沖縄県は、2017年7月24日、辺野古工事差し止め訴訟に入る。(3)

 沖縄県は、2017年7月24日、辺野古工事差し止め訴訟を、那覇地方裁判所に提訴した。
この模様を、読売新聞は、唯一即座に対応し、「辺野古再提訴 最高裁判決の重みはどこに」、と表した。
 まずは、その主張を要約すると次のようになる。


要約(1):県は、訴状の中で、水産資源の保護培養という公益を守る観点から、「許可を得ない岩礁破砕行為を事前に防止する」ことを差し止めの理由としている。県は判決までの間の工事中止を求める仮処分も申し立てた。認められた場合、日米両政府が目指す2022年度以降の普天間飛行場返還の遅れは避けられまい。
要約(2):辺野古移設は、普天間飛行場の事故の危険性や騒音の問題などを早期に解決できる唯一の現実的な方策だ。政府は重ねて、移設の意義を丁寧に説明すべきだ。
要約(3):翁長氏は、「最高裁判決は、埋め立て承認に関する判決であり、(政府が)以後の手続きを自由にやってよいとはならない」と語った。だが、翁長氏の承認取り消しが最高裁で全面的に否定された事実を軽んじていないか。
要約(4):辺野古移設は、普天間飛行場の事故の危険性や騒音の問題などを早期に解決できる唯一の現実的な方策だ。政府は重ねて、移設の意義を丁寧に説明すべきだ。
要約(5):基地周辺住民の負担軽減を着実に進めることも大切である。県民は決して「辺野古反対一色」ではない。翁長氏は、自らと異なる意見についても謙虚に耳を傾けるべきではないか。


 この主張が、妥当なものであるかどうかということになる。
今更の反論にしかならないのであるが、最近のできごとに即して読売の主張を考えてみる。
Ⅰ.要約(1)(2)(4)(5)に関しては、稲田防衛省の「普天間の前提条件であるところが整わなければ、返還とはならない」、との2017年6月15日の「明言」を対置させれば、読売の主張が、沖縄にとってはいかに無理強いの物言いであるかがわかる。
 何しろ、この「明言」は、「緊急時に米軍が民間施設を使える調整が日米間で整わなければ、普天間は返還されない」(沖縄タイムス)、ということを言い放つものでしかないのであるから、どうして読売にこんなことが言えるのかと逆に言うしかない。
 また、今回問題になった普天間飛行場の返還条件における「民間施設の使用の改善」という「条件」は、①「条件が満たされない場合、新基地が完成しても普天間が返還されないとなれば、本島内に辺野古と普天間の二つの海兵隊飛行場が併存することになること」、②「政府が繰り返す沖縄の『負担軽減』という移設問題の根本を覆すことになること」、③「仲井真弘多前知事が埋め立て承認と引き替えに政府に求め、政府が約束した『5年以内の運用停止』も成立し得ないことで、政府の約束が『空手形』になること」、④「そもそも県内移設にこだわるから8条件を付けられたこと」、ということに過ぎない。
 さらに、沖縄タイムスは2017年7月6日に、「謝花喜一郎知事公室長は5日の県議会で、13年に当時の小野寺五典防衛相が来県し仲井真弘多知事に統合計画を説明した際『「返還条件の説明はなかった』」と指摘。これまで政府から詳細な説明はないとし、『大きな衝撃を持って受け止めている』と述べた。」、と報じている。
 実は、この関係が、日本政府と沖縄の偽らざる現在の実態なのである。
 つまり、読売の主張が、如何に政府よりのものであるかを暴露する。

Ⅱ. 要約(3)については、法律上の争訟-裁判審理対象に関して、沖縄県は、「今回の訴訟は財産権の主体として財産上の権利利益の保護救済を求める訴訟には当たらず『法律上の争訟に該当しないことにはならない』」としている。また、県側弁護士も、「判例は『自治体と国民の訴訟に限定したものだ』」と指摘し、「国民より高いレベルの法令順守義務を課されている国には、最高裁判決の射程は及ばない」、と説明している。
 確かに、この点は、異論の挟まれるところではある。




by asyagi-df-2014 | 2017-08-03 06:07 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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