百田尚樹から「悪魔に魂を売った記者」という異名を授けられた記者からの投げかけ。人のあり方とは。

 沖縄タイムスに[大弦小弦]というコーナーがある。
 普通はコラムと呼ばれるものなのかもしてない。
 2017年11月6日、その「大弦小弦]に、阿部岳記者の「作家の百田尚樹氏から『悪魔に魂を売った記者』という異名をいただいた」という記事が掲載された。
百田尚樹と阿部岳、この二人の人間そのものあり方を見ることができる機会である。


 話の始まりは、「先月末に名護市で開かれた講演会。事前に申し込んで取材に行くと、最前列中央の席に案内された。壇上でマイクを握った百田氏は、最初から最後まで私を名指しして嘲笑を向けてきた」、ということであった。
 「作家の百田尚樹氏から「悪魔に魂を売った記者」という異名をいただいた。出世のために初心を捨て、偏った記事を書いているからだという。数百人の聴衆がどっと沸き、私も笑ってしまった」、という阿部記者であった。
 そんな阿部記者が、「特異な状況だからこそ、普通に取材する。そう決めたが、一度メモを取る手が止まった。」、と。
 なんと、「『中国が琉球を乗っ取ったら、阿部さんの娘さんは中国人の慰み者になります』」、との百田尚樹の発言がなされたという。
 新聞記者阿部岳は、[大弦小弦]にこのように書き込む。


(1)「逆らう連中は痛い目に遭えばいい。ただし自分は高みの見物、手を汚すのは他者、という態度。あえて尊厳を傷つける言葉を探す人間性。そして沖縄を簡単に切り捨てる思考。」
(2)「百田氏は2015年に問題になった自民党本部の講演でも『沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ』と話している。県民は実際に沖縄戦で本土を守る時間稼ぎの道具として使われ、4人に1人が犠牲になった。歴史に向き合えば本土の側から口にできる言葉ではない。」
(3)「差別と卑怯(ひきょう)は続く。百田氏はなおも『反対派の中核は中国の工作員』などとデマを並べ、沖縄への米軍基地集中を正当化する。『沖縄大好き』というリップサービスがむなしい。」


 ポピュリズムを装うことで自らを正当化してきた百田尚樹の手法は、どうしても被差別者や被抑圧者を自らの存在価値を示すものとして必要とする。
百田尚樹は、被差別者や被抑圧者をより一層落とし込むことでしか自らの存在を証明できない。
阿部岳は、言論人として、このことに立ち向かうしかない。
もしかしたら、今は、この違いがわからなくなった時代なのかもしれない。





by asyagi-df-2014 | 2017-11-15 07:27 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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