2014年 06月 20日 ( 3 )

琉球新報の決意を支持します。

 2014年6月19日の琉球新報の社説は、「基地問題だけでなく、個人の表現活動や住民運動なども抑え込み、人権や民主主義よりも国や大企業など強者の論理、施策を優先する風潮が強まりかねない。特定秘密保護法も年内施行の見込みだ。国民の言論や表現活動を萎縮させ民主主義を形骸化させる動きに、司法までもが追従、加担するならば、もはや暗黒社会というほかない。とはいえ、人権や民主主義を守る取り組みに終わりはない。敗訴が確定した住民らも『今まで通り』と運動継続を誓った。言論機関としてもあらためて肝に銘じたい。」と、自らの反省を基に、静かにしかし強くその決意・使命を示して見せた。

 マスコミのあり方が批判されて久しい。読売をはじめとする大マスコミの本来の立ち位置を失った報道ぶりは、もはや無残という領域にまで落ちてしまっている。
 マスコミの立ち位置については、「中立でいいのか」という批判が、追い込まれた側からは疑問としてマスコミ側に常に投げかけられてきた。しかし、現在の状況は、権力を縛ることを目的とする立憲主義の解体に実行部隊としての役割を果たすような、むしろ強者の鎧を身にまとい、弱者に向けて権力そのものを振りかざそうとしている。
 だとしたら、琉球新報は、「人権や民主主義を守る取り組みに終わりはない。敗訴が確定した住民らも『今まで通り』と運動継続を誓った。言論機関としてもあらためて肝に銘じたい」との表明を通して、マスコミとしての立ち位置を、あらためてはっきりさせた。
 被害者・弱者に寄り添うことの使命と、権力者に向けて「異」の論理を突きつけることで闘いを挑むという決意は、もしかしたら、沖縄タイムスや東京新聞とともに、日本では希有の存在になりつつあるのではないか。 


 この間、沖縄からの異論の投げかけを自分たちの問題として、「ちゃーすが」(どうするのか)と考えることを大事にしてきた。
 今また、被害者・弱者に寄り添うことの使命と、権力者に向けて「異」の論理を突きつけることで闘いを挑むその決意を、一人一人が「あらためて肝に銘じる」ことが求められている。
 少なくとも、自分自身にまず問う必要がある。


by asyagi-df-2014 | 2014-06-20 19:49 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

集団的自衛権-09

 戦争させない1000人委員会は、2014年6月18日、安全保障法制の整備に関する与党協議会に、「集団的自衛権」行使容認の閣議決定を断念することを求める要請書を提出した。
 以下、引用。


                              2014年6月18日

安全保障法制の整備に関する与党協議会
座長 高村 正彦 様

                    戦争をさせない1000人委員会
                           事務局長 内田 雅敏


「集団的自衛権」行使容認の閣議決定を断念することを求める要請書
 
 現在、自民党と公明党両党議員で構成される「安全保障法制の整備に関する与党協議会」において、「集団的自衛権」の行使を「限定的」に容認する閣議決定文案が議論されていると報道されています。

 私たちは、17日の与党協議で提示された「わが国または他国に対する武力攻撃が発生し、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれ」という集団的自衛権行使の要件は、具体性を欠き、きわめて曖昧であると考えます。「おそれ」という曖昧な文言は、行使の要件を無分別に拡大しかねないものです。また、「集団的自衛権」を行使することによって、直接利害関係のない日本が敵対国と認定され、戦争に巻き込まれる可能性は否めません。

 挙げられている「集団的自衛権」行使の可能性の事例は、軍事的常識に照らしても、およそ現実性のないものです。追加された、ホルムズ海峡で機雷除去の活動の議論など、地理的に離れた地域での軍事関連活動にまで言及されていることは、戦争に関して将来に大きな不安を抱かせるものです。

 「ホルムズ海峡は、日本にとって死活的に重要だ」とする安倍晋三首相の言葉は、「満蒙は日本の生命線」と喧伝し、1931年から15年もの長期にわたる泥沼の戦争に突入した日本の過去を想起します。

 日本は戦後、憲法9条のもと、非戦・非軍事を謳って来ました。戦争は、取り戻すことがかなわない、甚大な被害を人々にもたらすものであり、私たちは痛切な反省の中で、その過ちをふたたび繰り返さないことを誓ったのではないのでしょうか。戦争の悲惨さを決して忘れてはなりません。他国との問題は、外交的対話による平和的解決を追求していくべきです。

 私たちは、日本が、軍事力や軍事的産業に頼ることなく、ましてや生命や環境を破壊することない、平和的な社会経済の発展をめざすことを望みます。どうか、戦後一貫して守り続けてきた、「日本国憲法は集団的自衛権の行使を認めていない」とする憲法解釈を変更することのないよう、心から要請いたします。


by asyagi-df-2014 | 2014-06-20 07:00 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

沖縄から-高江訴訟

 沖縄タイムスは、2014年6月18日、「高江ヘリパッド訴訟、妨害禁止の判決確定」と報じた。
 以下、引用。

 東村高江のヘリパッド建設をめぐり、国が工事に反対する伊佐真次さん(52)に通行妨害の禁止を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は伊佐さん側の上告を棄却する決定をした。13日付。妨害禁止を命じた判決が確定した。

 伊佐さん側は、憲法上の権利である表現の自由に対する制限の可否を争点にするよう最高裁に求めていたが、決定は「事実誤認または単なる法令違反を主張するもの」と判断。憲法解釈の誤りや憲法違反について審理する上告の理由には該当しないと結論付けた。判例や法令解釈上の問題にも当たらず「上告審として受理しない」とした。

 伊佐さんは「通行妨害と言うが、なぜ座り込み、抗議しているのかには何も触れていない、歪曲(わいきょく)された裁判。その不条理を知らせることができたことは意義があったと思う」と話した。

 ヘリパッドいらない住民の会と弁護団は「最高裁が人権の砦(とりで)としての役割を放棄し、政府の不当な弾圧を是認したことに強く抗議する」と声明を発表。「今後も正当な表現活動として抗議を続けていく」とした。

 沖縄防衛局は「本件ヘリコプター着陸帯移設工事は、SACO最終報告に基づく北部訓練場の過半の返還を実現し県民の負担軽減をはかるもので、今後とも着実な実施に努めたい」とコメントした。

 ヘリパッド建設をめぐっては、2008年、防衛局が反対する住民15人に通行妨害禁止などを求めた仮処分を那覇地裁名護支部に申し立て。地裁は09年、伊佐さんら2人に通行妨害禁止を命令。本訴訟では、一審地裁判決が伊佐さんにだけ妨害禁止を命じ、13年6月の二審福岡高裁那覇支部判決もこれを支持したため、伊佐さん側が上告していた。


 このことに関して、琉球新報は、2014年6月19日の社説-高江訴訟上告棄却 罪深き最高裁の政府追従-で鋭く批判した。
 以下、引用。


高江訴訟上告棄却 罪深き最高裁の政府追従

 沖縄の基地問題だけではなく、日本の民主主義全体にとってもあまりに罪深い司法判断だ。
 米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江でのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の建設現場で反対運動を続ける住民に対し、沖縄防衛局が通行妨害禁止を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷が住民側の上告を棄却した。「国の通路使用を物理的方法で妨害してはならない」と命じた住民敗訴の判決が確定した。
 国や大企業が住民運動などを萎縮させる狙いから起こす「スラップ訴訟(恫喝(どうかつ)訴訟)」としても、全国的に注目されていた裁判だ。
 住民側は、多くの住民が反対するヘリパッド建設に対する意思表示、抗議行動は憲法が保障する表現の自由に当たると主張して、訴権の乱用と不当性を訴えた。
 しかし、最高裁は上告棄却について、詳細な理由も示さないまま憲法違反などの上告事由に該当しないとした。上告受理申し立ての不受理決定も同様に、具体的な判断理由は示していない。
 あまりに空疎で機械的だ。「憲法の番人」「人権の砦(とりで)」としての使命を自ら放棄したに等しい。
 控訴審判決では、住民の「通行妨害」を「国が受忍すべき限度を超えている」としたが、具体的な基準などは示さなかった。最高裁もそれを踏襲したと言えよう。
 しかし、本来「受忍限度」は爆音訴訟などで住民側が使用する表現だ。立憲主義、国民主権の理念に照らせば、国家の「受忍限度」を持ち出して人権の訴えを退けるのは主客転倒も甚だしい。
 国に追従する司法の姿勢が社会に及ぼす影響は小さくない。お墨付きをもらったとして、国が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の反対運動に対しても、同様の訴訟を起こす可能性も否定できない。
 基地問題だけでなく、個人の表現活動や住民運動なども抑え込み、人権や民主主義よりも国や大企業など強者の論理、施策を優先する風潮が強まりかねない。
 特定秘密保護法も年内施行の見込みだ。国民の言論や表現活動を萎縮させ民主主義を形骸化させる動きに、司法までもが追従、加担するならば、もはや暗黒社会というほかない。
 とはいえ、人権や民主主義を守る取り組みに終わりはない。敗訴が確定した住民らも「今まで通り」と運動継続を誓った。言論機関としてもあらためて肝に銘じたい。


by asyagi-df-2014 | 2014-06-20 05:50 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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