2015年 12月 26日 ( 2 )

沖縄から- 沖縄県は、国土交通相が下した承認取り消しの執行停止決定は違法として、決定の取り消しを求める抗告訴訟を那覇地裁に起こした。

 標題について、沖縄タイムスは2015年12月25日、「米軍普天間飛行場の返還に伴う辺野古新基地建設問題で、沖縄県は25日、翁長雄志知事が石井啓一国土交通相が下した承認取り消しの執行停止決定は違法として、決定の取り消しを求める抗告訴訟を那覇地裁に起こした。」、と号外で報じた。
 このことについて、「翁長知事は提訴の理由について『けじめをつけたいということだ』と述べた。」、と伝えた。
 また、この記者会見で、翁長沖縄県知事は、「私は、今後ともあらゆる手法を用いて、辺野古に新基地は造らせないとの公約実現に向け、不退転の決意で取り組んでいく。」、とその決意を表明している。


 この記者会見での翁長知事の発言は、次に要約する。

(抗告訴訟の提起の理由)
 第1に、昨日、国地方係争処理委員会の審査会合が開かれ、県が去る11月2日に行った審査申し出は同委員会の審査対象ではないとして、申し出を却下するとの決定がなされた。
 同委員会が3度にわたり会合を開き、長時間にわたり検討を重ねられたことについては一定の評価をするが、結果として執行停止決定の違法性についての実質的な審査が一切行われることなく却下の判断が示された。この判断は、地方自治法に規定する関与制度および国地方係争処理委員会の存在意義を自ら否定しかねないものと考えており、誠に遺憾である。
 第2に、去る18日に県議会の議決をいただいた「国土交通大臣による公有水面埋立承認取消処分の執行停止決定の取り消しを求める訴えの提起」について、本日、那覇地方裁判所に訴えを提起するとともに、執行停止決定の執行停止を求める申し立てを行った。

 本件の訴えは、国土交通大臣による執行停止決定の効力を失わせることにより、沖縄防衛局が行う埋め立て工事を止める上で有効な方法だと考えている。
 以前から繰り返し申し上げているように、行政不服審査法は、国や地方公共団体の処分等から国民の権利利益の迅速な救済を図ることを目的としている。
 国の一行政機関である沖縄防衛局が、自らを一般国民と同じ「私人」であると主張して審査請求を行うことは、同法の趣旨にもとる違法なものである。この点については、約100人もの行政法研究者からも批判の声が上がっている。
 また、「辺野古が唯一」という政府の方針が明確にされている中で、同じ内閣の一員である国土交通大臣に対して中立・公正な判断は期待し得えず、この点からも、本件審査請求手続きにおける執行停止は違法である。
 県としては、これから裁判所に対して、その旨主張・立証していく。私は、今後ともあらゆる手法を用いて、辺野古に新基地は造らせないとの公約実現に向け、不退転の決意で取り組んでいく。県民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げる。
(抗告訴訟は移設を止める手段となることの重みと、勝算)
 あらゆる手法を尽くして新辺野古基地は造らせないという意味では、可能性のあるものは全部やっていくということに抗告訴訟の提起をした。その件について、裁判はどちらも勝算を持ってやるでしょうし、法律的な意味合いからすると弁護士の先生にお願いしたいが。個人的な思いで留める勝算は、当然沖縄県の主張していることは正当な主張、権利だと思っているので必ずご理解いただけると思っている。


 この抗告訴訟の根拠は、沖縄県は次の二点にあるとしている。
①本件の訴えは、国土交通大臣による執行停止決定の効力を失わせることにより、沖縄防衛局が行う埋め立て工事を止める上で有効な方法だと考えている。
②「辺野古が唯一」という政府の方針が明確にされている中で、同じ内閣の一員である国土交通大臣に対して中立・公正な判断は期待し得えず、この点からも、本件審査請求手続きにおける執行停止は違法である。


 翁長沖縄県知事は、次のように発言した。まさしく正論でである。
今、本当に求められているのは、日本のあり方なのだ。


「私たちのイデオロギーに基づくことではなく県民、日本国全体での民主主義、地方自治、自己決定権、こういったこと等を含めると先生がおっしゃるように不退転の決意で思いを遂げていくと。」
「それが私たちの責任世代の役割だと思っている。確かに厳しい環境にはあるが後ろ姿をしっかりと子や孫にみせることによって、子や孫が自分の生まれた沖縄に誇りをもって勇気をもってそれぞれの世代にはそれぞれの世代の感覚があるので、いまの私たち責任世代の思いを吸収して彼らなりの思いでもってふるさと沖縄の将来を担っていくということにつながっていくのであれば、私たちの役割はそこにあるのではないかと思う。」


 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2015-12-26 12:39 | 沖縄から | Comments(0)

東京拘置所及び仙台拘置支所における2名に対して死刑を執行した。第2次安倍内閣以降、8回目で、合わせて14人になる。

 東京拘置所及び仙台拘置支所における2名に対する死刑執行について、「法務省は18日、2人の死刑を執行した。うち1人は、2009年に川崎市のアパートで3人を殺害した殺人の罪で、11年に横浜地裁の裁判員裁判で判決を受けて確定した津田寿美年死刑囚(63)。09年5月に裁判員制度が始まって以来、市民が判断に加わった死刑囚に刑が執行されたのは初めて。東京拘置所で執行された。」、「法務省は18日、裁判官のみで判決を出した若林一行死刑囚(39)の刑も執行した。06年、岩手県洋野町の上野紀子さん(当時52)と次女友紀さん(同24)を絞殺。現金2万2千円などを奪って遺体を山林に遺棄したとして、強盗殺人などの罪で12年に確定していた。」、と報じた。
 また、裁判員制度についても、「負担の軽減や心のケアといった課題はなお未解決だ。」、と伝えた。


 この死刑執行に対して、日本弁護士連語会は、2015年12月18日、「死刑執行に強く抗議し、改めて死刑執行を停止し、死刑制度の廃止についての全社会的議論を求める会長声明」を発表した。
このアピ-ルの要約は、次のようになる。

(事実)
①第2次安倍内閣以降、死刑が執行されたのは、2015年6月以来8回目で、合わせて14人になる。
②東京拘置所における被執行者は、裁判員裁判による死刑判決を受け、裁判員裁判による死刑囚として初めて執行されたものである。本件は、弁護人が控訴したものの、自ら控訴を取り下げたことにより死刑が確定した事案であり、国連条約機関等から繰り返し求められている必要的上訴の要請を充たしていない。
③仙台拘置支所における被執行者は、第一審で認めた後、控訴審で否認に転じ無実を主張していたものである。
(抗議の理由)
①2014年3月、静岡地方裁判所が袴田巖氏の第二次再審請求事件について、再審を開始し、死刑及び拘置の執行を停止する決定をした。現在、東京高等裁判所において即時抗告審が行われているが、もし死刑の執行がなされていたならば、まさに取り返しのつかない事態となっていた。袴田氏は48年ぶりに釈放されたが、その心身に不調を来しており、袴田事件は、えん罪の恐ろしさはもちろんのこと、死刑制度の問題点を浮き彫りにしている。
②死刑の廃止は国際的な趨勢であり、世界で死刑を廃止又は停止している国は140か国に上っている。死刑を存置している国は58か国であるが、2014年に実際に死刑を執行した国は更に少なく、日本を含め22か国であった。いわゆる先進国グループであるOECD(経済協力開発機構)加盟国(34か国)の中で死刑制度を存置している国は、日本・韓国・米国の3か国のみであるが、韓国は17年以上にわたって死刑の執行を停止、米国の19州は死刑を廃止しており、死刑を国家として統一して執行しているのは日本のみである。こうした状況を受け、国際人権(自由権)規約委員会は、2014年、日本政府に対し、死刑の廃止について十分に考慮すること等を勧告している。
③2014年11月に実施された死刑制度に関する政府の世論調査の結果、「死刑もやむを得ない」との回答が80.3%であったものの、そのうち40.5%は「将来的には、死刑を廃止してもよい」とした。また仮釈放のない終身刑が導入されるならば、「死刑を廃止する方がよい」37.7%、「死刑を廃止しない方がよい」51.5%と回答している。この結果からも死刑廃止について議論する必要性があると言える。
(結論)
 これまでの死刑執行に対しても強く抗議してきたところであるが、今回の死刑執行に対し強く抗議するとともに、改めて死刑執行を停止し、死刑に関する情報を広く国民に公開し、死刑制度の廃止についての全社会的議論を求めるものである。


 このアピ-ルが指摘する、①国際人権(自由権)規約委員会は、2014年、日本政府に対し、死刑の廃止について十分に考慮すること等を勧告していること、②死刑の廃止は国際的な趨勢であること、③袴田事件が浮き彫りにした「えん罪の恐ろしさはもちろんのこと、死刑制度の問題点」を捉え直すこと、という観点から、死刑執行を停止し、死刑制度の廃止を早急に検討しなければならない。


 以下、日本弁護士連合会会長声明及び朝日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-12-26 05:46 | 自由権 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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