2015年 03月 24日 ( 1 )

2015年3月23日の翁長知事の決断を考える。

 3月23日の翁長知事の決断をどのように捉えるのか。
 このことの意味することについて、琉球新報は、「名護市辺野古への新基地建設に向け、国が投入した巨大なブロック塊がサンゴ礁を破壊している問題で、翁長雄志知事は沖縄防衛局に対し、海底ボーリング(掘削)調査など全ての海上作業を30日までに停止するよう指示した。作業停止を拒む政府に対し、翁長知事は『腹は決めている』と述べた。埋め立て本体工事の基盤となる岩礁破砕許可も取り消される公算が大きくなった。」と、まとめている。
 また、この問題の本質を、「目の前に横たわる不条理に対し、冷静に法理を尽くし、粛々と是正を求める権限行使である。沖縄の尊厳を懸けた安倍政権との攻防は新たな局面を迎えた。」と、指摘する。

 今必要なことは、翁長雄志知事の指示に従い、海上作業をいったん停止することだ。東京新聞の「在日米軍基地の約74%が沖縄県に集中する現状は異常だ。普天間飛行場返還のためとはいえ、その負担を同じ県民に押し付けていいわけがない。基地負担を極力減らし、日本国民が可能な限り等しく分かち合うために力を尽くす。それが政治の仕事のはずである。」という提言を安倍晋三政権は、肝に銘じる時だ。

 24日付けの各紙の社説の主張を見てみる。

(1)信濃毎日新聞
「対立の原因は県民の反対を押し切って移設を強行しようとしている政府にある。政府は、沖縄の民意を力ずくでねじ伏せるやり方をやめて、対話による問題の打開に転換すべきだ。」
「県民は辺野古移設に対し明快に『ノー』の意思表示をしている。前知事の承認を根拠に、政府が作業を続けるのは許されない。翁長知事が調査をやめさせようとするのは当然だ。」
「冷遇すればそのうち音を上げる、と高をくくっているとすればとんでもない考え違いだ。住民意思を無視しての移設は沖縄では、本土による差別と受け止められている。対話の姿勢を欠いては、打開の道は遠くなるばかりだ。」
(2)琉球新報
「問題を整理しよう。国は新基地建設に抵抗する市民を排除するため、埋め立て海域を取り囲む臨時立ち入り制限区域を設けた。その上で、埋め立てを承認した仲井真弘多前知事から昨年8月に岩礁破砕の許可を得た。
 広大な臨時制限区域を示す浮標灯を固定する重りとして、沖縄防衛局は海底に最大160キロの鋼板アンカー248個を設置したが、大型台風で120個が流出した。
 消えたアンカーの代わりにしたブロック塊の重量は10~45トン、低く見積もっても当初のアンカーの62~280倍に及ぶ。環境保全に背を向けた常軌を逸した対応だ。
 埋め立て海域とは関係ない海域で巨大なブロックがサンゴ礁を無残に押しつぶしている。『無許可行為』が確認されれば、岩礁破砕許可取り消しなどを命じることができる。知事の作業停止指示には環境破壊を防ぐ法的正当性がある。
 一方、県は臨時制限区域内で、サンゴ礁の破壊の有無を調べる立ち入り調査を申請したが、米軍は「運用上の理由」を挙げ、不許可にした。
 だが、沖縄防衛局は連日、潜水調査を実施しており、運用上の理由は成り立たない。防衛省や外務省は県の調査実現の仲介さえしようとしない。狭量な二重基準が極まっている。
 安倍政権と米軍が気脈を通わせた県排除の構図だ。日本国内の環境を守るための調査さえかなわないなら自発的な「主権喪失」と言うしかない。安倍晋三首相が国会などで連呼してきた『主権』は沖縄では存在しないかのようだ。」
(3)沖縄タイムス
「臨時制限区域内では、民間の工事船や海上保安庁の警備船が多数出入りし、沖縄防衛局も独自の潜水調査を実施している。なのに、県の調査だけを認めないというのは、嫌がらせと言うしかない。菅義偉官房長官は『国としては十分な調整を行った上で許可をいただき工事をしている。全く問題ない』と法的正当性を強調する。だが、岩礁破砕の許可には条件がついており、条件に反する行為が確認されれば、許可を取り消すのは当然である。それよりも何よりも最大の問題は、前知事の埋め立て承認を唯一の根拠に、県との一切の対話を拒否し、選挙で示された民意を完全に無視し、抗議行動を強権的に封じ込め、一方的に作業を続けていることだ。埋め立て承認が得られたからといって、公権力を振り回して問答無用の姿勢で新基地建設を進めることが認められたわけではないのである。」
「埋め立て承認の適法性に疑問符が付いているだけでなく、国の環境影響評価の信頼性も、疑われ続けているのである。『1強多弱』の国会の中で、安倍政権におごりや慢心が生じていないか。新基地建設は、今や完全に「負のスパイラル(らせん)」に陥っている。異常な事態だ。」
(4)朝日新聞
「政府はどこまで問答無用の姿勢を続けるつもりなのか。」
「だが、米軍基地が集中する沖縄の県民にとっては、国の安全保障政策は「なぜ辺野古か」「なぜ沖縄に海兵隊か」といった疑問だらけである。沖縄からの深刻な問いかけに、政府はまず向き合うべきだ。」
(5)東京新聞
「それでも安倍内閣は、米軍基地の新設に向けて作業を強行するのか。沖縄県の許可区域外で岩礁を破壊した可能性が高いという。翁長雄志知事の指示に従い、海上作業をいったん停止すべきだ。」
「在日米軍基地の約74%が沖縄県に集中する現状は異常だ。普天間飛行場返還のためとはいえ、その負担を同じ県民に押し付けていいわけがない。基地負担を極力減らし、日本国民が可能な限り等しく分かち合うために力を尽くす。それが政治の仕事のはずである。」
(6)京都新聞
「移設に揺れる沖縄の姿が、当の米軍関係者の目にも危ういと映っているとみていい。
 政府が優先すべきは強引な移設計画推進ではなく、沖縄との関係修復だ。ボーリング調査の現場では、反対派住民との間で衝突が頻発している。強引に進めれば反対派もエスカレートし、取り返しのつかない事態に発展しかねない。」
(7)毎日新聞
「だが、問題がここに至ったのは、政府が沖縄との対話の扉を閉ざしたまま、一方的に移設作業を進めてきたことが背景にある。
 政府が今のやり方を進めていっても、その先には何の展望も見いだせない。沖縄の理解と納得がないまま、将来、仮に辺野古に代替施設が完成したとしても、それは日米安保体制の強化につながるだろうか。
 むしろ、いつ暴発するともわからない県民感情を抱えて、同盟は不安定化しかねない。これ以上、沖縄を追い詰め、感情的な対立を深めれば、問題解決は遠のくばかりだ。」

 以下、各紙社説の引用。




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by asyagi-df-2014 | 2015-03-24 21:08 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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