2016年 11月 17日 ( 3 )

沖縄-辺野古・高江から-2016年11月17日

 司法の「第三者行為論」は、命を問う者にとって、切り捨てでしかない。
 命とは、基本的人権を問うことであるではないか。
 この国の司法は、いつまで、「憲法よりも、安保条約が上だとの判決だ。賠償額は増えたが根本的な問題解決ではない」、と言われなければならないのか。


 2016年11月17日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-高江ヘリパッド 未明から資機材搬入 ダンプ、トレーラー計69台-2016年11月17日 13:27


 琉球新報は、「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設で17日、未明から正午ごろにかけて、N1地区ゲートとメインゲートの2カ所から、少なくとも資機材を積んだトレーラー9台、ダンプカー60台が同訓練場に入った。
 市民ら約40人は早朝からN1地区ゲート北側の県道70号上でダンプ車両の通行を阻止しようとしたが、午前9時ごろに約100人ほどの機動隊に排除されて歩道側に閉め出された。市民らは歩道上でシュプレヒコールを上げた。」、と報じた。
 また、「友人と3人で座り込みをした福島県郡山市の主婦・橋本あきさん(61)は『初めて機動隊によるごぼう抜きを経験した。一人間としてきちんと扱われない現状は、原発問題で苦しむ福島県と同じだ』と怒りをあらわにした。」、と伝えた。


(2)琉球新報-【電子号外】普天間爆音判決、飛行差し止め認めず 24億円超賠償命じる-2016年11月17日 10:49


 琉球新報は、標題について、次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の周辺住民3417人が、騒音の発生源である米軍機の実質的な飛行差し止めや過去、将来分の損害賠償を求めた第2次普天間爆音訴訟判決が17日午前、那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)で言い渡された。藤倉裁判長は『国は、本件飛行場における米軍の航空機の運航などを規制し、制限することのできる立場にはない』として、従来の基地騒音訴訟と同様に『第三者行為論』を採用し、飛行差し止めの請求を棄却した。」
②「騒音が受忍限度を超えていると認定し、うるささ指数(W値)75以上の原告に月額7千円、W値80以上の原告に月額1万3千円、総額約24億5800万円の損害賠償の支払いを国に命じた。将来分の請求も却下した。」
③「判決後、島田善次原告団長は「憲法よりも、安保条約が上だとの判決だ。賠償額は増えたが根本的な問題解決ではない」と述べた。
④「藤倉裁判長は、日米両政府の『普天間基地提供合意』の違憲無効確認などの訴えについて『抽象的に国際協定の合憲性および効力について判断することを求めるもの』などとして、裁判で審理するための要件を満たさないと判断し、請求を却下した。2次訴訟は2012年3月に提訴され、原告数は1次訴訟の約8倍に上る。飛行場周辺の騒音コンター(分布図)でW値75以上の地区内や境界付近の住民が原告に名を連ねた。判決では、境界付近の損害賠償額について認めなかった。1次訴訟でも差し止めは棄却。損害賠償はW値75以上で月額6千円、W値80以上で月額1万2千円の支払いが国に命じられた。」


(3)琉球新報-爆音訴訟賠償命令 佐喜真宜野湾市長「一日も早い返還を」-2016年11月17日 11:08


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場の第2次普天間爆音訴訟判決が17日、那覇地裁沖縄支部で言い渡され、国側に住民側への賠償を命じたことについて、同飛行場を抱える佐喜真淳宜野湾市長は同日午前、都内で取材に応じ『一日も早く騒音問題を解決できるよう返還していただきたい』と述べた。佐喜真氏は『(普天間飛行場が)居座り続けることによって住民の被害が拡大する。問題解決には一日も早い返還しかない』と繰り返し強調し、早期返還の必要性を訴えた。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド>ヘリやトラックで資材搬入続く-2016年11月17日 15:30


 沖縄タイムスは、「東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設問題で15日午前、反対する市民ら60人が資材を運ぶトラックを止めようと抗議した。午前9時半から午後12時15分までに、N1地区ゲートから60台の車両が進入した。資材を運んだとみられる、ロープを下げた民間ヘリコプターもN1裏から確認された。」、と報じた。


(5)沖縄タイムス-米軍ヘリパッド、夜間も工事強行 アセス逸脱する沖縄防衛局-2016年11月17日 07:36


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍北部訓練場のヘリパッド建設を巡り、沖縄防衛局が夜間も工事を実施していることが16日、分かった。防衛局は2007年、県に提出した環境影響評価図書で『早朝や夜間の工事は原則として実施しない』と自ら明記している。日米両政府は12月20日の訓練場の部分返還に向け、返還条件であるヘリパッド完成を急いでいるが、アセスを逸脱して工事を強行する国の姿勢に県民から反発が上がりそうだ。」
②「建設予定地H地区の近くで泊まり込む市民が16日午前3時から3時半ごろにかけ、『カンカン』という金属音やキャタピラ音を聞いたと指摘していた。夜間の作業音は先週から聞こえるといい、15日夜は午後7時半から10時半ごろまで聞こえたという。複数の作業員とみられる人の声も聞いた。」
③「防衛省関係者は本紙取材に『翌朝の工事のために資機材を動かした音だろう。訓練場内には泊まり込む作業員もいる』と述べた。一方、『ヘリパッド本体の工事ではなく、あくまで工事に向けた準備作業だ』とも述べた。防衛局は『環境影響評価図書、検討図書の記載内容に従い、適切に実施している』と回答した。」
④「これに対し県幹部は07年のアセスを逸脱したものだとした上で、『工事があったとすれば重大な問題だ。今年提出された環境影響評価検討図書にも、夜間工事実施の記載はない』と指摘。17日にも防衛局へ確認する考えを示した。」
⑤「東村高江の住民によると、16日午前3時半ごろから砂利を積んだダンプカー10台が県道70号を北上した。今月に入り、未明のダンプの通行を複数回確認しているという。工事関係者は『トラブルを避けるためだ』と述べた。」


(6)沖縄タイムス-米軍ヘリパッド工事:夜も突貫、やりたい放題 環境や生活に悪影響-2016年11月17日 07:49


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「米軍北部訓練場のヘリパッド建設で、沖縄防衛局がついに夜間の工事を始めたことが分かった。希少生物、作業員、そして住民生活への影響は計り知れない。『年内完成』に突き進む姿勢に、強い批判が上がった。
 『初めて聞いた』。県環境影響評価審査会の宮城邦治会長は、夜間工事の知らせに驚いた。11月から冬場にかけては、絶滅危惧種のイシカワガエルや県天然記念物のホルストガエルが繁殖シーズン最盛期を迎える。いずれも夜行性だ。『照明で夜間も昼のように明るくなれば生息環境が変わる。虫なども誘導してしまう。重機の大きな音も、生物への影響は避けられないだろう』と懸念する。
 『夜間に工事するなら、県に事前報告して意見を求めるべきだ。それをあえてしないのなら【自主アセスさえ出せば後はやりたい放題でいい】という考えの表れではないか。何でもありだ』と憤った。」
②「高江で抗議行動を率いるリーダーの一人、沖縄平和運動センターの大城悟事務局長は『環境はもちろん、労働者にも大変な負担を強いる。いくら人目につかない森の中だからといって、こんなやり方が公共工事で許されるのか』とあきれた。突貫工事への対応策として、今は水曜日と土曜日の週2回実施している大規模行動を、21日から月曜日も加えることを呼び掛ける。『国は年内完成を目指して急ピッチだ。こちらも最後まで踏ん張りたい』と語った。」
③「『ゴーッという音と振動で起きた。運転手さんにも生活があると思うが、睡眠だけは邪魔しないでほしい』。県道70号沿いに住む東村高江の男性は、16日午前3時半に自宅前を通った工事用ダンプに起こされ、そのまま眠れなかった。道路に出て10台以上のダンプを見届けた。後から来た機動隊車両は停車してくれたので『どうにかしてほしい』と訴えたという。『工事が追い込みで脇目もふらないのだろうか。一番の被害者は一般住民だ』と嘆いた。」


 以下、琉球新報及び沖縄タイムスの引用。






More
by asyagi-df-2014 | 2016-11-17 18:25 | 沖縄から | Comments(0)

「土人」「シナ人」発言を考える。(25)

大阪府警の機動隊員による「土人」「シナ人」発言を考える。
 「差別する側の意識が変わらないと問題は解決しない」、と識者は評する。
 つまり、差別する側の植民者の自覚がなされるのかどうかだ。
 人種差別撤廃条約に違反する問題なのだ。


 琉球新報は2016年10月30日、-「<機動隊 差別発言を問う>支配する側が意識煽る 落合恵子さん(作家)」、記事を掲載した。
落合恵子さんは、次のように指摘する。


(1)発言者は歴史的な事実を全く知らず、無自覚な差別的発言、ヘイト発言だ。使う言葉は無意識でも、日頃の考えが表出される。属する組織や構造の中で何を教えられてきたかが言葉になる。発言を個人の問題に矮小化してはいけない。
(2)振り返ると、夏の参院選が終わるのを待っていたかのように工事が立て続けに始まった。沖縄への差別はむしろ、顕在化している。その裏側にそびえ立つのが、国であり現政権だ。沖縄戦やベトナム戦争からも分かるように、兵士は「相手は人間ではない」と思いこむように教育され、支配して当然という考えを植え付けられる。どの時代でも支配する側は差別的な言葉と意識を煽(あお)り立て、支配構造を構築してきた。それと同じではないだろうか。
(3)「シナ」という言葉も二重差別だ。中国人に対する差別と、言葉を投げ掛けた相手に対する差別。何代か前の東京都知事も同じ言葉を意識的に使っていた。嫌悪感を覚える。
(4)後で謝罪はしたが、大阪府の松井一郎府知事は、今回の発言について「売り言葉に買い言葉」と言った。しかし警察と市民は対等ではない。圧倒的に不平等な関係の中で「売り言葉に買い言葉」という論法は成立しない。政府は沖縄県に「話し合いを」を繰り返すが、しかし、これが政府の話し合いの姿勢なのか。私をはじめ、沖縄で暮らしていない者はさらに、この問題をしっかり考えなくてはいけない。


 確かに、「沖縄への差別はむしろ、顕在化している。その裏側にそびえ立つのが、国であり現政権だ。」、ということだ。
 もう一つ確かなのは、「沖縄戦やベトナム戦争からも分かるように、兵士は「相手は人間ではない」と思いこむように教育され、支配して当然という考えを植え付けられる。どの時代でも支配する側は差別的な言葉と意識を煽(あお)り立て、支配構造を構築してきた。」、ということだ。


 以下、琉球新報の引用。





More
by asyagi-df-2014 | 2016-11-17 15:15 | 沖縄から | Comments(0)

「駆け付け警護」「宿営地の共同防護」の新任務を考える。

 東京新聞は2016年11月15日、「政府は十五日午前の閣議で、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊に、安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」の新任務を付与する実施計画の変更を決定した。閣議に先立つ国家安全保障会議(日本版NSC)では、同じく新任務の「宿営地の共同防護」を付与する方針も確認した。」、と報じた。
 このことに関して、澤藤統一郎さんは「澤藤統一郎の憲法日記」のブログで2016年11月7日、自衛隊員よ。危険を背負わされて、南スーダンに行くなかれ。」、と記した。
澤藤さんのこのブログから「『駆け付け警護』『宿営地の共同防護』の新任務」について考える。


Ⅰ.何が問題なのか。


(1)大統領派と副大統領派の戦闘の現実を、「戦闘ではない、衝突に過ぎない」と無責任なレトリックで、危険な地域に危険な任務を背負わしての自衛隊派遣である。これは、海外派兵と紙一重。
(2)これまで派遣されていたのは「南スーダン派遣施設隊」の名称のとおり、施設科(工兵)が主体。道路修復などもっぱらインフラ整備を主任務としてきた。今度は、普通科(歩兵)だ。危険を認識し覚悟しての自衛隊派遣。派遣される自衛隊員も危ないし、自衛隊員の武器使用による死傷者の出ることも予想されている。
(3)アベ政権が、危険を承知で新任務の自衛隊派遣を強行しようというのは、憲法を壊したいからだ。憲法の平和主義を少しずつ侵蝕して、改憲の既成事実を積み上げたい。いつの日にか、「巨大な既成事実が憲法の理念を押さえ込む」ことを夢みているのだ。
(4)1992年6月成立のPKO協力法(正式には、「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律」)審議は、国論を二分するものだった。牛歩の抵抗を強行採決で押し切って、にようやくの成立となった。もちろん、憲法との整合性が最大の問題だった。
(5)そもそも1954年成立の自衛隊法による自衛隊の存在自体が憲法違反ではないか。これを、与党は「自衛権行使の範囲を超えない実力は戦力にあたらない」として乗り切った。そのため、参議院では全員一致で「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議」をしている。
(6)PKO協力法は、その自衛隊を海外に派遣しようというもの。明らかに違憲ではないかという見解を、法に「PKO参加五原則」を埋め込むことで、「戦闘に参加する恐れはない。巻き込まれることもない」として、乗り切ったのだ。
(7)そして今度は、「駆けつけ警護」と「宿営地の共同防護」だ。場合によっては、積極的に武器使用を辞さない覚悟をもっての自衛隊派遣を許容する法が成立し、運用されようとしている。これを許せば、いつたい次はどうなることやら。


Ⅱ.改憲問題対策法律家6団体連絡会の「南スーダン・PKO自衛隊派遣に反対する声明」(2016年10月27日)から見えるもの。
 まず、「声明」は問題点を次のように指摘する。


(1)1992年にPKO法が制定された時、PKO活動の変質(米ソ冷戦前は北欧やカナダなどが原則非武装で、派遣国の停戦・受入合意がある場合にPKO活動を行っていたが、米ソ冷戦後は時にアメリカなどの大国が重武装で、しかも派遣国の停戦・受入合意がない場合でもPKO活動を実施するようになった)と憲法との関係(自衛隊をPKO活動に「派遣」するのは憲法9条違反ではないかという議論)から、当時の野党は国会で牛歩戦術まで使って抵抗したほど議論があった。
 そのため、政府・与党もPKO法を制定したものの、PKO法に基づく参加に当たっての基本方針として5原則(①紛争当事者間での停戦合意の成立、②紛争当事者のPKO活動と日本のPKO活動への参加の同意、③中立的立場の厳守、④上記原則が満たされない場合の部隊撤収、⑤武器使用は要員の生命等の防護のために必要最小限のものに限られること)を定め、自衛隊のPKO活動はあくまで復興支援が中心で、武器使用は原則として自己及び自己の管理に入った者に限定し、派遣部隊も施設部隊が中心であった。
(2)南スーダンでは、今年4月に大統領派と反政府勢力の前第1副大統領派とが統一の暫定政府を立ち上げたが、今年7月に両派で大規模な戦闘が発生し、この戦闘ではPKO部隊に対する攻撃も発生し、中国のPKO隊員と国連職員が死亡している。国連安保理は、今年8月にアメリカ主導で南スーダン政府を含めたいかなる相手に対しても武力行使を認める権限を付与した4000人の地域防衛部隊の追加派遣をする決議案を採択したが、この決議には南スーダンの代表自体が主要な紛争当事者の同意というPKOの原則に反しているという理由で反対し、ロシアや中国なども棄権している。今月も大統領派と前第1副大統領派との間での戦闘が拡大し、1週間で60人もの死者を出している。この状況はとてもPKO参加5原則を満たしている状況とはいえない。そして、政府が今後予定しているのは、施設部隊に加えて普通科部隊や、さらに中央即応集団の部隊も派遣される可能性があり、他国部隊を守るために武器使用に踏み切るならば、憲法9条で否定された武力行使にあたることになる。


 この上で、改憲問題対策法律家6団体連絡会は、「憲法違反の『戦争法』(いわゆる『安保関連法』)の廃止を引き続き求めていくとともに、かかる状況の下での自衛隊の南スーダンへの派遣と新任務の付与に断固として反対するものである。」、と結論づける。


Ⅲ.状況の悪化について。


 澤藤さんは、「その後、実態は悪化している。」、と次のように続ける。


(1)ケニア政府は11月3日、現地部隊にUNMISSからの即時撤退を命じた。同国は南スーダンの隣国、1230人を派遣してUNMISS総人員約1万3000人の主力をなし、UNMISSの司令官を出す地位にあった。ところが、潘基文国連事務総長はこのオンディエキ司令官を解任した。同国部隊が撤退した事情は、「今年7月首都ジュバで発生した政府軍と反政府勢力との戦闘のなか、政府軍の攻撃で多くの住民が死傷し、海外の援助関係者がレイプなどの被害に遭ったにもかかわらず、UNMISSの歩兵は動かなかった」「このため、国連は1日公表の報告書で、文民保護に失敗したと断定。司令官だったオンディエキ氏はその責任を追及されたとみられる」と報じられている。
(2)文民警察を派遣していた英国、ドイツ、スウェーデン、ヨルダンなども、7月の戦闘を契機に「安全確保」などの理由で文民警官を国外に退避させている。新たな任務を帯びた自衛隊は、そんなところに行くのだ。


 澤藤さんは、「澤藤統一郎の憲法日記」で、最後に次のようにまとめる。


「UNMISSの一員としての自衛隊は、その任務遂行のためには南スーダン政府軍との交戦が避けられない。既に、PKO参加五原則の要件は崩壊している。敢えての自衛隊派遣と駆けつけ警護等による武器使用は、憲法の許すところではない。」


 そして、こう語りかける。


「自衛隊員よ。南スーダンに行くなかれ。」


 以下、澤藤統一郎の憲法日記の引用。






More
by asyagi-df-2014 | 2016-11-17 06:52 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧