2015年 04月 07日 ( 2 )

沖縄から-翁長雄志沖縄知事との初会談を考える。

 朝日新聞は、「菅義偉官房長官との初の会談に臨んだ翁長氏の言葉を、国民全体で受け止めたい。」とした。
 まさしく、この主張が今の辺野古新基地建設をめぐる状況への解決策の方向性を言い当てている。
 少なくとも、京都新聞の「ここは作業をいったん止めて話し合いを深めるべきだ。安倍首相も沖縄に出向き、早期に対話に応じる必要がある。ごり押しは許されない。」ということを安部晋三政権は、肝に命じるべきだ。
 ここで、2015年4月6日付の各新聞社の社説を挙げてみる。産経新聞以外になる。
 一つには、「沖縄県民の民意の重さ」を言い表している。
 「国と沖縄の対話 対等な立場で進めねば」
「翁長・菅初会談 民意の重さ受け止めよ」
「辺野古初会談  民意に向き合ってこそ」
「菅氏と翁長知事初会談 沖縄の民意をまず誠実に聞け」
 「[翁長・菅初会談]菅流 上から目線にノー」
「菅・翁長会談―『粛々と』ではすまない」
 また、もう一つは、新しい道を探れという主張である。
「【菅・翁長会談】辺野古以外の道も探れ」
「翁長・菅会談 自治の抑圧 即時やめよ 辺野古移設の断念を」

 新聞社の社説を見ていると、安部晋三政権の強権的施策に大きな違和感を覚える。

 以下、各新聞社の社説・主張の要約。

(1)北海道新聞
「米軍普天間飛行場を名護市辺野古へ移設する計画について、両氏の主張は平行線をたどった。国と沖縄との話し合いは今後も継続していく方向だ。一方で辺野古での工事が進むのでは納得できない。沖縄の民意に寄り添う気持ちがあるなら、まず工事を停止し、対話を通して理解を得る努力をするのが筋だろ」
「その一方で国が着々と工事を進めていくのではとても対等な話し合いにはならない。これまでの経緯の中でも、国側の強引さは際立っている。」
「地方自治に十分配慮して丁寧な合意形成を図ることが肝心だ。」
(2)中日新聞社説
「辺野古に米軍基地を新設する政府方針を伝えるだけでは、沖縄県民の思いを踏みにじるだけだ。安倍政権には、民意の重さを受け止め、沖縄の過酷な歴史や負担の重さを直視する誠実さが必要だ。」
「そもそも安倍政権は、沖縄の民意を軽く見ているのではないか。菅氏は翁長氏との会談前、昨年の知事選について『選挙結果は基地賛成、反対の結果ではないと思う』と述べた。政権に近い国会議員や識者も同趣旨のことを述べ始めている。とんでもない詭弁(きべん)だ。」
「選挙に表れた沖縄県民の民意をあえて見ようとしないのは、民主主義国家のあるべき姿なのか。」
「安倍政権は、沖縄が強いられた過酷な歴史と向き合い、選挙に表れた民意に深く思いを至らせるべきだ。県民に寄り添う気持ちがあるのなら、県内移設の強行など安易にできないはずである。」
(3)京都新聞
「遅きに失したとはいえ、ようやく実現した会談である。話し合いは平行線に終わったが、政府は移設への『アリバイづくり』にせず、沖縄の民意に真摯(しんし)な姿勢で向き合う契機としなければならない。」
「本土防衛のために県民の4人に1人が犠牲になった沖縄戦を経て、戦後も安全保障のために在日米軍専用施設の約74%を背負い続ける現実がある。それを『差別』と受け止める県民感情にどう向き合うか。政府のみならず、国民全体が問われている問題である。」
「ここは作業をいったん止めて話し合いを深めるべきだ。安倍首相も沖縄に出向き、早期に対話に応じる必要がある。ごり押しは許されない。」
(4)愛媛新聞
「国と沖縄県がようやく直接会談の場を持ち、対話継続を確認できた意義は大きい。しかし、あまりに遅きに失しよう。しかも菅氏は会談直後、『工事を進める考えに変わりはない』と断言した。会談しようがしまいが結論ありきで沖縄の『民意』など一顧だにする気がないと明言したに等しい。頑迷な安倍政権の姿勢に、強い憤りを禁じ得ない。まずは直ちに移設工事を中断し、誠実に地元の声に耳を傾けるべきだ。」
「『この期に及んで』」の沖縄の『ノー』は、長年の国への不信感と沖縄の将来を見据えた、やむにやまれぬ思いの発露である。その覚悟を、決して踏みにじってはならない。」
(5)高知新聞
「かつての米軍再編計画で普天間の移設は、在沖縄海兵隊約8千人のグアム移転とセットで実施することになっていた。それが8千人の半分強を先行移転させる方針に変わっている。沖縄に集中する海兵隊が攻撃されれば、米軍は大打撃を受けかねない。そこでグアムの拠点化を急ぎ、沖縄からの分散化を進める狙いが指摘されている。そうであるなら普天間の移設ではなく閉鎖も、選択肢として浮上してくるのではないか。」
「『この道しかない』は安倍政権の決まり文句である。だが政府が本当に負担軽減を図ると言うなら、辺野古一本に絞るのではなくさまざまな可能性を検討するべきだ。菅氏だけでなく安倍首相も翁長知事と会い、原点に立ち戻って議論をやり直す時である。」
(6)琉球新報
「『キャラウェイ高等弁務官の姿が思い出される』 就任以来ようやく実現した菅義偉(よしひで)官房長官との会談で、翁長雄志知事が言い放った。」
「名護市長選、知事選、衆院選で示された辺野古移設反対の民意が存在しなかったかのように振る舞うことは『自治は神話』で日本は独裁国家と言うに等しい。」
「看過できないのは、なぜ知事にユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)沖縄誘致の話を持ち出すのか。USJは民間企業である。まるで国営企業のようではないか。勘違いも甚だしい。あまりにも露骨な懐柔策だ。
 知事は普天間飛行場が沖縄戦の最中に住民から土地を奪って建設された史実を語った。戦争中に民間地の奪取を禁じるハーグ陸戦条約に違反する行為であり、日本が降伏した時に、返されるべき施設である。それを70年もの長きにわたって占拠し続ける米国の異常さを認識すべきである。
 代替の新基地を求めること自体もっての外だ。日本政府が米国の不当行為に加担して、普天間の危険性除去のために沖縄が負担しろというのは、知事が主張するように『日本の政治の堕落』でしかない。」
(7)沖縄タイムス
「新基地建設に反対する沖縄側の覚悟と、問題の原点である『安保の過重負担の解消』を突き付けた意義は大きい。」
「辺野古移設で菅氏がよく使う『粛々と』という決まり文句についても、『上から目線の言葉』と指摘し、県民の多くが感じていることを代弁した。」
「政府が本気で『一日も早い危険性の除去』を考えているのであれば、仲井真弘多前知事が官邸と約束したという『普天間の5年以内の運用停止』を何が何でも実現させるべきである。5年以内の運用停止は『あり得ない』と表明している米側に対し、政府はどのような対応を取ってきたのか、それを語ることが先決だ。佐賀空港へのオスプレイの移駐についても、どうなったのか聞きたい。普天間問題の原点は過重負担の解消だった。安全保障のコストを日本全体で分かち合うという、そもそもの課題にも方向性を示していない。」
(8)朝日新聞
「菅義偉官房長官との初の会談に臨んだ翁長氏の言葉を、国民全体で受け止めたい。」
「戦後70年間、沖縄の米軍基地撤去のために、政府がどれほどの努力をしてきたのか。日本の安全保障政策は常に基地負担にあえぐ沖縄の犠牲の上で成り立ってきた現実を、今こそ国民に見つめてほしい。翁長氏の指摘は、そんな重い問いかけだととらえるべきだ。」
「そのためにまず、辺野古で進める作業を中止すること。それが話し合いに臨む最低限のルールではないか。もはや『粛々と』ではすまない。
(9)産経新聞
「焦点である米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐる主張はすれ違いに終わった。それでも、遠く離れて批判しあうのではなく、顔を見ながら言葉を交わした意味は小さくないはずである。」

 最後に、安部晋三政権は、「粛々と」という表現が、民主主義をどれほど愚弄しているかについて、気づかなければならない。

 以下、各新聞社の社説及び主張の引用。



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by asyagi-df-2014 | 2015-04-07 18:30 | 沖縄から | Comments(0)

労働問題-米、残業代ゼロ見直し検討

 残業代をゼロ法案について、その見本とされる米国で見直しに作業に入っていることを、共同通信は2015年4月6日に報じた。
 安部晋三政権は、閣議決定を早期にやり直しをする必要がある。

 以下、共同通信の引用。


共同通信-米、残業代ゼロ見直し検討 日弁連が現地調査報告-2015年4月6日


 日弁連は6日までに、管理職や専門職の人を労働時間規制から外し残業代をゼロにする「ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)」を導入している米国を現地調査し、収入要件の額が低すぎ職種の規定も曖昧なため、残業代が支払われない労働者が増えているとして、オバマ大統領が制度見直しを指示しているとの報告をまとめた。

 安倍政権が導入を進める「高度プロフェッショナル制度」も、一部労働者を残業代ゼロにする仕組み。政府は同制度を柱とする関連の改正法案を閣議決定したが、米国の動きは今後の国会の論戦に一石を投じそうだ。


by asyagi-df-2014 | 2015-04-07 06:15 | 書くことから-労働 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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