2016年 05月 21日 ( 2 )

沖縄-在沖米軍基地の本土引き取りを考える大阪でのシンポジウムで。

 在沖米軍基地の本土引き取りを考える動きが具体的に出てきている。
 琉球新報は2016年5月17日、その社説で、このことについて触れた。
要約は、次のとおりである。


(1)沖縄基地問題の位置づけ
 沖縄の基地問題は、軍事理論をめぐる悠長な論議ではない。人権の問題だ。構造的差別・植民地主義をなくすか、今後も続けるかという問いなのである。

(2)基地問題を動かすためには
①「どこにも基地はいらない」という主張が従来言われてきた。「自分が苦しんでいるものを他人に味わわせるのは忍びない」という感情もある。確かに軍事基地は世界中で存在しない方が望ましい。しかしその論にとどまると、世界全体の平和が実現するまで沖縄は基地を負担し続けることになり、「他人には押し付けないが自分の子孫には押し付ける」ことになる。
②過去20年、沖縄は不平等な日米地位協定の改定を求めてきたが、国民世論はほとんど動かなかった。圧倒的多数の日本人にとり、基地問題は「人ごと」だからだ。この「人ごと」の論理を突き崩さない限り、基地問題は動かない。
③日本人の86%が日米安保の維持・強化に賛成している。割合は年々高まる一方だ。県外移設が具体化して初めて国民全体が安保の負の側面を直視することになろう。     ③基地引き取りには「安保肯定論」との批判もあるが、高橋哲哉東大大学院教授の言う通り、「安保解消を目指す道筋としてむしろ不可欠」ではないか。そうした議論を深めたい。

(3)基地引き取り論の現状
①基地の本土引き取り論を提唱する人々は、無邪気に日米安保と米軍基地を肯定するのではない。沖縄の米軍基地偏在は本土から移設した結果であり、本土からの基地押し付けであるという認識が大前提だ。つまり、日本人による差別だと自覚した上で、差別するという立場をやめたいという意思表示なのである。
②基地の由来についての知識と植民地主義に関する深い理解、鋭い人権意識が融合した結果だろう。その誠実な姿勢に敬意を表する。運動の広がりに期待したい。

(4)基地引き取り論の広がり
 引き取り論は大阪、福岡に始まり東京、長崎、新潟へと広がっている。「引き取りの可能性はゼロ」という見方もあるが、仮にそうだとしても運動は無意味ではない。それどころか、圧倒的多数が拒否する過程そのものが、本土の利益のために沖縄を差し出すという構図を、分かりやすい形で示すのではないか。構造的差別の克服・解消に資するのは確かだ。


 さて、問題は、植民者のとして自覚であることは間違いない。
 自分は、どうするのか。
 確かに、ひとり一人が問われている。


 以下、琉球新報の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-21 17:46 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-沖縄を激しい怒り、抗議が覆った。「全基地撤去を」の叫びが日米両国政府に届けなければ。

 沖縄を怒り、抗議が覆った。
 それは、「全基地撤去を」の叫びとなった。
 琉球新報は、2016年5月21日、次の見出しで伝えた。


「うるま市長、涙の抗議 沖縄大使に『町の安心は国の務め』 米軍属事件」
「『全基地撤去を』 抗議の波、全県に拡大 米軍属女性遺棄事件」
「副知事、全米軍基地撤去に言及 『民意無視できず』」


 琉球新報は、報じた。


「米軍属女性死体遺棄事件を受け20日、水上正史沖縄担当大使と井上一徳沖縄防衛局長がうるま市役所を訪れ、島袋俊夫うるま市長に『おわび申し上げる。再発防止徹底に努めたい』と謝罪。した。島袋市長は、目に涙を浮かべて時折声を詰まらせながら、『心から安心して住める町づくりが行政の務めであり、国の務めでもある。安全、安心な町づくりの確保を強く求めたい』と強く抗議した。」

「島袋市長はこれまでにも米軍関係の事件発生後、再発防止の徹底を政府に求めてきたことに触れ、『こういった事件がいつまでも続くことが異常だ』と強く非難し、日米地位協定の改定を求めた。水上大使らはこれに対し返答せず、沈黙が続いた。
 さらに島袋市長は『うるま市に魅力を感じて来てもらった若い、将来のある女性だったが、最悪の結果になってしまった。家族や知人、関係者の気持ちを考えると大変忍びない』と述べ、再発防止徹底を訴えた。」


「米軍属死体遺棄事件について、県内では20日、事件を強く非難し、抗議の意思を示す動きが広がった。市民団体は嘉手納基地前で抗議行動を展開し、緊急に開かれた抗議会見では女性らが涙ながらに事件を厳しく指弾した。被害者の命と尊厳を守ることができなかった悔いが事件への怒りと共に重く全県に広がっている。繰り返されてきた米軍関係者による事件の再発を許した日米両政府への対応にも反発が強まっている。」

「訪米後に台湾の総統就任式に出席していた翁長雄志知事は20日夜、帰国した那覇空港で会見し『非人間的な事件が発生したことは、基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている県民に大きな衝撃を与え、新たな不安を招くもので、断じて許されるものではない』と非難した。また『(これまでも)再発防止などを強く要請してきたが、またもや事件が起きたのは激しい怒りを禁じ得ない』と述べた。」


「米軍属女性死体遺棄事件を受け20日、県庁に謝罪に訪れたローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官とジョエル・エレンライク在沖米総領事に対し、安慶田光男副知事は『このような事件が繰り返されるのであれば、普天間飛行場の辺野古移設だけでなく、沖縄の基地全体について県民は反対する可能性が懸念される。事件に対する県民の気持ちは無視できない。注視していく』と述べ、県民の意思表示によっては、在沖米軍基地全撤去を求めていく考えを示した。日米安保体制を容認する翁長県政が在沖米軍基地全ての撤去を求める可能性に言及したのは初めて。」

「ニコルソン氏らに対し、安慶田副知事は『この事件は基地があるゆえに発生したものだ。それぞれの立場で真剣に取り組まない限り、沖縄はこういう事件が絶えない地域となる。県政を預かる者として決して看過できない』と述べ、これまで以上の再発防止策を講じるよう求めた。」


「日米安保体制を容認する翁長県政が在沖米軍基地全ての撤去を求める可能性に言及したのは初めて。」
 このことを、日米両政府は、命の問題を重く受け止めなくてはならない。
 いや、すぐに動き出さなくてはならない。


 以下、琉球新報の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-21 12:59 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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