2016年 03月 30日 ( 2 )

ハンセン病-「らい予防法」廃止から3月末で20年。今なお家族やふるさとから分断され、尊厳の回復が困難な実態が浮かびあがる。

 「らい予防法」廃止から3月末で20年がたった今、今なお尊厳の回復が困難な実態について、朝日新聞は2016年3月28日。「ハンセン病患者の強制隔離を定めた『らい予防法』廃止から3月末で20年。朝日新聞が全国の国立ハンセン病療養所の入所者でつくる自治会にアンケートしたところ、現在も本名を伏せて園名(偽名・仮名)で日常生活を送る人が全入所者の38%に上ることがわかった。今なお家族やふるさとから分断され、尊厳の回復が困難な実態が浮かぶ。」、と報じた。
 朝日新聞は、「この20年、ハンセン病だった人たちは名誉回復を果たせたのか。入所者が用いる名前と遺骨の行方は、ハンセン病への偏見と差別をはかるバロメーターと考え、全国の療養所にアンケートした。全入所者の4割弱が本名を明かさず、物故者の過半数が分骨さえされていない現実は重い。」と、 このアンケートについて、次のように伝えた。


「アンケートは今月、全国13の全療養所に実施。在籍者1597人のうち620人が園名を使っていた。園名は患者が療養所に入所する際、差別が家族に及ばないよう園の職員や他の入所者の指示で、本名に代えて用いられた。園名の使用は各園によって差があり、本名で通してきた入所者もいる。
 名誉回復が図られてきた今も本名を使わない理由について、各自治会長は『差別を避けようと名前を変え、世の中に存在しない人間のように生きた。簡単には本名に戻せない』『親族への影響を考えると躊躇(ちゅうちょ)する』『何十年も偽名を使い定着してしまった』などと答えた。
 アンケートでは予防法廃止後の20年間に療養所で亡くなった人の納骨先も尋ねた。この間、3507人が亡くなり、国の強制隔離の違憲性を認めた2001年の熊本地裁判決を契機に、遺族の遺骨の引き取りが増えた。しかし今も55%の1940人の遺骨が分骨もされないまま園内の納骨堂に納められている。
 全国ハンセン病療養所入所者協議会の森和男会長は『家族内で入所者の存在が秘密にされたか、代替わりが進み存在が忘れられてしまったと考えられる』と言う。」


 まずは、次の「声」をじっくり心に刻みたい。


「差別を避けようと名前を変え、世の中に存在しない人間のように生きた。簡単には本名に戻せない」
「親族への影響を考えると躊躇(ちゅうちょ)する」
「何十年も偽名を使い定着してしまった」
「家族内で入所者の存在が秘密にされたか、代替わりが進み存在が忘れられてしまったと考えられる」
「自分は長くない。通帳を妹に送ってほしい。それで死んだとわかる」
「ここでのことは、絶対に子どもたちに言えない」
「あまりに名前を変えた人生が長すぎた。本名だけでなく、自分のルーツやふるさとを失った心境です」
「差別に巻き込みたくない、背負わせたくない一心だったと思うのです」
「あまりに名前を変えた人生が長すぎた。本名だけでなく、自分のルーツやふるさとを失った心境です」
「地域社会には古い価値観が染みついている。本名を名乗るのは難しい」
「偽名であっても、恥じる人生を送っていない。偽名で生きる決断も、自分でしたこと」


 この上で、朝日新聞の「90年に及ぶ隔離政策を許した背景には、私たちの無関心がある。入所者の高齢化が進むなか、ある入所者は『せめて教訓とならなければ、私たちの生きた意味がない』と言った。証言ビデオや資料館の整備などが各療養所で進む。彼らの痛みを想像し、共感し、後世に伝えていけるか。問われているのは、私たちだ。」、との出張を、私たち日本人一人一人が、受け取る必要がある。


 以下、朝日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-03-30 12:35 | ハンセン病 | Comments(0)

2016年3月29日0時。戦争法(安全保障関連法)が施行された。

 2016年3月29日0時、戦争法(安全補償関連法)-「歴代政権が憲法9条の下で禁じてきた集団的自衛権の行使を可能にし、他国軍の後方支援など自衛隊の活動を飛躍的に拡大させる安全保障関連法」(沖縄タイムス)-が、施行された。
 この問題を、各紙の社説・論説で考える。
 各紙の見出しは次のものである。


【3月28日】
(1)山陰中央新報論説-安保法施行へ/国民の理解が不可欠だ
(2)高知新聞社説-【安保法施行】「粛々と」では済まない
(3)西日本新聞社説-安保法施行 転換の是非問い続けよう
【3月29日】
(4)朝日新聞社説-安全保障法制の施行 「違憲」の法制、正す論戦を
(5)毎日新聞社説-安保法施行 思考停止せずに議論を
(6)東京新聞社説-安保関連法施行 「無言館」からの警鐘
(7)読売新聞-安保関連法施行 迅速な危機対処へ適切運用を
(8)北海道新聞社説- 安保関連法施行 重大な懸念は変わらない
(9)東奥日報社説-幅広い理解得られるか/安保法施行
(10)岩手日報論説-安保法施行 違憲の疑い晴れぬまま
(11)信濃毎日新聞社説-安保をただす 関連法施行 9条改憲の一里塚の懸念
(12)神戸新聞社説-安保法施行/「理解を得た」とは言い難い
(13)愛媛新聞社説-安保法施行 忘れず諦めず「ノー」を誓う日に
(14)宮崎日日新聞-安保法施行
(15)南日本新聞社説-[新安保政策・安保関連法施行] 「崇高な痩せ我慢」をやめていいのか
(16)沖縄タイムス社説-[安保法施行]違憲の疑い放置するな


 こうした社説等の見出しから伺えるのは、第一に、「違憲の疑い晴れぬまま『粛々と』では済まないために、思考停止せずに議論を行い、国民の理解を不可欠とする」、ということになる。
 この上で、忘れず諦めず「ノー」と言い続ける。何故なら、戦争法は9条改憲の一里塚だからである。
 もちろん、相変わらず読売新聞の「『違憲』批判は的外れだ」との突出ぶりは際立っている。


 最後に、毎日新聞は、無言館から鳴らす警鐘として、無言館館主の窪島誠一郎さん(74)の声を伝えて、この問題への主張とした。


「日本は一センチでも戦争に近寄ってはいけない国だ。角を曲がって戦争の臭いがしたら、戻ってこなければいけない。このままほっておけば『無言館』がもう一つ増える時代がやってくる」。


 この言葉を深く自覚したい。


 以下、各紙の社説・論説等の引用。(また、長文です)





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by asyagi-df-2014 | 2016-03-30 06:18 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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