2016年 04月 12日 ( 2 )

沖縄-嘉手納町に寄せられた「基地被害苦情110番」は236人、延べ302件で昨年度の約1・4倍。1992年度以降の過去最多を更新。

 標題について、沖縄タイムスは2016年4月9日、「嘉手納町が2015年度に実施した米軍嘉手納基地周辺3地域(嘉手納・兼久・屋良)の調査で、70デシベル以上の騒音は合計4万7685回で昨年度より2757回増えていたことが8日、分かった。町に寄せられた「基地被害苦情110番」は236人、延べ302件で昨年度の約1・4倍。1992年度以降の過去最多を更新した。町によると、嘉手納基地には2015年1~2月、F22とF16戦闘機が米本国から暫定配備されて爆音が激化。調査によると、この2カ月間の騒音回数は嘉手納と屋良の両地域が合計で前年度比1191件増。苦情も1~2月は前年と比べ約6倍の74件に増えた。」、と報じた。
 また、「15年度の騒音発生回数を地域別で見ると、最も多かった屋良が2万3996回(14年度2万1934回)。嘉手納1万5509回(同1万4381回)、兼久8180回(同8613回)と続いた。町は外来機の暫定配備が背景にあるとみるが、今後、詳細に分析する。調査は測定方法の違いなどから比較可能なのは13年度からの3年間。13年度の騒音回数は5万1206回だった。」、と伝えた。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-04-12 11:26 | 沖縄から | Comments(0)

ハンセン病-隔離された「特別法廷」を、岡山弁護士会会長声明と社説・論説で考える。

 「『憲法の番人』たる最高裁が違憲性を問われる異例の事態」(京都新聞)であるハンセン病患者の裁判がかつて隔離された「特別法廷」で開かれていた問題について、岡山弁護士会会長声明(以下、声明とする)及び各紙の社説・論説を基に考える。
 まず、この声明の中で、経過と隔離された「特別法廷」が日本国憲法違反であることを確認する。
 続いて、3月末から4月当初の各新聞社の社説・論説を拾い出してみて、要約する。

 
 声明は、隔離された「特別法廷」の経過を、最高裁判所が開催した「ハンセン病を理由とする開廷場所指定の調査に関する有識者委員会」の資料から、次のように説明している。

「1948(昭和23)年から1972(昭和47)年までの間に、ハンセン病を理由とする特別法廷の上申は96件であり、そのうち95件が認可され(刑事事件94件、民事事件1件)、1件が撤回され、却下事例がなかった(認可率99%)。
 これに対し、1948(昭和23)年から1990(平成2)年までの間の、ハンセン病以外の病気及び老衰を理由とする開廷場所指定の上申は61件であり、そのうち9件が認可され、25件が撤回され、27件が却下された(認可率15%)。
 これらの統計からすれば、最高裁判所は、特別法廷の指定について、事件ごとに個別具体的な判断をすることなく、被告人がいわゆる「ハンセン病患者」であるという一事をもって、判断していたと推察される。」

 次に、声明は、次の二点の理由により、「こうしたハンセン病患者に対する差別・偏見に満ちた取扱いは、到底、公平な裁判所による裁判が確保されていたとはいえず、憲法第37条1項に違反する。」、と断定する。
 

(1)憲法は、裁判の公正を確保する趣旨から、「裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行う」と規定し(第82条1項)、とりわけ刑事被告人に対しては、重ねて「すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する」と規定し、公開裁判を受ける権利を保障している(第37条1項)。
 ここに「公開」とは、訴訟関係人に審理に立ち会う権利と機会を与えるといういわゆる当事者公開をいうのではなく、国民に公開されるという一般公開、具体的には国民一般の傍聴を許すこと(傍聴の自由)を意味する。
 特別法廷は、いずれも「らい予防法」施行下における隔離施設としてのハンセン病療養所、拘禁施設としての医療刑務支所・拘置所などで開廷されたものであって、いずれも一般人が立ち入ることのできない場所で実施されたものであるから、その「対審及び判決」には、国民一般の傍聴の自由が確保されていたとは認められず、憲法第37条1項、第82条1項に違反する。
(2)上記菊池事件の特別法廷においては、法曹三者がいずれも予防衣と呼ばれる白衣を着用し、長靴を履き、記録や証拠物等をゴム手袋をしたうえで火箸等で扱っていたことが判明している。


 続けて、3月末から4月当初にかけてのこの問題に関しての社説・論説を採り上げてみた。
 その見出しは、次のようになっている。

(1)朝日新聞社説-ハンセン病 違憲性を直視してこそ
(2)毎日新聞社説-ハンセン病法廷 最高裁は誠実に謝罪を
(3)京都新聞社説-ハンセン病法廷  最高裁は真摯に謝罪を
(4)南日本新社説-[ハンセン病法廷] 最高裁は十分な検証を
(5)新潟日報者越-ハンセン病法廷 差別や偏見のない社会を
(6)日本経済新聞社説-「特別法廷」最高裁が謝罪へ ハンセン病、手続き不適切
(7)琉球新報社説-ハンセン病謝罪 言葉だけでなく再審認めよ
(8)沖縄タイムス社説-[ハンセン病訴訟]家族の苦しみ直視せよ
(9)産経新聞主張-最高裁が謝罪へ 過ち認めるに躊躇するな-

 
 こうした主張を見た時、ハンセン病にかかる特別法廷の問題が、最高裁判所に責任があることは、一致している
ただ、「今まで腰が重かった経緯を考えれば、最高裁がどこまで問題を直視するかは見通せない。当時の手続きの違法性は認めても、違憲性にまで踏み込むかどうかは不透明だ。」(朝日新聞)という問題が、つまり、今回、最高裁判所が、憲法違反という領域まで踏み込んで判断できるかどうかが問題として残されている。
 私たちは、声明の指摘する次の主張を肝に命じるべきなのである。


「特別法廷の問題につき、弁護士の立場からその実施や実施方法に何ら異論を挟むことなく黙認してきたことにつき、痛切に反省の意を表明する。
 そのうえで、当会は、最高裁判所に対し、特別法廷の実態が明らかになるよう事実関係を詳細に公表し、特別法廷の指定行為が憲法に違反するものであることを真摯に受け止め、ハンセン病問題によって被害に遭われた方々の更なる名誉回復に努めることを求める。」


 声明の補足分として、各社の社説・論説の要約を載せる。


Ⅰ.問題点や指摘事項
①「人権の砦(とりで)」「憲法の番人」であるべき最高裁にとって、あまりに遅い対応だった。
②患者の隔離を定めた「らい予防法」の廃止から20年。すでに政府は01年、熊本地裁での国家賠償訴訟で敗れたのを機に隔離政策の過ちを謝罪した。その直後に国会も、全会一致で責任を認める決議をしている。特別法廷については05年、厚生労働省の第三者機関が「不当な対応だった」と指摘した。それでも最高裁は動かなかった。「裁判官の独立」に抵触する可能性があるとして、自ら調査に乗り出すことをタブー視していた背景があったようだ。
③95件の中には、ハンセン病患者とされた熊本県の男性が殺人罪に問われ、無実を訴えながら死刑執行された「菊池事件」もあった。事件の再審を求める弁護士や元患者らが「憲法の公開原則に反した裁判だった」と訴えたことが、最高裁が検証に動き出すきっかけになった
④ハンセン病患者に対する差別に司法も加担した責任を直視するなら、特別法廷の違憲性にもはっきり向き合うべきだ。
⑤いまなお、差別や偏見への恐怖心から解放されずにいる元患者は多い。その家族が受けた差別被害の裁判も始まる。
⑥元患者や家族が今後の人生を有意義に過ごすため、今回の検証を役立てなくてはならない。最高裁はその責任を担う覚悟を、ぜひ謝罪に込めてほしい。
(朝日新聞)
⑦世界保健機関(WHO)がハンセン病患者の隔離を否定する見解を示したのが60年だ。だが日本で、強制隔離を定めた「らい予防法」が廃止されたのは96年だった。
⑧ハンセン病をめぐっては、療養所に隔離された入所者らが「人権侵害を受けた」と起こした国家賠償訴訟で、熊本地裁が2001年、「60年には隔離の必要性が失われていた」と認定し、違憲の訴えを認めた。
⑨どういった判断で、一律の運用がなされたのか。社会に広がっていた差別が、なぜ裁判の場にまで持ち込まれてしまったのか。公表する検証では、その背景を掘り下げ、経緯をつまびらかにしてほしい。また、公正であるべき審理に与えた影響についても、最高裁には突き詰めた検証を求めたい。
⑩国内の新規患者はほとんどおらず、完治する病気になったにもかかわらず、ハンセン病に対する偏見は根強い。毎日新聞が療養所の入所者と退所者を対象に行ったアンケートでは、全体の77%が「病気への差別や偏見がいまだにある」と回答した。
 差別や偏見を受けたとして患者の家族らが今年、新たに集団で国賠訴訟を起こしてもいる。最高裁の検証にとどまらず、ハンセン病に対する差別や偏見の解消は、私たちの社会が向き合うべき課題である。
(毎日新聞)
⑪最高裁の対応の鈍さは非難されてしかるべきだ。熊本地裁は2001年、ハンセン病の強制隔離政策は、世界保健機関から廃止提言を受けていたことなどから少なくとも1960年以降は不当だったと国敗訴の違憲判決を出した。政府は元患者に謝罪、国会も責任を認めた。2005年に厚生労働省の第三者機関は特別法廷の「不当な対応」を問題視したが最高裁は動かず、元患者の要請で14年にようやく調査を始めた。「裁判判官の独立」に抵触する懸念があったというが不誠実に過ぎる。
⑫最高裁は、個別の裁判手続きの是非には踏み込まないとみられる。だが、重大な問題を放置してきたことが、関係者の高齢化などで検証を難しくしたことは否定できまい。特別法廷の問題点はもちろん、その後の不適切な対応も報告書に記録したうえで、真摯(しんし)に謝罪しなければならない。
(京都新聞)
⑬元患者らが特別法廷の検証を重視するのは、菊池事件の再審に関わるからだ。殺人罪に問われた元患者は無実を訴えたが、国選弁護人は検察側が請求したすべての証拠に同意し、特別法廷で死刑を宣告された。1962年に刑が執行されている。
 当時の書記官によると、療養施設の一室に設けられた特別法廷に傍聴者はなく、白衣を着た裁判官がゴム手袋をして調書をめくり、火箸で証拠品をつまみ上げたという。すべての特別法廷がこのように異様だったわけではないにしろ、当時の偏見や差別のすさまじさを物語るのは間違いない。
⑭患者の強制隔離を定めたらい予防法が廃止されてから20年になる。全国13の国立療養所で暮らす入所者の平均年齢は83歳を超え、介護が必要な人も増えている。
 埋め合わせようのない深刻な人権侵害の被害者に対して、最高裁は踏み込んだ検証結果を示し、真摯(しんし)に謝罪する必要がある。
(南日本新聞)
⑮政府と国会が隔離政策の過ちを認めてから15年近く過ぎている。最高裁が検証を始めたのは当事者側の要請がきっかけだった。「人権のとりで」としての意識が希薄だったと言わざるを得ない。
⑯国は判決を待つのではなく、救済に動くべきではないか。
(新潟日報)
⑰外部有識者委員会が「法の下の平等や裁判の公開を定めた憲法に違反する疑いがある」との意見を最高裁に伝えている。憲法の番人が憲法違反の疑いを指摘された。最高裁は深刻に受け止めるべきだ。
⑱今回も最高裁は元患者側の要請を受けて調査を開始しており、自発的ではない。隔離政策を続けた行政だけでなく、司法にまで不当な扱いを受けた元患者らの不信感は安易な謝罪の言葉だけでは拭えない。再審請求を認めるなど、個別の裁判手続きの是非にも踏み込むべきだ。
(琉球新報)
⑲特別法廷は非公開で、憲法が保障する「裁判の公開の原則」に反する。無実を訴えながら死刑判決が言い渡され、執行された被告がいる。人権の砦(とりで)の司法も差別と偏見に縛られ、公正な審理だったか、重大な疑問が生じている。
 療養所で暮らす元患者の平均年齢は83歳を超え、約4分の1が認知症であるとの調査がある。家族への賠償問題など積み残した課題は多い。
(沖縄タイムス)
⑳最高裁が謝罪に踏み切れば、三権の全てが責任を認めることになる。元患者らは、行政、立法、司法によっても醸成された社会の差別意識に苦しめられてきた。
 いや、報道がこれを助長することはなかったか。その反省と検証も欠かせない。
 ハンセン病はかつて「らい病」の名で呼ばれたが、差別感情を呼ぶなどとして、現在は新聞でも基本的に使わない。「業病」としてこれを扱う小説や映画もあったが、全くの誤りである。
 ハンセン病は、感染力が極めて弱く、治療法も確立している。この機に改めて、その認識の周知を徹底したい。
(産経新聞)


 以下、岡山県弁護士会会長声明及び各新聞社の社説・論説の引用。





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