2016年 11月 05日 ( 3 )

「土人」「シナ人」発言を考える。(15)

 大阪府警の機動隊員による「土人」「シナ人」発言を考える。
 「差別する側の意識が変わらないと問題は解決しない」、と識者は評する。
 つまり、差別する側の植民者の自覚がなされるのかどうかだ。
 人種差別撤廃条約に違反する問題なのだ。


 朝日新聞は2016年10月21日、「『土人』発言 差別構造が生んだ暴言」、とその社説を掲載した。
朝日新聞は、「耳を疑う暴言である。」、と始める。
この社説を考える。
 朝日新聞は、「ヘイトスピーチを想起させる発言を、公務中の警察官がすることが不適切なのは言うまでもない。菅官房長官は『発言は許すまじきこと』と述べ、警察庁が対応すると説明した。だが、市民とやりあう現場で若い隊員が口にした言葉だけが問題なのではない。背景には、根深い沖縄への差別意識とそれを生んだ日本社会の構造があり、その一端があらわになったと見るべきだ。」、とまず押さえる。
また、その背景には、「根深い沖縄への差別意識とそれを生んだ日本社会の構造」があるとして次のように指摘する。


(1)「強い憤りを感じる」と語った沖縄県の翁長雄志知事の著書に、こんな場面がある。翁長氏が那覇市長だった2013年、沖縄の全市町村の代表らが東京・銀座でオスプレイ配備反対のデモ行進をしたとき、「売国奴」「琉球人は日本から出ていけ」「中国のスパイ」などの暴言を浴びたという。それだけではない。騒ぎに目を向けることなく、買い物をして素通りしていく人の姿に、氏は「日本の行く末に対して嫌な予感がした」と書いている。
(2)明治以来、政府は沖縄に差別と苦難の歴史を強いてきた。先の大戦で本土防衛の「捨て石」とされ、県民の4人に1人が犠牲になった。戦後も米軍統治の下で土地や権利を奪われ、狭い県土に基地が集中した。
(3)そしていま、米軍普天間飛行場の辺野古への移設計画をめぐり、たび重なる選挙で示された民意を、政府は踏みにじろうとしている。さらに、全国から数百人の機動隊員を沖縄に集結させ、ヘリパッド工事を強行するなかで暴言が飛び出した。
(4)驚いたのは、大阪府の松井一郎知事が自身のツイッターに、「表現が不適切だとしても、大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。出張ご苦労様」と書き込んだことだ。沖縄の人々の気持ちや苦難を思い、寄り添う姿勢がみじんも感じられない。加えて記者団には、工事への抗議活動に疑問を呈する発言までしている。


 特に、朝日新聞は、大阪府の松井一郎知事の行為について、「こうした振る舞いがもたらすものは、さらなる反発と混迷、そして沖縄と本土の分断でしかない。要職にあり、国政にも一定の影響力をもつ自覚に欠けることはなはだしい。」、と断定する。


 以下、朝日聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-11-05 18:23 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古・高江から-2016年11月5日

 2016年11月5日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-約100人が抗議行動 北部ヘリパッド建設-2016年11月5日 09:47

 琉球新報は、「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場の新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設を巡り5日午前、メーンゲート前で約100人が抗議行動を展開した。おきなわの平良昭一県議が『やんばるの森を壊す間違った行為をこれ以上許してはいけない』と指摘した。大城悟沖縄平和運動センター事務局長によると、国頭村の採石場から砂利を積んだダンプカーが数台国道58号を北上し、県道2号を通るルートでN1地区ゲートへ向かっている。」、と報じた。


(2)琉球新報-北部訓練場、アセス外の大規模道整備 国、4000本超伐採へ-2016年11月5日 08:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


(1)米軍北部訓練場の新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設予定の「G地区」と国頭村の宇嘉川河口部を結ぶ訓練道の整備を巡り、沖縄防衛局が2007年に作成した環境影響評価(環境アセスメント)に、同訓練道の補修事業が含まれていなかったことが4日、分かった。県によると防衛局は10月28日に提出した環境影響評価検討図書で工法変更としているが、実際には同訓練道を新たに整備することになる。周辺立木(りゅうぼく)も重機などを使い4千本以上伐採する計画であることも判明した。
(2)県は同日、防衛局に工法変更は「実施すべきでない」との文書を手渡した。しかし防衛局は、環境アセスは法的義務のない自主アセスだとして、週明けにも再度民間ヘリにより資機材輸送する方向で調整している。
(2)県環境影響評価審査会の宮城邦治委員長は「これは工法変更ではなく、全く新しい事業だ。自主アセスは県民感情を逆なでしないための単なるアリバイづくりで意味がない」と批判した。県も07年の環境アセスで同工事が明記されていれば「知事意見を出すなどしかるべき措置・対処ができたはずだ」としている。県によると検討図書では全長約2・6キロ、道幅約1・2メートルの訓練道を補修するとしており、うち半分以上を重機を使った伐採に変更した。沖縄森林管理署が11月2日付で出した伐採に同意する文書によると、重機を使った伐採は約1・75キロに及び、直径46センチのイタジイを含む4694本の立木が伐採される。沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏は「N1からH地区を結ぶ道路工事でも3千本超の伐採だった。とんでもない環境負荷になる」と憤った。


(3)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド>「嘉陽のおじい」に黙とう 約150人が座り込み-2016年11月5日 10:40


 沖縄タイムスは、「東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設に反対する抗議行動は5日午前、北部訓練場メインゲート前で開かれ、市民約150人が座り込んでいる。名護市辺野古の新基地建設に20年間反対し続け、3日に亡くなった辺野古住民で、『「嘉陽のおじい』と慕われた嘉陽宗義さん(94)に黙とうをささげ、『遺志を継いでいく』と誓い合った。」、と報じた。


 以下、琉球新報及び沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-11-05 15:26 | 沖縄から | Comments(0)

労働問題-原告が逆転敗訴。東京高裁は、「定年後に賃金が引き下げられることは社会的に受け入れられており、一定の合理性がある」と判断。

 朝日新聞は2016年11月3日、標題について次のように報じた。


(1)定年後に再雇用されたトラック運転手の男性3人が、定年前と同じ業務なのに賃金を下げられたのは違法だとして、定年前と同じ賃金を支払うよう勤務先の運送会社「長沢運輸」(横浜市)に求めた訴訟の控訴審判決が2日、東京高裁であった。杉原則彦裁判長は、「定年後に賃金が引き下げられることは社会的に受け入れられており、一定の合理性がある」と判断。運転手側の訴えを認めた一審・東京地裁判決を取り消し、請求を棄却した。
(2)今年5月の一審判決は、「業務の内容や責任が同じなのに賃金を下げるのは、労働契約法20条に反する」として、定年前の賃金規定を適用して差額分を払うよう会社に命じた。しかし高裁判決は、再雇用者の賃金減額について「社会的にも容認されている」と指摘。60歳以上の高齢者の雇用確保が企業に義務づけられている中で、同社が賃金節約などのために、定年後の労働者と賃金を減額して契約を結んだことは、「不合理とは言えない」と理解を示した。また、同社が再雇用の労働者に「調整給」を支払うなど正社員との賃金差を縮める努力をしたことや、退職金を支払っていること、同社の運輸業の収支が赤字になったとみられることなども考慮。原告の賃金が定年前と比べて約20~24%下がったことは、同規模の企業が減額した割合の平均と比べても低いことから、「定年前後の契約内容の違いは不合理とは言えず、労働契約法に違反しない」と結論づけた。
(3)判決を受け、原告代理人の宮里邦雄弁護士は「納得しがたく、速やかに上告の手続きをする」と述べた。長沢運輸は「会社の主張が正当に認められたものと理解しています」とコメントした。


 朝日新聞は、続けて、一審と二審の判断の違いや「同一労働同一賃金」の課題について、次のように伝えた。


(1)労働契約法20条は、正社員と有期雇用の待遇格差が不合理かどうかを判断する際、①仕事の内容や責任②配置などの変更の範囲③その他の事情、の三つの要素を考慮するとしている。
(2)一審判決は、再雇用で働く人と正社員とで①②が同じだとして、格差は不合理とした。一方、高裁は①②が同じだと認めながら逆の結論を導いた。
(3)高裁判決について、水町勇一郎・東大教授(労働法)は「『その他の事情』を重視しているのが一審との大きな違い。『その他の事情』として、再雇用での賃金減額が一般的だという事実を重視し、格差を認めている点に問題がある」と指摘する。
(4)「同一労働同一賃金」の実現を掲げる政府は、正社員と非正社員の待遇差はどんな場合に合理的で、どんな場合に不合理かを示すガイドラインをつくる予定だ。基本給、諸手当、ボーナス、退職金などについて個別に判断する方向になっているが、高裁判決はそうした判断方法をとらなかった。原告代理人の宮里邦雄弁護士は「『同一労働同一賃金』の議論がすっ飛んでいる。社会的にも妥当でない判決だ」と批判する。
(5)政府はガイドライン策定後に法改正を検討する方針。高裁判決は、同一労働同一賃金の実現にはガイドラインの策定だけでは不十分で、法改正が必要だと示したともいえる。


※一、二審の判断
《東京地裁判決》:定年の前と後で業務内容は変わっていない。会社側には賃下げをする「特段の事情」がなく、労働契約法違反にあたる
《東京高裁判決》:定年前と業務内容などは変わらないが、定年後の再雇用で賃下げをすることは社会的に容認されており、同法違反とは言えない


 東京地裁判決は、一種の驚きと働く側の反省を伴う判決であった。しかし、高裁は、いつもの日本の現状に戻ってしまった。


 以下、朝日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-11-05 13:29 | 書くことから-労働 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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