2016年 11月 29日 ( 2 )

沖縄-辺野古・高江から-2016年11月29日

 「苦渋の選択」。
 大きな事柄から小さなできことまで、常につきまとう言葉。
 「チルダイ」。
 「弾圧」。
 「分裂」。
 それでも、いままでもあったことだ。
それでも、「沖縄のこころ」。


 2016年11月29日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-辺野古テントなど5カ所家宅捜索 威力業務妨害容疑で県警-2016年11月29日 12:07


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「県警は29日午前、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設に反対する市民らが活動拠点にしているテントなど5カ所で一斉に威力妨害容疑の捜査で家宅捜索した。家宅捜索が確認されたのは①米軍キャンプ・シュワブゲート前のテント②海上行動をする市民らの通称「テント2」③ヘリ基地反対協の事務所④沖縄平和運動センターの山城博治議長の自宅⑤反対運動をする市民の自宅―の5カ所。山城議長を含む反対運動の市民ら計4人が同日午前、威力妨害容疑で逮捕されたとみられる。」
②「山城議長らがまとめ役となる抗議行動の市民らは1月、辺野古移設作業の工事車両がシュワブの工事用ゲート内へ入るのを阻止する手段として1千個を超えるコンクリート製ブロックをゲート前で積み上げた。この行動が威力業務妨害に相当する疑いで県警が捜査しているとみられる。」
③「シュワブゲート前のテントで午前8時16分ごろから9時37分ごろまで警察官が市民ら立ち会いの下で家宅捜索したが、押収した証拠品はなかったという。」


(2)琉球新報-高江で男性2人逮捕 車両阻止行動中に-2016年11月29日 12:33


 琉球新報は、「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に関し、東村の県道70号にある大泊橋で工事用車両の阻止行動などをしていた男性2人が29日午前、警察に逮捕された。現場にいた別の市民によると、交通整理をしていた1人は午前7時40分ごろ、逮捕令状を示されて拘束されたが、容疑は不明。もう1人は午前8時ごろ、道路に座り込んで工事用車両の通行を阻止している時に、道路交通法違反の疑いで拘束されたとみられる。」、と報じた。


(3)琉球新報-国、沖縄の「県政分断」図る 知事のヘリパッド容認で、辺野古の県軟化も狙う-2016年11月29日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「沖縄県東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場の部分返還計画を巡り、翁長雄志沖縄県知事は28日、『苦渋の選択』と表現しつつ、返還条件とされる同訓練場内のヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)の新設を事実上容認する姿勢を初めて示した。建設の是非に対する姿勢の曖昧さを政府に突かれた格好だ。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画に反対する『オール沖縄』勢力の中には翁長知事への不信の声もくすぶる。政府側には、辺野古新基地建設問題での翁長県政の姿勢軟化に弾みを付けたいとの思惑も垣間見える。」
②「『苦渋の選択というと理解できない方がたくさんいるが、北部訓練場も苦渋の選択の最たるものだ』。翁長知事はそう答えた。ある与党県議は『選択といっても、SACO(日米特別委員会最終報告)の着実な実施と言う知事が過半の返還を断るわけにはいかない。米軍輸送機オスプレイへの反対や(再実施を求めている)環境アセスに関する立場も変わってはいない』とおもんぱかる。だが県政野党の自民党県議の一人は『なぜこのタイミングか。年末の予算や税制改正も視野に入れたリップサービスか』と真意をいぶかる。発言は公約違反だとの認識を示し『辺野古受け入れも【苦渋の選択】となるのではないか】と皮肉った。」
③「翁長知事はこれまで工事を強行する政府の『手法』は批判してきたが、建設自体に反対かどうかの問いには『分かりましたという状況ではない』と曖昧な発言を繰り返していた。ヘリパッド工事自体への知事の曖昧な姿勢の背景について、県幹部は『SACO合意は沖縄の負担軽減になるというのが県の立場だ。建設に反対すればSACOの枠組みの否定につながりかねない。【県は基地返還を望んでいない】と国に利用されるリスクがある』と説明する。一方、県政与党や知事を支える『オール沖縄』勢力の一部からは、県が配備撤回を求めるオスプレイの運用を前提としたヘリパッドの建設に知事が反対しないのは矛盾しているとの批判の声も出ていた。ヘリパッドの年内完成の日程は目前に迫る。政府が北部訓練場の過半返還の取り組みをアピールする中、知事周辺は『この状況を歓迎しても、反対しても地獄だ。政府の分断策に利用されかねない』と頭を抱える。」
■“変節”歓迎
④「『容認は当然だ。だがこれまではっきりと反対と言っていなかったから良いことだ』。防衛省関係者は声を上ずらせ、これまで政府を批判していた翁長知事の“変節”を歓迎してみせた。政府・自民党関係者からは『次はオール沖縄の分裂だ』との声も上がる。政府は、知事を支える『オール沖縄』内でのヘリパッド建設の是非を巡る温度差を察知し、そこにくさびを打ってきた。安倍晋三首相は今年9月の所信表明で『20年越しで実現させる』と宣言し、当初予定を前倒しして年内のヘリパッド完成へと計画を変更させた。環境に負荷の大きい工法に変更してまで工期短縮を優先させ、県の反対要請を押し切って工事を強行、翁長県政への圧力を強めていた。」                    ⑤「政府には知事のヘリパッド建設容認を辺野古の“推進力”につなげようとする思惑も見え隠れするが、『革新』サイドの県政与党関係者は知事の今回の「容認」は織り込み済みとする。『ヘリパッドの工事はなかなか止められないが、アセスやオスプレイを使わせないことで、実質的に運用を止めることができればいい』と今後の県対応に期待する声も上がる。ただ、県が東、国頭両村と合意したオスプレイ対象の環境影響評価(アセス)再実施とオスプレイ配備撤回の要請について、防衛省幹部は『知事が今回容認したからアセスを認めるということにはつながらない』と冷静な口調で否定した。」


(4)琉球新報-沖縄県知事ヘリパッド容認 地元住民「心折れそう」 高江、失望と批判-2016年11月29日 10:28


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場の新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対すると明言して2014年の知事選で当選した翁長雄志知事が28日、工事を事実上容認する立場を明らかにした。知事は『オスプレイ配備撤回で物事は収れんされるのではないか』とするが、地元住民からは『既にオスプレイは飛んでいる。知事は一度も現場を見に来ていない』『公約違反だ。高江を切り捨てるのか』など批判の声が上がった。識者からは『辺野古新基地建設反対の立場は明確にした』と評価する意見があった一方で、『住民が工事差し止めの仮処分を申し立てている中で、残念な選択だ』との声もあった。」
②「高江に住む住民からは翁長雄志知事がヘリパッド建設を事実上容認したことに対し、『ショックで心が折れそうだ』『誰のための過半の返還なのか』と落胆や批判の声のほか『今からでも反対と言ってほしい』『現状をしっかり調べてから決断してほしい』と建設反対を再度求める切実な声が上がった。」
①「『アイデンティティーを大切にする知事のポリシーに反するのではないか』。2年前の県知事選で翁長雄志知事にヘリパッド建設反対を公約に掲げるよう求めた石原理絵さん(52)はあきれた様子で話す。過剰な基地負担解消を訴えてきた翁長知事に対し『やんばるを守るのもアイデンティティーだ。今からでも反対と言ってほしい』と強調した。森岡尚子さん(44)は知事の姿勢が選挙の時と変わったことに『そういうことはあってはならない』と語気を強める。『誰のための何のための過半の返還なのか。返還の代償がヘリパッドで本当にいいのか考えてほしい』と再考を求めた。知事がオスプレイと連動するヘリパッド工事の中止を求めると期待していた安次嶺雪音さん(45)は『ショックで心が折れそうだ。高江に実際にオスプレイが飛んでいる現状を調べてから決断してほしい。辺野古と高江は連動する。高江も反対と言ってほしい』と話した。高江区の仲嶺久美子区長は『知事の判断であるので私からはどうこう言えない。コメントは差し控えたい』とした。」


(5)沖縄タイムス-翁長知事、米軍ヘリパッド容認「苦渋の選択」 辺野古阻止は改めて強調-2016年11月29日 08:04


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「翁長雄志沖縄県知事は28日、就任2年を前に報道各社のインタビューに応じた。北部訓練場へのヘリパッド建設で『苦渋の選択の最たるものだ。4千ヘクタールが返ることに異議を唱えるのはなかなか難しい』と述べ、大規模な米軍基地返還を条件とした建設には反対できないとの認識を示した。一方で『オスプレイが全面撤回されればヘリパッドは運用しにくい。配備撤回で物事は収斂(しゅうれん)されるのではないか』と述べ、オスプレイ撤退を主張することで、ヘリパッドの撤去につなげたい考えを説明した。」
②「知事は2014年10月、知事選の出馬に際する政策発表で『オスプレイ撤去と県外移設を求める中で、(オスプレイが離着陸する)高江のヘリパッドは連動して反対していくことになる』と明言しており、公約との整合性が問われそうだ。」
③「名護市辺野古の新基地建設で、自身の埋め立て承認取り消しの違法性を争う訴訟で判決が確定した場合の対応は『司法の最終判断を尊重することは当然』と判決に従う考えを強調した。一方で『敗訴が確定しても、前知事の承認時に要件を満たしていなかったことを争えなくなるだけだと思っている』とも指摘。岩礁破砕とサンゴの特別採捕に関する許可や、基地建設の設計変更に関する承認申請の審査などの知事権限を駆使して、新基地建設を阻止する考えをあらためて示した。」
④「2年後の知事選で再選出馬する考えは『来年の話をしても鬼が笑うというくらいだ。全力投球で与えられた4年間をまっとうする』と述べるにとどめた。」
⑤「県民所得の向上は『観光リゾート産業や情報通信関連産業の振興、臨空・臨港型産業など新たなリーディング産業の育成、農林水産業、製造業、建設業、小売業などの地場産業育成に取り組む』と説明した。」
⑥「知事は12月10日に就任2年を迎える。」



(6)沖縄タイムス-翁長知事会見詳報▼辺野古は造らせない▼「オール沖縄」が基軸▼経済発展へアジア展開-2016年11月29日 11:31


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「就任2周年を前に、翁長雄志沖縄県知事の記者会見が11月28日にあった。会見の詳報は以下の通り。」
②【名護市辺野古の新基地建設問題】
「違法確認訴訟で福岡高裁那覇支部は十分な審理を行わないまま県敗訴の判決を言い渡した。県は引き続き承認取り消しが法的に正当だと訴えていく。行政が司法の最終判断を尊重することは当然だ。公約に掲げた辺野古新基地を造らせないとの民意は選挙で明確に示されている。民意を無視し、辺野古新基地建設を押し進めることは許せない。今後も新基地は造らせないとの公約実現に向け、岩礁破砕許可や設計変更、文化財問題、サンゴの移植などあらゆる手段を用いて取り組む。県民投票は現時点で具体的に検討はしていない。」
②【政府のかたくなな姿勢と本土での理解浸透】
1.「県は日米安全保障体制の負担を日本全国で考え、基地負担軽減と辺野古が唯一の解決策という固定観念にとらわれることなく、早期解決に向け取り組むよう幾度も訴えてきた。県民が反対の声を発し続けても一顧だにしない国の強硬な態度は、民主主義国家のあるべき姿からはほど遠いと言わざるを得ない。
2.「いつも、他の都道府県でこんなことが起こりえるのか疑問に感じている。一方、全国知事会で沖縄の基地負担軽減を目指した研究会がスタートした。全国で沖縄の立場を理解し、認識を共有しようというこれまでにない新しい動きで、本土でも理解が進んでいる成果だと考えている。今後このような動きを国内だけでなく米国でもさらに広げられるよう、粘り強く発信していきたいと考えている。」
③【日米特別行動委員会(SACO)合意から20年たつが基地返還が進んでいない現状】
1.「SACO最終報告で示された返還予定面積は5002ヘクタールのうちこれまでに計454ヘクタールが返還済みで北部訓練場は12月22日に過半の約3978ヘクタールの返還が予定されている。残りの返還時期は『2028年またはその後』として明確ではない。あらゆる機会を通じて基地の整理縮小を日米両政府に強く求めていく。先日の作業部会で安慶田光男副知事は統合計画は関係市町村の意向を反映させ計画的に実施するよう求めた。
2.「私は『苦渋の選択』という話をすると『理解できない』という人がたくさんいるが北部訓練場も苦渋の選択の最たるものだと思う。SACO合意の着実な実施で約4千ヘクタールが返ることに異議を唱えることはなかなか難しい。しかし現実には新しいヘリパッドが6カ所もつくられ、環境影響評価もされないままオスプレイが飛び交う状況は私たちからするとたいへん厳しい状況を目の当たりにしているという風に思っている。このような形の中で返還されることそのものが、厳しい状況だと思っている。」
3.「ことしの参院選の結果が出て数時間後すぐ工事が始まった。県民の信頼を勝ち得るにはほど遠い。4千ヘクタールを返すから文句を言うな、という状況を県民は冷静に見ていると思う。」
④【オール沖縄の達成度、沖縄の心をどう考えるか】
1.「オール沖縄は保革を乗り越えて沖縄の基地問題を解決してほしいという、県民の願いから生まれてきたものだと思う。今年の県議選、参院選でもオール沖縄で私が支持する候補者が勝利した。米軍基地問題への対応、アジア経済戦略構想の推進や雇用環境の改善、子どもの貧困問題などこれまでの県政の取り組みに県民の評価を得られたものだと考えている。今後とも沖縄のアイデンティティーを大切に、保革の垣根を乗り越え、県民の心を一つにする県政運営に努力したい。」
2.「『沖縄の心』は県議会で『ウヤファーフジの頑張りやご苦労を敬い、子や孫が本当に幸せになり、誇り高く生きることと考えている』と申し上げた。沖縄は20、30年前は若者の失業率が十数%あり、若者に外に目を向けるよう促す状況だったが、今は沖縄に戻ることが、結果的に沖縄の経済を支える大きな力になっていると感じる。若者が帰ってきて仕事をすればアジアのダイナミズムを取り入れ沖縄の経済発展が支えられる。誇りに思っている。」
⑤【任期残り2年の取り組み。再選出馬への意欲】
1.「点数は自分ではつけられない。県民にしっかりと見ていただきたい。ただ、全力投球してきたつもりだ。経済発展、生活充実、平和創造の三つの視点から施策を展開してきた。県アジア経済戦略構想に基づき、アジアの活力を取り込んだ施策を着実に推進するなど、経済文化交流に引き続き積極的に取り組んでいく。」
2.「30億円の県子どもの貧困対策推進基金を活用し、子どもの貧困対策を各市町村と提携もしながら推進したい。全国知事会などを通じ、基地負担軽減を広く国内に周知し、辺野古新基地建設に反対して普天間飛行場の県外移設および早期返還、危険性の除去に引き続き全力で取り組んでいく。」
3.「再出馬は、来年の話をしても鬼が笑うという話もある。4年間をおろそかにしないよう全力投球したい。」
⑥【県経済への現状認識。子どもの貧困への取り組み】
1.「観光リゾート産業、情報通信関連も好調だ。雇用情勢は完全失業率が23年ぶりに3%台を記録し、有効求人倍率も復帰後初めて1倍を上回るなど、好調な状態が続いている。一方、非正規雇用の割合や一人当たりの県民所得など、全国と比較するといまだに厳しい状況がある。」
2.「17年度は21世紀ビジョン基本計画の後期期間がスタートする重要な年だ。自立型経済の構築に向け新たなリーディング産業の育成、沖縄の特性を生かした産業振興や地元企業の育成に取り組むことで県民所得の向上を図っていきたい。県内企業の海外への販路拡大にも積極的に取り組みたい。」
3.「子どもの貧困問題では、民間やNPOなどで支援が起きている。沖縄らしい優しい社会を構築するための根幹の子どもの貧困問題に県民の意識が高くなっている。県、国、市町村それぞれが頑張っており、2、3年前とは変わってきている。ぜひ県が中心にとりまとめ、相互連携をとりながら一歩一歩改革していく。」
⑥【シュワブの中に基地を造る場合でも新基地か】
「政府は普天間飛行場の移設というが、実際は海を埋め立て、国有地に替わり、機能強化となる。これは移設と言うより新基地だとの定義を私は持っている。」


(7)沖縄タイムス-米軍基地を容認する保守系政治家の言葉「苦渋の選択」の背景-2016年11月29日 11:36


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「翁長雄志知事が、米軍北部訓練場のヘリパッド建設で『苦渋の選択の最たるものだ』と発言した。『苦渋の選択』は、歴代の保守系政治家が米軍基地の移設を受け入れる際に繰り返してきた言葉であり、知事が建設を“容認”したとの受け止め方が広がるのは確実だ。知事は出馬前の政策発表で建設反対を明言しており“公約違反”の批判が上がることも避けられない。」
②「知事が政策発表でヘリパッド建設に反対した論理構成は、こうだ。
 オスプレイの配備撤回を求める↓北部訓練場に建設されるヘリパッドではオスプレイが運用される↓自身が撤回を求めるオスプレイが離着陸するのなら、建設は認められない。
 このとき知事と政策担当者は、建設と引き換えに約4千ヘクタールの広大な米軍基地が返還される重みを理解しながらも、新たな基地機能強化への反対を分かりやすく訴えることを重視した。
 もともと、知事を支える政治勢力の「オール沖縄」は(1)普天間飛行場の県内移設断念(2)オスプレイの配備撤回-を求める「建白書」の理念で保革が集結しており、ヘリパッド建設は含まれていない。
 特に、知事を支援する保守系の勢力内には「大規模な基地返還が実現するなら、基地内移設はやむを得ない」との見方がある。知事周辺には辺野古新基地とヘリパッドの両方に反対すれば、革新勢力と一体化するとの懸念もあった。
 こうした事情から、知事は移設を強行する政府の手法を批判しつつ、建設反対の表明は控えてきた。ただ、ヘリパッド建設は米軍基地返還の代わりに、県内へ代替施設を強いるという、沖縄の負担軽減が遅れる典型的な構図だ。」
③「知事が選挙戦の政策に建設反対を掲げていた事実も重く、29日に始まる県議会11月定例会で整合性を問われることは必至だ。」


 以下、琉球新報及び沖縄タイムスの引用。



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by asyagi-df-2014 | 2016-11-29 17:13 | 沖縄から | Comments(0)

年金抑制法案が、強行採決される。(2)

 年金制度改革法案は2016年11月25日、衆院厚生労働委員会で、自民、公明、日本維新の会の賛成多数で可決された。
 秋田魁新聞は、この年金制度改革法案の内容について次のように説明している。


(1)法案には、毎年度行われる支給額の改定について、二つの抑制策が盛り込まれている。一つは、保険料を負担する現役世代に配慮し、物価が上がっていても賃金が下がれば年金を減額する「賃金スライド」の導入。もう一つは、賃金や物価が上がった場合でも、支給総額の伸びを長期にわたって約1%ずつ抑える「マクロ経済スライド」の強化だ。デフレ時は適用しない決まりだが、実施しなかった抑制分を翌年度以降に持ち越し、景気回復時にまとめて実施する。
(2)年金は、現役世代の保険料と国庫負担を中心に、不足分は積立金を取り崩して財源にしている。少子高齢化に伴い保険料収入が減少する一方、年金受給者は増えており、制度を持続させることが大きな課題だ。
(3)政府は、抑制策によって支給水準を引き下げることが年金財源の余裕を生み、将来世代にも一定水準の支給が可能になるとし、世代間の公平性が保たれると主張する。法案が成立すれば、マクロ経済スライドの強化は2018年度から、賃金スライドは21年度から実施される。一方、野党は「老後の暮らしが成り立たなくなる」と反発する。厚労省は抑制策が05年度から実施された場合、10年後の支給額は国民年金(老齢基礎年金)で1人当たり3%、月2千円ほど減額になると試算したが、民進党は独自試算で5・2%の減額になるとし「年金カット法案」と批判している。


この法案について、2016年11月26日に確認できた4社の社説の見出しは、次のものである。


(1)北海道新聞社説-年金改革法案 将来への不安残す採決
(2)秋田魁新聞社説-年金改革 暮らしと制度の両立を
(3)新潟日報社説-年金制度改革 丁寧な説明が求められる
(4)中国新聞社説-年金改悪法案 不安置き去りの法案だ


 4社ともが、この法案に対してそれぞれの危惧感を表明している。
 各紙は、具体的に次のように主張している。


Ⅰ.北海道新聞社説
(1)高齢者の年金額を減らさず、現役世代につけを回さない方法はないのか。年金は国民全体にかかわる問題だけに与野党とも知恵を絞り、合意点を見いだせるよう議論を尽くすべきである。
(2)きるだけ現役世代につけを回さないようにするのは当然だ。少子高齢化が進み、年金を支える人が減るだけになおさらである。だが、年金は余裕のある人も、そうでない人も抑制される。医療や介護の負担も重くなっている。これ以上、年金が減ると生活を切り詰めるのが容易でない高齢者も少なくないだろう。実際に年金だけで生計を立てられない高齢者は増えている。今年8月に生活保護を受けた世帯のうち、65歳以上の世帯は5割を超え、過去最多だった。政府は消費税率の10%への引き上げ後、低所得高齢者向けに年金を最大年6万円上乗せする制度の導入を検討している。だがこれだけではとても十分とは思えない。
(3)与野党の駆け引きで終わらせてはならない。年金は世代間の信頼が土台になければ成り立たない。求められているのは、どの世代も納得できる制度づくりである。


Ⅱ.秋田魁新聞社説
(1)年金は国民全てに関わる身近な制度だけに、丁寧な審議が求められる。だが、法案に盛り込まれた抑制策によって将来どれだけ支給額が減るのか、厚生労働省と民進党それぞれの試算に差があることなどについて、審議が尽くされたとは言い難い状況だった。
(2)政府・与党の正当性ばかり主張し、野党の役割をないがしろにする発言だ。採決が強行された背景に、そのような独善的な発想があるのではないかと危惧を覚える。政府・与党には異なる意見に耳を傾け、徹底的に審議に応じる姿勢を求めたい。
(3)老後の暮らしと制度の持続性をどう両立させるのかは避けて通れない難しい問題であり、与野党が知恵を絞る必要がある。野党はぜひとも対案を示し、建設的な議論につなげてほしい。


Ⅲ.新潟日報社説
(1)懸念されるのは、年金生活者の暮らしである。厚生労働省は、法案に盛られた新ルールが2005年度に施行されていたと仮定した場合の試算を公表している。それによると、本年度の国民年金(老齢基礎年金)の支給額は約3%、月2千円程度減るが、43年度は想定と比べて約7%、月5千円程度増える。厚労省は、順調な経済状態が続く前提で試算した。民進党が「国民に誤解を与える」と批判したのは当然だ。政府は現実に近い条件で支給額を再試算し、結果を公表するべきである。
(2)制度改革によって年金を抑制すれば、高齢者の生活への影響は避けられない。一方、現行制度のままでは、若年層の年金に対する不安は解消されない。年金制度は、現役世代から高齢者への「仕送り方式」で運営されている。痛みは世代間で分かち合わざるを得ない。高齢者と現役世代双方が納得できる制度に向けて建設的な議論が必要である。


Ⅳ.中国新聞社説
(1)改革法案は、将来の年金水準を確保するため、支給額の抑制を強化する内容が柱である。老後の暮らしに直結する問題だけに、政府には丁寧な説明が求められていたはずだ。だが、「審議が深まっていない」と採決に反対する民進党など野党に対し、与党は「20時間を超えれば十分」と押し切った。単に時間の問題ではないが、同じような重要法案の場合、約30時間は審議している。拙速との批判も仕方あるまい。数の力で押し切るかのような与党の国会運営が何度も繰り替えされるのが残念でならない。制度改革に対する国民の疑問や日案も払拭されたとは言い難い。
(2)賃金の下落幅で年金が減額される点を捉えれば、民進党などが批判するように「年金カット」のルール変更といえる。しかし、公的年金制度は現役世代から集めた保険料で高齢者への給付を賄う「仕送り方式」が基本である。一定の給付財源を世代を超えて分け合う仕組みになっているため、いまの高齢者への給付額が多ければ、将来世代にしわ寄せが及ぶ。逆に抑制に早く取り組めば、将来の給付水準が改善される。若い世代につけを回さないよう、年金財政のバランスを取るのが狙いともいえる。世代間で痛みを分かち合うという意味では、今回のルール変更もやむをえない選択ではなかろうか。ただ、問題となるのは、年金の多い人も少ない人も給付が同じように抑えられる点だ。低年金で暮らす人たち低所得者に対するセーフティーネットは欠かせないだろう。
(3)今国会での成立にこだわる理由は見当たらない。年明けの通常国会に持ち越しても構わないのではないか。苦しい生活を強いられている低年金者の痛みを和らげると同時に、世代間の公平をどう図るのか。負担と給付のあり方について誠意ある議論を望みたい。


 さて、この年金制度改革法案の強行採決をどう受け止めるべきか。
 中国新聞の次の見解が、現在の日本の現状の中では、一般的な見方なのかもしれない。


「賃金の下落幅で年金が減額される点を捉えれば、民進党などが批判するように『年金カット』のルール変更といえる。しかし、公的年金制度は現役世代から集めた保険料で高齢者への給付を賄う『仕送り方式』が基本である。一定の給付財源を世代を超えて分け合う仕組みになっているため、いまの高齢者への給付額が多ければ、将来世代にしわ寄せが及ぶ。逆に抑制に早く取り組めば、将来の給付水準が改善される。若い世代につけを回さないよう、年金財政のバランスを取るのが狙いともいえる。世代間で痛みを分かち合うという意味では、今回のルール変更もやむをえない選択ではなかろうか。ただ、問題となるのは、年金の多い人も少ない人も給付が同じように抑えられる点だ。低年金で暮らす人たち低所得者に対するセーフティーネットは欠かせないだろう。」


 しかし、政権の方針が「軍事拡大に向けた成長戦略」にあり、大企業による利重寡占が政権の使命である時、国民の大多数は置き去りにされる。
 根本の問題は、このことにある。 大多数の国民にもたらされるのは窮乏化なのである。
 換えなくてはいけないのは、国の基本方針なのである。
だから、せめて、「今国会での成立にこだわる理由は見当たらない。年明けの通常国会に持ち越しても構わないのではないか。」(中国新聞)ということになる。


 以下、各新聞社の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-11-29 08:50 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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