2016年 02月 19日 ( 3 )

沖縄-沖縄タイムス社説の「[代執行訴訟和解案]分かれ道の判断誤るな」を考える。

 翁長沖縄県知事は、2016年2月15日の代執行訴訟の第4回口頭弁論終了後の記者会見で、「和解案の【暫定案】について前向きに検討する姿勢を示した。」、と報じられた。
 この発言に、いささかの危惧感を覚えたのは、間違いない。
 このことについて、沖縄タイムスは2016年2月16日の「[代執行訴訟和解案]分かれ道の判断誤るな」、とその社説で触れた。要約すると、次のものである。
(1)危惧すること。
①裁判に敗れた場合の対応について翁長知事は、国側の質問に答え、「判決に従う」と語った。最高裁まで争って敗れた場合、判決に従うのは行政としてはある意味で「言わずもがな」のことである。この時期にあえてこの発言をしたのはなぜか。
②閉廷後の和解協議で、県は暫定案について「前向きに検討する」との考えを示したという。暫定案を受け入れるかどうかは、辺野古問題の行方を大きく左右する。決定的な分かれ道になる可能性もあるだけに、公開の原則に立って慎重な対応を求めたい。
(2)和解案の暫定案を受け入れることの意味
 和解案の根本案は、知事が埋め立て承認取り消し処分を取り消すことを前提に、基地建設後、30年以内の返還を国が米国と交渉する、という内容である。県がのめる要素はまったくない。
 これに対し、暫定案が県側のこれまでの主張に沿った内容であることは確かだ。ただ、暫定案には解釈のあいまいな部分が多い。国にとっても受け入れのハードルは高い。和解が成立しない場合、代執行訴訟の最高裁判決を待つことになるが、果たしてどちらが得策か。
(3)主張
①和解案を受け入れるにせよ拒否するにせよ、知事には「辺野古に新基地は造らせない」という公約との整合性を保つことが求められる。名護市長選、県知事選、衆院選で示された「辺野古ノー」の民意は重い。民意を失望させるような和解案に合意すれば、知事は政治的存立基盤を失うことになるだろう。
②法廷でのこれまでのやりとりを通して浮かび上がってきたのは、「沖縄の基地のありようを議論すべきではない」と主張し、取り消し処分の法律論を前面に押し出してきた国側の姿勢である。
 問われているのは公有水面埋立法に基づく承認取り消しの是非だけではない。
 「辺野古が唯一の選択肢」という政府の主張には沖縄県民の視点が欠けている。「普天間の危険性除去」という主張も、辺野古が完成するまでに数年以上かかることを考えれば説得力に欠ける。新基地建設が目的化してしまっているのだ。


 「和解案の【暫定案】について前向きに検討する姿勢を示した。」との報道に、いささかの危惧感を感じたのは、沖縄タイムスが指摘する「『辺野古に新基地は造らせない』という公約との整合性を保つことができるか」ということであった。
 この間、主張してきた「辺野古ノー」という沖縄の民意を大事にして取り組んでもらいたい。


 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2016-02-19 17:18 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-京都地裁、原発事故の影響で心身に不調をきたし、仕事ができなくなったとして、東電に、3千万円賠償命じる。

 標題について、朝日新聞は2016年2月18日、「東京電力福島第一原発事故の影響で心身に不調をきたし、仕事ができなくなったとして、福島県から京都市に自主避難した元会社経営者の40代男性と妻子4人が計約1億8千万円の損害賠償を東電に求めた訴訟の判決が18日、京都地裁であった。三木昌之裁判長は、男性が事故で不眠症やうつ病を発症して就労不能になったと認定し、男性と妻に計3046万円を支払うよう東電に命じた。」、と報じた。
 また、「判決によると、男性は2011年3月の事故当時、福島県内に家族と住み、飲食店運営会社を経営。自宅は避難指示区域の外側で、東電がのちに賠償対象とする自主避難区域にあった。男性は事故数日後に家族を連れ県外へ避難し、ホテルなどを転々とした末に同5月から京都市のマンションへ。そのころから不眠や心身の不調の症状が現れた。
 男性は訴訟で、幼い子どもたちへの放射線被害を防ぐために故郷を捨てざるを得なくなり、心身の不調が今も続いて仕事ができないと主張。自主避難区域の住民らを対象とした東電の賠償の枠組み(大人12万円、妊婦・子ども64万~72万円)に沿い、13年に東電から一家で計292万円の賠償を得たものの、損害を償うには不十分と訴えた。
 一方、東電側は「自主避難は漠然とした不安感に基づく任意の行動」として、賠償すべき範囲は避難指示区域の住民らより限定されると反論。男性の不調は避難先で新事業の立ち上げに失敗するなどの事情が影響し、事故との密接な関係はないと主張していた。」、と伝えた。
 さらに、この判決について、「東電や国に対する訴訟を支援している『原発事故全国弁護団連絡会』によると、避難者らが起こした集団訴訟は福島や東京、大阪など全国21地裁・支部(原告約1万人)で続いているが、自主避難者への賠償が裁判で認められたのは把握する限り初めてという。」、と報じた。


 以下、朝日新聞の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2016-02-19 12:15 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄から-三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第41回

沖縄の地で、体を張って新しい歴史を作ろうとしている人たちがいる。
そこには、その煌めきの記録を残そうとしているジャーナリストがいる。
だとしたら、その生きざまの瞬間を私たちは受け取る必要がある。
三上知恵の沖縄撮影日記。

 
 今回の報告は、「『代執行裁判』の第4回口頭弁論の『傍聴記を書くために法廷で一部始終を見届けた。』、ことの報告。
 口頭弁論の詳細な報告の前に、三上さんは傍聴記として、次のようにまとめた。


 行政処分の取り消しを簡単にされては公益を守れない。だから県が埋立てを取り消したことを国が無効にしてもいいのだ、という原則論の形をとりたい国側。一方沖縄側は70年間、人権も財産権も侵害されてきた県民が、かつてない大規模な連帯を背景に根本的な解決を求めている。空中戦もいいところだ。こんな風に沖縄と国とが司法の場で対決する裁判を幾つも見て来た。辺野古アセス裁判、沖縄戦の死者を英霊の列から取り戻す靖国裁判、座り込んだ高江の住民を「通行妨害」で国が訴えたスラップ(恫喝目的)裁判…。
 いずれも県側は、沖縄がなめた辛酸を二度と繰り返さないという不退転の決意で臨んでいる。ところが裁判の中身としては、座りこみの横に車が通れたかどうかとか、霊璽簿から名前が消せるかどうかとか、本筋ではないところに議論が持っていかれ、実際に県民の望む本質の議論にはなかなか到達できない。だから私は「司法に期待してもどうせ…」とシニカルな見方をしてしまいがちなのだが、沖縄側は毎回本気で、温度は熱い。何度民意が無視されてもまた次の選挙に訴え、何度最高裁で負けてもさらに正義の判決を期待して提訴する。その不屈の精神には毎回圧倒される。

 それにしても、沖縄県知事は大変だ。沖縄県民の民意を受けて進めてきた事なのに、国に訴えられ、被告席に座らされて尋問されるのだ。他府県を見渡しても、何も見ないで200分も喋れる知事ばかりではないだろう。弁護団と模擬法廷で練習を重ねて本番を迎えたとも聞いているが、頭が下がる。しかし沖縄県知事は幸せだ。異例の寒さと雨の中で1000人もの県民が数時間前から集まってきて応援してくれる。姿を現しただけで歓声が上がり拍手が巻き起こる知事が他にいるだろうか。今回の動画は、裁判前後の様子を長めにつないだので、時間があるときにその熱気を見て欲しい。


 先に、「さてここから60分は国側の質問に入るのだが、今後有効な切り札を出すために知事の言質を取って置こうという策略的な質問が続く。」、という国と知事とのやり取りの特徴的なものを引用する。三上さんの言いたいことがよく分かるから。
 裁判長の「ちょっと質問の趣旨が解りません」や県側弁護団の「承認取り消しとはもう関係ないことを聞いてますよ…」、と言わせるまでのものです。


Q 那覇市長だった時代に辺野古移設を容認していましたよね。平成17年6月の那覇市議会(資料を示す)『規模を縮小した上での辺野古移設はより現実的…』と発言しています
「平成18年の米軍再編前だから、その意味合いは違ってきます」

Q そして今は反対。お考えが変わった理由は何ですか?
「当時の稲嶺知事に相談もなく政府は再編を発表したことに不信感が芽生えたからです」

Q 平成27年10月の県議会議事録。知事公室長が『県としては公有水面の埋立てに掛かる手続きを適正に行ったものと理解しています』と発言しています。これは正しいですか? 
基地問題対策課は知事公室長の管轄ですね? 公室長が審査は適正にされたというのであれば、普通、瑕疵はないということですが、今になって瑕疵があるとはどういう趣旨ですか?
Q あなたはあらゆる手法で阻止するとおっしゃっています。それでも司法の判断には従うのですか?
「行政の長としてしっかり受け止めます」

Q あらゆる手法、との整合性は? 沖縄防衛局長が取り消しの取り消しを求め、国交省の裁決が出ている。その採決には従わないのですか?
「裁判所という第三者の判断とは違う」

Q司法の判断には従うけれど、行政内部の判断には従わないということですね? では本当に代執行の裁判で敗訴したら判決に従うのですか? 瑕疵がないと判決が確定してからもそのほかの抵抗は続けるのですか? あらゆる手段というのは…

裁判長「ちょっと質問の趣旨が解りません」
県側弁護団「承認取り消しとはもう関係ないことを聞いてますよ…」


 さて、翁長沖縄県知事の発言のみを載せる。一つの資料になるものである。


「昭和25年、保守の政治家の家に生まれました。幼い頃から基地を巡って保革が対立し、大人たちが罵り合いながら生きてきたのを見ていました。保守は革新の言い分を理想論だと切り捨て、革新は金で命を売るのかと保守に迫る。本来沖縄県民が望んで持ってきたわけではないのに、その基地を巡って県民同士が争うわけです。いつしか、それを誰かが上から見ていて笑っているのではないかと思うようになりました。父が(のちに那覇市と合併する真和志市の)市長だったので、将来市長になりたいと考えたときにも、県民の心を一つにしたいという思いはずっとありました」

「当時は自民党県連の幹部でした。苦渋の思いで軍民共用空港にすることと使用期限を付けることで稲嶺知事を支え、当時の岸本名護市長も条件を付けて容認して政府に協力する姿勢を取っていましたが、平成18年に米軍再編の話が進み、一方的な閣議決定で条件も含め白紙になってしまった。一体何だったのだろうと政府のやることに徐々に批判的になっていきました。
 この問題の当初、政府には野中さんや小渕さんと言った戦中戦後の沖縄に思いを寄せて下さる政治家がいました。中曽根政権の官房長官を務めた後藤田さんは、『俺は沖縄には行かないんだ』と話しました。『どうしてですか?』というと、『県民がかわいそうでな…。直視できないんだよ』とおっしゃった。胸が熱くなりました。私たちの思いに応えようとしていた方々もいたのです。
 那覇市長の時代に民主党政権が県外移設を掲げて誕生しました。鳩山総理がそれをやってくれるならと大いに期待しましたが1年足らずで元に戻ってしまった。県内に作らないためには、沖縄県としてはもう○○党なんて言っていられない。解決するにはオール沖縄しかないと思いました」

「サンフランシスコ講和条約で沖縄は日本から引き離されて、アメリカに土地まで買い上げられようとしました。戦後で貧しくて、当時の沖縄は裸足とイモの生活です。それでも、自分たちの土地は売らないと。この時は保革関係なく力を合わせて土地買い上げに抵抗し、一坪たりとも売らなかったことは県民の誇りです。そして賃貸借になったわけですが、県内の基地の7、8割が個人の地主で、元は無理やり取り上げられた土地です。それなのにほかからは『お前たちは基地で食ってるんだろう』と言われ続け、傷つけられ続けてきました。だからこそ前知事の『3000億円の交付金でいい正月が迎えられる』という発言を聞いたときには、県民の尊厳が崩れ落ちるような気持ちになりました。
 私たちは当然豊かさを求めますが、誇りを失ってはいけない。私が知事選のスローガンに掲げた『誇りある豊かさ』は、革新が大事にしてきた誇りと、保守が重視してきた豊かさ、両方を取り入れた概念です。繰り返しますが、私たちは自分から基地を差し出したことは一度もない。それなのに、普天間基地が老朽化して使い勝手が悪いから、また沖縄から差し出せという。出さないなら、と警察も海上保安庁も一緒になって、陸で、海で、県民を押さえつけてでもやってやろうというあの姿を毎日県民が見ていたら、将来の子や孫のことを考えたらとてもこれではいけないと。それが大差での勝利に繋がったのだと思います」


「元々保守の政治家ですから、日米安保体制の必要性は理解しています。しかし昨今中国の脅威ばかりが叫ばれて、中谷防衛庁長官もスクランブル発進が増えているとか宮古・八重山へのミサイル配備が急務であるとかこんこんと話されていますが、旧ソ連との緊張関係が高まっていた時代と比べても今のほうがそこまで危険なのかどうか。それで、中国防衛に関して沖縄が役割を果たせということならば、あの70年前の口に出して言えないような苦しさと同じことを繰り返すことになりますが、それはおかしくはありませんか?  昔は、沖縄は中国に近いから抑止力だと言われた。しかし今は、中国から近すぎて危険だと言われています。マイク・モチヅキさん、ジョセフ・ナイさんも報告しています。中国からのミサイルで普天間基地も嘉手納基地も一発でやられてしまうそうです。物の本によれば、そのミサイルに核弾頭を搭載できるといいますし、そんなものが飛んでくるなんて心が凍る思いです。先日の北朝鮮からのミサイルも6、7分で沖縄上空に到達した。そんな中に我々はいるのです。中谷長官は沖縄のことを領土としか考えていないかも知れませんが、沖縄の先々の子どもたちのことを守っていくのは、我々沖縄の責任世代しかないんです。辺野古に作られる基地は200年も対応する恒久的な基地で、強襲揚陸艦が接岸する軍港と弾薬庫も備えています。米国と中国の緊張関係が今後続いていく中で日米安保と言ったときに、沖縄の安全という視点は決定的に欠けているのではないでしょうか」


「菅官房長官は、日本は法治国家だと言いますが、本当にそうなのかどうか。防衛省と国交省、アンパイアとプレーヤーが一緒という形で、到底納得できるものではありません。すると国は直ちに代執行訴訟に入ったんですね。戦後ずっと日本の安全保障を支え続けてきた沖縄県民に対して、あくまでも押しつけていこうという姿勢に大きな疑問を持ちました。三権分立に則って客観的な判断を仰ぎたいというのはそこから来ています。知事として、裁判にこうして出廷するということは正直なところ心身ともに大変な思いもあります。しかし、司法の公正な裁きを信頼するからこそ、ここに臨んでいます。
 沖縄県からしますと、日本国民としての自由度、民主主義、自己決定権どれもないがしろにされてきたという思いがあります。この国が、安保体制も含めて世界に理解され尊敬される国であって欲しい。そして沖縄が誇りと希望を持って子や孫が生まれ育ち、ふるさとを愛しながら自信を持って生きていけるように、わたしたちは頑張っているのです。慎重な判断をして頂きたい。そして将来の日本のことも考えて欲しい。アンパイアとプレーヤーが一緒という、同じ行政内の判断ではなしに、裁判所の方できちっと公正な判断をして欲しいと願っています」


 最後に、次の報告を自分自身に刻み込みたい。


 右半分からは、沖縄の歴史と尊厳をかけた負けられない闘いに臨む熱気がびんびん伝わってくる。が、左半分に座る国側の人々は一様にポーカーフェイス。冷静なのか冷たいのか、空気もひんやりしている。左側の空間が水色なら、知事のいる右側は熱気でオレンジ色。四角い部屋の空気はタテに真っ二つに分かれている。その、真ん中でせめぎ合っている目に見えないラインこそが、この国の民主主義と地方自治を取り戻す闘いの最前線なのだ。こんな小さな空間から、国家の根幹に巣くう闇を照らす法を引き出していかなければならない。


 以下、三上智恵の沖縄(辺野古・高江)撮影日記第41回の引用。



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by asyagi-df-2014 | 2016-02-19 06:00 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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