2016年 11月 30日 ( 2 )

沖縄-辺野古・高江から-2016年11月30日

 「1年近くたって逮捕した。異常な状態としか言いようがない」(三宅弁護士))
 「政府にとっては米軍基地の提供が、自国民の表現の自由や民主主義よりも大事だということの現れだ。」(池宮城弁護士)
 「高江や辺野古での警察の横暴は、復帰前の米軍施政下よりひどい」(池宮城弁護士)
 この両弁護士の言葉がすべてを現す。


 2016年11月30日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-県警、平和センター捜索 辺野古抗議拠点も 威力業務妨害容疑 4人逮捕-2016年11月30日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「県警警備1課と名護署は29日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で1月、コンクリート製ブロックをゲート前に積み上げて普天間飛行場移設工事に抗議し、工事車両の進入と沖縄防衛局の業務を妨害したとして、威力業務妨害の疑いで沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)を含む計4人を逮捕した。県警は逮捕に合わせ、複数箇所で家宅捜索を実施。本紙は6カ所での捜索を確認したが、捜査関係者によると、8カ所を捜索したという。県は25日、シュワブ内の陸上工事を承諾しており、工事が本格化するのを前に、反対する市民らによる抗議行動をけん制する目的があるとみられる。逮捕されたのは山城議長、職業不詳男性(66)=宜野座村、職業不詳男性(59)=名護市、職業不詳男性(40)=名護市=の4人。県警は捜査に支障を来すとして、それぞれの認否を明らかにしていない。」
②「逮捕容疑は1月28日午後2時5分ごろから同30日午前8時41分ごろにかけて、移設工事を阻止するため、米軍キャンプ・シュワブゲート前の路上にコンクリート製ブロック1400個余りを幅約5メートル、高さ約2メートルに積み上げてゲートをふさぎ、複数人で車両の前に立ちふさがるなどして工事関係車両の搬入と沖縄防衛局の業務を妨害した疑い。」
③「県警は29日午前から、山城議長の自宅や辺野古新基地建設に反対する市民らが活動拠点としているシュワブゲート前のテント、沖縄平和運動センターなど県内の複数の関係先で家宅捜索を実施し、書類など数十点を押収したとしている。県警は逮捕した4人について『(事件発生時の抗議行動で)主要な役割を担っており、山城議長が扇動していた』とし、逮捕時期に関しては『多数の人が事件に関わっており、被疑者特定と裏付け捜査に時間を費やした』と説明した。」
④「逮捕された市民と名護署で接見した三宅俊司弁護士は『皆、黙秘している』と説明した。その上で、威力業務妨害の根拠とされるブロックを積む行為について『市民は警察の目の前でブロックを積み、その翌日に警察がそのブロックを撤去する、という行為が繰り返された』とし、抗議が警察の監視下で行われたことを説明。『威力業務妨害なら、警察はブロックを積む前に市民を止めるべきだ』と警察の対応と逮捕の理由の矛盾を指摘した。『1年近くたって逮捕した。異常な状態としか言いようがない』と非難した。」


(2)沖縄タイムス-「戦後の沖縄でも、まれな権力の暴走」 池宮城紀夫弁護士(住民側弁護団長)-2016年11月30日 08:43


 沖縄タイムスは、池宮城紀夫弁護士(住民側弁護団長)の談話を次のように報じた。


①「今回の逮捕で、辺野古新基地と高江ヘリパッド建設に反対する住民運動を徹底的に弾圧しようとする政府の姿勢が明らかになった。政府にとっては米軍基地の提供が、自国民の表現の自由や民主主義よりも大事だということの現れだ。」
②「逮捕のタイミングが県の高江ヘリパッド建設と、シュワブ陸上部工事の再開容認と見事に重なる。政府や警察は県の姿勢が揺らいだ機会を逃さず、1月の出来事を持ち出して県と市民との分断を図ってきた。県警は市民がコンクリートブロックを積み上げる現場を確認しており、映像も記録しているはずだ。容疑を裏付ける証拠はそろっており、沖縄平和運動センターまで捜索する必要はないはずだ。県警は抵抗運動に関わる市民の情報が欲しくて、センターのパソコンを押収したのだろう。捜査権限を乱用しているのは明らかだ。」
③「高江や辺野古での警察の横暴は、復帰前の米軍施政下よりひどい。僕は当時の運動を見てきたが、米軍でも基地に反対する人々をむやみに逮捕・投獄することはしなかった。戦後沖縄の歴史の中でも、まれに見る権力の暴走が高江と辺野古で起きている。」


(3)沖縄タイムス-米高官、翁長知事ヘリパッド容認に「驚きではない」-2016年11月30日 07:57


 沖縄タイムスは、標題について、次のように報じた。


①「米国務省高官は28日、翁長雄志知事が報道各社とのインタビューで北部訓練場へのヘリパッド建設を容認した発言について、『驚くことではない。われわれは沖縄県知事がヘリパッド建設に反対していたと思ったことはない』と述べ、発言を巡る県内での受け止めとの差に疑問を呈した。同高官は本紙の取材に対し、『沖縄県知事は、先日の日本政府との協議でも北部訓練場の年内返還を【歓迎】と明確な意思表示をしたと聞いている』と指摘。『日本政府と県知事の間では既に、SACO(日米特別行動委員会)合意の履行は重要との共通認識をもとにした信頼関係がある』と述べた。」
②「その上で、『ヘリパッドを新設し、訓練場を整理統合することで土地の過半が返還され、沖縄の負担軽減につながる。米軍普天間飛行場の移設も、名護市辺野古に代替施設を建設して移設することで普天間が返還され、さらなる沖縄の負担軽減となる。同じ論理だ』との見解を示した。」


(4)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド>「県民の分断が狙いだ」高江で山城議長らの逮捕に抗議-2016年11月30日 13:16


 沖縄タイムスは、「東村高江周辺のヘリパッド建設に反対する市民約250人は30日午前、建設予定地N1地区出入り口で座り込み、県警が29日に沖縄平和運動センターの山城博治議長ら4人を威力業務妨害の疑いで逮捕したことに抗議の声を上げた。」、と報じた。
 また、「うるま市の男性は『逮捕は山城さんの拘束を長引かせ、県民の分断を図ることが狙いだ。安倍政権の策略に乗ってはいけない』と強調。別の参加者も『高江や辺野古の反対運動を弱体化させるためのキャンペーンにすぎず、でっち上げ。沖縄を実験場に、民意を封じ込める方法を試している。萎縮してはいけない』と呼び掛けた。市民によると同日午前、資材を載せたダンプ8台がメーンゲートから入る様子が確認された。」、と伝えた。


 以下、琉球新報及び沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-11-30 17:34 | 沖縄から | Comments(0)

年金抑制法案が、強行採決される。(3)

 年金制度改革法案は2016年11月25日、衆院厚生労働委員会で、自民、公明、日本維新の会の賛成多数で可決されました。
 毎日新聞は2016年11月28日、このことに関して、藤田孝典 / NPO法人ほっとプラス代表理事(以下、藤田)とする)の記事(「『年金減額』高齢者の困窮は国会議員に伝わったか」)を掲載しました。
 藤田は、「私は、年金額の抑制が、ただでさえ生活に困窮している低所得者、低年金者の暮らしを直撃するので、改正に反対しています。」、との立場を明確にしています。
 藤田は、反対の理由を二点、「理由の一つ目は、かなり時期尚早ではないか、国民に法案が十分理解、周知されていないのではないかという懸念です。二つ目は、今の高齢者の生活困窮の実態がひどいことになっている現実です。彼らの生活は相当に逼迫(ひっぱく)しています。」、と挙げています。


 記事は、「25日の衆院厚労委員会に参考人として呼ばれ、反対の立場から高齢者の困窮について説明し、慎重でていねいな議論を国会議員のみなさんにお願いしました。その内容を紹介します。」(藤田孝典)、と始められています。
 藤田は、日本の現実を次のように伝えます。


(1)私たちのNPO法人「ほっとプラス」はさいたま市にあり、年間500件の相談を受けています。10代から80代まで、生活に困った人たちが相談に来ますが、そのうち半数は高齢者、年金受給額が足りない、という人たちです。もし、このまま景気浮揚がないまま年金が減らされたら、どうなるか。今相談に来る高齢者たちの多くは病院の受診回数、服薬回数を減らしています。年金が不十分な人は、本当は受診しないといけないのに、医師の指導に従えない状況になっています。介護サービスを入れないと生活できない要介護度4の女性は、年金額が少ないので要介護度1相当のサービスしか受けられていません。所得が低いほど、趣味や楽しみ、社会参加を抑制する傾向もみられます。すると地域社会との接点が減り、歩くなど病後のリハビリも不十分になります。外出しないと肉体的・精神的な健康状態も悪化します。これらの状況が将来の医療費、介護費増大につながらないか、心配です。


(2)所得に応じた健康格差が、今まで以上に拡大する恐れもあります。低所得の高齢者がいかに健康を害しているか、多くの研究者が指摘するところです。数千円、数万円の年金減額はわずかな額と思われがちですが、特に低所得者への影響は非常に大きいと言わざるを得ません。65歳以上の高齢者の相対的貧困率は18%と、高水準です。貧困ラインは1人暮らしで年間所得122万円、2人暮らしだと170万円です。それ以下で暮らしている人が18%います。1人暮らしだと貧困率は4~5割という数字もあります。つまり、現行の年金制度、支給額でも生活できない人にとって、年金が生活保障となっていない実態があるのです。少なく見積もっても、約700万人の高齢者が生活保護基準、もしくは基準以下で生活していることになります。今の高齢者の年金水準は低い、というのが研究のスタンダードです。


(3)私は2015年に「下流老人」という本を出版し、現状に警鐘を鳴らすため高齢者の厳しい実情を紹介しました。相談に来た埼玉県内の男性(76)は長く飲食店に勤め、今は月額9万円の厚生年金で暮らしています。年金額がもし減らされたら、この男性の生活はいったいどうなるのだろう、と想像してしまいます。彼は、家賃5万円の民間賃貸住宅で暮らしています。年金額が足りないので、野草を食事にしていました。先進国の日本で、年金が足りない、野草を食べないと生きていけない人が現実にいるのです。彼は「野草には救われた。恥ずかしいがホームレス専用の炊き出しに並んだこともあった」と語っていました。


(4)うつ病の娘の看病をしながら暮らす高齢夫婦は、月額17万円の厚生年金を受給しています。77歳の夫、74歳の妻、48歳の娘の3人暮らしで、男性は金型工として長く町工場で働いてきました。しかし、娘さんの治療、医療費があるため、1カ月の出費は26万円になるといいます。自宅を売却したお金と年金が命綱なんだ、と語っていました。でも年金は上がらず、下がる一方。そこに働けない娘もいる。17万円ではとても暮らしていけない。夫婦二人が健康なうちはなんとかなるが、どちらかが病気になったらおしまいだ、とも言っていました。貯金もできない暮らしだと。このような相談が毎日のように寄せられます。
(5)別の70代のご夫婦の場合、2人で国民年金が月額9万円。それでは足りないので、夫が新聞配達をしながらなんとかやりくりして暮らしています。医師には仕事を止められていますが、働かないと暮らせない状況です。


(6)相談の中には、自殺や一家心中、介護殺人を考えているという声も多くあります。年金減額がどのような影響をもたらすのか、このような実態を考慮しながら検討してほしいと思います。
(7)「最終的に生活保護を受ければいいじゃないか」という声がありますが、現在、生活保護は機能しているとは言えません。貧困状態にある約700万人の高齢者のうち、今生活保護を受給できているのは100万人程度しかいません。残る600万人は本当は生活保護を受けられるのに、受けていないのです。中には「生活保護は恥ずかしい」「生活保護を受けると(車を手放すなどの)さまざまな制限があるから嫌だ」という人もいます。生活保護を社会的スティグマ(烙印=らくいん)と考える人もいます。年金が少なければ生活保護を受ければいいのですが、これだけ捕捉率が低いと選択肢になりにくいのです。


 藤田は、今の日本の現状を踏まえて、このように主張します。


(1)もし万一、年金減額となるのなら、高齢者の支出を抑える政策を導入する必要があるでしょう。そうでないと厳しい生活がさらに厳しくなります。高い医療費、介護費のほかに、住宅費も重い負担です。特に低所得であればあるほど、民間賃貸住宅の家賃負担は大きいものです。家賃を下げる、租税や保険料を下げる、さらに地方では欠かせない軽自動車の保有維持の負担を減らす、電気ガス水道の支出を減らすといった政策導入を、ぜひ検討していただきたいと思います。
(2)最後に、この年金法案は、高齢者とその家族の命と暮らしに重大な影響を与えます。しかし、この審議が国民に広く共有されているとは思えません。ぜひ時間をかけて、ていねいに審議していただきたいと思います。


 安倍晋三政権は、あたかも未来を開くかのように奢る。
 しかし、自らが作り上げてきた世界(政策)は、藤田が指摘する状況を作り上げてきた。
 「家賃を下げる、租税や保険料を下げる、さらに地方では欠かせない軽自動車の保有維持の負担を減らす、電気ガス水道の支出を減らすといった政策導入」は、彼らの世界では帳尻合わせにならないから、顧みられない。
 せめてとした「この年金法案は、高齢者とその家族の命と暮らしに重大な影響を与えます。しかし、この審議が国民に広く共有されているとは思えません。ぜひ時間をかけて、ていねいに審議していただきたいと思います。」、という願いも、奢りの中で、否定されてしまった。
 では。


 以下、毎日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-11-30 07:17 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

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