2015年 11月 10日 ( 2 )

原発問題-伊方原発避難訓練、「限られた人と決められた流れに沿った訓練にどこまで実効性があるのだろうか」。

 四国電力伊方原発の過酷事故を想定した国の原子力総合防災訓練について、朝日新聞は2015年11月9日、「四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の過酷事故を想定した国の原子力総合防災訓練が8、9日にあった。政府がお墨付きを与えた避難計画が初めて検証されたが、自然災害が複数同時に起きるような場合は想定せず、悪天候でヘリコプターが使えない場面もあった。課題を残したまま、年明け以降に再稼働が迫る。地震で原子炉を冷やす手段が失われ、約1万人が即時避難の対象になったとの想定で、約1万5千人が参加した。ただ大半は自宅や学校、職場にとどまり、実際に避難したのは約300人。原発は佐田岬半島の付け根にあり、先端部の最大5千人が大分県などに船で避難するが、全国初の県外への海路避難訓練の参加者も約70人にとどまった。」、と報じた。
 朝日新聞は、この防災訓練での「大分市に向かう民間フェリーに乗った農業平尾長一さん(73)は『今日は船が来てくれたが、万が一の事故の時には津波などで港が壊れるかもしれない』と不安がる。今回の訓練では、津波や台風などとの複合災害や避難路の渋滞は想定していない。地元の消防団員、浜西貴陽さん(35)は『限られた人と決められた流れに沿った訓練にどこまで実効性があるのだろうか』と話した。」、との住民の声を伝えた。
 また、「今回の訓練は、国が関与して作った避難計画に基づいて初めて実施された。ただ、住民避難の責任を最終的にだれが負うのかは、あいまいなままだ。」「安倍晋三首相は先月、伊方の避難計画を『了承』したが、法に基づく手続きではなく、国の役割はあくまで『支援』にとどまる。原子力規制委員会が計画の実効性を審査する仕組みもない。」、と朝日新聞は、指摘している。


 朝日新聞は、2015年10月27日に、「伊方原発、事故起きれば孤立の恐れ 不安募らせる住民」との記事で、住民の不安の声を次のように伝えていた。

(愛媛県側から)
①「原発事故を考えると、あきらめというか、自分たちではどうすることもできないのが現実だと思っている」。佐田岬半島を貫く国道197号。「横風注意」の標識を見ながら車で走ると原発の西側にある海沿いの集落に着く。そこに住む40代の女性はそう嘆く。
②避難の課題が残る中での再稼働同意に「町や県、国が、私たちの置かれた状況を理解しているとは思えない」
③ただ、八島は高齢化と過疎化が進み、高齢化率は96・42%に上る。亀田さんは「自分たちも年をとっており、(港のある)浜まで行くのも楽ではない。避難に不安はある」とも話す。
(大分県側から)
④伊方町と大分市佐賀関を運航する「国道九四フェリー」(大分市)は、避難者の輸送を愛媛・大分両県から求められている。芦田幸人総務部長は「津波で船や港が被災し、船が使えない場合もあるのでは」と心配する。両県とは協力内容の詳細を協議中で、まだ協定を結んでいないという。「公共交通機関の使命は果たしたいが、具体的には何も決まっていない」
⑤佐賀関に上陸した避難者を、大分県は民間バスで内陸の避難所に運ぶことを想定している。だが、県バス協会も両県と協定を結んでいない。担当者は「ルールがなければ運転手も不安だ。協力を得られないこともある。責任の所在もあいまい」と不安を隠さない。
⑥大分県の受け入れ姿勢に対し、佐賀関半島の住民も疑問を抱く。幼い子どもを2人抱える主婦(28)は「被害があれば自分や家族のことを考えるのが優先。助けようとは思うけど、人のことを考える余裕はありません」と話す。漁師の紀野太亮さん(61)は、佐田岬と佐賀関の間の豊予海峡について「荒天の日は漁船では渡れない。原発事故と台風や津波が重なれば、フェリーで渡るのも難しいのでは。どうやって人を運ぶのか」と首をかしげる。そのうえで、「事故のときだけ避難者を受け入れて、と言われても困る。再稼働は愛媛県だけの話ではない。大分県には反対してもらいたい」と話す
⑦半島近くの海域は国内有数の漁場だ。一本釣りのマアジとマサバはブランド魚「関あじ・関さば」として知られる。その海で30年以上、アジやサバ、ブリを釣ってきた。「何かあれば風評被害で買ってもらえず、生活が成り立たなくなる」

以下、朝日新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-11-10 13:12 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄から-「同盟調整メカニズムの設置」を具体化としての「同盟調整グループ」を設置を考える。

 三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第30回の中で、三上さんは、伊波さんの発言(エア・シーバトル構想について)を次のように引用していた。


「かつて沖縄の基地は米軍が出撃していく場所だったが、今は違う。この島々が戦場になる前提の訓練をするようになっている」「日本列島を補給基地・後方基地にして戦い、沖縄壊滅後は日本本土が戦闘地域になる。その想定の演習が日米で既に行われている」
「本来の目的は、米中の全面戦争にエスカレートしないために、日本国土の中に標的の島々を作り出して、そして日本の国土で“制限戦争”をする。中国も、アメリカも、自分の国土は攻撃されることなく、私たちのこの島だけで戦争をする。そういう想定で事態が動いていることを頭に入れておかなくてはならない」
 そして、最も重要なことは、「驚くのは、初期攻撃には同盟国だけで耐えてもらうと戦略論文の中に書かれていること。」ということ。


 この指摘と、沖縄タイムスの「[安保新機関]米軍と一体化の危うさ(2015年11月5日)」という社説が、交錯して大きな危険性を覗かせる。
 現行の「米軍再編」の実行が、日本という国のより一層の米国への従属を表明することであり、それが具体的には、沖縄タイムスの指摘する自衛隊の役割が「自衛隊が地球的規模で軍事行動する米軍の下請け機関」となることにより、自衛隊が「米戦略に組み込まれるのは明らか」ということになる。

 その結果、もたらされるものが、九州、とくに沖縄にとっては、エア・シーバトル構想の実態化、「驚くのは、初期攻撃には同盟国だけで耐えてもらう」九州・沖縄になるということではないのか。

 そして、こうした方針が、「旧日本軍が暴走した反省から取り入れた文民統制(シビリアンコントロール)がなし崩しにされるのではないか。そんな懸念が拭えない。」、という沖縄タイムスの危惧感通りに行われるのではないか。


 また、米議会の本音を伝える、沖縄タイムス2015年11月9日の「『沖縄は米海兵隊という組織を維持していくうえで重要な拠点であり続ける』と真顔で強調し、本土から辺野古に100人余りの機動隊が投入されたことについては、『積極的に動いてくれている。安倍政権はわれわれの最も良き理解者だ』と評価した。薄く笑顔を浮かべた表情は、まるで沖縄の行政は日本政府を介する形で米軍の掌握下にあるのだと物語っているように映った。こうした米側の『本音』を聞いていると、普天間の辺野古移設とは『普天間の危険性の除去』だけではなく、『米海兵隊基地の沖縄固定化』という米軍の思惑が見えてくる。」、という米議会の本音を伝える記事は、沖縄新基地建設及びそれによって引き起こされる諸々について、米国にとっては、「米軍再編」の遂行のための新しい戦略の一環としての「米海兵隊基地の沖縄固定化」に必要なことなのではないか。

 確かに、相手は安倍晋三政権だけではなく、「海兵隊の沖縄固定化を避けるには、日米地位協定を盾に『日本の国内問題』と逃げる米政府に当事者としての責任を厳しく追及する必要がある。」、ということになる。

 以下、沖縄タイムスの引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-11-10 06:07 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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