2016年 05月 30日 ( 2 )

沖縄-米国平和活動家や大学教授ら約80人は、沖縄からすべての米軍基地を撤去するよう求めるとともに、オバマ政権に翁長雄志知事ら県側との対話を促す声明を発表した。

 標題について、沖縄タイムスは2016年5月29日、「米国のノーム・チョムスキー氏(マサチューセッツ工科大学)やピーター・カズニック氏(アメリカン大学)ら米国の平和活動家や大学教授ら約80人は26日、元海兵隊員の米軍属による女性遺体遺棄事件を受け、沖縄からすべての米軍基地を撤去するよう求めるとともに、オバマ政権に翁長雄志知事ら県側との対話を促す声明を発表した。」、と報じた。

 この声明は、次のように主張している。


①「私たちは最近起きた元米海兵隊員による沖縄の若い女性に対する事件に戦慄(せんりつ)を覚える。」
②「性犯罪や最近の事件を含め、米軍関係者による沖縄県民に対する犯罪、米軍基地の存在が引き起こす環境破壊は70年以上にわたって続いてきた。米国は第2次大戦の終結以来、沖縄に駐留し続け、現在も33の軍事施設と約2万8千人が残っている。」
③「私たちの多くは沖縄を訪れたことがあり、平和を愛する県民が美しい島からの米軍基地の完全撤退を要求していることを支持する。さらに私たちはオバマ政権がこうした犯罪に対処し、米軍基地を閉鎖するために沖縄県の翁長(雄志)知事と話し合う場を持つよう強く促す。」


 また、「声明は、米女性主導の市民平和団体「コードピンク」のメンバーで、県系2世のアリス・クリマ・ニューベリーさんが中心になり呼び掛けた。」、「ほかの賛同者は、スティーブ・ラブソン氏(ブラウン大学)やダニエル・エルズバーグ氏(元米国防総省職員)やノーマ・フィールド氏(シカゴ大学)、ダグラス・ラミス氏(政治学者)、アン・ライト氏(元米外交官)、ジョン・ユンカーマン氏(映画監督)。」、「カリフォルニア州バークレー市の沖縄決議を働き掛けた池原えりこ氏(真の安全保障のための女性の会)や上運天ウエスリー氏(サンフランシスコ州立大学教授)らも名を連ねている。」、と伝えた。


 以下、沖縄タイムスの引用。





More
by asyagi-df-2014 | 2016-05-30 16:29 | 沖縄から | Comments(0)

日本弁護士連合会の「安保法制に反対し、立憲主義・民主主義を回復するための宣言」を考える。

 日本弁護士連合会(以下、日弁連とする)は、2016年5月27日に定期総会を開催し、総会決議として、「安保法制に反対し、立憲主義・民主主義を回復するための宣言」(以下、「宣言」とする)を採択した。

 これまでも、日弁連の会長声明や人権宣言及び大会決議等は、考え方を整理するために参考にさせてもらってきた。
 再度、安保法制を捉え直し、立憲主義・民主主義の危機を乗り越えるために、この「宣言」を考える。
 その要約は、次の通りである。


(1)確認する安保法制とは。

 「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律」(平和安全法制整備法)及び「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律」(国際平和支援法)(以下併せて「安保法制」という。)。

(2)この施行された安保法制の内容について。

 安保法制は、「存立危機事態」なる要件の下に、歴代内閣が憲法上許されないとしてきた集団的自衛権の行使を容認した。また、「重要影響事態」や「国際平和共同対処事態」において外国軍隊の武力行使と一体化したといえる範囲にまで後方支援を拡大し、国連平和維持活動(PKO)等に従事する自衛隊に対しては、「駆け付け警護」等の新たな任務と任務遂行のための武器使用権限を付与することを認めた。さらには艦船・航空機を含む米軍等外国軍隊の武器等を防護するための武器使用を自衛官に認めたものである。

(3)この安保法制の問題点。

①安保法制が容認した集団的自衛権の行使や後方支援の拡大等は、海外での武力の行使を容認し、又は、武力の行使に至る危険性が高いものであり、日本国憲法前文及び第9条に定める恒久平和主義に反する。                          
②憲法改正手続を経ずに、閣議決定及び法律の制定によって実質的に憲法を改変しようとするものであり、立憲主義に反するものである。
③国会(第189回国会)の審議において、政府は集団的自衛権の行使を容認する根拠として、1972年10月14日に参議院決算委員会に提出された政府見解や1959年12月16日に最高裁判所が出したいわゆる砂川事件最高裁判決を挙げていたが、これらは根拠になり得ないものであり、外国領域における集団的自衛権行使の唯一想定される適用場面として説明されたホルムズ海峡の機雷封鎖も、参議院審議の最終局面では立法事実となり得ないことが明らかになった。このように、集団的自衛権の行使を容認する政府の説明は説得力に乏しく、報道機関の世論調査においても同国会での成立に反対するとの意見が多数を占めていた。
④2015年7月16日の衆議院本会議に続き、同年9月17日の参議院「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」においても、採決が強行された。憲法違反の安保法制が、言論の府であるべき国会において、十分な説明が尽くされないまま採決が強行されたことは、立憲主義・民主主義国家としての我が国の歴史に大きな汚点を残したものであった。

(4)安保法制が、2016年3月29日に施行されたことの意味。

 安保法制が本年3月29日に施行されたことにより、我が国は、集団的自衛権に基づく武力の行使や、後方支援として米軍等へ弾薬を提供したり、PKOや米軍等の武器等防護として自己保存を超える武器を使用したりすることで、海外における武力の行使に踏み出しかねない段階に至った。立憲主義及び民主主義の危機はより一層深刻であり、平和国家としての我が国の在り方が変わろうとしている。

(5)現在の状況を座視しないための日弁連の主張。

①安保法制の立法化の過程では、若者、母親、学者その他の市民各界・各層が、自発的かつ主体的に言論、集会等の行動を通じて政治に参加する民主主義の大きな発露があった。そのような政治参加の声を国政に反映させることは、立憲主義及び民主主義の回復を支えるものである。また、安保法制が施行された今、人権を擁護し、立憲主義及び民主主義を回復するために、弁護士会を含む法曹の役割、そして司法が果たすべき責任もまた重大である。
②当連合会は、2015年5月29日の定期総会において、戦前、弁護士会が戦争の開始と拡大に対し反対を徹底して貫くことができなかったことを省み、安保法制に反対し、立憲主義を守る活動に全力を挙げて取り組むことを宣言した。当連合会は、これまでの取組の成果を踏まえ、改めて憲法の立憲主義及び恒久平和主義の意義を確認するとともに、今後とも安保法制の適用・運用に反対しその廃止・改正を求めることを通じて立憲主義及び民主主義を回復するために、市民と共に取り組むことを決意する。


(6)今、再確認しなければならないこと。

①立憲主義及び恒久平和主義の意義の確認。
・立憲主義とは、憲法によって個人の自由・権利を確保するために国家権力を制限することを目的とする近代憲法の基本理念である。日本国憲法は、基本的人権の永久・不可侵性を確認するとともに(第97条)、憲法の最高法規性を認め(第98条第1項)、国務大臣、国会議員等の公務員の憲法尊重擁護義務を規定し(第99条)、立憲主義を基本理念としている。
・日本国憲法は、全世界の国民が平和的生存権を有することを確認するとともに(前文)、戦争と武力による威嚇又は武力の行使を禁止することに加え(第9条第1項)、戦力の不保持、交戦権の否認を定めることで(同条第2項)、徹底した恒久平和主義を基本原理とした。
・日本国憲法は、その前文において「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」としており、立憲主義に基づく平和主義を宣言している。
②保法制が日本国憲法の恒久平和主義及び立憲主義に反していることの確認。
・第一に、我が国に対する武力攻撃が発生していない場合においても、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされる等の要件を満たす場合(存立危機事態)に、自衛隊が地理的限定なく国外に出動して米軍等外国の軍隊と共に武力を行使することを可能としている。これは、集団的自衛権に基づく武力の行使を容認するものである。
・第二に、我が国の平和と安全に重要な影響を与える「重要影響事態」や、国際社会の平和と安全を脅かす「国際平和共同対処事態」において、現に戦闘行為が行われている現場でなければ、地理的限定なく世界中で、武力を行使する米軍等外国の軍隊に、自衛隊が弾薬の提供等までを含む支援活動(後方支援)を行うことを可能としている。これでは、自衛隊の活動は従前禁止されてきた外国軍隊の武力行使との一体化は避けられず、海外での武力の行使に至る危険性の高いものである。
・第三に、これまでの国連平和維持活動(PKO)のほかに、国連が統括しない有志連合等の「国際連携平和安全活動」にまで活動範囲を拡大している。そしてその両方において、従来禁止されてきた安全確保業務、「駆け付け警護」、共同宿営地防護を新たな任務とし、それらに伴う任務遂行のための武器使用等を認めている。しかし、任務遂行のための武器使用は、相手からの妨害を排除するためのものであるから、自衛隊員を殺傷の現場にさらし、さらには戦闘行為から武力の行使に発展する道を開くものである。これは、海外での武力の行使に至る危険性の高いものである。
・第四に、武力攻撃に至らない侵害への対処として、新たに艦船・航空機等を含む外国軍隊の武器等の防護を自衛官の権限として認めている(自衛隊法第95条の2)。これは、現場の判断により戦闘行為に発展しかねない危険性を飛躍的に高め、実質的に集団的自衛権の行使と変わらない事態すら危惧される。
・ このように安保法制は、集団的自衛権の行使や海外での武力の行使を容認することになる。これは、戦争の違法化(戦争放棄に関する条約(パリ不戦条約、1928年)・国際連合憲章第2条第3項及び第4項)を推し進めて、戦争の放棄のみならず、戦力の不保持と交戦権の否認を規定した日本国憲法第9条第2項の意義を否定するものである。そして、同時に、これら武力の行使は、自衛隊員はもとより、自国・他国の国民を殺傷する現実をもたらし、諸国民の平和的生存権を保障する日本国憲法前文にも違反するものである。さらに、安保法制は、後記のとおり、閣議決定に基づき、法律の制定・改正によって、日本国憲法第9条等の恒久平和主義の実質的内容を改変しようとするものであり、それは、国民の自由・権利そして平和を、権力に縛りをかける憲法によって守ろうとする立憲主義を踏みにじるものである。
③立憲主義及び民主主義の危機の状況の確認。
・安保法制の提出に至る経緯
・安保法制をめぐる国会審議
・衆議院本会議での採決の強行
・市民の自発的かつ主体的な政治参加の広がり
・参議院特別委員会での採決の強行と参議院本会議での可決
・立憲主義及び民主主義の危機
 
(7)安保法制施行による立憲主義の危機の深化の確認。(どういうことが実際に起きるのかについての確認)

①安保法制の施行
・政府は、2016年3月22日、安保法制の施行について閣議決定をし、同法は同月29日施行された。
 これにより、我が国は、集団的自衛権に基づく武力行使や、戦闘行為の現場近くで弾薬の提供等までを含む後方支援、PKOや米軍等の武器等防護として自己保存を超える武器の使用を行うなど、海外における武力の行使に踏み出しかねない段階に至った。
・既に防衛省は、民間会社との間で、自衛隊員や武器の運搬に使う民間フェリー確保のための事業契約を締結したことや、民間船舶の船員を予備自衛官として確保することなどが報じられている。
・このように準備が進められる中で、安保法制が施行されることにより、立憲主義の危機はより一層深刻であり、平和国家としての我が国の在り方が根本から変わろうとしている。
②海外でのPKOへの新たな任務と権限の付与
・当面危惧される一例が、南スーダンにPKOとして派遣されている自衛隊への新たな任務と権限の付与であるといわれている。PKOは、伝統的には、紛争当事者の停戦合意、中立性の維持、自己防衛以外の武力不行使の原則の下での停戦監視が主たる任務とされ、軽武装でその任務に当たってきた。しかし、南スーダンを含め冷戦崩壊後のPKOにおいては、その主たる任務が住民保護とされ、そのための武力行使権限も付与されている。そのため、任務遂行の過程で住民に紛れた武装勢力からPKO部隊が攻撃を受け、それに反撃することで武力紛争状態になりPKO部隊自身が国際法上の紛争当事者(交戦主体)になる事態が生じている。
・南スーダンにおいて武力紛争が継続していることが指摘されている中で(2016年2月4日衆議院予算委員会での質疑)、日本国憲法第9条第2項で交戦権を放棄している日本の自衛隊が、安全確保業務、「駆け付け警護」、宿営地共同防護等の新たな任務と、その任務遂行のための武器使用等の権限が付与されて派遣されることになれば、自衛隊員が自ら殺傷し、殺傷されるという非常に危険な状態に至るおそれがより一層現実化する。

(8)立憲主義・民主主義の回復に向けた展望の確認。

①立憲主義回復における司法の果たすべき役割

・近代立憲主義憲法は、個人の権利・自由を確保するために国家権力を制限することを目的とするが、この立憲主義思想は、法の支配の原理と密接に関連する。
 法の支配の原理は、専断的な国家権力の支配(人の支配)を排斥し、権力を法で拘束することによって、国民の権利・自由を擁護することを目的とする原理であるが、そこでは憲法の最高法規性の観念、権力によって侵されない個人の人権、法の内容・手続の公正を要求する適正手続に加えて、権力の恣意的行使をコントロールする裁判所の役割が重要である。
・憲法違反の安保法制が施行されるに至ったことから、今後、安保法制の適用・運用から個人の基本的人権を擁護し、立憲主義を回復するために、法曹の役割、そして司法の果たすべき責任は重要である。立憲主義が侵されようとしている中で、司法には、裁判手続を通じて立憲主義を回復することが期待されている。

②市民の自発的かつ主体的な政治参加の広まり
・安保法制に関する国会審議の在り方や採決強行を受けて、若者、母親、学者その他の市民各層に立憲主義及び民主主義が侵されようとしていることへの危機感が強まり、そのことが市民の自発的かつ主体的な政治参加の広がりを生み出してきた。
・市民が集会・デモなどに参加するなど、自発的かつ主体的に言論、集会等の行動を通じて政治に参加し国政に民意を反映させることは、民主主義の大きな発露でありその健全性を示すものである。それは、立憲主義及び民主主義の回復を支えるものである。
③当連合会、弁護士会及び弁護士会連合会の取組
・戦前、弁護士会は、言論・表現の自由が失われていく中、戦争の開始と拡大に対し反対を徹底して貫くことができなかった。今、弁護士及び弁護士会が「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」という立場から意見を述べ行動しなければ、弁護士及び弁護士会は、先の大戦への真摯な反省と、そこから得た痛切な教訓を生かせないことになる。
・当連合会、全国の弁護士会及び弁護士会連合会は、このような立場から、安保法制に関する憲法上の問題点を解明しそれを広く訴え続けてきた。
・立憲主義及び民主主義の危機がより一層深刻になる中で、立憲主義及び民主主義を回復するために、弁護士会がその責任を果たすことが更に求められている。
④立憲主義・民主主義の回復のために
 2015年10月21日、衆議院において総議員の4分の1以上の議員が臨時国会の召集を求めたのに対し、政府は召集を見送った。憲法第53条は、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、「内閣は、その召集を決定しなければならない」と定めているが、その決定を行わなかった。
 憲法違反の安保法制の可決・施行に続き、臨時国会の召集に応じないことや政府関係者が国家緊急権の創設や日本国憲法第9条の改変等に言及する状況の下、当連合会は、これまでの取組の成果を踏まえ、改めて憲法の立憲主義及び恒久平和主義の意義を確認するとともに、今後とも憲法に違反する安保法制の適用・運用に反対し、その廃止・改正を求めることを通じて、立憲主義及び民主主義を回復するために、市民と共に取り組むことを決意する。



 私たちが、再確認することは、「安保法制が本年3月29日に施行されたことにより、我が国は、集団的自衛権に基づく武力の行使や、後方支援として米軍等へ弾薬を提供したり、PKOや米軍等の武器等防護として自己保存を超える武器を使用したりすることで、海外における武力の行使に踏み出しかねない段階に至った。立憲主義及び民主主義の危機はより一層深刻であり、平和国家としての我が国の在り方が変わろうとしている。」、ということである。
 こうした状況をどのように克服していくかが問われるわけである。
日弁連は、そのための決意を、「改めて憲法の立憲主義及び恒久平和主義の意義を確認するとともに、今後とも憲法に違反する安保法制の適用・運用に反対し、その廃止・改正を求めることを通じて、立憲主義及び民主主義を回復するために、市民と共に取り組むことを決意する。」、とした。
 私たち市民もまた、ひとり一人が、明確な意思を持って、立憲主義及び民主主義を回復するために取り組まねばならない。


 以下、日本弁護士連合会の「安保法制に反対し、立憲主義・民主主義を回復するための宣言」の引用。





More
by asyagi-df-2014 | 2016-05-30 05:37 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧