2016年 07月 06日 ( 1 )

沖縄-米軍普天間飛行場内の埋蔵文化財調査が米軍の不許可で宙に浮いている問題を考える。

 標題について、沖縄タイムスは2016年7月3日、「深掘り」記事として、伝えた。
沖縄タイムスは、まずその問題点を次のように指摘した。


「日米間で昨年9月に結ばれた環境補足協定が壁になり、県と宜野湾市が長年続けてきた米軍普天間飛行場内の埋蔵文化財調査が米軍の不許可で宙に浮いている。現地司令官の裁量で認められてきた文化財調査が新協定のあおりで認められなくなった格好だ。基地内の現地調査が円滑になるとし、政府が『沖縄の負担軽減』を強調した新協定。『本末転倒』とも言える事態はなぜ起きたのか-。経緯をひも解けば、名護市辺野古の埋め立て承認の『置き土産』(県幹部)の影が見え隠れする。」


 次に、その経過を伝える。


①「環境補足協定はその名の通り、主に環境分野の調査を念頭に置く。それだけに、県にとって立ち入りの基準となる『返還約7カ月前(150労働日)』のくくりに、同列の扱いで文化財調査も盛り込まれたのは“盲点”だった。『なぜ』。県庁の関係者らは首をかしげる。」
②「ただ実はその発端は2013年12月17日、仲井真弘多前知事が辺野古埋め立て申請を承認する直前の『沖縄政策協議会』で提出した要請文にあった。承認の事実上の条件といわれた『普天間飛行場の5年以内運用停止』など3項目12件の要請に『返還3年前から環境・文化財の立ち入り調査』もまた盛り込まれていたのだ。『県庁のごく数人の職員』(県関係者)で前知事の考えを要請文にしたためたもので、同関係者は『当初【3年】に数字的な根拠はなかった。あったとしても前知事の胸の内。現在の根拠は後付けだ』と断言する。」
③「関係部局への事前打診もなく、当時から文化財行政の関係者内で『3年は短すぎる』『期間を区切ることでかえって不利になる』との懸念が渦巻いていた。」
④「前知事から飛び出した『返還3年前から環境・文化財調査』は日米交渉のそじょうに載り、結果として立ち入りの基準は『世界スタンダード』(政府筋)の『約7カ月前』に落ち着いた。」
⑤「14年11月の県知事選直前には、日米両政府が協定の実質合意を発表。直後に日米交渉に関わった外務省関係者は県幹部に『新協定の現地調査に文化財を含むことができたのは新しいことだ』と意義を強調したという。」


 「想定していなかった事態だ」と外務省関係者が漏らす今回の問題を、次のように指摘する。


今回問題になった普天間飛行場は返還日が定まっていないため、「約7カ月前」に該当せず、1999年から慣例的に認められてきた調査ができなくなった。

①「協定は、両政府が合意すれば『約7カ月前』より前の調査も可能だと定めてはいる。だが日米合同委員会環境部会は非公開で年4回しかない上、今回の事例を巡り本格的な協議がなされたか、つまびらかになっていない。」
②「加えて新協定の対象は『返還に関連する』調査とされるが、返還を前提としない調査との線引きは不透明だ。今回の調査も、日米の返還合意を機に始まったのは確かだが、県教育庁文化財課は『あくまでも文化財の所在確認が目的で、返還ありきの調査ではなく、新協定の対象外。これまで同様に認められるべきでは』と疑問を投げ掛ける。」
③「両政府が初めて自治体の基地内調査権を条約に明文化した-と、鳴り物入りで発表した新協定。米軍の裁量に左右される側面は否めず、県庁内に嘆息も漏れる。」


 どうやら、「あくまでも文化財の所在確認が目的で、返還ありきの調査ではなく、新協定の対象外」である文化財の所在確認が、「米軍の裁量に左右される側面は否めない」協定によってはばまれる。
 これまた、「構造的沖縄差別」の実態ではないか。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-07-06 05:45 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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