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沖縄タイムスの『沖縄・基地白書』を読む。(5)

 沖縄タイムスは、「国内の米軍専用施設面積の70・4%が集中する沖縄では、名護市辺野古の新基地建設以外にも騒音や墜落の危険性などの問題を抱えている。国防や外交の視点ではなく、住民の暮らしの目線から沖縄の米軍基地問題を検証する。」、と『沖縄・基地白書』の連載を始めた。
 今回は、第4回-「沖縄・基地白書(4)「今更どこにも行けない」オスプレイ配備で生活激変 5年間続く騒音メモ」(2018年1月31日)から。


 今回の話は、「第1部 被害 宜野座村城原区(上)」。
 話は、宜野座村城原区に住む泉忠信さん(87)が5年以上書き続けているメモから始まる。


(1)「『18時30分 オスプレイ2機 ハリコン着陸 2機同じに離陸するのでバク音がものすごくパチパチとひどい音 村の測定器で100・9デシベルを記録 離着陸の繰り返し 約30回異状』(原文のまま)。宜野座村城原区に住む泉忠信さん(87)が5年以上書き続けているメモだ。」
(2)「2012年10月のオスプレイの沖縄配備以降、自宅から約380メートルの場所にある米軍キャンプ・ハンセン内のヘリパッド『ファルコン』での米軍機の訓練時刻などを克明に記している。」
(3)「泉さんは奄美大島出身。仕事を求め沖縄に来て、32歳で同区へ。結婚後、現在住む場所に家を建てた。広がる原野に、『北海道にいるような気持ちになった。ここなら子どもを伸び伸び育てられる』。だが、その生活環境は、オスプレイ配備で激変した。」
(4)「オスプレイのプロペラ音で家屋が揺れると泉さんは、簡易型騒音測定機と携帯電話を持って外に飛び出す。自宅上空などを午後10時以降も無灯火で旋回するため、沖縄防衛局に数年訴えて自宅そばの畑に16年、航空標識灯が付けられたが、それでも飛び続けている。」
(5)「防衛局が家のそばに設置した騒音測定機では、16年度に60デシベル以上の騒音を7866回も計測。そのうち午後10時〜翌午前7時までの騒音は226回。午後7〜10時に最大の104・6デシベル、午後10時〜翌午前7時でも102・3デシベルを記録した。」

(6)「16年12月には、自宅真上をオスプレイが物資をつり下げて訓練。連日、付近で夜間も旋回訓練した。そのころ、北部訓練場内では東村高江集落を取り囲むようなヘリパッド建設が進められ、現場には県外を含む最大800人の機動隊に加え、地方の防衛局からも『安全確保』などを理由に約860人の職員を投入された。大勢の警備員も動員して24時間監視した。一方、城原区では同月5〜9日と12日、防衛局職員が現場を確認しただけだった。『基地負担軽減』を声高に訴える政府が、基地被害を訴える城原区で監視する体制はない。」
(7)「現状の被害について、泉さんは『米国や東京で同じようなことをするのか。米軍も日本政府も思いやりを持ってほしい』と語気を強める。一方、『こういうことになるとは予想していなかった。今更どこにも行けない。一緒に暮らす子や孫に申し訳ない』と、こぼす。」
(8)「記録を取りながら『何のために』と思うときもある。でも、書かないと被害がなかったことになる。今年88歳になる泉さんは事実を書き続けている。」(「沖縄・基地白書」取材班・伊集竜太郎)


 泉忠信さんの「記録を取りながら『何のために』と思うときもある。でも、書かないと被害がなかったことになる。今年88歳になる泉さんは事実を書き続けている。」(沖縄タイムス)、との声は、実は、私たちみんなの心根であるのかもしれない。
 泉忠信さん。
 「記録を取りながら『何のために』と思うときもある。でも、書かないと被害がなかったことになる。今年88歳になる泉さんは事実を書き続けている。」(沖縄タイムス)、との思いは、充分伝わっています。




by asyagi-df-2014 | 2018-02-17 07:04 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人