2015年 11月 14日 ( 1 )

水島朝穂の「平和憲法のメッセ-ジ」より今週の「直言」(「沖縄処分」――安倍政権による地方自治の破壊)を読む。

 水島朝穂早稲田大学教授(以下、水島とする)の「平和憲法のメッセ-ジ」より今週の「直言」(「沖縄処分」――安倍政権による地方自治の破壊-2015年11月9日)を読み、安倍晋三政権の罪深さをあらためて確認させられた。
 この「直言」を紹介する。

 まず、海保の強圧的警備への転換について。


 沖縄とは縁の薄い東北の隊員を投入して、強引にゴムボートに乗り移る「海上ごぼう抜き」の過剰警備を実施した。これも安倍首相が「早くやれ」と机を叩いたのでこういう流れになったようだ。


 水島は、「多摩ナンバーのゲリラ対策車」について、次のように説明する。


 11月に入り、ついに警視庁機動隊2個中隊規模が辺野古警備に投入された。琉球新報辺野古取材班のツイッターが、多摩ナンバーの機動隊車両がキャンプ・シュワブのゲート向かいに停車していると伝えた。多摩ナンバーなら立川市所在の第4機動隊か、調布市所在の第7機動隊だが、フロントガラス下に「4-6」とあるので、第4機動隊第6中隊の遊撃車Ⅲ 型(ゲリラ対策車)だろう。大学紛争時代に「鬼の四機」として知られ、重要局面で投入された精鋭である。1個中隊は約70人だから、辺野古には、第4機動隊の第6中隊ともう一つの中隊(もしくは他の機動隊からの選抜)が投入されたとみられる。強引な警備は、この夏の国会前デモ規制でも私自身が体験した。警備の現場ではなく、官邸の意向が働いていたのではないかと考えている。辺野古への警視庁機動隊投入も、県警の「要請」は形だけではないか。


 続けて、2015年4日のゲ-ト前の朝の様子について。


 11月4日朝、ゲート前にいるデモ隊に対して、従来の2倍の200人態勢で「ごぼう抜き」制圧に出たところである(『琉球新報』11月5日付)。正面には民間警備員が壁をつくり、その前で、孫くらいの年齢の都会の機動隊員が、おばぁたちを引き抜いている。ウチナーの隊員には、さすがにこれはできないだろう。海上も地上も、「ヤマト」の部隊を投入して強圧的な警備を実施した。これをみて想起したのは、1989年「六四事件」のとき、天安門広場にいた学生・市民に残虐な武力弾圧を行ったのが、彼らをよく知る北京警備部隊(第38集団軍)ではなく、中ソ国境を警備する第27集団軍(多くは北京語を話さない兵士たち)だったことである。いずこの権力者も冷酷で無慈悲なところがある。憲法を足蹴にするところも共通だ。楊尚昆と菅義偉の顔が重なってみえた。


 水島は、「直言」で指摘した「地方自治の破壊」について、特に「沖縄でだけこんな理不尽が通るのか」、と。


 日本国憲法の第8章「地方自治」は4つの条文(九二条、九三条、九四条、九五条)からなる。こと沖縄に関する限り、この憲法の4つの条文はことごとく蹂躙されている。そのことについて東京のメディアはきわめて鈍感である。そして国民の関心も薄い。「沖縄のメディアは過剰に騒いでいる」と冷笑する「学者」もいる。だが、もし同じことを、沖縄以外の46都道府県のどこかでやったらどうなるか。メディアも沸騰するに違いない。では、なぜ、沖縄でだけこんな理不尽が通るのか。


 そして、水島は、「安倍政権の憲法の地方自治破壊は、憲法94条の「団体自治」についても際立っている。地方公共団体としての沖縄県も名護市もともに、憲法および地方自治法に基づき、国との関係で独立した行政を行うことができる。国の施策と対立したときは、それ相応の調整が行われる。ところが、この間の安倍政権の手法は、沖縄県、名護市の団体自治をまるで存在しないかのような姿勢で臨んでいる。これには驚く。」、とし、次の二点を指摘する。


 その一つは、翁長知事が辺野古の埋め立て承認を取り消したことに対し、沖縄防衛局が行政不服審査法に基づき、国土交通省に審査請求と執行停止の申立てを行ったことである。 沖縄防衛局は、全国8箇所に置かれている防衛省の地方支分部局の一つであって(防衛省組織令211条)、施設の取得や装備品の調達・補給・管理等、駐留軍関係の物品・役務の調達等、防衛省の地方における出先機関である(防衛省設置法33条1、2項)。国の出先機関が国の国交省に審査請求をすることなど、茶番である。

 二つ目は、補助金絡みである。菅官房長官は、名護市の辺野古、豊原、久志の「久辺3区」の地域振興事業費を直接交付すると発表し、10月26日、官邸にこれらの区長を呼んで直接申し渡した。これも驚くべきことである。基地建設予定地に隣接する3区は、名護市にある計55ある行政区の一部で、区長はいわば町内会長のようなもので、選挙で選ばれてはいない。国が市を通さないで、直接、町内会に税金を支出するのは、地方自治への介入であると同時に、税金の不正支出ではないか。「札束で地域の分断を図るような手法」(『琉球新報』11月1日付社説)といわざるを得ない。

 水島は、「憲法が保障する地方自治を、安倍政権がいかに破壊しようとしているかをみてきた。これは本土のすべての自治体にとって『明日はわが身』といえるのではないか。このような国のやり方に、本土の自治体や市民が無関心や沈黙を決め込むことは許されない。」、と結論づける。
 また、「『第二の琉球処分』(『東京新聞』11月3日付特報面)あるいは、『新たな琉球処分』(『毎日新聞』11月2日付オピニオン面「琉球新報から」)」と言われるが、安倍政権がやろうとしていることは、現代の『沖縄処分』にほかならない。」。とも。

 水島の「『普天間基地閉鎖、辺野古移設なし』という『圏外移設』の発想に転換することが求められている。」、という提起は、確かに正しい。

 以下、水島朝穂の平和憲法のメッセ-ジより今週の「直言」の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-11-14 06:03 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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