2016年 11月 07日 ( 3 )

沖縄-辺野古・高江から-2016年11月6・7日

 「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設を巡り、『G地区』と国頭村の宇嘉川河口部を結ぶ歩行訓練道で大規模な木の伐採が確認された。」、と琉球新報は伝える。
 「アンポムラ」の硬直した「力学」が破壊をもたらしている。
例えばそれは、今回の『ベテランズ・フォー・ピース(VFP)』の4つの質問状の解明にこそ向かうべきではなきという意味で。


 2016年11月6・7日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-米空軍参謀総長「オプションなかった」 嘉手納F16の未明離陸-2016年11月6日 05:56


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


(1)米空軍参謀総長のデビッド・ゴールドフィン空軍大将は5日、F16戦闘機が10月19、20日の未明に嘉手納基地を離陸して100デシベル前後の騒音を発生した問題について「避けるために検討したが、今回はどうしても、この時間以外に飛ぶオプションがなかった」と釈明した。その上で今後の運用には「規制時間の飛行をできるだけなくすことが私たちの使命。避けるために、ありとあらゆる努力を続けたい」と話した。参謀総長は米空軍の制服組トップ。4月に就任した後のあいさつ回りで初めて嘉手納基地を訪れ、カデナ・スペシャルオリンピックの会場で報道各社の取材にこたえた。
(2)ゴールドフィン空軍大将は夜間・早朝の航空機騒音を規制する協定についてドイツでの基地司令官時代の対応を紹介。「日本と同じように協定があり、規制時間以外に飛ぶ場合は地元の方にお知らせしていた。地元の理解は、良き隣人であるために必要なこと」と述べた。また、嘉手納基地の運用で、海兵隊との共同使用に関する見解の問いには「米軍内や日本政府と常に話し合いを持っている。任務を成し遂げるために何が一番良いかを考えて話し合っていきたい」と述べた。自衛隊との関係にも言及し「非常に重視している。日本の防衛ということを念頭に置きながら良い関係を構築していこうと考えている」とした。
(3)県民に対しては「私たちを温かく迎え入れ、ともに暮らしを支えてくれていることに感謝したい」と述べた。


(2)琉球新報-辺野古、高江で抗議声明 議員立憲ネット、沖縄県内で基地学ぶ-2016年11月7日08:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「安全保障関連法廃止などを訴える全国の地方議員約850人でつくる『自治体議員立憲ネットワーク』の『秋研修イン沖縄』が6日、那覇市の沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハで開かれた。名護市辺野古への新基地建設問題や米軍北部訓練場のヘリパッド建設問題に関し、約100人が翁長雄志知事や専門家の講演を聴いた。研修後、辺野古新基地建設の断念、北部訓練場のヘリパッド建設の即時中止を求める声明を発表した。」
②「声明で立憲ネットは北部訓練場のヘリパッド建設で6都県から機動隊員が派遣され『警察は住民の抗議行動を制限する役割となっている』と指摘。大阪府警の機動隊員による『土人』や『シナ人』といった発言について『差別発言は許されるものではなく、自治体議員の立場からも強く抗議する』とした。」
③「講演で翁長知事は過去約2年の任期で辺野古新基地建設の阻止に取り組んできた経緯を説明。『これは沖縄だけの問題ではなく、地方自治と民主主義の問題だ』と述べ、県外からの協力や支援を求めた。同じく講演したジャーナリストの屋良朝博氏は、在沖の米海兵隊について『沖縄は長崎にいる強襲揚陸艦と部隊が合流するランデブー・ポイントになっているが、これが沖縄である必要はない』と指摘した。大城渡名桜大上級准教授も講演し、辺野古や高江の工事現場に機動隊員が派遣されていることについて『市民から見ると明らかに警察活動が乱用、悪用されている状況だ』と述べた。」


(3)琉球新報-大規模伐採を確認 着陸帯・訓練道、急速に整備進む-2016年11月6日 11:48


 琉球新報は、「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設を巡り、『G地区』と国頭村の宇嘉川河口部を結ぶ歩行訓練道で大規模な木の伐採が確認された。県はヘリパッド建設工事を進めるに当たり、防衛局に対して一貫して環境保全への最大限の配慮をするよう求めており、4日に環境影響評価検討図書で示された訓練道整備の工法変更に対しても『実施すべきでない』との文書を手渡したばかりだった。」
 また、「G地区で抗議行動した人たちによると、ヘリパッド建設地から約500メートルにわたって木の伐採が確認された。訓練道は約40メートルにわたって砂利が敷き詰められていた。沖縄森林管理署が訓練道の立木(りゅうぼく)伐採に同意する文書を沖縄防衛局に提出したのは2日。3日から工事が始まり、急速に整備が進んでいるとみられる。」、「県によると訓練道は全長約2・6キロ、道幅約1・2メートルとなっている。市民らによると実際は約2メートル近くになっているという。訓練道の整備を確認した男性は『考えられないくらいのスピードで進んでいる』と話した。」


(4)琉球新報-米大統領候補に質問状 VFP、基地問題を問う-2016年11月6日 10:39


 琉球新報は、「退役軍人らでつくる米国の平和団体『ベテランズ・フォー・ピース(VFP)』は10月29日、米大統領選の民主党候補クリントン氏と共和党候補トランプ氏に、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設や東村高江周辺のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)新設など、沖縄の米軍基地を巡る政策を問う公開質問状を送付した。同時にVFPのウェブサイトで、各大統領選候補者の選対やツイッターに質問するよう呼び掛けている。」、と報じた。
 また、「沖縄の米軍基地問題を巡る質問は(1)地元住民の70~80%が辺野古基地建設と高江ヘリパッド建設に反対している。解決に向けた提案は何か(2)米国は海外に800以上の基地を所有するが、どのように削減していくのか(3)沖縄の軍事化が長期的な安全保障を供給する根拠の説明(4)沖縄に海外の軍隊が恒久的に駐留することで、防衛にどのように貢献しているのか―の4点。」、と伝えた。


(5)沖縄タイムス-東村高江区、政府の財政支援受け入れ 「被害補償」で全員一致-2016年11月7日 05:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県東村高江区(仲嶺久美子区長)は6日、代議委員会を開き、政府がヘリパッド建設に伴う被害補償として財政支援の方針を決めたことについて、全員一致で受け入れを決めた。ただ、決してヘリパッド容認ではないこと、過去2回の反対決議を堅持することも全員で確認した。高江区は今後、支援の内容やそれにかかる費用などを計画書にまとめ、東村へ提出する方針。」
②「委員会には代議員16人のうち13人が参加。財政支援の受け入れについて意見を交わし、全員が受け入れる方向で一致した。支援を受ける理由としてはベトナム戦争時代から現在まで、騒音を受けてきたことに対する『被害補償』と強調した。仲嶺区長は『受け入れは決して基地とリンクしない。区が困っていることは何か、区民と話し合いながら使い道を決めたい』と話した。ヘリパッド工事を年内にも完成させようとする政府は10月初旬までに、東村から高江区への財政支援の要望を受け、支援する方針を固めていた。」
③「東村によると、高江区への財政支援は『(仮)高江基金』として、村が金銭を管理する方向で調整が進められている。名護市の新基地建設予定地に近い辺野古、久志、豊原の『久辺3区』への『キャンプ・シュワブ関連再編関連特別事業』を参考にしているという。
同事業では、スポーツや教育など文化に関する振興費として、区からの事業計画に基づき支給される仕組みとなっている。」


(6)沖縄タイムス-高江区に財政支援:識者「住民を分断」「補助おかしい」-2016年11月7日 05:00


 沖縄タイムスは、「東村高江区が6日、米軍ヘリパッド建設を進める政府からの財政支援の受け入れを決めたことに対し、県内の識者らは『基地押し付けのための国策だ』と、政府のやり方を批判した。」、と報じた。
 また、このことについて次のように伝えた。


①「沖縄大学の仲地博学長は『高江区は迷惑料として受け入れるのであり、基地容認とは言っていない』と前置きした上で『国が正面から住民を説得できなくなり、金と権力を使って県民を分断しようとする悪い政策だ』と批判した。国は戦前も朝鮮や台湾に対し、植民地政策で住民の分断を図ってきたと説明。『国の姿勢には反発が強まるだろう。私たちは分断工作に惑わされることなく、政府と向き合う姿勢が問われている』と語った。」
②「元沖縄総合事務局調整官で、沖大・沖国大特別研究員の宮田裕さん(73)は『地域の課題などを踏まえて措置される補助金の、本来あるべき姿と異なる』として政府の対応をけん制した。また『反対の声を封じるのが政府の意図するところ。このままでは地域のアイデンティティーが崩壊する』とも指摘。『かつての【見返り策】だってうまくいってない』として、基地に絡む補助金について改めて考えるべきだと訴えた。」


(7)沖縄タイムス-高江区に財政支援:「被害の補償は当然」」「容認ではない」-2016年11月7日 05:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「『今乗らないともらえない』『もらうにしても慎重に行くべきだ』―。ヘリパッド建設に伴う政府からの財政支援を巡り、参加した高江区の代議委員13人全員が受け入れで一致した。約1時間半の会議終了後、委員らは『決してヘリパッド容認ではない』と念を押すように繰り返した。」
②「高江公民館で会議が始まったのは午後7時。冒頭、仲嶺久美子区長からの経緯説明の後、委員からはさまざまな意見が投げられた。しかし意見が真っ向からぶつかることはなく、これまで同区が受けてきた騒音などの基地被害やヘリパッド建設と財政支援は無関係であることを前提に、受け入れが決まった。」
③「委員の60代男性はヘリパッド建設反対を強調した上で『みんな思っていることは大体同じ。これまで区は基地被害を受けながら、他地域がもらっているような補償が何もなかった。国が迷惑かけていることを認めたのだから、もらっていい』と話した。60代女性も『もらったからといってヘリパッド賛成とは違う。他地域が受けている補償を高江ももらうという話』と語る。」
④「ヘリパッド建設現場へ約10年間行き、抗議の声を上げてきた女性(52)も理解を示す。『これまで騒音や事故のリスクに耐えてきた区民のことを考えれば、反対とは言い切れない』。議論の場では受け入れても、その内容を慎重に決めないと誤解されると意見した。『人口が少ない集落で対立はしたくない。ただ、お金は怖い。どうしたらいいのか』と表情を曇らせた。」
⑤「ヘリパッドいらない住民の会で東村議の伊佐真次さん(52)は『決して高江がヘリパッドを認めたわけではない。騒音があれば強く抗議する』とし、『すでにヘリパッドN4地区は造られ、被害が出ている。迷惑は当然補償されるべきだ』と強調した。」


(8)沖縄タイムス-石垣市の中心地に250キロ不発弾 重機で掘削中発見 信管ついたまま-2016年11月7日 05:00


 沖縄タイムスは、「沖縄県石垣市大川の県道79号の雨水管整備の工事現場で4日、英国製250キロ爆弾の不発弾1発が見つかった。市防災危機管理室によると、作業員が重機で掘削中に約2メートル地中で発見。信管が付いており、陸上自衛隊が歩道側に移して鉄板で覆うなど、一時保管措置を執った。処理日は未定で、市は7日以降に調整する。」、と報じた。
 また、「現場は交通量や観光客の往来が多い中心市街地。市や近隣住民によると、戦時中は護岸に近い場所で船舶などを攻撃したものとみられる。過去にも近くで不発弾が見付かっている。」、「現場前にある山田書店の山田克巳店長(52)は『戦後71年たった今、こんなかたちで見つかるとは信じられない。速やかに撤去してほしい』。雑貨店の渡邉小雪さん(29)は『こんな街中で見つかるなんて怖い』と表情をこわばらせた。」、と報じた。
 さらに、「2009年1月には糸満市内で掘削作業中に250キロ爆弾が爆発し、男性2人が重軽傷を負った。防災危機管理室の大濵武室長は『何事もなくて良かった。避難対象者も多いため、自衛隊と調整し早急に処理したい』と話した。」、と伝えた。


(9)琉球新報-議員立憲ネット32人、高江を視察 抗議の市民らを激励-2016年11月7日 14:15


 琉球新報は、「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設を巡り7日午前9時、全国の地方議員でつくる『自治体議員立憲ネットワーク』の議員ら32人が東村高江のN1地区ゲート前を訪れた。ゲート前には午前7時すぎから、ヘリパッド建設に反対する40人余が集まり、ダンプカーやトラックを止めようと抗議行動を展開した。」、と報じた。
 また、「大阪府・堺市の長谷川俊英市議は、大阪府警の機動隊員が『土人』『シナ人』と暴言を吐いたことに『県民の皆さんに、府民の1人としておわび致します』と述べた。その上で、抗議活動を続ける市民に『この活動の様子を(地元に)持ち帰り、伝えたい。ひるまず頑張ってください』と激励した。」、伝えた。


 以下、琉球新報及び沖縄タイムスの引用。



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by asyagi-df-2014 | 2016-11-07 17:41 | 沖縄から | Comments(0)

「土人」「シナ人」発言を考える。(17)

 大阪府警の機動隊員による「土人」「シナ人」発言を考える。
 「差別する側の意識が変わらないと問題は解決しない」、と識者は評する。
 つまり、差別する側の植民者の自覚がなされるのかどうかだ。
 人種差別撤廃条約に違反する問題なのだ。


 沖縄タイムスは2016年10月25日、-「根拠のない憎悪で罵倒 のりこえねっと共同代表・辛淑玉さん【インタビュー「土人」発言・5】」、とインタビュー記事を掲載した。
 辛淑玉さんは、次のように語っている。


(1)東村高江での「土人」発言の機動隊員がうれしそうに、ある男に声を掛けている様子がネット動画で流れている。その相手は京都朝鮮初級学校を襲撃し、裁判で有罪判決を受けたレイシストたち。彼らはわざわざ沖縄まで来て大阪府警の機動隊を褒めたたえ「シナ・チョーセンの犬が!」と住民を罵倒している。
(2)共通するのは「自分は国家に褒められる行為をしている」との認識。この発想は相模原の障害者施設で19人を殺し、26人に傷を負わせた犯罪者と同一線上にある。喜んで殺しているのだ。
(3)沖縄戦を生き延びたおばあに対してさえヘイトスピーチを浴びせられるのは、彼らが無知だからではない。「憎しみ」を持っているからだ。根拠のない憎悪が彼らを突き動かしているのだ。だからこそ、化けの皮を剥がされたことに対する逆ギレが起きている。
(4)植民地支配の甘い汁に酔った日本人は「人類館事件」の頃より更に進化して自分たちは良いことをしていると思い込み、抵抗する者には「国家の敵」の烙印(らくいん)を押し、見せしめとして徹底的にたたく道を選んだ。これを許してはならない。


 辛淑玉さんは、「今が、正念場だ。一緒にふんばろう。」、と語ってくれている。
 だとしたら。次のことを身に刻んでおこう。


「沖縄戦を生き延びたおばあに対してさえヘイトスピーチを浴びせられるのは、彼らが無知だからではない。『憎しみ』を持っているからだ。根拠のない憎悪が彼らを突き動かしているのだ。だからこそ、化けの皮を剥がされたことに対する逆ギレが起きている。」


「植民地支配の甘い汁に酔った日本人は『人類館事件』の頃より更に進化して自分たちは良いことをしていると思い込み、抵抗する者には『国家の敵』の烙印(らくいん)を押し、見せしめとして徹底的にたたく道を選んだ。これを許してはならない。」


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-11-07 13:29 | 沖縄から | Comments(0)

日弁連の、「憲法の恒久平和主義を堅持し、立憲主義・民主主義を回復するための宣言」を読む。

 日本弁護士連合会は、2016年10月7日、「憲法の恒久平和主義を堅持し、立憲主義・民主主義を回復するための宣言」を採択した。
 宣言は最初にこう切り出す。
 「今、この国の在り方すなわち憲法体制が、大きく変えられようとしている。」、と。
 この言葉にすべてが集約されている。
この宣言をこのように受け取った。


Ⅰ.何が問題なのか。
 憲法9条に違反する平和安全法制整備法及び国際平和支援法(以下「安保法制」という。)が2015年9月19日に国会で採決され、2016年3月29日に施行された。これによって日本は、集団的自衛権を行使して他国の戦争に参加し、あるいは海外での他国の武力の行使と一体化する危険を免れないこととなった。


Ⅱ.このことはどのような意味を持つのか。
(1)日本国憲法の役割
1.1945年、日本は、アジア・太平洋戦争の惨禍に対する痛切な反省に立ち、その惨禍をもたらした国家主義と軍国主義を排し、個人の尊厳に立脚して、主権が存する国民による全く新たな憲法体制を構築することとなった。そして制定された日本国憲法は、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」、世界に先駆ける徹底した恒久平和主義を高らかに謳った。
2.戦後70年の日本の歴史において、憲法9条は、現実政治との間で深刻な緊張関係を強いられながらも、集団的自衛権の行使の禁止、海外における武力行使の禁止などの基本的な原則を内容とする法規範として、平和主義の基本原理を確保するための現実的な機能を果たしてきた。これによって日本は、国際社会の中で、平和国家としての一定の評価を得てきた。
(2)安倍晋三政権の策動
1.この間、日本を取り巻く安全保障の環境が一層厳しさを増していることを理由に、特定秘密保護法の制定、国家安全保障戦略の策定、武器輸出禁止原則の転換などが進められた上、解釈で憲法を改変し安保法制を整備するための閣議決定がなされ、これを受けて憲法に違反する安保法制が制定されるに至った。ここに、内閣及び国会によって立憲主義が踏みにじられ、同時に、憲法9条の上記法規範としての機能も損なわれることとなった。
2.政府は、安保法制法案を国会に提出するよりも前に内容を先取りする新たな日米防衛協力のための指針を合意し、法案の国会審議においても、多くの専門家の違憲性の指摘や法案成立反対の多数世論にもかかわらず、また集団的自衛権の行使等を必要とする立法事実すらあいまいなまま、審議を十分に尽くすことなく、採決を強行した。その過程は、言論の府としての国会による代表民主制の機能を阻害するものであった。


Ⅲ.これから現実としておこること。
(1)安保法制が施行された今、この国は、政府の判断と行為によって、集団的自衛権が行使されることなどが、現実の問題として危惧される状況にある。しかも特定秘密保護法の下では、市民は、政府の判断の是非を検討するため必要な情報を十分に知らされず、民主主義事後的な検証すら保障されない。政府に対する監視にとって表現の自由の保障が不可欠であるが、政府・与党関係者がメディアの政治的公平性を問題視し、放送局の電波停止にまで言及する等、表現の自由への介入の動きも際立ってきている。
(2)このような状況は、日本が戦後70年間にわたって憲法9条の下で培ってきたかけがえのない平和国家としての理念と実績を損ない、海外においても武力の行使ができる国となり、個人の尊厳と人権の尊重を基本とする憲法の価値体系が影響を受けて、国の基本的な在り方が変容させられてしまいかねないものである。


Ⅳ.日本弁護士連合会の決意
(1)今ほど、立憲主義、民主主義、恒久平和主義という憲法的価値の真価が問われているときはない。そして、この憲法的価値の回復と実現は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士からなる当連合会としての責務である。また、安保法制が制定・施行された現在、立憲主義の理念に基づいて権力の恣意的行使を制限し、法の支配を確保すべき司法の役割は大きく、その一翼を担う当連合会の果たすべき役割もまた重大である。
(2)今、この国の歴史の大きな岐路に立って、当連合会は、民主主義を担う市民とともに、立憲主義国家が破立壊され、この国が再び戦争の破局へと向かうことの決してないよう、憲法の恒久平和主義を堅持し、損なわれた立憲主義と民主主義を回復するために、全力を挙げることをここに表明するものである。


 この宣言から受け取るのものは次のことである。


(1)今、この国の歴史の大きな岐路に立っていることを深く自覚すること。
(2)立憲主義国家が破立壊され、この国が再び戦争の破局へと向かうことの決してないよう、憲法の恒久平和主義を堅持し、損なわれた立憲主義と民主主義を回復するために、全力を挙げて取り組むこと。
(3)こうした考え方を持った人々と広範な闘いを共闘すること。


 以下、日本弁護士連合会の宣言の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-11-07 10:03 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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