2016年 05月 14日 ( 2 )

沖縄-ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が、沖縄進出を撤回。

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が、沖縄進出を撤回したことについて、沖縄タイムスは2016年5月12日、「大阪市の米映画テーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の運営会社ユー・エス・ジェイは、県内での新たなテーマパーク計画の撤回を11日までに決めた。昨年発足した新たな経営陣が、大阪の施設に集中投資する方針を決めたことが理由。同日午後、同社CEO(最高経営責任者)のジャン・ルイ・ボニエ氏が那覇市内のホテルで安慶田光男副知事と会談し、伝えた。」、と報じた。
 これに関連して、国と沖縄県の反応について、「菅氏は『民間企業の経営判断だが極めて残念だと思う』と述べた。また、USJ進出を見据えて本年度の内閣府沖縄関係予算に盛り込んだ北部地域の調査費1億2千万円については『USJに使うことはない』との考えを示した。安慶田副知事は同日午後に県庁内で記者団の取材に応じ、『沖縄観光のブランド力の向上につながると考えていたところであり非常に残念』とコメントした。」、と伝えた。
 あわせて、沖縄タイムスは、「一企業への対応では異例の支援体制を敷いた首相官邸はショックを隠せず、菅義偉官房長官は落胆をあらわにした。県側にも失望感はあるが、集客力がある美ら海水族館を“外資”から守れた安堵(あんど)感も漂う。政府がUSJ進出を、辺野古新基地建設に理解を求めるてこに使うという警戒感を持っていた県関係者からは『最初から筋の良くない話だった』と冷静な見方も上がる。」、と報じた。
 特に、沖縄県側の思惑については、次のように報じた。


①「進出断念の理由は、県幹部の間で『大株主や新役員の意向』との見方で一致する。別の幹部は『沖縄観光も右肩上がり。こちらに落ち度があったわけではなかった』と胸をなで下ろす。」
②「進出予定地だった海洋博記念公園(本部町)で、特に高い集客力を誇る美ら海水族館。運営財団幹部は『県民の財産』と誇りを持ち、沖縄近海の海洋生物や植物などの学術研究機能も兼ね備える。『営利企業が経営すれば、直接の利益を生まない部門は切り捨てられる』(財団OB)との警戒感もあった。」
③「USJ側は進出時の施設規模や事業計画を具体的に公表していたわけではなく、観光を担当する県幹部には『生煮えの構想』とも映っていた。
④「県庁内には、政府がUSJ進出に肩入れしてきた理由を『辺野古の新基地建設に理解を得る手段の一つ』とする冷めた観測もある。翁長雄志知事の周辺からは、知事の口癖を引用し、こんな表現が漏れた。『最初から“話クヮッチー”(話のごちそう、実現性が乏しい話)だったんでしょ』」


 この話が出た時から、辺野古新基地建設との関連がちらついていた。それは、「辺野古の新基地建設に理解を得る手段の一つ」ではないかとの杞憂であった。
したがって、今回の「撤回」を受けての沖縄県側からの「最初から筋の良くない話だった」との声は、「何でもあり」の安倍晋三政権の政治手法から予想されることではあった。
 まさに、「最初から“話クヮッチー”(話のごちそう、実現性が乏しい話)だったんでしょ」、ということだったのだ。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-14 12:06 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第49回

沖縄の地で、体を張って新しい歴史を作ろうとしている人たちがいる。
そこには、その煌めきの記録を残そうとしているジャーナリストがいる。
だとしたら、その生きざまの瞬間を私たちは受け取る必要がある。
三上知恵の沖縄撮影日記。

 今回の報告は、「石垣島自衛隊配備 ~狙われた開拓移民の集落〈於茂登・嵩田・開南〉~」について。
 三上さんは、最初にこう切り出します。辺野古や高江の経験から。


 「一切の説明会を拒否する」「公民館を提供しない」
 そうきっぱりと言い切った3地区のリーダーたちの写真を朝刊で見た今年の一月、私は胸が熱くなった。辺野古でも高江でも、説明会の次は着工だった。そして説明会自体が決定的に反対派と容認派がいがみ合う構図を作ってしまう。基地建設に向けた「説明会」というのは鬼門で、重大な転機になる。3地区の人々は直感でそれがわかっていたのだろう。


 次に、三上さんは、反対を表明した集落をこのように紹介する。


 石垣島のど真ん中、沖縄で最も高い霊山「於茂登(おもと)岳」のふもとに位置する3集落はいずれも開拓移民でスタートした小さな集落で、海からは遠くもっぱら農業を生業とする。
 3集落の中でも、特に全会一致で反対決議をした於茂登地区は結束が固い。58年前に沖縄本島から移民してきた25戸の家から歴史が始まっている。内陸部のやせた台地に必死にしがみついて苦楽を共にしてきた歴史を共有しているためか、土地への愛着が強い。
 「58年前の5月19日に、こっちに親父なんかが来て、12月23日に家族が来た。」
 「一次隊はその山からこっちを見て、川を渡って宿営所を建てて、そこに泊まりながら持ってきたお家を組み立てて家族を迎えた」
 嶺井善(みねいまさる)前公民館長はサトウキビを刈る手を休めてすらすらと語った。開拓団がこの土地に入った経路から日にちから、51歳の彼が生まれる前の話なのにまるで見てきたような口ぶりだ。入植当事を知る先輩たちが農作業をしながら、酒を飲みながら、繰り返し繰り返し自分たちの開拓の歴史を誇りを持って語って来たのだろう。
 ここに来た3分の2は、戦後米軍に土地をとられて生活の場を失い、移民を選ぶしかなかった沖縄本島からの移民だ。家屋や農地を米軍に接収され、住むところも働く場所も奪われてしまった人で溢れ返っていたため、琉球政府が計画移民を実施した。国外だけでなく、未開の地が多かった石垣島や西表島にも開拓団を送り込んだ。その中で琉球政府として最後の移民になった於茂登は、いいところをとられた後で石ばかりの土地に泣かされたと言う。しかし水には恵まれていた。旱魃や台風で何度か土地を放棄しようとするも歯を食いしばって、野菜や花卉園芸で成功し、不動の地位を築くまでになった。小さな集落だが、於茂登の家はどこにも手入れされた庭があって競うように花が溢れていた。
 「米軍に追い出されて八重山移民になった。難儀してここまで来たのに、また自衛隊の基地を造られるなんてありえない。意地でもここにいる。腹は決まっている。絶対に造らせない」
 嶺井さんはもはや「青年」とは言えない年齢だが、エイサーで大太鼓を担当している。エイサーが盛んな沖縄本島中部の北谷からの移民として、石垣島にはなかったエイサーを毎年ここ於茂登のお盆の際に踊り、すっかり定着させていた。
 「もう去年で引退だと思ってるんだけどな。今年はどうしようかな」
 エイサーの話になると顔がほころぶ。いまだに米軍に奪われたままの故郷のエイサーを誇りとし、他島で60年踊り続けた嶺井さんたちの暮らしに、再び基地の暗雲が拡がる。


 三上さんは、も一つのものがたりを。


 嵩田公民館の金城哲浩区長は与那国の出身だ。マンゴー園とアセロラの栽培で果樹園は軌道に乗っている。ここ数年は、まだ珍しいトロピカルフルーツの「アテモヤ」作りに挑戦している。国連の職員になることを夢見て留学していた長男が、2年前、熟慮のすえ生まれ島で地域に貢献したいと島に戻ってきた。まだ認知度も低く未知数の果樹「アテモヤ」を任せたところ、試行錯誤してマーケティングの知識も駆使しながら楽しんでやっていると目を細める。せっかく息子と二人三脚で果樹園を盛り上げようと思った矢先、自衛隊配備計画を知って愕然とした。
 「たとえ十分な立ち退き料をもらっても、果樹栽培は収益を上げるまでに10年20年掛かる。じゃあ代わりの土地でと言うわけには行かないのです」
 物腰の柔らかい金城さんはため息をついてそういった。そして3月から故郷の与那国島に自衛隊が配備され、島の様子がすっかり変わってしまったことについても肩を落とした。
 「あの光景はなんと言っていいか・・。石垣島もやがてああなるのでしょうか」


 そして、三上さんは、防衛省の説明会でのはなしに、「第一列島線を守る話は、多くの住民にそのことを気づかせてしまったと思う。少なくても中国が石垣島を領土にしようと攻めてくるとか、それと闘ってくれる部隊が来るという勘違いを拡大する歯止めにはなる。」、と次のように切り取ってくれる。


 4月22日、石垣市民会館で初めて防衛省主催の説明会が開かれた。予定地に近い自分たちの公民館で説明会を開きたいと言う防衛省の要望は強く拒否した3区だったが、石垣市民全体への説明は聞いておく必要があると判断し、4月に交代したばかりの新旧の公民館長が揃って会場に向かった。市民会館の外では自衛隊配備反対を訴える声と、それをやめさせようとする誘致派の怒号が飛び交い早くも騒然としていた。
 300人しか入らない会場は超満員だった。誘致派の議員とその支持者が前の3列に陣取り、自衛隊側の説明にいちいち細かい拍手を送っていた。この島ではめったに見ない胸に勲章のようなものをつけた制服の自衛官をはじめ黒いスーツの事務方が舞台側左手に陣取り、その中でも物腰の柔らかい沖縄防衛局の企画部長が説明に当たった。しかし、市民が知りたいこと=場所・規模・運用については何も情報がなかった。説明の4割は中国船の往来やスクランブル発進の増加など「今、いかに今日本が危なくなっているか」について。あと4割は「熊本や東北の災害救助での活躍」。石垣に配備する理由やあらかじめ受けた質問に答える時間は2割ほどだったため、会場からは不満の声が噴出した。
 資料は防衛省のホームページにあるような新味のないものだったが、石垣市民に「第一列島線」の重要性を説いたのは少し驚いた。中国から見て、彼らが太平洋に出て行くのをふさぐように連なる「第一列島線」と呼ばれる日本列島から南西諸島、台湾に連なる線を示しながら、「宮古島と沖縄本島の間を中国船が頻繁に通っている」ことを懸念材料と認識し、それを防ぐためのミサイル部隊の配備であることは隠さなかった。
 配備に反対する人たちは、先島に自衛隊を配備するのは島民を守るためではなく中国の太平洋進出を防ぎ、中国海軍の動きを第一列島線内に封じ込めることが主たる目的であることを反対の理由に挙げている。それは自分たちの島のためではないし、直接的には「日本への攻撃を防ぐ」効果もない。中国の軍事的な進出を止めようと言うアメリカのエアシーバトル構想」の一環だということがわかっているからである。
 「軍事的に非常に重要な地域」「宮古海峡を守る」と繰り返し強調していたが、たとえ軍艦が通過してもそこは公海であり、領土が侵されたわけでも経済水域が侵されたわけでもない。第一列島線と同時に日本の排他的経済水域の図を見せて、まるで船が通るだけで何かが侵されているような錯覚を起こしかねない説明になっていたが、「ここを通るな」と言う権利はないのに、門番のようにミサイルを配備するのは誰にとっての安心のためなのか。
 近隣国にとってみれば航行の自由があるにもかかわらず「なんかあったら撃つよ」と構えられてしまうわけで、それなら通過する側も万が一に備え、武器を島に向けながら通る緊張した海峡になる。それは小競り合いの導火線になりかねないし、万が一、どちらかが一歩踏み込んだ行動に出る場合は、当然真っ先に自衛隊の島は標的になる。
 百歩譲って「威嚇は抑止力である」としても、それは日本の国土・国益とアメリカの覇権を守るための配置であって、攻撃力を持った部隊と今後ずっと同居させられる島の住民の安全は、無防備だったころより間違いなく悪化する。第一列島線を守る話は、多くの住民にそのことを気づかせてしまったと思う。少なくても中国が石垣島を領土にしようと攻めてくるとか、それと闘ってくれる部隊が来るという勘違いを拡大する歯止めにはなる。


 最後に、三上さんは、「与那国配備の成功に続けとばかりに、防衛省は作業を加速させていく」との危惧感を含めて、このように訴える。


 配備計画の詳細が一向に明かされない無意味な説明会で、嶺井さんと金城さんは終始苦い顔をしていた。自分たちが人生をかけて向き合ってきた、花が咲き、収穫がある恵みの大地を「領土」や「海に浮かぶ発射台」としてしか見ない人たちを前に、やりきれない思いが溢れた。
 戦後も軍事利用が優先され、島民の生活が後回しにされた沖縄本島の辛酸を逃れて、新天地に根を張った嶺井さん一家。急速に要塞化されていく最西端の島・与那国にルーツを持つ金城さん一家。怒号が飛び交う中で、寡黙な二人が宿している深い怒りと悲しみに胸が詰まった。
 しかし、石垣の自衛隊配備を止める闘いはまだ歩き始めたばかりだ。誘致派のスピードに追いついていない印象がある。誘致派は今回の説明会で「段階は踏んだ」として、6月の市議会で誘致の請願の採択を狙う。時間をかければ辺野古の二の舞になる、と短期間にまとめた与那国配備の成功に続けとばかりに、防衛省は作業を加速させていく。


三上智恵監督新作製作のための製作協力金カンパのお願い

『戦場ぬ止み』のその後――沖縄の基地問題を伝え続ける三上智恵監督が、年内の公開を目標に新作製作取り組んでいます。製作費確保のため、皆様のお力を貸してください。

■振込先
郵便振替口座:00190-4-673027
加入者名:沖縄記録映画製作を応援する会

◎銀行からの振込の場合は、
・ 銀行名:ゆうちょ銀行
・ 金融機関コード:9900
・ 店番 :019
・ 預金種目:当座
・ 店名:〇一九 店(ゼロイチキユウ店)
・口座番号:0673027
・加入者名:沖縄記録映画製作を応援する会


 以下、三上智恵の沖縄(辺野古・高江)撮影日記第49回の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-05-14 05:32 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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