「国会が死にかけている」。世界平和アピール7人委員会の投げかけをどのように受け取ることができるのか。

 世界平和アピール七人委員会は2017年6月10日、「国会が死にかけている」と題するアピールを発表しました。
 このアピール、「かつてここまで国民と国会が軽んじられた時代があっただろうか。」、と始められます。
こんな風に現在の国会を映し出します。


(1)戦後の日本社会を一変させる「共謀罪」法案が上程されている国会では、法案をほとんど理解できていない法務大臣が答弁を二転三転させ、まともな審議にならない。
(2)安倍首相も、もっぱら質問をはぐらかすばかりで、真摯に審議に向き合う姿勢はない。聞くに耐えない軽口と強弁と脱線がくりかえされるなかで野党の追及は空回りし、それもこれもすべて審議時間にカウントされて、最後は数に勝る与党が採決を強行する。これは、特定秘密保護法や安全保障関連法でも繰り返された光景である。
(3)いまや首相も国会議員も官僚も、国会での自身の発言の一言一句が記録されて公の歴史史料になることを歯牙にもかけない。政府も官庁も、都合の悪い資料は公文書であっても平気で破棄し、公開しても多くは黒塗りで、黒を白と言い、有るものを無いと言い、批判や異論を封じ、問題を追及するメディアを恫喝する。


 だから、こう指摘せざるを得ない。


(1)こんな民主主義国家がどこにあるだろうか。これでは「共謀罪」法案について国内だけでなく、国連関係者や国際ペンクラブから深刻な懸念が表明されるのも無理はない。そして、それらに対しても政府はヒステリックな反応をするだけである。
(2)しかも、国際組織犯罪防止条約の批准に「共謀罪」法が不可欠とする政府の主張は正しくない上に、そもそも同条約はテロ対策とは関係がない。政府は国会で、あえて不正確な説明をして国民を欺いているのである。


 「国会は死にかけている」。
 世界平和アピール七人委員会は、「この政権はまさしく国会を殺し、自由と多様性を殺し、メディアを殺し、民主主義を殺そうとしているのである。」、と次のように訴える。


(1)政府と政権与党のこの現状は、もはや一般国民が許容できる範囲を超えている。安倍政権によって私物化されたこの国の政治状況はファシズムそのものであり、こんな政権が現行憲法の改変をもくろむのは、国民にとって悪夢以外の何ものでもない。
(2)「共謀罪」法案についての政府の説明が、まさしく嘘と不正確さで固められている事実を通して、この政権が「共謀罪」法で何をしようとしているのかが見えてくる。この政権はまさしく国会を殺し、自由と多様性を殺し、メディアを殺し、民主主義を殺そうとしているのである。


 奇しくも、2017年6月12日、国連の表現の自由に関する特別報告者、デービッド・ケイ氏が、スイス・ジュネーブで開催中の国連人権理事会に対日調査報告書を提出した。
 この報告書では、①放送事業者に政治的公平を求め放送法の見直しを提案し、報道規制につながることに懸念を示した。②2014年に施行された特定秘密保護法に関し、萎縮させないことを保障するための法改正を求めた。③日本の歴史教育をめぐっては、慰安婦問題など教科書に記載される歴史解釈に、政府が介入することを慎むよう求めた。④米軍普天間飛行場移設に対する抗議活動をした沖縄平和運動センターの山城博治議長の長期勾留も不適切、などが指摘された。
 つまり、この報告書も、世界が、安倍晋三政権の政治手法だけでなく、日本のあり方そのものに大きな危惧感を抱いていることを示している。


 今。「国会は死にかけている」、というこのアピールを真摯に受け取らなければならない。
 この政権によって、国会を殺されないために、国民ひとり一人の自由と多様性を殺されないために、メディアを殺されないために、民主主義を殺されないために。





by asyagi-df-2014 | 2017-06-17 06:25 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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