2016年 07月 08日 ( 2 )

沖縄-在日米軍司令官が、フェイスブックに、「対象者に『免責』を与えることはない」「実際には日米両国の制度の下で訴追される可能性を与える」と投稿。

 標題について、沖縄タイムスは2016年7月8日、「日米地位協定について、在日米軍司令部(東京)は7日、フェイスブックに『対象者に【免責】を与えることはない』『実際には日米両国の制度の下で訴追される可能性を与える』といった内容を投稿した。容疑者の身柄を米側が確保した場合の日本側への引き渡しや、容疑者が基地内へ逃げ込んだ際の捜査協力の在り方など、日本側で指摘される問題には触れていない。」、と報じた。
 また、この投稿内容の問題について、次のように指摘した。


①「投稿は、主に日米地位協定17条の刑事裁判権について説明。地位協定は日本の訴訟手続きの間、米国人の権利が守られるよう保証するとした上で、『日米当局が犯罪行為を犯した少数の人たちを訴追するためのより多くの機会を与える』と記述している。」
②「一方で、公務中の犯罪か、どうかの区別なく、『日本で犯罪を犯した地位協定対象者に対して日本が司法権を有し、日本の法律の下で処罰することができると規定』としているが、公務中の犯罪は、日本側に第1次裁判権がないことから、不完全と言える。」
③「『地位協定は決して訴追に対する制約ではない』とも記述しているが、公務中の犯罪は、日本側の裁判権を制約する内容になっている。」
④「日本弁護士会は、米側が先に身柄を確保した場合に起訴まで日本側に引き渡されないことや、公務中かどうかの認定基準が不透明なこと、日本側に第1次裁判権がある犯罪を起訴する際に時間的な制約があることなどを問題と指摘。地位協定上の『特権』が認められているとし、改定するよう求めている。」


 なお、このフェイスブックについて、「在日米軍司令部は6月23日から『今週の事実』と題し、投稿を始めた。担当者は『在日米軍に関する議論の追加的な資料として役立つ』と目的を語っている。」、と紹介している。
 さらに、沖縄タイムスは同日、このことに関連して、「日米地位協定:在日米軍司令部がSNSに投稿 問題矮小化 関係者怒り」、と「事件・事故のたびに問題化する米軍側の『特権』や抜本改定を求める県民の声に全く触れず矮小(わいしょう)化して説明していることに、協定の問題に関わる関係者は怒りや不満」についての 記事を掲載した。
 その内容は、次のものである。


①「ジェンダー問題を考える会の安次嶺美代子代表は、女性の立場から協定改定を訴え続けている。『協定の存在で、被害者が泣き寝入りを強いられたケースは無数にある』とし、『都合の悪いことを隠している。こんな投稿の内容で、米兵たちに教育をしているなら、再発防止の言葉も意味がない』と憤った。」
②「環境問題の調査団体『インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)』の河村雅美代表は『県は投稿内容の問題点をデータで示し、公式ルートで日米両政府に書面で抗議すべきだ』と指摘。『知事が会見で異議を表明するだけでは、米軍のSNSでの主張が正しいものとして残ってしまう』と懸念を示した。」
③「米軍関係者との交際や結婚トラブルを抱える女性の相談に応じるNPO団体『ウーマンズプライド』代表のスミス美咲さんは『地位協定が不平等だとする県民の気持ちは理解できるが、基地内で協定の内容に関心のある人はいない』と指摘。『県民も米軍も互いの立場を理解する機会を持つことが重要』との考えを示した。」


 日米同盟の本質である、日米地位協定における米国の制度上の「特権」が、米軍人の意識を支配していることか、沖縄に大きな犠牲を強いていることの原因の一つであることに全く気づかないふりをしている。
 まして、そうした制度そのものが、軍事植民地主義であることを無視する結果になっている。
「米軍のSNSでの主張が正しいものとして残ってしまう」、という危惧に対して、日本政府は、早急な対応をしなければならない。


 以下、沖縄タイムスの引用。





by asyagi-df-2014 | 2016-07-08 17:31 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第54回

沖縄の地で、体を張って新しい歴史を作ろうとしている人たちがいる。
そこには、その煌めきの記録を残そうとしているジャーナリストがいる。
だとしたら、その生きざまの瞬間を私たちは受け取る必要がある。
三上知恵の沖縄撮影日記。


 
 今回の報告は、「『サンゴの産卵が始まりました』という便りは、いつも南から、石垣島からもたらされる。ああ、陸も海も、命の勢いが沸き上がってくるような南の島の夏が、今年もやってくる。初夏の知らせにはなぜか胸が高鳴る。5月になると南西の方からサンゴの産卵が始まって、だんだん北上して沖縄本島は1カ月後くらいに全盛期を迎える。1995年に沖縄の局に入ってから毎年、その撮影に関わってきた。」、と大浦湾でのサンゴの産卵の話から始まる。
 大浦湾のサンゴについて、次のように言葉を重ねる。


①「大浦湾という、ファンダイバーなど誰も来なかった東海岸の海が、ここまで生物多様性の宝庫だったということを、20年前の私たちは知らなかった。地域のダイバーさんや、琉球大学の学生さんが、地道に辺野古近辺の海洋生物について世に出していった1990年代。そこから、天然記念物のジュゴンやアオサンゴの大群落、数々の新種の生物などが発見され、世界的にも注目されるようになっていくのだが、長田さんの映像もずいぶんこの海の素晴らしさを伝えることに貢献してきたと思う。地元のおじさんたちとチームを組んで、ジュゴンの撮影に挑戦したのも楽しい思い出だ。しかし、2014年から私たちは『もう、今回で最後かな』と毎回つぶやきながら、覚悟をしつつ撮影した。しかしあれから2年経って、まだかろうじてこの海は守られている。」

②「長田カメラマンも、この夏を無事越えることができそうな大浦湾の生き物たちに、会いに行きたくなったのだろう。そして埋め立てを免れた海の息吹を多くの人に伝えたいと思ってくれていたのだと思うと、胸が熱くなった。予算繰りでうしろ向きになっていた自分が恥ずかしくなった。もし3月4日に『和解』という展開になっていなかったら、3月中には埋め立てが始まっていたのだ。さらなるトンブロックとクレーンを積んだ台船がもう海上に待機していたのだから。本当に埋められる寸前だった大浦の海。」

③「今回の動画は、工事が中止になったのに遅々として進まないフロートの撤去の様子を水中から撮影した5月の映像から始まる。2トンから40トンまで、すでに海に投入されたコンクリートの固まりは何百と言う数だ。今、オレンジ色のフロートだけはなくなったが、海の底に転がったトンブロックは引き上げていない。たくさんのサンゴを破壊して「岩礁破砕」に当たると県が正式にクレームをつけているブロックは、日陰を作り光合成するサンゴを殺してしまう。軽いものは台風で引きずられる。海に負荷をかけ続けている。
 その近くにあるユビエダハマサンゴやミドリイシの枝サンゴ、大きな塊のハマサンゴの仲間など、地形が起伏に飛んでいる大浦湾は、透明度こそ良くないものの、多種多様な種類が一堂に会している、まさにサンゴの博物館だ。この夏の新撮映像を長田さんの好意で紹介させてもらった。是非楽しんで欲しい。」


 また、「基地反対の人たちは大浦湾を埋めるなと言うのに、那覇空港の埋め立てに反対しない」、との批判については、次のように語る。


「ただ、今すぐ全部を守れないとしたら、優先順位はある。絶対に死守しなければならないのが『ホットスポット』と呼ばれる生物多様性に富んだポイント、つまりたくさんの種類がひしめき合う、命の濃い区域だ。ほかの地域に命を供給する力のある場所。そして大浦湾はまさに、沖縄を代表するような『ホットスポット』なのだ。
 およそ9割のサンゴが死滅してしまっている沖縄本島の中でも、東海岸は再生が遅い。西側のように遠浅でサンゴの生息に適している場所が少ないこともある。そして西側は、サンゴが消えてしまったところでも、慶良間諸島から流れ着くサンゴの卵たちのおかげで再生のチャンスがある。しかし東海岸で、サンゴの卵を大量に供給してくれるような場所は大浦湾のほかに、なかなかない。つまり、人にたとえると、手足を刺しても生きてはいけるけれど心臓を刺したら死んでしまうのと同じように、大浦湾を埋めるのは心臓を刺すようなものなのだ。那覇空港沖を守らないと反対運動を批判している人たちは、是非那覇空港沖のサンゴを守るために立ち上がって欲しい。そして本当にサンゴのことを理解し始めたら、なぜ私たちが大浦湾を必死になって守ろうとしているかわかってくれるはずだ。」


 最後に、三上さんは、言葉として、このように訴える。
 じっくり聞こう。


 山を削り  山を泣かせて
 海を削り  海を泣かせて
 基地を造り 島を泣かせて
 爆弾で   世界中の人を泣かせる

 そんなこと、やめませんか?

 サンゴは光合成で海水の二酸化炭素の濃度を調節してくれる
 海が酸化しないように守ってくれている
 人間がこんなに負荷をかけてもじっと浄化を続け
 耐え切れなくなったら
 何も言わずに消えていく

 海の息吹は 海の悲しみは
 あなたに届いていますか?


 
三上智恵監督新作製作のための製作協力金カンパのお願い

『戦場ぬ止み』のその後――沖縄の基地問題を伝え続ける三上智恵監督が、年内の公開を目標に新作製作取り組んでいます。製作費確保のため、皆様のお力を貸してください。

■振込先
郵便振替口座:00190-4-673027
加入者名:沖縄記録映画製作を応援する会

◎銀行からの振込の場合は、
・ 銀行名:ゆうちょ銀行
・ 金融機関コード:9900
・ 店番 :019
・ 預金種目:当座
・ 店名:〇一九 店(ゼロイチキユウ店)
・口座番号:0673027
・加入者名:沖縄記録映画製作を応援する会


 以下、三上智恵の沖縄(辺野古・高江)撮影日記第54回の引用。






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