2016年 06月 10日 ( 2 )

沖縄-元海兵隊員の米軍属による女性遺体遺棄事件に対して、沖縄県議会と沖縄県内の41市町村の全議会が、抗議決議を可決する見通し。

 このことについて、沖縄タイムスは2016年6月8日、「元海兵隊員の米軍属による女性遺体遺棄事件を受け、7日までに沖縄県議会と35市町村の議会が抗議や意見書を可決した。残る6町村も今月中に決議する予定で、県議会と県内の41市町村の全議会が事件に対する抗議決議や可決する見通しになった。沖縄タイムスのまとめで分かった。県議会と全市町村議会が同じ案件で抗議決議すれば、2012年のオスプレイ配備反対以来、4年ぶりとなる。」、と報じた。
 また、「今回の事件を巡っては、県市長会、県市議会議長会、県町村会、県町村議会議長会の行政・議会4団体もすでに抗議決議し、抗議行動などをしている。一連の決議は5月20日の石垣市議会を皮切りに、全県に広がった。5月中に27議会が決議し、6月も県議選の投開票を挟んで8議会が可決した。まだ決議していないのは渡嘉敷、座間味、南大東、多良間、竹富、与那国の6町村だが、いずれも今月中に開く6月定例会で審議され、可決される見通しとなっている。」、と続けた。
 その抗議決議の内容についても、「これまでに抗議決議したほとんどの議会が、綱紀粛正や再発防止策の策定に加えて『日米地位協定の抜本的な見直し』を盛り込んでいる。また、大半が米軍基地の整理・縮小や海兵隊の削減、辺野古新基地建設の断念など、基地負担の軽減を訴えている。中城村議会は地位協定の見直しだけでは根本的な解決にならないと判断し、決議文に地位協定を入れる代わりに『全基地閉鎖撤去』を決議した。北中城村議会も全基地撤去を要求し、西原町議会は海兵隊の大幅削減を盛り込んでいる。」、と伝えた。


 以下、沖縄タイムスの引用。





More
by asyagi-df-2014 | 2016-06-10 14:00 | 沖縄から | Comments(0)

アベノミクス大失敗。

 東洋経済ONNLINEの中原圭介未来予想図(2016年5月31日付け)は、「『アベノミクスは大失敗』と言える4つの根拠 今すぐ総括を行い経済政策を修正すべきだ」、との見出しとなった。
 このことを考える。
 ちょっと長くなるが、要約する。

 中原は、まず、「私はこれまで3年以上、この連載コラムやブログ、書籍などを通して、『大規模な金融緩和を主軸にした経済政策は間違いなく失敗するだろう』と、できるだけ論理的に申し上げてきたつもりです。」、とし、その主な理由を下記の四点として指摘する。


(1)円安により企業収益が増えたとしても、実質賃金が下がるため国内の消費は冷え込   んでしまう。
(2)大企業と中小零細企業、大都市圏と地方といった具合に、格差拡大が重層的に進ん   でしまう。
(3)米国を除いて世界経済が芳しくない見通しにあるので、円安だけでは輸出は思うよ   うに増えない。
(4)労働分配率の見地から判断すると、トリクルダウンなどという現象は起きるはずが   ない。


 この上で、アベノミクス大失敗について次のように展開する。
まずは、「金融緩和に依存しすぎた政策の末路」と評して、上記の(1)について、次のように説明する。


①「円安を追い風にして企業収益が拡大したにもかかわらず、安倍政権が期待していたようにGDPがなかなか増えていない原因は、円安により企業収益が増えた分だけ、輸入インフレにより家計の可処分所得が減ってしまっているからです。その結果として、実質賃金の持続的な下落が進んでしまい、GDPの6割超を占める個人消費が大幅に落ち込んでしまっているのです。」
②「実質賃金の推移を振り返ると、民主党政権下の2010年が1.3%増、2011年が0.1%増、2012年が0.9%減となり、3年間の累計では0.5%増となっています。これに対して、安倍政権下の2013年が0.9%減、2014年が2.8%減、2015年が0.9%減となり、3年間の累計では4.6%も減少してしまっているのです。要するに、2012年~2015年の実質賃金の下落率は、リーマン・ショックの前後の期間を凌駕していたというわけです。」


 続いて、(2)について、次のように説明する。つまり、それは、「統計には最も弱い層の実態が反映されていない」、と。


①「私は地方に仕事に行くたびに、その地方の景況感をいろいろな立場の方々にお伺いしているのですが、すでに2013年後半の段階では、大企業に勤める人々は『円安により景気は少しずつ良くなっている』と前向きな意見が多かったのに対して、中小零細企業に勤める人々は『まったく景気は良くなっていない』とあきらめてしまっていました。」
②「さまざまなシンクタンクの調査では、上場企業などの大企業では円安が増益要因になる一方で、中小零細企業などの非上場企業では円安が減益要因になってしまうことが明らかになっています。大半の中小零細企業の声としては、とりわけ2014年に進んだ輸入インフレからのコスト増によって、とても賃上げができるような状況にはなかったのです。無理をしてでも賃上げをする企業のなかには、大都市圏の公共事業に社員を奪われてしまうという危機感から収益悪化もやむをえなかったと考えている企業が少なくありません。」
③「それと併行するように2013年以降、大都市圏と地方の労働者のあいだでは、実質賃金に大きな開きが生じてしまいました。大都市圏の多くでは実質賃金がプラスになったのに対して、地方の大半では実質賃金が大幅に落ち込み、県単位では優に5%超の下落をしているところが珍しくなかったのです。まさに、大企業と中小零細企業、大都市圏と地方といったように、格差拡大が重層的に進んでしまっているというわけです。」
④「端的にいうと、最も経済的な苦境にある零細企業の実態が、実質賃金の調査には反映されていないのです。実のところ、経済統計には最も経済的に弱い層の調査が反映されていないという問題があります。その意味では、実質賃金にしても平均給与所得にしても、数字が示しているよりも実態は明らかに悪いと考えるのが妥当であると思われます。」


 続けて、(3)について、次のように指摘する。


①「私はこの「Jカーブ効果」の理論に対して、企業経営の現場を無視した机上の空論であるということを訴え続けてきました。厳しい円高の時であっても、日本企業の多くは海外市場でシェアを失わないようにするために、収益の悪化を覚悟してでも海外での値上げを行わないで辛抱してきたからです。ですから、企業の経営者はたとえ大幅な円安になったとしても、円安が進んだ割合に応じて値下げはしないというのは当然の行動だったのです。」
②「実際にも、円安が20%や30%進んだケースでも、価格を5%や10%しか引き下げないという事例が次々と明らかになりました。日本企業が海外での収益力を飛躍的に高めることができたのは、過去の円安の局面とは異なり、海外での販売価格の引き下げを抑えるようになったからだと断言できるでしょう。ただでさえ、世界経済は2005年~2007年の高成長の時期と比べると、2013年の時点で欧州や新興国を中心に停滞気味であったので、よりいっそう輸出数量が増えない状況をつくりだすこととなったのです。」


 最後に、(4)について。また、「物価は経済が成長する結果、上がるもの」、と反論する。


(1)「アベノミクスが目指したトリクルダウンの理論では、円安で収益が上がる大企業が賃上げや設備投資に動くことで、中小零細企業や地方にも利益がしたたり落ちてくるはずでした。しかしながら、この理論はあまりにも経済の本質を逸脱したひどいものでした。中小零細企業ではすでに労働分配率が非常に高く、最初から賃金を引き上げるのは困難であったからです。」
(2)「大企業の製造業がいちばん労働生産性は高く、中小零細企業の非製造業がいちばん低くなるわけですが、大雑把に言って、大企業の製造業は労働生産性が1500万円程度であるのに対して、中小零細企業の非製造業はその3分の1の500万円程度にしかなりません。ところが、中小零細企業全体の労働分配率は優に7割を超え、大企業の5割程度よりもずっと高くなっているのです。中小零細企業のコストの大部分が人件費なのですから、労働生産性が引き上げられない限り、賃金の引き上げも難しいといわざるをえないでしょう。」
③「トリクルダウンの理論を生みだした本家本元の米国であっても、アベノミクスが始まる以前から、富裕層から庶民へと富がしたたり落ちているという事実はまったくなく、トリクルダウンは幻想にすぎないことが明らかになっていました。インフレと株高で潤ってきたのは、富裕層と大企業だけであり、いまでも格差の拡大は止まっていないのです。その結果として、米国の大統領予備選において、泡沫候補といわれたトランプ氏やサンダース氏が旋風を巻き起こしているというわけなのです。」

④「以上で述べてきましたように、いくつもの単純な誤りに最初から気づくことができずに、日本で浅はかな経済実験が行われてしまったのは、ポール・クルーグマン氏の『インフレ期待』なる理論が『原因』と『結果』を完全に取り違えているにもかかわらず、リフレ派の学者たちが安倍首相にその理論を信じ込ませてしまったからです。なぜ『原因』と『結果』がひっくり返ってしまうのかというと、経済学のなかに非科学的な思想あるいは宗教的な思想が入り込んでしまっているからなのではないでしょうか。」
⑤「経済の本質からすれば、『物価が上がることによって、景気が良くなったり、生活が豊かになったりする』のではありません。『経済が成長する結果として、物価が上がる』というものでなければならないのです。経済学の世界では、『鶏が先か、卵が先か』の議論が成り立ってしまうことがありますが、実際の経済は決してそのようには動いていかないものです。経済にとって本当に重要なのは、『どちらが先になるのか』ということなのです。」
⑥「科学の世界では、決して『原因』と『結果』がひっくり返ることはありません。経済学の世界で『物価が上がれば、経済が良くなる』などと主張している学者たちは、私から見ると、科学の世界で『熱は冷たい場所から熱い場所に移っていく』といっているのと同じようなものなのです。キリスト教の権威が支配する中世時代の欧州では、神の権威によって科学の発展が著しく妨げられていましたが、『インフレになると人々が信じれば、実際にインフレになる』というインフレ期待は、まさしく宗教そのものに思えてしまうわけです。」


 中原は、最後に次のようにまとめる。


①「リフレ派の経済学者たちは2014年4月の消費増税がアベノミクスの足かせとなったとして、決して自説を変えようとはせず、責任を回避するのに必死であるようです。しかし現実には、消費税を増税する前にすでに実質賃金が大きく下落していたという事実があります。『消費増税による物価上昇率は2.0%である』という日銀の試算が正しいと仮定したとしても(本当は1.0%台半ばが妥当だと考えられますが)、2013年~2015年の実質賃金の下落幅4.6%のうち、2.6%が輸入インフレによるもの、2.0%が消費増税によるものだと簡単に因数分解ができてしまうというわけです。」
②「私は民主党政権の時代から一貫して、『日本は地道に成長戦略を進めていきながら、米国の景気回復と世界的なエネルギー価格の下落を待つべきである』と主張してきました。『辛抱しながら3年~5年くらい成長戦略を進めていくうちに、米国の景気回復と世界的なエネルギー価格の下落によって、日本人の実質賃金は上がり、人々の暮らし向きも良くなるだろう』と予想していたからです。ところがアベノミクスによって、日本人の生活は何もしなかったよりもさらに悪くなってしまいました。


 アベノミクスは大失敗の最大の問題は、中原の言う「日本人の生活は何もしなかったよりもさらに悪くなってしまいました。」、ということにある。
 確かに、中原の4つの理由は、アベノミクスの結末を言い当てている。


 以下、東洋経済 中原圭介の未来予想図引用。





More
by asyagi-df-2014 | 2016-06-10 06:08 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧