2016年 11月 02日 ( 3 )

沖縄-辺野古・高江から-2016年11月2日

 沖縄の基地負担の実態。
 「政府は沖縄の基地負担を軽減するというが逆に確認回数は増え、負担は増している。常駐機のF15の離着陸は計100回あったが、そのたびに90デシベル以上の激しい騒音があり、調査結果は嘉手納町の置かれた厳しい環境を表している」
 新基地建設は、このことを加速させるものでしかない。


 2016年11月2日、沖縄-辺野古・高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-嘉手納基地の米軍機 1日で328回飛行 過去最多-2016年10月31日 14:40


 沖縄タイムスは、標題について、次のように報じた。


①「嘉手納町民でつくる町基地対策協議会(宮里政一会長)が18日に実施した米軍嘉手納基地の目視調査結果が26日までにまとまり、離着陸や上空飛行などの確認回数は計328回で、2010年と11年の242回を大幅に上回り過去最多となった。F15戦闘機などによるタッチアンドゴーは44回、滑走路上を低空通過するローアプローチは11回確認された。」
②「調査は毎年行われ、今回が9回目。午前8時から午後8時まで協議会メンバーが、道の駅かでなから米軍機の種類や飛行形態を1機ずつ調べ、騒音を測定した。最大値はF15が離陸した午後3時46分の100・4デシベルだった。協議会によると離着陸が最も多く確認されたのはF15で、それぞれ52回。P3C対潜哨戒機やKC135空中空輸機も離着陸した。計328回のうちAH1WスーパーコブラやAV8Bハリアー攻撃機など外来機は38回。飛行形態の内訳で最も多かったのは上空飛行の67回で住宅地上空飛行は11回、急上昇は2回確認された。」
③「宮里会長は『政府は沖縄の基地負担を軽減するというが逆に確認回数は増え、負担は増している。常駐機のF15の離着陸は計100回あったが、そのたびに90デシベル以上の激しい騒音があり、調査結果は嘉手納町の置かれた厳しい環境を表している』と指摘した。」


(2)沖縄タイムス-オスプレイ「環境影響ない」「通告義務ない」「経路知らない」答弁を閣議決定-2016年11月2日 06:00


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「政府は1日、米軍普天間飛行場に配備され、県外でも訓練する新型輸送機MV22オスプレイについて、『飛行訓練に直接起因して環境に悪影響が生じているとの情報には接していない』とする答弁書を閣議決定した。藤野保史衆院議員(共産)への質問主意書に答えた。」
②「米空軍が2017年後半から横田基地(東京都福生市など)に順次配備する予定の新型輸送機CV22オスプレイの飛行訓練については、『米軍の運用に関することであり、日本政府に事前に通告することを義務づけることは考えていない』とした。具体的にどのような経路を飛行しているかなどの詳細は『政府として承知していない』。自治体から要請のある一部の地域を訓練空域から除外することを米国政府に求めることも考えていないという。」
③「オスプレイが配備されることによる住民の懸念については『米国政府に対し、運用に当たって地域に与える影響を最小限にとどめるよう求める』と繰り返した。一方で、『例外的に500フィートを下回る高度で飛行せざるを得ない場合』というのは『運用の安全性を確保するために必要がある場合を想定しているものと考えている』と米側へ配慮する答弁だった。」


(3)琉球新報-カチャーシーでヘリパッド反対訴え 高江、水曜行動に200人-2016年11月2日 12:36


 琉球新報は、「東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設で2日午前11時半現在、ダンプカー20台分の資材が東村高江の同訓練場「N1地区」ゲートに入っていった。市民ら約30人は早朝、同ゲート北側の県道70号上で車を両側に止め道幅を狭くするなどして大型工事車両の通行を阻止しようとしたが、機動隊に排除された。けが人などはいない。」、「この日は毎週水曜日の一斉行動があり、市民ら約200人がメインゲート前で沖縄民謡を歌ったりシュプレヒコールをしたりしながら座り込みをしている。午前11時ごろから数十分間、米軍機が断続的に上空を飛び、市民らがけげんそうに見上げる場面もあった。」、と報じた。


(4)琉球新報-米大統領選と普天間問題 沖縄にとって、何が重要 <ワシントン特派員報告>-2016年11月2日 10:54


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


(1)8日の米大統領選まで1週間を切った。NBCニュースと調査会社サーベイモンキーが10月31日に発表した最新の合同世論調査によると、民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官の支持率は共和党候補のドナルド・トランプ氏に対し、6ポイントリードし、クリントン氏の「優勢」を伝えている。ただ、連邦捜査局(FBI)がクリントン氏の私用メール問題に関する捜査の再開を連邦議会に伝達したことで、情勢は一気に不透明感を増したとの見方もある。
(2)米首都ワシントンでは大統領選を控え、シンクタンクや研究所、大学が両候補者が掲げる政策を検証したり、新政権誕生後の米外交や安全保障、経済などの行方を探ったりするイベントが開かれている。来年1月の新政権誕生後、翁長雄志知事が反対する米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設など米軍基地問題はどうなるのか。新政権の対応を探るためにこうしたイベントにも足を運んでいる。だが、このようなイベントに参加する日米関係者や研究者から決まって言われるのは「沖縄にとって、次期大統領はトランプ氏の方がいいのでは」という言葉だ。対立候補のクリントン氏は、国務長官時代に「普天間飛行場の代替施設建設を含む在沖米軍再編の進展に自信を持っている」と断言。同氏が大統領になれば、辺野古移設を推進する立場で政権運営に臨むと推測される。
(3)一方、トランプ氏は日米安保条約について「片務的な取り決めだ」とし、日本が駐留経費の負担を大幅に増額しなければ、在日米軍を撤退させるとの考えを示したほか、安保条約の見直しにも言及した。ただ、トランプ氏が普天間移設に対する自身の考えを示したことはない。知り合いの研究者は「トランプ氏は普天間移設問題どころか、沖縄がどこにあるかも知らないのでは」と指摘する。クリントン氏と比べ、在日米軍の撤退を示唆し、普天間移設問題について「白紙」状態とみられるトランプ氏の方が移設計画を見直す余地があるとの見方だ。
(4)新大統領の任期が始まるのは来年1月20日からだ。新大統領は各省の長官、副長官、局長以上の人事を刷新する。クリントン氏、トランプ氏のどちらが大統領に就任しても、新体制の下、辺野古移設問題を検証することになり、同問題への対応は新しい大統領に委ねられることになる。
(5)辺野古移設に反対する翁長知事、稲嶺進名護市長はあらゆる手段を行使し、新基地建設を阻止するとしている。沖縄の民意を無視して強硬に移設工事を進めることは困難であり、米国にとっても有益ではないことを新政権にどう浸透させられるのか。県、県ワシントン事務所の取り組みが問われている。


(5)琉球新報-環境省、文書不開示 やんばるの世界遺産関連 「米軍の信頼損なう」-2016年11月2日 11:12


 琉球新報は、標題につて次のように報じた。


(1)米軍北部訓練場に隣接するやんばる国立公園を含む「奄美・琉球」の世界自然遺産登録を巡り、環境省は2013年以降に米軍とやりとりした文書は「一切不開示」とすることを決定していたことが1日、分かった。環境省は決定理由について取材に対し「米国との信頼関係を損なう恐れ」を挙げ、文書そのものが「米軍との間で非公開とすることを前提に作成しているため」と説明した。環境省は、存在を特定した不開示文書名のリストや件数も明らかにしなかった。
(2)文書は、調査団体「インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)」の河村雅美代表が開示請求した。不開示の結果を受け同団体は、政府のステークホルダー(住民)に対する説明責任の欠如を指摘。行政不服審査法に基づき、環境大臣に対して審査請求をする方針だ。
(3)1日、環境省は取材に対し、文書の存在は認めた上で「外交・防衛への影響を考慮し、関連文書の名称含め開示は控えたい」とした。また、文書は環境省の判断で不開示としたとし「開示請求のあった資料は、非公開を前提として作成した」と説明した。
(4)河村代表は「文書の存在を特定しながら、肝心な箇所を濁すのは情報公開の観点から問題」と環境省の消極的な姿勢を批判した。情報公開法に精通する前津榮健沖縄国際大学学長は「少なくとも環境省は文書の開示がいかに米軍との信頼関係に影響を与えるのかを説明する義務がある」と指摘した。また「環境省は情報公開請求に対して過剰反応しているか、よっぽど知られては困るような重大事項を抱えている」可能性も示唆した。


(6)沖縄タイムス-<米軍ヘリパッド>抗議市民を排除、車両60台で砂利搬入-2016年11月1日 14:32


 沖縄タイムスは、「沖縄県東村高江周辺の米軍北部訓練場でのヘリパッド建設に反対する市民らは1日、N1ゲートなどで抗議活動を展開した。同ゲートでは午前10時半ごろから、工事車両通行のために、機動隊が座り込んでいた市民を強制排除。午後1時半までに、砂利を積んだ車両60台、重機や資材を載せた車両4台が訓練場内へ入ったことが確認された。」、と報じた。


 以下、琉球新報及び沖縄タイムスの引用。







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by asyagi-df-2014 | 2016-11-02 18:07 | 沖縄から | Comments(0)

「土人」「シナ人」発言を考える。(12)

 大阪府警の機動隊員による「土人」「シナ人」発言を考える。
 「差別する側の意識が変わらないと問題は解決しない」、と識者は評する。
 つまり、差別する側の植民者の自覚がなされるのかどうかだ。
 人種差別撤廃条約に違反する問題なのだ。


 沖縄タイムスは2016年10月23日、「『沖縄人お断り』の風潮、以前は色濃く 彫刻家・金城実さん【インタビュー「土人」発言・3】」との「土人」発言を受けてのインタビュー記事を次のように掲載した。


 沖縄県出身者や在日コリアン、被差別部落出身者が多く住む歴史的背景がある大阪の松井一郎知事が「出張ご苦労様」と機動隊員を擁護し、差別発言を助長した。大阪に35年住んだが、当時は「朝鮮人」「沖縄人」はお断り、という風潮が色濃く残っていた。在日コリアン居住地域では盛んにヘイトスピーチが行われている。そこの行政トップによる人権感覚の鈍化こそが差別構造の表れである。


 沖縄戦では県民が差別から逃れるため立派な日本人として国に命をささげるという同化の意識があった。「府警の警官が一生懸命、職務を遂行していた」という言葉は軍命に従い強制集団死を遂行した沖縄戦を想起させる。県知事や名護市長、県民が基地は沖縄のためにはならないと闘っていることに「北部の基地を何とか返還させるため」の“負担軽減”という県民だましのトリックを使った。


 権力による事件という視点も見落としている。公務員と一般市民を対等に扱って「売り言葉に買い言葉」と言い、報道に「メディアが鬼畜生のようにたたく」と被害者のような表現を使う。沖縄に襲いかかる差別意識丸出しの風潮から戦争に突き進む姿がみえる。


 金城実さんは、「土人」「シナ人」発言の本質を抉り取ってくれている。
 それを再掲する。


Ⅰ.大阪に35年住んだが、当時は「朝鮮人」「沖縄人」はお断り、という風潮が色濃く残っていた。在日コリアン居住地域では盛んにヘイトスピーチが行われている。そこの行政トップによる人権感覚の鈍化こそが差別構造の表れである。
Ⅱ.沖縄戦では県民が差別から逃れるため立派な日本人として国に命をささげるという同化の意識があった。「府警の警官が一生懸命、職務を遂行していた」という言葉は軍命に従い強制集団死を遂行した沖縄戦を想起させる。
Ⅲ.県知事や名護市長、県民が基地は沖縄のためにはならないと闘っていることに「北部の基地を何とか返還させるため」の“負担軽減”という県民だましのトリックを使った。
Ⅳ.権力による事件という視点も見落としている。公務員と一般市民を対等に扱って「売り言葉に買い言葉」と言い、報道に「メディアが鬼畜生のようにたたく」と被害者のような表現を使う。沖縄に襲いかかる差別意識丸出しの風潮から戦争に突き進む姿がみえる。


 まさしく、「土人」「シナ人」発言は権力による事件なのだ。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-11-02 12:00 | 沖縄から | Comments(0)

ドイツの公共放送の「フクシマの嘘」の書き起こし

 ドイツZDFテレビ 「フクシマのうそ」を見ました。
この書き起こしの最後には、「本記事の拡散を是非ともお願い致します。同じ間違いを人類がこれ以上繰り返さないために、ご協力をお願い致します。」、とあります。
記録として残します。
「3.11」を真に克服するために。



放射能メモ:ドイツZDFテレビ 「フクシマのうそ」書き起こし


転載始め
*********************
我々は放射能から身を守り、警察から外人と見破られないよう防護服を着こんだ。
汚染され、破壊した原発が立っているのは立ち入り禁止区域だ。
そこに連れて行ってくれることになっている男性と落ち合った。
なにが本当にそこで起きているか、彼に見せてもらうためだ。
ナカ・ユキテル氏は原子力分野のエンジニア会社の社長で
もう何十年間も原発サイトに出向いて働いてきた。
フクシマでも、だ。
私たちは見破られず、無事チェックポイントを通過した。
作業員たちが作業を終え、原発から戻ってきたところだった。
3月11日に起こったことは、これから日本が遭遇するかもしれぬことの
前兆に過ぎないのかもしれないことが次第にわかってきた。
そしてその危険を理解するには、過去を理解することが必要だ。

(タイトル) フクシマの嘘 (監督) ヨハネス・ハノ

私たちは立ち入り禁止区域の中、事故の起きた原発から約7キロ離れたところにいる。
ナカ氏はここで生活をし福島第一とフクシマノ第二の間を股にかけて仕事をしてきた。
ナカ氏と彼の部下は、何年も前から原発の安全性における重大な欠陥について注意を喚起してきた。
しかし、誰も耳を貸そうとしなかった。

(ナカ氏)
私の話を聞いてくれた人はほんのわずかな有識者だけで
その人たちの言うことなど誰も本気にしません。
日本ではその影響力の強いグループを呼ぶ名前があります。
原子力ムラ、というのです。
彼らの哲学は、経済性優先です。
この原子力ムラは東電、政府、そして大学の学者たちでできています。
彼らが重要な決定をすべて下すのです。

私たちは東京で菅直人と独占インタビューした。
彼は事故当時首相で、第二次世界大戦以来初の危機に遭遇した日本をリードしなければならなかった。
彼は唖然とするような内容を次々に語った、たとえば
首相の彼にさえ事実を知らせなかったネットワークが存在することを。
マスメディアでは彼に対する嘘がばらまかれ彼は辞任に追い込まれた。
彼が原子力ムラに対抗しようとしたからである。

(菅前首相)
最大の問題点は、3月11日が起こるずっと前にしておかなければいけないものがあったのに、何もしなかったことです。
原発事故を起こした引き金は津波だったかもしれないが当然しておくべき対策をしなかったことが問題なのです。
この過失は責任者にあります。
つまり、必要であったことをしなかった、という責任です。

では原発事故の原因は地震と津波ではなかったのか?
原子力ムラの足跡を辿っていくと、嘘、仲間意識と犯罪的エネルギーの網の目に遭遇する。
調査は2つの大陸にまたがった。
まずカリフォルニアに飛んだ。
目的地はサン・フランシスコである。
私たちはある男性と話を聞く約束をしていた。
彼は長年原子炉のメンテナンスの仕事でフクシマにも何度も来ており
かなり深刻なミスや事故を東電が隠蔽するのに遭遇した。
フクシマの第1号原子炉は70年代初めにアメリカのジェネラルエレクトリック社が建設し
それ以来アメリカのエンジニアが点検を行ってきた。
そしてフクシマでは何度も問題があった。

(ハーノ記者)
東電は、点検後、なにをあなたに求めたのですか?

(スガオカ氏)
亀裂を発見した後、彼らが私に言いたかったことは簡単です。
つまり、黙れ、ですよ。
何も話すな、黙ってろ、というわけです。

問題があるなど許されない
日本の原発に問題など想定されていない
アメリカのエンジニア、ケイ・スガオカ氏も
それを変えようとすることは許されなかった。

(スガオカ氏)
1989年のことです、蒸気乾燥機でビデオ点検をしていて
そこで今まで見たこともないほど大きい亀裂を発見しました。

スガオカ氏と同僚が発見したのは、それだけではない。

(スガオカ氏)
原子炉を点検している同僚の目がみるみる大きくなったと思うと彼がこう言いました
蒸気乾燥機の向きが反対に取り付けられているぞ、と。
もともとこの原発の中心部材には重大な欠陥があったのだ。
スガオカ氏は点検の主任だったので
正しく点検を行い処理をする責任があったのだが
彼の報告は、東電の気に入らなかった。
私たちは点検で亀裂を発見しましたが、東電は私たちにビデオでその部分を消すよう注文しました。
報告書も書くな、と言うのです。
私はサインしかさせてもらえませんでした。
私が報告書を書けば、180度反対に付けられている蒸気乾燥機のことも報告するに決まっていると知っていたからです。

(ハーノ記者)
では、嘘の文書を書くよう求めたわけですか?

(スガオカ氏)
そうです、彼らは我々に文書の改ざんを要求しました。

スガオカ氏は仕事を失うのを怖れて、10年間黙秘した。
GE社に解雇されて初めて彼は沈黙を破り日本の担当官庁に告発した。
ところが不思議なことに、告発後何年間もなにも起こらなかった。
日本の原発監督官庁はそれをもみ消そうとしたのだ。
2001年になってやっと、スガオカ氏は「同士」を見つけた。
それも日本のフクシマで、である。
18年間福島県知事を務めた佐藤栄佐久氏は当時の日本の与党、保守的な自民党所属だ。
佐藤氏は古典的政治家で皇太子夫妻の旅に随行したこともある。
始めは彼も、原発は住民になんの危険ももたらさないと確信していた。
それから、その信頼をどんどん失っていった。

(佐藤前知事)
福島県の原発で働く情報提供者から約20通ファックスが届きその中にはスガオカ氏の告発も入っていました。
経産省は、その内部告発の内容を確かめずにこれら密告者の名を東電に明かしました。
それからわかったことは、私も初めは信じられませんでした。
東電は、報告書を改ざんしていたというのです。
それで私は新聞に記事を書きました。
そんなことをしていると、この先必ず大事故が起きる、と。

それでやっと官僚たちもなにもしないわけにはいかなくなり
17基の原発が一時停止に追い込まれた。
調査委員会は、東電が何十年も前から重大な事故を隠蔽し安全点検報告でデータを改ざんしてきたことを明らかにした。
それどころか、フクシマでは30年も臨界事故を隠してきたという。
社長・幹部は辞任に追い込まれ、社員は懲戒を受けたが皆新しいポストをもらい、誰も起訴されなかった。
一番の責任者であった勝俣恒久氏は代表取締役に任命された。
彼らは佐藤氏に報告書の改ざんに対し謝罪したが佐藤氏は安心できず、原発がどんどん建設されることを懸念した。
そこで佐藤氏は日本の原発政策という「暗黙のルール」に違反してしまった。
2004年に復讐が始まった。

(佐藤前知事)
12月に不正な土地取引の疑いがあるという記事が新聞に載りました。
この記事を書いたのは本来は原発政策担当の記者でした。
この疑惑は、完全にでっち上げでした。
弟が逮捕され、首相官邸担当の検察官が一時的に福島に送られて検事を務めていた。
彼の名はノリモトという名で
遅かれ早かれ、お前の兄の知事を抹殺してやる、と弟に言ったそうです。
事態は更に進み、県庁で働く200人の職員に圧力がかかり始めました。
少し私の悪口を言うだけでいいから、と。
中には2、3人、圧力に耐え切れずに自殺をする者さえ出ました。
私の下で働いていたある部長は、いまだ意識不明のままです。

それで、同僚や友人を守るため、佐藤氏は辞任した。
裁判で彼の無罪は確定されるが
しかし沈黙を破ろうとした「邪魔者」はこうして消された。
これが、日本の社会を牛耳る大きなグループの復讐だった。
そしてこれこそ、日本で原子力ムラと呼ばれるグループである。

(菅前首相)
ここ10~20年の間、ことに原子力の危険を訴える人間に対する
あらゆる形での圧力が非常に増えています。
大学の研究者が原発には危険が伴うなどとでも言おうものなら出世のチャンスは絶対に回ってきません。
政治家はあらゆる援助を電力会社などから受けています。
しかし、彼らが原発の危険性などを問題にすれば、そうした援助はすぐに受けられなくなります。
反対に、原発を推進すれば、多額の献金が入り込みます。
それは文化に関しても同じでスポーツやマスコミも含みます。
このように網の目が細かく張りめぐらされて原発に対する批判がまったくなされない環境が作り上げられてしまいました。
ですから原子力ムラというのは決して小さい領域ではなくて国全体にはびこる問題なのです。
誰もが、この原子力ムラに閉じ込められているのです。

東電から献金を受け取っている100人以上の議員に菅首相は立ち向かった。
その中には前の首相もいる。やはり彼と同じ政党所属だ。
ネットワークは思う以上に大きい。
多くの官僚は定年退職すると、電事業関連の会社に再就職する。
1962年以来東電の副社長のポストは原発の監査を行うエネルギー庁のトップ官僚の指定席だ。
これを日本では天下り、と呼んでいる。
しかし反対の例もある。
東電副社長だった加納時男氏は当時与党だった自民党に入党し12年間、日本のエネルギー政策を担当し
それからまた東電に戻った。
このネットワークについて衆議院議員の河野太郎氏と話した。
河野氏の家族は代々政治家で彼の父も外相を務めた。
彼は、第二次世界大戦後日本を約60年間に渡り支配した自民党に所属している。
原発をあれだけ政策として推進してきたのは自民党である。

(河野議員)
誰も、日本で原発事故など起こるはずがない、と言い続けてきました。
だから、万が一のことがあったらどうすべきか、という準備も一切してこなかったのです。
それだけでなく、原発を立地する地方の行政にも危険に対する情報をなにひとつ与えてこなかった。
いつでも、お前たちはなにも心配しなくていい
万が一のことなど起こるはずがないのだから、と。
彼らはずっとこの幻想をばらまき事実を歪曲してきた
そして今やっと、すべて嘘だったことを認めざるを得なくなったのです。

この雰囲気が2011年3月11日に壊れた。
日本がこれまでに遭遇したことのない大事故が起きてからだ。
14時46分に日本をこれまで最大規模の地震が襲った。
マグニチュード9だった。
しかし、地震は太平洋沖で始まったその後のホラーの引き金に過ぎなかった。
時速数百キロという激しい波が津波となって日本の東部沿岸を襲った。
津波は場所によっては30メートルの高さがあり町や村をのみこみ消滅させてしまった。
約2万人の人がこの津波で命を失った。
そして福島第一にも津波が押し寄せた。
ここの防波堤は6メートルしかなかった。
津波の警告を本気にせず処置を取らなかった東電や原発を監査する当局は
警告を無視しただけでなく、立地場所すら変更していたのだ。

(菅前首相)
もともとは、原発は35mの高さに建てられる予定でした。
しかし標高10mの位置で掘削整地しそこに原発を建設したのです。
低いところの方が冷却に必要な海水をくみ上げやすいという理由で。
東電がはっきり、この方が経済的に効率が高いと書いています。

巨大な津波が、地震で損傷を受けた福島第一を完全ノックアウトした。
まず電源が切れ、それから非常用発電機が津波で流されてしまった。
あまりに低い場所に置いてあったからである。
電気がなければ原子炉冷却はできない。

(菅前首相)
法律ではどの原発もオフサイトサンターを用意することが義務付けられています。
福島第一ではその電源センターが原発から5キロ離れたところにあります。
これは津波の後、1分と機能しなかった。
それは職員が地震があったために、そこにすぐたどりつけなかったからです。
それで電源は失われたままでした。
こうして送電に必要な器具はすべて作動しませんでした。
つまりオフサイトサンターは、本当の非常時になんの機能も果たさなかったということです。
法律では原発事故と地震が同時に起こるということすら想定していなかったのです。

菅直人はこの時、原発で起こりつつある非常事態について、ほとんど情報を得ていなかった。
首相である彼は、テレビの報道で初めて、福島第一で爆発があったことを知ることになる。

(菅前首相)
東電からは、その事故の報道があって1時間以上経ってもなにが原因でどういう爆発があったのかという説明が一切なかった。
あの状況では確かに詳しく究明することは難しかったのかもしれないが、
それでも東電は状況を判断し、それを説明しなければいけなかったはずです。
しかし、それを彼らは充分に努力しませんでした。

2011年3月15日、災害から4日経ってもまだ
東電と保安院は事故の危険を過小評価し続けていた。
しかし東電は菅首相に内密で会い、職員を福島第一から撤退させてもいいか打診した。
今撤退させなければ、全員死ぬことになる、というのだ。

(菅前首相)
それで私はまず東電の社長に来てもらい、撤退はぜったい認められない、と伝えた。
誰もいなくなればメルトダウンが起き、そうすれば莫大な量の放射能が大気に出ることになってしまう。
そうなってしまえば広大な土地が住めない状態になってしまいます。

菅は初めから東電を信用できず、自分の目で確かめるためヘリコプターで視察した。
しかし首相である彼にも当時伝えられていなかったことは、フクシマの3つの原子炉ですでにメルトダウンが起きていたということだ。
それも災害の起きた3月11日の夜にすでに。

(菅前首相)
東電の報告にも、東電を監査していた保安院の報告にも、燃料棒が損傷しているとかメルトダウンに至ったなどということは一言も書かれていなかった。
3月15日には、そのような状況にはまだ至っていないという報告が私に上がっていました。

事故からほぼ1年が経った東京。
世界中であらゆる専門家が予想していたメルトダウンの事実を東電が認めるまでなぜ2ヶ月も要したのか、私たちは聞こうと思った。
自然災害が起きてからすぐにこの原発の大事故は起きていたのである。

(ハーノ記者)
「原子炉1号機、2号機そして3号機でメルトダウンになったことを、東電はいつ知ったのですか」

(東電・松本氏)
「私どもは目で見るわけにはいきませんが、上がってきましたデータをもとに事態を推定し燃料棒が溶けおそらく圧力容器の底に溜まっているだろう、という認識に達したのは5月の初めでした。」

膨大なデータに身を隠そうとする態度は今日も変わらない。
東電は、毎日行う記者会見でこれらのデータを見せながら、事態はコントロール下にあると言い続けている。
しかしこれらのデータの中には、本当に責任者たちはなにをしているのかわかっているか、疑いたくなるような情報がある。
たとえばスポークスマンはついでのことのように、放射能で汚染された冷却水が「消えてしまった」と説明した。 
理由は、原発施設ではびこる雑草でホースが穴だらけになっているという。

(ハーノ記者)
「放射能で汚染された水を運ぶホースが
雑草で穴が開くような材料でできているというのですか?」

(東電・松本氏)
「草地に配管するのは私たちも初めてのことですが、穴があくなどのことについては知見が不十分だったと思っています。」

しかし原発の廃墟をさらに危険にしているのは雑草だけではない。
私たちは富岡町に向かった。
ゴーストタウンだ。
原発廃墟の福島第一から7キロのところにある。
私たちはナカ氏に便乗した。
彼のような住民は、個人的なものをとりに行くためだけに短時間だけ帰ることが許されている。
彼は、地震に見舞われた状態のまま放り出された会社を見せてくれた。
今では放射能のため、ここに暮らすことはできない。

(ナカ氏)
この木造の建物はとても快適でした。
とても静かで、夏は涼しく、冬は暖かかった。
私たちは皆ここで幸せに暮らしていました。

80人の原発専門のエンジニアが彼のもとで働いており
原発事故後も、事故をできるだけ早く収束しようと努力している。
ナカ氏と彼の社員は、原発廃墟で今本当になにが起きているのか知っている。

(ナカ氏)
私たちの最大の不安は、近い将来、廃墟の原発で働いてくれる専門家がいなくなってしまうことです。
あそこで働く者は誰でも、大量の放射能を浴びています。
どこから充分な数の専門家を集めればいいか、わかりません。

しかし、まだ被爆していない原発の専門家を集めなければ事故を収束するのは不可能だ。
例えこれから40年間、充分な専門家を集められたとしても、日本も世界も変えてしまうことになるかもしれない一つの問題が残る

(ハーノ記者)
今原発は安全なのですか?

(ナカ氏)
そう東電と政府は言っていますが
働いている職員はそんなことは思っていません。とても危険な状態です。
私が一番心配しているのは4号機です。
この建物は地震でかなり損傷しているだけでなく、この4階にある使用済み燃料プールには約1300の使用済み燃料が冷却されています。
その上の階には新しい燃料棒が保管されていて、非常に重い機械類が置いてあります。
なにもかもとても重いのです。もう一度大地震が来れば建物は崩壊してしまうはずです。
そういうことになれば、また新たな臨界が起こるでしょう。

このような臨界が青空の下で起これば、日本にとって致命的なものとなるだろう。
放射能はすぐに致死量に達し、原発サイトで働くことは不可能となる。
そうすれば高い確率で第1、2、3、 5、 6号機もすべてが抑制できなくなり、まさにこの世の終わりとなってしまうだろう。
東京で著名な地震学者の島村英紀氏に会った。
2月に東大地震研が地震予知を発表したが、それによれば75%の確率で4年以内に首都を直下型地震が襲うと予測されている。

(ハーノ記者)
このような地震があった場合に原発が壊滅して確率はどのくらいだとお考えですか?

(島村教授)
-はい、とても確率は高いです。

(ハーノ記者) 
-どうしてですか?

(島村教授)
計測している地震揺れ速度が、これまでの予測よりずっと速まってきています。
私たちはここ数年千以上の特別測定器を配置して調査してきましたが
それで想像以上に地震波が強まり、速度も増していることがわかったのです。

これは日本の建築物にとって大変な意味を持つだけでなく、原発にとっても重大な問題となることを島村氏は説明する。

(島村教授)
これが原発の設計計算です。
将来加速度300~450ガルの地震が来ることを想定しています。
そして高確率で発生しないだろう地震として600ガルまでを想定していますが
この大きさに耐えられる設計は原子炉の格納容器だけで
原発のほかの構造はそれだけの耐震設計がされていないのです。
しかし私たちの調査では、最近の地震の加速度がなんと4000ガルまで達したことがわかっています。
想定されている値よりずっと高いのです。

(ハーノ記者) 
電気会社は、それを知って増強をしなかったのですか?

(島村教授)
今のところ何もしていません、不十分であることは確かです。
これだけの地震に耐えられるだけの設計をしようなどというのは、ほとんど不可能でしょう。

ここは原発廃墟から60キロ離れた場所だ。
フクシマ災害対策本部では東電、保安院、福島県庁が共同で原発の地獄の炎を鎮火するための闘いの調整をはかっている。
私たちは東電の災害対策部責任者にインタビューした。
ことに彼に訊きたいのはどうやって今後これだけ損傷している原発を大地震から守るつもりなのか、ということだ。
ことに、危ぶまれている4号機について訊いた。

(東電・白井氏)
4号機の使用済み燃料プールには夥しい量の使用済み燃料が入っています。
これをすべて安全に保つためには、燃料プールの増強が必要です。
燃料プールのある階の真下に、新しい梁をつけました。

(ハーノ記者) 
原発はほとんど破壊したといってもいいわけですが
原発が健在だった1年前ですら大地震に耐えられなかった構造で
どうやって次の地震に備えるつもりなのでしょうか?

(東電・白井氏)
我々は耐震調査を4号機に限らず全体で行いました。
その結果、問題ないという判断が出ています。

(ハーノ記者) 
でも地震学者たちは4000ガルまでの地震加速度が測定されていて、これだけの地震に耐えられるだけの原発構造はないと言っています。
半壊状態のフクシマの原発の真下でそのような地震が来ても全壊することはないと、なぜ確信がもてるのですか?

(東電・白井氏)
その4000ガルという計算は別の調査ではないでしょうか。
それに関しては、私は何とも言いかねます。

(ハーノ記者) 
原発を日本で稼動させるだけの心構えが、東電にできているとお考えですか?

(東電・白井氏)
それは答えるのが難しいですね。

(ナカ氏)
これがやってきたことの結果です。
この結果を人類はちゃんと知るべきだと思います。
一緒に未来の政策をつくっていくことができるように
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転載終わり

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以上


by asyagi-df-2014 | 2016-11-02 07:20 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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