2015年 11月 01日 ( 2 )

沖縄から-沖縄からの現状の報告。

 沖縄タイムスは、2015年11月1日、次のような記事を掲載した。


 埋め立て土砂規制条例が施行されたことについて、「名護市辺野古の新基地建設など、公有水面の埋め立てに使う県外からの土砂や石材の搬入を規制する県条例が1日、施行された。特定外来生物の混入を確認できれば、翁長雄志知事が搬入中止を勧告できる。政府は来年秋にも辺野古沿岸部に土砂を投入する計画だが、条例施行で進ちょくに遅れの出る可能性もある。」、「条例は『アルゼンチンアリ』などの特定外来生物が県外産の埋め立て資材に紛れて県内に侵入するのを防ぎ、沖縄固有の生態系を守るのが目的。辺野古新基地建設、沖縄総合事務局による那覇空港第2滑走路増設が直近の対象になる。」、「新基地建設で、防衛局は県内外からダンプカー約250万台分に当たる約1644万立方メートルの土砂(岩ズリ)を買い取り、辺野古沿岸部を埋め立てる計画だ。この大半を県外から搬入する予定で、沖縄の生態系を破壊しかねない特定外来生物などが紛れ込む懸念が指摘されていた。防衛局の埋め立て申請書では、外来生物の混入を防ぐ具体的な対策が示されていなかった。」、と報じた。

 辺野古に警視庁機動隊100人が週内にも配置されることについて、「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設をめぐり、警視庁の機動隊員が11月初旬から沖縄入りし、市民らの抗議行動が続く米軍キャンプ・シュワブゲート前などの警備に当たることが31日までに分かった。複数の関係者によると派遣は少なくとも100人規模で、県外の警察官が辺野古で抗議行動に直接対応するのは初めて。国の建設強行姿勢を受けた抗議行動の激化、長期化を見据えた対応とみられ、今週中にも配置される見通し。」、と報じた。
 このことは、「軍隊を引き連れた琉球処分と同じ構図。また暴力装置で沖縄の声を圧殺するつもりだ」という沖縄平和運動センターの山城博治議長の批判が、まさしく言い当てている。


 また、2015年10月31日には、伊江島にオスプレイ駐機場の整備について、「米軍伊江島補助飛行場で海兵隊F35の訓練用に計画されている着陸帯の改修工事で、2017年に空軍横田基地へ配備予定のCV22オスプレイも収容できる駐機場の整備が盛り込まれていることが30日までに分かった。CV22の沖縄県内での訓練場所が明らかになったのは初めて。」、と伝えた。このことに関しては、「島袋秀幸村長は本紙取材に『現在のMV同様、CVの訓練も反対だ。地元に情報提供がないままに工事が進められ、基地機能が強化されるのは遺憾だ』と答えた。F35訓練に反対決議している村議会や飛行場に隣接する区も『さらなる強化は許せない』と強く反発している。」、との地元の声を報じている。

 以下、沖縄タイムスの引用。






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by asyagi-df-2014 | 2015-11-01 17:44 | 沖縄から | Comments(0)

PP21 ふくおか自由学校 2015講座Vol6 に参加してきました。

  2015年10月31日(土曜)に福岡市で開催された「PP21 ふくおか自由学校」の第6回目の講座に、久しぶりに参加することができました。
 会場の福岡市人権啓発(ココロン)センター研修室で、共同代表の藤岡さんや事務局長の大山さんのいつもの優しい姿を見ることもできました。
 2015年度に企画された講座のテ-マは、「『戦後』70年の自画像を描く-むきだしの社会を生き抜くために」とされています。
このテーマについては、素晴らしいパンフレット(いのうえしんじさんの作品だと思います。)に、次のように書かれていました。


 敗戦後70年、人の寿命ほどのこの間に様々なことがあり、明らかになったことがあります。それはこの国が少しも成長していないということです。戦争責任をみずからで問うてこなかったように、原発事故の責任を追及しようともしない。政治家も官僚も財界も戦争への準備ばかりにに熱心で、一人ひとりの命には関心もない。そして、それらの背後にアメリカの意向があるとしたら・・・。メッキの剥がれたこの国で、どこから出発したらいいのか?希望の種を探してみましょう。

 「PP21」とは、「『21世紀のための民衆の計画』の総称です。全世界、特に、アジアの民衆としての連合を通して、『上から』ではなく、『もう一つの社会』を作り上げていこうとする人びとのネットワーク」と説明されています。
 だから、ふくおか自由学校は、もう一つの社会を作るために、「メッキの剥がれたこの国で、どこから出発したらいいのか?希望の種を探してみましょう。」、と語りかけています。


 8回の講座のうち6回が終わった段階ではありますが。2015の講座を紹介しておきます。


Vol.1=古謝美佐子ライヴ”歌と語りの夕べ”
Vol.2=崔善愛ピアノコンサート”自分の国を問いつづけて~ショパンからの手紙”
Vol.3=「戦後70年」を問い直す”真の民主主義と自由を求めて”
Vol.4=福岡の戦争の跡を巡るフィ-ルドワ-ク
Vol.5=パレスチナ・ガザの今”遠い復興、抵抗し続ける市民”
Vol.6=誰のためのTPPなの?”その本質を考える”
Vol.7=性暴力被害者(サヴァイヴァ-)の帰還”「引揚女性」と管理される体”
2015年11月14日(土曜) 山本めゆさんの問題提起
Vol.8=考古学は愛を語れるか”地中に障がい者の痕跡をさがす”
2015年12月5日(土曜)  上角智希さんの問題提起

 何と多彩で深い講座なのかと、驚かされています。


 さて、Vol.6の「誰のためのTPPなの?”その本質を考える」について触れたいと思います。
福岡大学商学部教授の山本和人さんが問題提起をしました。山本さんの専門は、世界経済論、貿易政策史、イギリス経済論とのことでした。
 山本さんの話に時折混ざる曖昧さに、問題提起後の質疑の時間に出された「安保法案時には、憲法学者や研究者が、今回の辺野古については行政法研究者がきちんと声明を出しているが、TPPについても研究者がもっとTPPの問題について主張して欲しいのですが」という質問に対して、山本さんは、「その通りです。ですが私が所属している学会はTPP賛成論者ばかりです。本当に少数者なのです。例えば、日本経済新聞は徹底して賛成の声しか載せない、それが実態です。米国や欧州ではきちんと出版されているものが日本では公にならない。」、と答えていました。
 こうした状況は、安保法をあれだけの反対を無視して成立させた安倍晋三政権にとって、JA等を悪者にするだけでいいようなもので、今のままではTPP問題は本当に御し易いものであることがわかった気がします。

 さて、約束の90分を越えてじっくり説明してくれた山本さんの問題提起で分かったこと。


①TPPの定義とは、最近では環太平洋パ-トナ-シップ協定呼ばれるが、現行のFTA、ETAの一形態であること。つまり、加盟国間の関税及びこれと同等の効果を有する租税を撤廃・禁止する(在及びサ-ビス貿易の自由化)こと-FTA-に加え、人に異動や投資などを含め-ETA-て締結される包括的な協定のこと。
②米国の参画とその目的は、成長する東アジアにおいてアメリカのプレゼンスを維持し、高めるため。また、地政学的問題から、アメリカは、アメリカ抜きのアジア諸国の連携に反対し続けてきたし、台頭する中国を抑えるために、アジアにおいてアメリカの貿易・投資ル-ルを作り上げる必要があった。
③日本の参画は、あえて経済効果が低く、不透明な交渉への参加に到った真相はわからぬままであるし、国民への背信行為である。(山本さんは、民主党政権下でのTPP反対のビラ(責任者は甘利)をもとに説明した。)
④TPPは、2015年10月6日に大筋合意されたとされるが、まだ、調印も批准もされていない。また、アメリカでは、議会で承認されるかどうかはきわどい状況。
⑤2015年10月5日に発表された「環太平洋パ-トナ-シップ協定の概要」によれば、TPPの5つの際立った特徴の一つとして、「生産とサプライ・チェ-ンの継ぎ目ない貿易を促進すること」が挙げられている。このサプラアイ。チェ-ン網を円滑に機能させるためには、関税措置の撤廃だけでなく、通関措置の簡素化、人の移動の自由化、知的財産権の保護、進出先企業の利益を守るための投資協定が(ISDS条項)が必要となる。
⑥このサプライ・チェ-ン貿易とは、1990年代以降、東アジアを中心として機械やエレクトロニクス分野における中間財貿易のことである。中間財貿易の拡大は国際的な企業活動や工程間分業の発展を背景にしており、その内実は、先進国企業の技術と途上国の低賃金との組み合わせである。
⑦TPP協定のシワ寄せは、農業に課せられる。日本の農業に対する保護水準は関税水準でみても国際的に高いとは言えない。日経新聞は、「農業分野での譲歩は、農家に打撃を与えるが、国家財政の逼迫で税金頼みの保護には、限界がある」、と指摘する。
⑧また、日経新聞は「関税率引き下げ・撤廃の執行猶予期間に、生産性を高め『もうかる農業』に生まれかわれるかが農業の将来を握っている。」、とするが、すでに先進国最低の食糧自給率(39%)がさらに低下する。日本の食糧安保のの重要性をどう考えるのか。


 最後に、山本さんのまとめです。


①TPPは、相対的に地位の低下したアメリカが、日本と組んでアジアで新自由主義的な貿易・投資秩序を築き上げ、中国をけん制しつつ、それを広げてグロ-バルスタンダ-ドにしていこうとするもの。
②日本企業にとっては、経済的利益は未知数。こうした面からも、別のアジア重視の戦略を考えるべきであろう。
③アベノミクスの考えには大企業優先の姿勢が一貫している(法人税減税、労働市場の柔軟化など)。いわゆる大企業(富裕層)が潤えば、その恩恵が中小企業や国民に滴り落ちる-トリクルダウン理論-。TPPもその脈絡で考える必要性がある。
④雇用が確保され、医療・教育・地域経済の叔父がTPP協定によって保障されるものではない、そのル-ル作りの推進母体が巨大多国籍企業にある以上、強い企業はますます強くなり、海外進出を加速させるであろう。
⑤TPPの根本思想が、競争原理にあり、その延長線上で、国有企業・公共部門を民間企業に解放するという論理がさらに徹底されれば、医療や公共の福祉分野が外国企業の利潤確保の対象となる可能性を秘めているといえよう。


 山本さんの問題提起で最も大事なこととして受けとめたのは、「成長戦略で誰がその利益を吸収するのかを見極めなくてはならない。」という言葉でした。
 それは、山本さんのまとめの「TPPの根本思想が、競争原理にあり、その延長線上で、国有企業・公共部門を民間企業に解放するという論理がさらに徹底されれば、医療や公共の福祉分野が外国企業の利潤確保の対象となる可能性を秘めている」、と呼応する投げかでした。


by asyagi-df-2014 | 2015-11-01 11:59 | 連帯を通して-市民運動の場で | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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