2015年 08月 05日 ( 3 )

沖縄から-「辺野古新基地建設作業中断」を考える。

 「辺野古新基地建設作業中断」を、各紙の社説を基に、考える。
 読売以外の各紙の社説の要約は次のようになる。

(協議開始の背景)
・琉球新報
①ここにきて政府が協議の場を設けたのは、翁長雄志知事が埋め立て承認取り消しを検討していることを恐れたからにほかならない。
②翁長知事が承認を取り消した後、9月の国連人権理事会本会議で新基地建設の不条理を世界に訴えることは、政府として避けたいということが背景にあろう。
③政府がその姿勢を変化させたのは、県と協議することで強権的なイメージを薄めたいとの思惑があろう。安保法案の強硬姿勢で低下した内閣支持率が、新基地本体工事強行でさらに低下することを避ける狙いが透けて見える。
④新基地建設問題を打開することを主眼に据えているとはとてもいえない。
・沖縄タイムス
①翁長雄志知事が第三者委員会の検証結果に基づき辺野古埋め立て承認を取り消し、訴訟に発展すれば政権が打撃を受ける。問答無用の強権的な姿勢があからさまになるからだ。そんな事態を避けたい思惑がありそうだ。
②菅氏が中断中の集中協議を提案したのは沖縄の声を無視できなくなった側面もある。
・朝日新聞
①これからの1カ月は、世論の批判が広がっている安全保障関連法案の参院審議と重なる。原発再稼働など国民の評価が割れる課題もある。そのうえに、沖縄県の強い反対を押し切って辺野古の埋め立てを強行すれば、内閣支持率のさらなる低下を招きかねない――。
②9月9日までの協議期間は、安保法案が成立するまでの、つかの間の「休戦期間」なのか。そんな疑念がぬぐえない。
・毎日新聞
①安保関連法案の衆院での強行採決などにより、各種世論調査で安倍内閣の支持率は下落し、不支持率が上回る傾向が出ている。
②辺野古移設問題で翁長氏が埋め立て承認を取り消し、政府が法的な対抗措置を繰り出したうえ本体工事を強行すれば、国と県の全面対立は避けられない。安保関連法案や内閣支持率にさらなる悪影響が出るのは必至だ。政権側にそういう判断が働いても不思議ではない。

(主張)
・琉球新報
①翁長知事は協議の場で「普天間飛行場を辺野古に移設することは不可能であるということをあらためて申し上げたい」と述べている。政府は新基地建設を押し付けるとみられ、協議は平行線をたどることが予想される。
 前知事の埋め立て承認について検証した第三者委員会は、承認手続きに「瑕疵(かし)が認められる」とする報告書を翁長知事に提出している。たとえ協議が決裂したとしても、翁長知事は粛々と埋め立て承認取り消しといった次の段階に進めばいいだけのことだ。
②県には政府を新基地建設断念に追い込むぐらいの決意で協議に臨むことが求められる。民意実現は県政の責務である。
・沖縄タイムス
①翁長知事は、選挙公約に託された有権者の思いを背負いいささかもぶれることなく協議に臨まなければならない。概算要求を控える中、集中協議の透明性を高め、県民に疑念を持たれることがないようにしてもらいたい。
②日本の安全保障は、過重な基地を負担する沖縄県民の犠牲の上に成り立っている。政府は集中協議の中でその事実に向き合い、辺野古新基地建設を見直して断念へ舵(かじ)を切るきっかけにすべきだ。
・朝日新聞
①双方に事情はあろうが、せっかくの対話の機会を問題の打開につなげてほしい。
②まず確認すべきは「辺野古か普天間か」の二者択一の議論はもう終わりにすることだ。
 中国と長期的に安定した関係を築くには、どんな外交戦略が必要なのか。そのなかに米軍や自衛隊をどう位置づけるべきなのか。沖縄に基地が集中することに意味があるのか。海兵隊の基地は本当に必要なのか。大きな構図の中で、白紙から再考すべきである。
 それは、安倍政権と沖縄県だけで成り立つ議論ではない。
③解決には米国との本格協議が必要であり、それを避けている限り、政権が本気で沖縄と向き合っているとは言えない。この1カ月を、こうした議論を深めるための転機とすべきだ。
・毎日新聞
①政府はこれを政治的なパフォーマンスにせず、沖縄の声に真剣に耳を傾け、解決の糸口を探ってほしい。
②工事の中断期間を限定することなく、解決策を見いだすまで県側ととことん話し合うべきだ。

 今回の「辺野古新基地建設作業中断」に、毎日新聞の「工事の中断期間を限定することなく、解決策を見いだすまで県側ととことん話し合うべきだ。」との位置づけを持たせるべきである。
 また、このわずか一月間の「辺野古新基地建設作業中断」が、真に意味あるものになるためには、朝日新聞の「解決には米国との本格協議が必要であり、それを避けている限り、政権が本気で沖縄と向き合っているとは言えない。この1カ月を、こうした議論を深めるための転機とすべきだ。」との主張にも見られるような、米国との本格協議のための始まりの期間と、その考え方を根本的に変える必要がある。
 もちろん、そのためには、琉球新報の「県には政府を新基地建設断念に追い込むぐらいの決意で協議に臨むことが求められる。民意実現は県政の責務である。」とする沖縄県側の姿勢が必要になることは言うまでもない。

 最後に、ここで読売の社説を載せたのは、「事態打開への知事も頭を冷やそう」との主張についてである。
 読売の前提は、あくまで、頭を冷やすのは安倍晋三政権ではなく沖縄県の側なのである。
 それは、「県に対する一連の配慮を通じ、県との対立状況の打開を目指す菅氏の判断を支持したい。」という評価さへ生む。
 「不毛な対立」と真摯に生きようとする人たちの営みを全否定し、「翁長氏は、菅氏との集中協議を機に歩み寄り、より現実的な対応を冷静に検討してはどうか。」とまで主張して恥じない、その姿勢は、本当に未来社会を展望できているのか。
読売には、問いたい。ジャーナリズムの使命とは何だったのか。

 以下、琉球新報及び沖縄タイムス、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞の社説の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-08-05 12:03 | 沖縄から | Comments(0)

原発問題-川内原発再稼働への異論

 九州電力は、早ければ8月10日に川内1号機の原子炉を起動して再稼働する予定であるが、気になる記事が掲載されました。
 東京新聞は2015年8月3日、「原子力規制委員会が6月に実施した保安検査で、過酷事故時に使用する発電機などの点検方法が不十分だと指摘していたことが3日、関係者への取材で分かった。4区分ある保安規定違反のうち最も軽微な『監視』に該当する可能性があり、継続的に改善状況を確認する方針。川内1号機は早ければ今月10日に原子炉を起動して再稼働する予定だが、規制委関係者は『違反でも軽いケースで、再稼働への影響はない』としている。」と、報じている。
 

 以下、東京新聞の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-08-05 08:00 | 書くことから-原発 | Comments(0)

「自由と平和のための京大有志の会」の声明書を考える。

 この声明書に説明はいらないだろう。

 じっと
 心の中をのぞき込み、
 自分で誰かに語りかけることができる言葉を探す。
 一つあるとすれば、
「思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない」という念いのなかで。

※「自由と平和のための京大有志の会」

「安保法制」、言論への威圧発言、大学への君が代、日の丸の強制、等、この間の安倍政権による平和の破壊、学問の愚弄、憲法の蹂躙を止めさせ、新時代の自由と平和を創造するために、このたび「自由と平和のための京大有志の会」を結成しました。学生、職員、教員たちで、勉強会や集会を通じて言葉を紡ぎ、京都から発信していきたいと思います。発起人:石井美保、岡真理、岡田直紀、小関隆、駒込武、小山哲、坂出健、田所大輔、藤原辰史、松田素二、水野直樹、歴史と今を考える会(学生団体)

 自由と平和のための京大有志の会の声明書の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2015-08-05 05:57 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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