2016年 12月 04日 ( 2 )

土人」「シ「ナ人」発言を考える。(35)

 大阪府警の機動隊員による「土人」「シナ人」発言を考える。
 「差別する側の意識が変わらないと問題は解決しない」、と識者は評する。
 つまり、差別する側の植民者の自覚がなされるのかどうかだ。
 人種差別撤廃条約に違反する問題なのだ。


 沖縄タイムスは2016年11月9日、平安名純代・米国特約記者の「『土人』は植民地主義的 米ブラウン大名誉教授・ラブソン氏が批判」、との記事を掲載した。
 記事は、次のように報告する。


(1)米ブラウン大学名誉教授のスティーブ・ラブソン氏は、東村高江のヘリパッド建設現場で抗議活動する市民に対する大阪府警機動隊員の「土人が」発言について、「この差別用語は、一個人による侮辱というレベルを超えるものであり、日米による沖縄に対する植民地主義の現れだ」と指摘した。沖縄タイムスの取材に7日までに答えた。
(2)ラブソン氏は、世界における他国に支配された植民地的状況を反映する差別用語の例として、「南アフリカで人種隔離政策(アパルトヘイト)時代に使われていた『バンツー』、英国がインドを植民地支配していた時代に使われていた『ウォグ』、英国がアイルランドを植民地支配した時代の『パディー』などがある」と言葉と人々の差別意識の関連性を挙げ、「こうした言葉の背後には植民地的支配に置かれた人々の葛藤が存在している」と指摘した。
(3)こうした世界における例を踏まえた上で、改めて大阪府警による「土人が」発言は、「沖縄が置かれている植民地的状況を反映したものであり、日米両政府が沖縄の民主主義と人権を否定し、植民地主義政策を取り入れている反映だ」と批判した。
(4)ラブソン氏は「差別用語の使用がいかなるダメージを与えるかについての教育が重要だ。沖縄とその他の地域が置かれている植民地的状況を変えるまで、その重要性は変わらない」と述べ、差別をなくす鍵は教育にあるとの見解を示した。


 確かに、大事なことは、「植民地的状況を反映する差別用語の背後には、『こうした言葉の背後には植民地的支配に置かれた人々の葛藤が存在している』」、ことを理解することだ。
 このことを理解できないからこその、差別発言否定なのである。
 あらためて、「沖縄が置かれている植民地的状況を反映したものであり、日米両政府が沖縄の民主主義と人権を否定し、植民地主義政策を取り入れている反映だ」、との批判を肝に命じたい。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-12-04 12:14 | 沖縄から | Comments(0)

金平茂紀の新・ワジワジー通信(沖縄タイムス)で考える。

 沖縄タイムスは、2016年12月1日、金平茂紀(以下、金平とする)の新・ワジワジー通信(21)を掲載した。
 「米国にもう一つの『高江』」と題されたこの通信を考える。


金平は、「僕ら日本人はなぜ自分たちの足元を見据えた政治を作り上げてこられなかったのかという痛苦な思いと、『各国首脳に先駆けて』(安倍晋三首相)トランプ詣でに馳(は)せ参じた日本の政治トップのありようの恥ずかしさに関連することがらだ。『So what?=だからさ、お前さんはそれでどうなんだい?』とでも言った根源的な問いかけである。トランプが勝ったこととあなたに一体どんな関係があるんですか?」、と始める。
金平は、「そんななかで、アメリカ滞在中に、これは日本の人々にとって、いや、もっと踏み込んで言うと、沖縄の人々にとってとても重要な出来事が同時進行で起きているという事実に突き当たった。この動きはいま急激に切迫した状況に置かれている。アメリカ中部のノースダコタ州がその舞台だ。」、と続ける。
 そして、このノースダコダ州で起きていることを次のように伝える。


(1)この州にあるバッケン油田で膨大な量のシェールオイル(地下深くの泥岩層に含まれる石油の一種)が発見され、それをサウスダコタ州、アイオワ州を経由してイリノイ州まで運搬する巨大パイプライン建設(ダコタ・アクセス・パイプライン計画)が進められようとしている。総額38億ドル(約3900億円)という国家的な規模の巨大プロジェクトだ。
(2)事業主(エナジー・トランスファー社)と州政府は、莫大(ばくだい)な利益が見込まれるとして建設にまい進しているが、このパイプラインの建設ルートがコスト削減のため変更されたことから事態が急変した。パイプラインは、先住民(約8200人のスタンディングロック・スー族)の住む居留地の北側隣接地を流れるミズーリ川を横切る形に変えられたのだ。先住民にとっては、このミズーリの流れは先祖代々「命の水をもたらしてくれる聖なる地」で、そこが原油漏れの汚染の危機に常時さらされることに強い反対の意思をあらわした。そこで行われた環境アセスメントの内容がずさんきわまりないもので、連邦政府(オバマ政権)も工事の許認可権をもつアメリカ陸軍工兵隊に見直しを要請したが、軍は工事をあっさりと認可、先住民たちはついに裁判所に訴えを起こした。と同時に、工事予定地で非暴力直接行動の座り込みを行った。
(3)スタンディングロック・スー族の呼びかけに応じて、全米やカナダからナバホ族、チェロキー族、ホピ族ら1千人を超える先住民が抗議運動に参加した。近年のアメリカにおいては最大規模の先住民の団結行動となっている。これに対して州政府は銃で武装した警察官が発砲や催涙スプレーなどを使って、連日、強制排除を行っている。さらには、事業主が雇った警備会社が、どう猛なシェパード犬などを多数使って、抗議活動参加者を襲わせ多数の負傷者を出す事態になっている。
(4)同時に、この動きを取材していたジャーナリストたちも多数が逮捕され、この問題を現場最前線で取材していた独立系メディア『デモクラシー・ナウ!』の著名キャスター、エイミー・グッドマンを州検察が何と「反乱罪」で訴追するという動きまであった。さすがに州裁判所はこの訴追を認めなかった。このスタンディングロック・スー族の動きに呼応する形で全米規模で、多くの市民らが立ち上がって声をあげている。


 さらに、大事な事実を伝える。


(1)僕もニューヨークでこの動きに呼応するデモをみたが、彼らのスローガンは『Water is Life(水は命)』という明快なものだった。クリントン候補と民主党大統領候補指名を争ったバーニー・サンダース上院議員は、この建設計画に反対すると公言している。レオナルド・ディカプリオやベン・アフレック、ロバート・レッドフォードといったハリウッドスターらも反対の意思表示を行っていて、この動きはさらに拡大する様相だ。
(2)きわめつきの事実を記せば、この巨大石油パイプライン建設計画には、トランプ企業が膨大な投資を行っている。先住民の権利をどのようにまもるか。環境アセスメントに明白な欠陥がみつかった場合にどのような措置をとり得るか。抗議活動はどのような形で拡(ひろ)がりをみせ、継続可能なのか。多くの点で学ぶべきことが多い。


 金平は、通信の最後でこのようにまとめる。


(1)すでにここまでお読みになられた読者諸氏には、何と沖縄の辺野古や高江で起きていることと酷似した出来事が起きているのかと思われた方もいらっしゃるだろう。機動隊員が抗議運動をしている人間に対して「土人」との暴言を発した現場とまさにそっくりの構図がそこに見えるのだ。犬を使って抗議者を襲わせるやり方は相手を同じ人間だとみていないからこそ出来る行為ではないのか。民主主義の圧殺現場は、高江や辺野古と同様に世界の各所にある。だから、翁長雄志知事が高江ヘリパッド建設で膝を屈するような姿をみるのは、いかにも悲しい。
(2)アメリカで大統領選挙を取材していたさなか、日本からこんなニュースが伝わって来た。機動隊員の「土人」暴言をめぐってのことだ。政府が、鶴保庸介沖縄北方担当相が「差別とは断定できない」と述べたことについて、訂正や謝罪は不要だとする答弁書を閣議決定したというのだ。心底呆(あき)れた。アメリカで、もし「ニグロ」や「ニガー」と公人が発言したとしよう(警察官は公人である)。それを政府が謝罪する必要なんかないと閣議決定などしようものならどうなるか。


 確かに、「民主主義の圧殺現場は、高江や辺野古と同様に世界の各所にある。」。
 そして、日本は、民主主義が圧殺されているのだ。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-12-04 07:07 | 沖縄から | Comments(0)

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