2014年 09月 12日 ( 1 )

原発問題-原子力規制委員会の川内原発再稼働のための新基準適合の判断を批判する

原子力規制委員会は2014年9月10日の定例会合で、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)が、原発の新しい規制基準を満たしているとの審査結果を正式に決めたが、このことは大きな瑕疵を伴っており、到底認められるものではない。
 考えられる瑕疵は次のことである。

  原子力規制委員会は、審査にあたっては、規制委が認めた案に、全国から1万7800件余りの意見が寄せられたにもかかわらず、大きく修正する必要はないとの判断をした。
 「3.11」が明らかにしたのは、専門家という集団が作り上げた「安全神話」の誤謬ということであった。だからこそ、「3.11」以降は命の問題を基本に考えるということであったはずであった。大飯原発判決の意義もそこにあった。しかし、多くの市民からの、命から発した問題意識は、顧みられなかった。
 最大の問題は、命の問題、その前提となる「安全性」問題への疑問は、充分には説明されていないままであることである。
 具体的には、 次のことが言える。
 第1に、「川内原発の周辺には、約五十キロ南東にある桜島を含む姶良(あいら)カルデラなど巨大な火山がある。過去に火砕流が敷地内に届いた可能性もある。しかし九電は、影響は少なく、衛星利用測位システム(GPS)で火山周辺の地殻変動を監視すれば巨大噴火は予知できると主張。危険と分かれば原発の運転を止め、核燃料を緊急搬出すると説明した。規制委は『今後の運転期間はせいぜい三十年間。その間の噴火はないだろう』と推測し問題なしと判断した。」ことが間違っている。
 このことについては、「専門家から『巨大噴火を予知することは、現在の技術では非常に困難。事業者にできるのか』『十分な監視ができないのに、できることを前提にした審査はおかしい』など厳しい批判が相次いでいる。こうした科学的な意見があるのに、規制委は審査し直さなかった。」という指摘がまさに正鵠を得ている。
 第2に、住民を守るための避難計画を議論しなかったことである。
 このことについては、「住民の避難計画をめぐっては、規制委は指針を示しただけで、計画策定は自治体に任せたまま。国は無責任との批判を受け、経済産業省は一日付で、立地自治体の薩摩川内市に二人、鹿児島県に三人の計五人の応援職員を派遣したが、実効性のある計画にできるかが課題だ。」と批判されている。
 実は、「3.11」の経験は、避難計画の重要性を指し示しているはずであったにもかかわらずである。
 第3に、「事故時の対策拠点は当面、水道がないなどの問題がある代替施設を使う。」ことと「放射性物質の放出を抑えつつ、格納容器の圧力を下げるフィルター付きベント(排気)設備は完成が二年後になる予定。」とされた上で、原子力規制委員会が審査の合格を決めたことである。
 このことについては、どうしても理解できない。
 第4に、「重大事故では周辺自治体も区別なく被害に遭う。それが福島原発事故の教訓だ。少なくとも半径30キロ圏の自治体には同意を取り付ける努力が必要ではないか」ということである。果たして30キロ圏だけでよいのかということも含めて、このことも重要な課題である。
 
 さて、南日本新聞者の社説は、「ただ、新基準への『合格』は規制委が再稼働を容認したことにはならない。規制委が7月に審査書案を認めた際、田中俊一委員長は『基準の適合性を審査した』と述べているからだ。それでも今後、再稼働への動きが本格化するのは間違いない。鹿児島県や薩摩川内市の同意などを経て今冬以降、再稼働される見通しである。」と、その問題点とこれからの流れについて説明する。

 いずれにしろ。これからが正念場である。

 以下、西日本新聞社及び南日本新聞社の引用。





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by asyagi-df-2014 | 2014-09-12 05:24 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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