できない問題も積み残されたままだ。第11管区海上保安本部(那覇市)は、航空危険行為処罰法違反容疑での捜査を受け入れるよう米軍に求めているが、米側からは回答がないままだという。事故は沖縄や配備計画のある地域の人々を不安にさせたが、事故後の日米当局の対応はその不安をいっそう増幅させかねない。


Ⅳ.東京新聞の主張


(1)海岸に「墜落」して停止されていた垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの飛行を米軍が再開した。安全性の確認は十分とは言えず、沖縄県民の反対も無視した飛行再開だ。全く理解できない。
(2)米側の説明を受けた菅義偉官房長官、稲田朋美防衛相はそろって「飛行再開は理解できる」と述べたが、日米地位協定の制約があり日本独自の機体捜査をしたわけではない。米軍はもちろん、日本政府の対応も全く理解できない。米軍基地が集中し、オスプレイの危険に、より深刻に直面している沖縄県では翁長雄志県知事ら多くの県民が飛行再開に反対し、撤去を求める。なぜ反対を押し切って強引に飛行再開を急ぐのか。
(3)二十二日には政府主催の米軍北部訓練場の部分返還式典が行われる。返還条件として新設されたヘリパッドは、当初は想定されていなかったオスプレイも使用する。飛行再開を急いだのは、返還式典を前に、オスプレイの飛行を既成事実化するためではないのか。
(4)オスプレイは陸上自衛隊も十七機導入し、千葉県の陸自木更津駐屯地では普天間に配備された米軍の二十四機の定期整備も始まる。米軍横田基地(東京都)にも米空軍特殊作戦用機が配備される。オスプレイは日本の空を飛び回る。危険にさらされるのはもはや沖縄県だけではない。すべての国民が直視すべき現実である。


 いずれにしろ、今回の飛行再開は、日本の民主主義の拙さを暴露してしまった。
 「事故は沖縄や配備計画のある地域の人々を不安にさせたが、事故後の日米当局の対応はその不安をいっそう増幅させかねない。」(毎日新聞)、ということを安倍晋三政権は、深く理解しなければならない。


 以下、琉球新報、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-20 17:16 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄の今。- 金平茂紀の新・ワジワジー通信(22)-

 沖縄タイムスは、【金平茂紀の新・ワジワジー通信(22)】で「米国版『高江』との落差 不条理に慣れてはいないか」、と沖縄の今を伝えた。名護市安部でオスプレイ墜落の前の沖縄である。
金平茂紀さん(以下、金平とする)は、「今年も押し詰まってきた。沖縄にとって2016年という年は、何とワジワジーすることだらけだったことか。」、と概観してみせる。
 その上で、沖縄の今を、いやむしろ日本の姿をこのように描写する。


 僕はこんな例えをしてきた。本土(中央政府)と沖縄県との関係は、まるで学校における「いじめ」そのものではないかと。いじめには、いじめる者といじめられる者とがいる。だがそれ以外に多数の傍観者たちがいる。傍観者たちが見て見ぬふりをすることで、いじめは黙認され、正当化され、続行することになるのだ。執拗(しつよう)にいじめを繰り返す東京の政府・官庁・司法。それに対して、いじめに耐えながら必死に誇りと矜持(きょうじ)を保とうとしている県側。
 けれども、あまりにいじめ続けられていると限界というものも見えてくるだろう。身を震わせながら無力感と敗北感に膝を屈する時もあるだろう。いつだってその脇には、理不尽をスルーする傍観者たちがいる。沖縄は自分たちとは違う環境にあるのだから仕方がないんだと割り切っている傍観者たちがいる。そうした傍観者たちの姿が見えてきたのも、2016年という年の大きな特徴なのではないか。


 金平は、米国版「高江」のダコタ・アクセス・パイプライン計画の建設を認めないとの決定と比べるように沖縄の状況をこのように記述する。


 さて、沖縄はどうなっているか。眼前で進行している現実を直視してみる。今月の初旬と中旬、久しぶりに沖縄本島を訪れた。那覇の市街は賑(にぎ)わいをみせていた。でも、しばらくいると、何かどこかが違っているように感じてしまった。テレビ局の仕事を終えて、市内の居酒屋さんで旧知の人々と泡盛を飲んでいたら、振動を伴う重くて鈍い音が屋外から聞こえてきた。「オスプレイですよ。普通のヘリとは全然違うでしょ」。

 そうか、夜9時すぎでも飛んでるんだ。沖縄タイムスでオスプレイが連日連夜、宜野座村などでいわゆる「つり下げ訓練」を行っていると報じられていたが、こんな身近にも飛んでいるとは。その日の2日前に、騒音や低周波音被害の違法性が「十分に疎明されているとは言い難い」との判決文を書いた那覇地裁の裁判官官舎の上空はおそらく飛んでいないのだろう。

 その直前まで、僕らは那覇市の県庁前広場で行われていた沖縄平和運動センターの山城博治議長らの逮捕や家宅捜索に抗議する集会を取材していた。周辺はとんでもないことになっていた。複数の右翼団体の街宣車があらん限りの騒音をまき散らし、集会を妨害していた。沖縄県警はそれを放置していた。

 騒音レベルだけでも明らかに違法だが何もしない。これが法治国家・日本の那覇の現実だ。街宣車のマイクからはデモ参加者を攻撃するヘイトスピーチが流れていた。県警は何もしない。辛うじて「直接接触」をさせないようにはしていたが。人は慣れるものだ。こんな異常な状況にも。

 その直前まで僕らは県庁ロビーで取材をしていた。県議会開催中で、翁長雄志知事のぶら下がり会見があるという。直前になって県庁の広報担当者が「質問は税制など二つの内容に限ります」と居合わせた記者たちにアナウンスしている。何を言っているのだろう。けれども記者たちは誰1人文句も言わない。人は慣れるものだ。質問を事前に制限することはよくないことだ。知事を支える環境に変化が生じているのだろうか。

 その直前まで僕らは高江にいた。筆者の取材で得た情報では、12月16日までにヘリパッド建設工事を終了させよとの東京からの指令で、突貫工事が進められていた。N1ゲートには3分から5分おきに砂利を積載したダンプカーが4台編成で次々に入っていく。前後に警察車両がエスコートしている。決して多くはない抗議運動の人々がそのたびに抗議の声をあげる。「森を殺すな!」その数倍の人数の機動隊員が壁をつくって包囲して封じ込める。これが憲法で保障された集会・結社の自由の現実だ。

 それに先だって、座り込み抗議をしていたこれらの人々は、まるで荷物を運搬するように機動隊員によって排除されていた。ヘリパッド工事現場にも機動隊員が配置されている。彼らはある時は工事車両の荷台に乗って現場に移動していた。また警察車両に工事作業員が多数乗っていたこともある。何のことはない。工事完遂という目的の前に、作業員と警察官は一体化しているのだ。警察法に違反していないか。だが人は慣れるものだ。

 道路際に立つ若い機動隊員に話しかけてみた。右耳にはイヤホンが刺さっている。「ずっと立ちっ放しで辛(つら)いですね」「…仕事ですから」「もうここには長いんでしょう?」「…」「帰りたくなることはないですか?」「…2カ月を越すとちょっとあれですね」。はじめて本音の肉声が返ってきた。彼は「土人」と暴言を吐くタイプとは違うようにみえた。


 金平は、最後にこうまとめる。


 北部訓練場の返還式典が今月22日に挙行される予定だ。これら眼前で起きているすべての不条理な現実が、「負担軽減」というマジックワードによって覆い隠されることのないように祈るばかりだ。


 この記事を読んで、いささかの違和感を覚える。
残念ながら、「『負担軽減』というマジックワード」に沖縄県民は騙されることはない。むしろ、このワードに乗ることが現実主義的対応だと攻められるのだ。言はば、「少しは大人になれ」、とのフレーズで。
 確かに、ダコタ・アクセス・パイプライン計画の注視の勝利は、輝けるものである。これに異を唱えることはない。しかし、沖縄を苦しめているのは、日米両政府であり、それを支えるのも「傍観する両国民」であるのも事実である。
果たして、沖縄に不条理になれる暇など与えられているのだろうか。
もちろん、金平は、日米両国の「傍観者」に「不条理に慣れてはいないか」と投げかけているのだろうが。


by asyagi-df-2014 | 2016-12-20 11:08 | 沖縄から | Comments(0)

日米返還式典に対する海外識者の「12月22日 祝うことなどない」との声明を読む。

 日米両政府が22日に予定している米軍北部訓練場の返還式典について、沖縄を支援する海外識者や平和活動家ら22人が2016年12月17日、声明を発表した。
 この声明を読む。
 声明は、「祝うことなどない」という非難の主旨をこう位置づける。


 「私たち署名者一同は、地元の反対、森の繊細な環境への深刻な影響、人間と野生生物両方の健康へのオスプレイの騒音被害や吹き下ろし風の影響にもかかわらず、米国と日本の政府がやんばるの森にMV22オスプレイ対応のヘリパッド6か所の建設を強行していることを非難する。12月13日に起きた、名護海岸での墜落、普天間基地での胴体着陸という二つの事故により、沖縄の人々はあらためてオスプレイにより増大する危険性への恐怖感を新たにしている。」


 この声明の最大の特徴は、宛先が、安倍晋三首相、バラック・オバマ大統領、翁長雄志沖縄県知事、新里米吉沖縄県議会議長の四者になっているということであるかもしれない。この声明の宛先は、沖縄県知事と県議会議長にも及んでいる。
 このことの意味を次のように説明する。


 「私たちは、海兵隊北部訓練場の半分の返還と引き換えにヘリパッド建設を事実上容認した翁長知事に失望している。2014年11月知事選に当選する以前から、そして当選以降も、翁長知事は、オスプレイ配備に反対しているということはヘリパッド建設にも反対しているという意味であるということを何度も表明したが、知事は建設を止めるための効果的な行動は起こさなかった。県も県議会も、県の公安委員会の要請により日本全国から派遣された機動隊が市民たちに対し圧倒的な実力を行使することを止めるために効果的な対策を講じることはなかった。」


 声明は、声明者の立場と抗議をあわせて明確にする。


 「このような政治指導者側からの支援が不足する中でもたゆまぬ抵抗を続けてきた市民たちを、私たちは支持する。」
 「そして、沖縄平和運動センター議長の山城博治氏をはじめとする、逮捕されて拘束されている抵抗者たちの釈放を要求する。山城氏の健康状態は悪化していると聞いており、留置場で足を温めるための靴下の差し入れさえも許されないというのは人道に反した衝撃的なことである。即刻釈放されるべきだ。」


その上で、米軍北部訓練場の返還式典を次のように断罪する。


 「12月22日の北部訓練場の部分的返還が周辺地域の軍備強化につながる限りは、 私たちはこの日に何も祝うことを見出さない。」


 確かに、2016年12月22日に予定されている、日米両政府による米軍北部訓練場の返還式典セレモニーは、中止すべきである。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-20 07:27 | 沖縄から | Comments(0)

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