2016年 02月 29日 ( 2 )

沖縄-嘉手納騒音で「年4人死亡」と、算出。これは「大規模な公害病」だ。

 北海道大学工学研究院の松井利仁教授(環境衛生学)の「戦後70年が経過したことを考慮すれば、単純計算で約300人の命が失われたことになる。大規模な公害病だ」という指摘は、まさに驚愕の事実である。「沖縄の犠牲」ということの典型的な事実である。
 このことについて、沖縄タイムスは2016年2月26日、「騒音がもたらす健康被害の専門家で、北海道大学工学研究院の松井利仁教授(環境衛生学)は25日までに、米軍嘉手納基地の航空機騒音による心筋梗塞や脳卒中で、毎年4人が死亡しているとの推計結果をまとめた。沖縄県の騒音測定結果や国勢調査を基に、英国の疫学調査で得られた死亡率を応用して算出した。騒音で心筋梗塞か脳卒中に罹患(りかん)している患者も30人に上るとしている。さらに、世界保健機関(WHO)の夜間騒音ガイドラインに基づけば、夜間騒音が原因で、軽度以上の睡眠障害に罹患している嘉手納飛行場周辺の住民は約1万人いると算出。過去の県の疫学調査を踏まえ、騒音による高血圧の住民も千人いるとした。」、と報じた。
 こうした実態について、松井教授は、「『大規模な公害病だ』と訴えた。」、というのである。
 このことについて、沖縄タイムスは同日、松井利仁教授(環境衛生学、騒音による生理学的影響に関する国際委員会健康影響部会副部会長)の見解を次のように紹介している。


(1)騒音問題の日本の実態
①騒音による死亡を含む健康影響が国内で大気汚染に次いで高いにもかかわらず、日本の騒音に関する環境基準は健康を保護していない、多くの騒音の健康被害問題が放置され続けている。
②残念なことに、日本には環境騒音による健康影響を研究する科学者は少ない。
③加えて、これまで騒音が「感覚公害」に分類されてきたことも、騒音の影響が感覚的なものに限られるという誤解を生む原因になってきた。 
(2)騒音
 騒音は大気汚染や水質汚濁の有害物質と同様、「公害病の」の原因となりうる環境要因だ。
(3)WHOの見解
 世界保健機関(WHO)は1999年の時点で、騒音により高血圧や心疾患が増加することを「環境ガイドライン」に記載した。
(4)騒音問題は引き起こしていること
①騒音が人命にまで影響することを認識した上で騒音を出し続けることは、水俣公害事件で、原因を知りながら排水を流し続けたことと同じだ。 
②沖縄戦で日本軍が住民を守らなかったという事実はしばしば報道されているが、今も米軍と日本国による住民への「殺人行為」ともいえる状態が続いているのではないか。
(5)松井教授の見解
①行政には、公害病から国民の健康を守る義務がある。行政がWHO矢科学を無視し続けることは、その役割を放棄しているにひとしい。
②騒音から健康を保護するための環境基準を策定することはもちろん、騒音による影響をより正確に把握するために、欧州のように国家レベルの実態調査が行われるべきだ。


 この記事に、驚いているだけでは済まされない。
 しっかりとこの事実を受け止め、解決に向けて動かなければならない。
 まずは、「戦後70年が経過したことを考慮すれば、単純計算で約300人の命が失われたことになる。大規模な公害病だ」という事実を確認すること。
 そしてこの事実が、「騒音が人命にまで影響することを認識した上で騒音を出し続けることは、水俣公害事件で、原因を知りながら排水を流し続けたことと同じだ。」、ということを理解すること。
 また、これが、「沖縄戦で日本軍が住民を守らなかったという事実はしばしば報道されているが、今も米軍と日本国による住民への『殺人行為』ともいえる状態が続いている。」、ことをはっきりと日本国の国民レベルで明確に認識するということが必要である。


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-02-29 12:24 | 沖縄から | Comments(0)

安倍首相靖國参拝違憲訴訟での大阪地裁の不当判決を考える。

 2016年1月28日の大阪地裁の不当判決を、「アジアネットワーク通信第13号」で高橋靖さんは伝えています。


「一月二八日(木)判決前、九時二五分からマスコミによる原告団入廷シーンの撮影。一〇時、いよいよ判決の言渡し。佐藤裁判長は「主文、原告らの請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする」と主文を読み上げた後、要旨を読み上げた。」


 その判決要旨を、高橋さんは、次のように報告します。


①靖国神社の特殊性もある程度認め、首相の参拝の影響力も一定認めながらも、結局のところ、「人が神社に参拝する行為自体は、他人の信仰生活に対して圧迫、干渉を加えるような性質ではなく」そのことは「内閣総理大臣の地位にある者が靖国神社を参拝した場合においても異なるものではない」とし、よって被侵害利益はないとした二〇〇六年の最高裁判決を援用し、憲法判断から逃げ、原告の訴えを棄却しました。
②さらにたちの悪いのが、小泉首相靖国参拝違憲訴訟で違憲判決を勝ち取った原告の期待権侵害の訴えに対しては、最高裁判決は「錦の御旗」として援用しておきながら、首相の靖国参拝違憲訴訟の福岡地裁・大阪高裁の違憲判断については、「裁判所の判断は、その後の社会・経済情勢の変動や国民の権利意識の変動等によって変わることもあり得る」から「期待権が法的に保護される利益ではない」などと述べ。                                 
③あげくの果ては、安倍首相の談話をそのまま鵜呑みし「安倍首相は平和を祈念するために靖国神社を参拝した」とし、「その布教や宣伝のために参拝したものではない」と安倍首相を全面的に擁護する始末。まさに「最初に結論ありき」丸出しで、それに無理やりこじつけるために論理の矛盾もおかまいなしです。


 また、判決後の原告団及び弁護団の記者会見での失望と怒りの様子を報告します。


①小泉靖国参拝違憲訴訟で福岡地裁で違憲判決を勝ち取った木村真昭さんは、「福岡地裁では、裁判所は、原告らはこういう形でしか訴えることができなかったんだと原告の訴えをくみ取ってくれた。ところが、今日の判決は安倍首相の代弁をしている。われわれが主張した(違憲判決に対する)期待権について、裁判所は、違憲判断も社会・経済情勢によって変わるなどと言っているが、憲法とはそんなものか。せめて、司法の意地をみせてほしかった」。
②松岡さんは、「裁判所は憲法を守るところとちがうのか、と落胆した。安倍首相も平和を祈念しているというのは承服できない」、○○さん(仮名)は若者として「憲法「改正」の時代への危機感からこの訴訟に加わったが、判決では、憲法判断は社会情勢によって変わるなどと言っているが、じゃ、戦争になったら裁判所は戦争も認めるのか。たいへん憤りを感じる」。
③中島弁護士は、「裁判所は憲法判断から逃げていた。今回の判決では首相の靖国参拝が合憲になりうることまでにおわせる極めて後退的な判決だ」。                   
④加島弁護士は、「今日の裁判所は憲法判断を回避した。それは我々が考える裁判所の良心からずいぶんかけ離れている」。そして、原告団事務局の菱木さんは「自分では、(首相の靖国参拝に対して)合憲判断はできないくせに、「裁判所の判断は社会・経済情勢の変化によって変わり得るなどといいいかげんなことを述べているのには腹が立つ」と怒りを表しました。


 さらに、判決報告集会での中島弁護士からの判決の要旨の解説を報告します。


①判決では、被侵害利益はないということで、いきなり憲法判断を避けてしまっている。そうしたものだから、小泉首相靖国参拝違憲訴訟での違憲判断に対する期待権については「首相の靖国参拝違憲判断もその後の社会・経済情勢の変動により裁判所の判断が変わることもあり得る」と無理をしてしまっている。
②平和的生存権については、イラク派兵違憲訴訟名古屋高裁ではっきり権利として認められているにもかかわらず、平和のうちに生存する権利の具体的な内容は曖昧不明確であり裁判所に対して損害賠償や差止めを求めることができるとまで解することはできないとした。
③判決は、最初から結論を決めつけた上で書かれており、靖国参拝も安倍が「過去の痛切な反省に立って、二度と戦争を起こしてはならないと考えている」と言っているので、靖国神社の布教、宣伝に利用したものとは解されないとし、これまでの裁判所の判断よりずっと後ろ向けに流れていってしまっている。


 この「アジアネットワーク通信第13号」で、高橋さんは、次のように締めくくっている。


「大川弁護士は、今までの首相の靖国参拝訴訟の判決では、原告の主張するのは単なる『怒り、不快感、憤り』にすぎないとしていたが、今回はその内、『不快』しか書いていない。満身の『憤り』をもって控訴審に臨みたいと決意表明。われわれ原告団も全く同感です。今回の『最悪』の判決に対する怒りをバネに控訴審にのぞみます。いっしょにしぶとくがんばりましょう。原告以外の方も今後ともよりいっそうの支援をよろしくお願いします。 」


 この「満身の『憤り』をもって控訴審に臨みたい」という決意表明は、「安倍晋三首相の靖国神社参拝(2013年12月)は憲法の政教分離原則に反すると訴え、国内外の765人が首相と国、神社に1人1万円の慰謝料と参拝差し止めを求めた訴訟で、うち388人が9日、憲法判断に踏み込まず請求を全面的に棄却した1月28日の大阪地裁判決を不服として大阪高裁に控訴した。」(朝日新聞2016年2月9日)、という記事となった。


by asyagi-df-2014 | 2016-02-29 06:16 | 安倍首相靖国参拝違憲訴訟 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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