2015年 09月 29日 ( 1 )

沖縄から-沖縄を分断。国は、久志の「久辺3区」へ直接振興費を支出。

 国が「久辺3区」へ直接振興費を支出する意向を固めたことについて、沖縄タイムスは2015年9月26日、「国が、名護市辺野古の新基地建設現場に近い辺野古、豊原、久志の『久辺3区』へ直接振興費を支出する意向を固めた。新基地建設に反対する名護市、沖縄県を飛び越え、地元へ“アメ”を投下することで、条件付きで辺野古を容認している3区への理解を求める狙いがある。地元名護市や識者からは「露骨な地方自治への介入だ」との批判が上がる。」、と報じた。
 このことについての稲嶺名護市長の見解については、「『地方自治の自立が声高に言われている時期に、県も市も通さず交付金を出す。こんなことは初めてだ。名護にとどまる話ではなく、大きな事例として残る』との見方を示す。」、と伝えている。
 このことを、沖縄タイムスは、「『基地と振興はリンクしない』と繰り返す政府だが、『アメとムチ』は基地の賛否で割れる沖縄を分断してきた政府の常とう手段。戦後70年経た今もなお、政府による分断策に翻弄(ほんろう)される沖縄の姿が浮かび上がる。」、と評した。
 また、沖縄タイムスは、このことをきちっと理解するために、京都府立大学の川瀬光義教授の次の言葉を掲載している。


「政府が久辺3区に交付金を直接投入することを検討しているという。それはいったい何の法律を根拠としているのだろうか。基地に関連する財政支出の根拠となっている生活環境整備法や再編交付金の交付対象は地方公共団体であり、今回ならば名護市が対象になるはずだ。政令や省令を含め法律を一切変えずに久辺3区に交付するとなると法的な根拠が極めて怪しく、政府が既存の法律を都合よく解釈することになるのではないか。・・・言うまでもなく、民主主義国家なら、公金を配分する上で政治的意見の相違によって差別することはあってはならない。・・・このように多くの人が疑問を持たざるを得ない方法で公金を配分しようとしていることは、裏を返せば、国が進める施策の正当性を言葉で説得できないことを表明しているようなものではないか。このような支出の仕方がまかり通れば、自治体の首長や議会の同意がなくても、国がやりたい政策の実施が可能となりかねず、民主主義と地方自治が形骸化してしまう。」



 むはや、安倍晋三政権にとっては、こうした脱法的行為も驚くには値しないことなのか、とあきれ果てる。
 民主主義と地方自治を壊すことになる政策を、安倍晋三政権は、強行しても恥じないレベルまで落ちてしまっている。それは、山口俊一沖縄担当相はの「いろんな機会を通じて訴えたい気持ちは分かるが、人権問題としてはそぐわないのではないか」という翁長沖縄県知事の国連演説への批判に表れている。
 安倍晋三政権の脱法的・意訳的政策行為は、実は、立憲主義を理解していなかったように、基本的人権そのものを分かっていないことから派生している。

 沖縄の「構造的差別」の問題では、差別構造の構築のために、一方で、「アメとムチ」のアメの分を常に沖縄に選択させてきた。
 もちろんこの国では、原子力発電所建設の例を持ち出すまでもなく、こうした分断政策は、沖縄に限ったことではなく、あらゆる地域で、金銭というアメが、地域分断や人間不信醸成の常套手段として使われてきた。
 こうして今、沖縄は、またもや21世紀の日本のあり方の試金石の場所に立たされる。
 このことは言わば、沖縄の「構造的差別」そのものを現しているとも言える。
 まさに、辺野古新基地建設の問題は、日本全体の試金石となっているのだ。


 以下、沖縄タイムスの引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-09-29 05:25 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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