2015年 10月 28日 ( 4 )

原発問題-大分の地から、「声」届かないまま、再稼働。

 中村時広愛媛県知事の伊方3号機の再稼働に同意に関して、大分合同新聞は2015年10月27日、「四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)が立地する同県の中村時広知事が伊方3号機の再稼働に同意した26日、豊後水道を隔てた大分県では、県民から原発事故への不安や懸念の声が相次いだ。市民グループは街頭に立ち、『万が一の際、大分への影響は計り知れない。住民の安全を無視した拙速な判断だ』と批判した。」、と伝えた。


 大分合同新聞が伝える大分の声。


①伊方原発から45キロにある大分市佐賀関。漁で年に数回、原発近くに船を出すという漁業藤沢高幸さん(70)は「安全面が心配。事故が起きないとは言い切れない」と指摘した。サービス業衛藤和範さん(68)も「福島の事故を忘れているのではないか。知事の同意は信じられない」と顔をしかめ、2人とも「再稼働には反対だ」と語気を強めた。
②主婦の阿部千津子さん(66)は「近くの原発が再稼働するのは、良い気持ちはしない。事故の影響を考えると恐ろしい」。小学生の子どもがいる古中佐知子さん(39)は「親として安全な環境を残してあげたいが、生活のことを考えると原子力に頼らざるを得ないかもしれない」と複雑な表情を浮かべた。
③晴れた日には、対岸の伊方原発が見える国東市でも、さまざまな意見が聞かれた。歯科衛生士の馬場美由紀さん(42)は「原発について考えることはなかったが、今後は万が一に備えて対策を考えておく必要がある」。農業の河野久孝さん(73)は「福島の事故を経験し、電力会社もしっかり対応するだろう。心配していない」と話した。
④伊方原発運転差し止め訴訟には、大分県内からも106人が参加している。原告の河野泰博県平和運動センター事務局長(66)は「愛媛だけの問題ではない。少なくとも、愛媛県知事は司法の結論を見極めた上で判断すべきだ。多くの人の命を無視している」と断じた。
⑤市民団体「原発いらない!」グループ・大分のメンバー3人も同市の九州電力大分支社前で街頭活動をした。グループの島田雅美さん(68)は「東京から遠い九州、四国が狙われた。愛媛県知事の判断に憤りを感じている。大分県の行政、県民も再稼働問題と正面から向き合い、声を上げてほしい」と話した。


 また、大分合同新聞はその論説で、「伊方原発の再稼働 愛媛県知事同意は疑問」、と批判した。

 以下、大分合同新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-10-28 12:08 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄から-「代執行と効力停止」。日本の民主主義が壊される。

 安倍晋三政権は、地方自治法に基づく「代執行」手続きの開始と、行政不服審査法に基づく埋め立て承認取り消し処分の「効力停止」を同時に打ち出してきた。
 この安倍晋三政権の圧政の前に、予想されていたとは言え、驚きを隠せない。
 それは、日本という国はここまで来ているのかという、真底からの怒りの実感である。


 沖縄タイムス(以下、タイムスとする。)と琉球新報(以下、新報とする。)の2015年10月28日の社説は、怒りとそれを越えようという決意に満ちている。
 タイムスは、「安倍政権が『敵・味方の論理』と『勝ち負けの発想』に凝り固まり、『知事権限を無力化した』と得意がっているとすれば、それこそ政治の堕落である。県民の中に渦巻く政権不信と、強権的手法に対する激しい反発。なぜ自分たちだけこのような目に遭わなければならないのかという不全感と魂の飢餓感は、今やピークに達している。危険な状況だ。」、と弾劾する。
 新報は、「権力を乱用した民意への弾圧としか言いようがない。・・・民意を踏みにじるもので、許されるものではない。県が勧告に従う必要性は一切ない。」、と安倍晋三政権を切り捨てる。
 安倍晋三政権のあくどさについて、タイムスは、「反対してもしょうがないかのように県民のあきらめを誘発するのが国のもう一つの狙いだということは、前日の動きからもあきらかである。政府は26日、名護市辺野古の新基地建設予定地に近い久辺3区(辺野古・豊原・久志)の代表を首相官邸に招き、2015年度から県や名護市を通さず直接、振興費を3区に支出する考えを伝えた。県に対してはあらゆる手を使って権限を封じ込め、基地受け入れを表明した3区に対しては財政の支出ルールを変えてまで振興費を支出する。メディアを通した印象操作であり、あまりにも露骨な『アメとムチ』の政策である。」、と暴く。
 手続き上の問題について、タイムスは、「行政不服審査法は公権力に対して不服を申し立てる制度で、『国民の権利利益の救済』を目的としている。そもそも国に不服申し立てをする資格があるのか。防衛省(沖縄防衛局)が行政不服審査法に基づいて国土交通相に審査請求と取り消しの効力停止を求め、国交相はその通りの結論を出す。公平性・客観性を欠いた猿芝居というしかない。『手続き上、一般私人と同じ立場』だと沖縄防衛局は主張するが、安保法といい辺野古問題といい、安倍政権には『法の支配』を軽視した行政権力の行使が目立ちすぎる。行政不服審査法の運用に当たっては『一私人』であることを強調し、地方自治法に基づく代執行手続きについては、一転して国の立場を堅持する。行政権力の行使があまりにも強引なのである。」、と指摘する。
 国(国交省)の「飛行場周辺の住民らが被る危険性が継続するなど重大な損害が生じる」という、いわゆる「一日も早い危険性の除去」論についてタイムスは、「はっきり言おう。長い普天間飛行場の歴史の中で危険性除去に熱心でなかったのは日本政府である。過去に何度か米側から在沖米海兵隊の撤退案が示されたことがあるが、そのつど反対したのは日本政府だ。1996年の日米合意からすでに19年もたっているのである。『一日も早い危険性除去』が普天間返還の第一の目的であれば、普天間はとうに返還されていたはずだ。」、とその虚構を明らかにする。
 あわせて、石井啓一国土交通相の取り消し処分の効力を停止した理由-「普天間飛行場の移設事業の継続が不可能となり、(普天間)周辺住民が被る危険性が継続する」-の説明について、新報は、「住民の安全を考えているように装うことはやめるべきだ。新基地は完成まで10年かかるとされる。10年がかりの危険性除去などあり得ない。普天間飛行場を即時閉鎖することが唯一の解決策である。」、と安倍晋三政権の姑息さを示す。
 さらに、菅義偉官房長官の代執行に向けた手続きに着手することを決めたことに関しての「外交・防衛上、重大な損害を生じるなど著しく公益を害する」との根拠理由について、新報は、「県民は外交・防衛の犠牲になれと言うに等しい。県民は戦後70年にわたり、米軍基地の重圧に苦しんできた。県民の『重大な損害』は一顧だにせず、過重な基地負担を押し付ける姿勢は、知事の言う『政治の堕落』そのものだ。知事権限を無力化するために、行政機関として代執行の手続きに着手する一方で、私人の立場も装う。恥ずべき二重基準を使ってでも新基地建設を強行する政府のやり方には強い憤りを禁じ得ない。」、と強く反論する。


 新報は、「圧政には屈しない」、とその決意を次に示す。

「国の一連の強権姿勢は、1995年の米軍用地強制使用手続きに関する代理署名訴訟を想起させる。県側の敗訴となったが、訴訟を通して強大な権力を持った国の言うがままになっていては、望ましい沖縄の将来像は描けないことを多くの県民が認識した。
 知事の代理署名拒否を受けて国は97年に軍用地の使用期限切れに対応するため、米軍用地特措法を改正し、暫定使用ができるようにした。沖縄の米軍基地維持のためには、あらゆる手段を講じる姿勢は何ら変わっていないのである。
 99年の地方自治法改正で、国と地方は対等の関係になった。だが、沖縄でそれを実感することはできない。国が沖縄の声を踏みにじっていることが要因である。
 知事選をはじめとする一連の選挙で示された『新基地は造らせない』との圧倒的民意を国が無視し続けることは、どう考えても異常だ。沖縄からは圧政国家にしか見えない。
 自己決定権に目覚めた県民は圧政には屈しないことを国は認識すべきだ。日米安保のため、沖縄だけに過重な負担を強いる国に異議申し立てを続けねばならない。国を新基地建設断念に追い込むまで、揺るがぬ決意で民意の実現を目指したい。」


 東京新聞の「国土面積の1%にも満たない狭隘(きょうあい)な県土に、在日米軍専用施設の約74%が集中し、沖縄県民は、日本や周辺地域の安全保障のために騒音や事件、事故など米軍基地に伴う過重な負担を強いられている。安倍内閣はなぜ、この本質的な問題に向き合おうとせず、選挙で示された抜本的な負担軽減を求める民意をも無視し続けるのか。強権的なやり方で移設を強行しても、県民と政府との溝を深め、日米安全保障条約体制の円滑な運営に支障をきたすだけである。」、という当たり前の考え方を日本全体で共有する中で、新報とタイムスのこの決意が、日本全体の意思でもあることを安倍晋三政権に突きつけなけねばならない。

 以下、各紙の社説の引用。






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by asyagi-df-2014 | 2015-10-28 11:00 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-安倍晋三政権のやり方に、沖縄知事は「強い憤り」と「公約実現への新たな決意の表明」。

 石井啓一国土交通相が埋め立て承認取り消しの執行停止を決めたことについて、沖縄タイムスは2015年10月28日、「翁長雄志知事は27日夜、那覇空港で記者会見し、石井啓一国土交通相が埋め立て承認取り消しの執行停止を決めたことに『強い憤りを覚える』と批判した。自身の承認取り消しは『適法だ』と明言。『第三者である裁判所の判決がなされるまで、辺野古の作業は開始すべきではない』と強調した。翁長知事は是正勧告に応じる考えはなく、県は近く、国地方係争処理委員会に不服審査を申し出る。」、と報じた。
 また沖縄県知事の発言について、「『900ページを超える意見書と証拠書類を提出したが、2、3日のわずかな期間で決定がなされた』と政府への不信感を表明。『不当であるのはもちろん、多くの県民の思いを踏みにじり、断じて容認できない』と強く反発した。その上で『今後も、辺野古に新基地は造らせないという公約の実現に向け、全力で取り組む』と決意を新たにした。」、と伝えた。

 沖縄タイムスは琉球放送(RBC)と共同で、翁長雄志知事が名護市辺野古の新基地建設に伴う沿岸部の埋め立て承認を取り消したことを受け、16~18日の3日間、電話による緊急世論調査を合同で実施していた。
 このことについて、沖縄タイムスは2015年10月20日、「知事の取り消し判断を『支持する』と答えた人が79・3%に上り、県民の幅広い層が理解を示している結果が出た。」、「国が取り消しを無効化する対抗措置を経て移設作業を再開しようとしていることには、72・3%が『妥当ではない』」、と報じていた。

 今回の安倍晋三政権の、民意を無視した「違法」な強行策は、極めて日本のあり方の今後に、深く関わることを自覚しなければならない。
 沖縄とともに、民主主義の闘いの戦列を組まなくてはならない。

 以下、沖縄タイムスの引用





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by asyagi-df-2014 | 2015-10-28 09:40 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-愛媛県知事の再稼働への「同意」を社説から考える。

 愛媛県知事の再稼働への「同意」に対して、愛媛新聞、徳島新聞、高知新聞、大分合同新聞、中国新聞の各社説が掲げた見出しは、次のものである。


愛媛新聞社説- 知事が伊方再稼働同意 将来に禍根を残す拙速な判断だ-
徳島新聞社説-伊方再稼働同意 環境は整ったといえるか-
高知新聞-【伊方原発同意】安全は確保されていない-
大分合同新聞論説-伊方原発の再稼働 愛媛県知事同意は疑問-
中国新聞社説-伊方再稼働「同意」 知事の判断に疑問残る-


 各紙の主張を要約すると、「安全は確保されていないし、環境は整ったとは言えないにもかかわらず、隣接する各県の住民の声を受けとめることなく行われた知事の判断は、将来に禍根を残す拙速なものだ」、ということになる。
 まさしく、今回の愛媛県知事の判断を言い当てている。

 愛媛新聞は、「愛媛の将来とエネルギー問題の針路を左右する極めて重要な判断が、県民不在のまま決められたことに憤りを禁じ得ない。」、と断じるとともに、「東日本大震災後に伊方原発が停止してから、原発なしで電力を賄えている。福島の事故の教訓を生かすならば、知事は思い切って、脱原発へとかじを切るべきではなかったのか。このままでは将来に禍根を残す。」、と指摘する。
 また、その判断の間違いを次のように説明する。
①中村時広知事が四国電力伊方原発3号機(伊方町)の再稼働に同意した。伊方町の山下和彦町長も容認し、これで「地元同意」の手続きは完了したとされる。だが、原発の安全性への県民の不安は拭えてはいない。
②知事は再稼働判断を「白紙」と言い続け、堂々と自らの考えを示し県民に問う積極的な姿勢をみせることはなかった。県民の命を直接預かる責任を負いながら、判断に至る過程で県民の声を受け止めたとは言い難く、拙速と断じざるを得ない。
③知事は判断理由に「(太陽光など)現実的ではない代替エネルギーの比率を高めれば、電気料金は上がる。企業は国際競争力の見地から場所を変えるしかない」と、原発の発電コストの優位性を挙げた。しかし安全対策や廃棄物処理、廃炉の費用に事故の賠償も加えると火力発電よりも高くなると多くの専門家は指摘する。「割安な代替電源がないから」との旧態依然の原発頼みの発想はやめるべきだ。
④伊方町民への説明は、四電による戸別訪問頼みで自治体主催の説明会はなかった。住民への説明をなおざりにすることは行政の怠慢にほかならない。知事は「説明会は(反対派の)パフォーマンスになりかねない。一番丁寧なのは(四電の)戸別訪問だ」と話した。議論の対象の事業者の言い分だけを尊重することは、住民の公平公正な判断を妨げよう。「再稼働ありき」の証左であり、看過できない。
⑤知事は、重大事故時に国が最終責任を持つとの安倍晋三首相の表明など8項目を「条件」に掲げ、国に要望していた。回答が出そろい、自らが設けた条件に達したと自らが判断しただけで、安全性が高まったとはいえまい。首相が「責任を持って対処する」と答えたことをことさらに強調するのは、国への責任転嫁にすぎない。
⑥「高レベル放射性廃棄物の最終処分方針確立」も国に求めたが、処分地のめどを依然立てられず、政策は行き詰まっている。原発が再稼働すれば、核のごみは増え続け、将来の世代につけを回すことになる。こうした現状を知りながら、再稼働を容認することは極めて無責任だといえる。


 この愛媛新聞の社説が、今回の知事の判断の間違いを十分に暴いているが、他社の意見をいくつか付け加える。
 徳島新聞は、国の責任について、「同意の判断に際し、中村知事がこだわったのは、過酷事故が起きた場合の国の責任である。求めに対し、安倍晋三首相は今月、政府の原子力会議で『事故があった場合は政府として責任を持って対処する』と表明した。再稼働を推進する国が、責任を負うのは当然である。だが、過酷事故が起きれば取り返しがつかないことになるのは、東京電力福島第1原発の事故を見ても明らかだ。国は、どんな責任を取れるというのか。」、と。
 また、規制委員会の新基準について、「知事が同意した前提には、原子力規制委員会による新規制基準の『合格』があるが、規制委は『絶対安全とは言い切れない』と強調している。新基準そのものが、欧米の基準より劣ると指摘する専門家もいる。」、とする。高知新聞も、「そもそも、大前提となっている新基準は決して原発の安全性を担保しているわけではない。確かに耐震性などはより高い基準になったが、自然の脅威は計り知れず、原子力規制委員会の田中委員長は『絶対安全とは言わない』と認めている。四電は愛媛県の要望に応じて、耐震設計時の地震の揺れを基準よりさらに高いレベルにしたが、それとて『絶対』はあり得ない。にもかかわらず、安倍首相は、伊方原発周辺自治体の避難計画を了承した先の原子力防災会議で、国の責任で再稼働を推進し、事故時も対応すると強調した。その責任とは何なのか。」、と国の責任問題とからめて警告する。
 さらに、避難の問題と地方自治体への説明等について、「伊方原発は、佐田岬半島の付け根にあり、半島には約5千人が住んでいる。過酷事故の際に、原発の近くを通って避難することは困難だ。計画では、船などで大分県側に避難するとしているが、天候が悪ければ、それも難しい。シェルター施設の収容人員も不足している。解決しなければならない課題は多い。愛媛県と伊方町の同意だけで地元のお墨付きが得られたとするのも問題である。30キロ圏内の自治体に避難計画の策定が義務付けられているのは、放射性物質が飛散する恐れがあるためだ。それなのに、自治体や住民の同意を得なくてもいいのだろうか。」、と指摘する。


 最後に、愛媛新聞は、「東京電力福島第1原発事故が収束しないうちに、国と電力会社は経済性を優先させ原発回帰した。原子力規制委員会が伊方を『合格』としてから、わずか3カ月余り。議論を尽くさぬまま、原発立地県も追従したといえる。あしき先例となり、原発推進の既成事実化が進むことを深く憂慮する。」、と日本という国のあり方への危機感を表明する。
 また、高知新聞は、「四国の電力需要は差し迫った状況にあるとは思えない。4年半以上を経てなお過酷な状況にある福島県の現状を見ても、再稼働はもっと慎重であるべきではないか。」、と現状認識の見直しを求めている。


 安倍晋三政権と四国電力は、これらの言葉を、本当の意味で真摯に受けとめなければならない。

 以下、各紙の社説の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-10-28 05:37 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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