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社説ではないんですが、こんな記事が。~神戸新聞20171108~

 実は、どこかほっとするこんな記事が時には読みたかったのです。
 新聞を読む醍醐味ですよね。
 神戸新聞は2017年11月8日、「『だいすきな木をきらないで』 桜並木に児童の張り紙、見つけた市職員は…」、との記事を掲載しました。
 話はこんなものでした。


(1)阪急六甲駅を北に向かうと桜並木が広がる。春にはお花見スポットとして親しまれるこの並木の一部が近く伐採されることになった。そんな折、近隣に住む小学生と思われる人から「桜の木を切らないで」と訴える手紙が木に張り付けられた。それをきっかけに地域の大切な桜を巡り、小学生と管理者の間で手紙のやりとりが続き-。

(2)事の始まりは夏。桜を管理する神戸市東部建設事務所が、以前の大型台風で桜並木の一部が倒れたことから、街路樹を調査した。50年以上前からある桜54本のうち、13本が老朽化による倒木の危険性があると分かった。このため、該当する桜に「近日中に撤去します」と書いた赤いテープを巻き付けた。

(3)数日後、桜の木に張り紙が。「小4男子」を名乗る差出人からかわいらしい字で書かれた「ぼくのだいすきな木をきらないでください」という一文。事務所はこれを見て、木を伐採するやむを得ない理由と、桜を大切に思ってくれていることへの感謝の気持ちを返事として張り出した。

(4)するとその後、同じ児童とみられる筆跡で封筒入りの手紙が届いた。差出人は木が切られる理由に納得したようで、「また新しい桜を植えてほしい」とつづってある。数十粒のヒマワリの種も同封されていた。事務所は感謝の気持ちを込めて2度目の返事を張り出したのだった。

神戸新聞は、記事の最後をこのように綴っています。


「同事務所に尋ねてみた。『小学生が街路樹を大切に思う気持ちが何よりうれしかった』とやりとりをした公園緑地係長の志方功一さん(39)。『歩道という制約から、支柱を立てて木を補強したり、土の状態をよくしたりするのが難しい。地元に愛される桜並木だが、人々の安全を考えると伐採は仕方がないということも分かってほしかった』と胸のうちを語った。手紙がやりとりされた桜には先日、11月中に撤去する旨の張り紙が追加された。近く伐採されるという。」(勝浦美香)


 働く側の「小学生が街路樹を大切に思う気持ちが何よりうれしかった」という気持ちが、よく染みこんできた。




by asyagi-df-2014 | 2017-11-09 12:29 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人