家計問題と安倍首相の理解のために。-福島議員の質問(20170313)から-

 渡辺輝人弁護士が、家計問題の原点である福島瑞穂議員の国会での質問を、「加計学園問題の原点:安倍首相の3月13日の参院予算委での答弁を分析する」、と著してくれました。
 安倍晋三首相が頻繁に使用する「印象操作」という言葉も、この時も使っているのですね。また、「誹謗中傷」という言葉の使用も、論理的なものではなく、安倍首相本人のご都合主義であることがよくわかります。
結局、何度読み直しても、安倍首相の言ってることが理解できないことから、福島さんの「質問に対して、何で総理はそう恫喝するんですか。」、ということが安倍首相の発言の主旨でしかないことが、逆に説明されている気がします。
 どうやら、安倍首相の発言で残るのは、「しかしながら、や、これはあなたがですね、こういう問題で、疑惑があるかのごとくですね、疑惑のあるかのごとく、固有名詞や学園の名前を出せば、これは多くの人たちが傷つく訳であります。最初に申し上げましたように、これ、学校や何かにね、また、生徒や親の所にマスコミが殺到したらどうするんですか。責任とるんですかそれは。」、というものでしかありません。
 ですから、「もうすでに決まってしまったことを今更どうこう言うのは風評被害を生むから、こんなことを言うヤツには責任を取らせるぞ。」、と安倍首相は言いたかったということは理解できました。
 こうした安倍首相の手法について、渡辺弁護士は、「福島議員が、安倍首相に責任があるとも何とも言わず、事実を確認しようとしているのに、それには答えず、自分が働きかけて決めているのであれば責任を取る、と勝手に前のめりな発言をしています。これによって、今日に至るまで、あるはずの関与を認められず、国会が振り回されています。」、と指摘します。
 さて、この日の極めつけは、福島さんの「今治市で、え、そしてまた新たに獣医学部を作ると。で、これはやはり何故質問しているかと言えば、国家戦略特区の議長が総理であり、そしてその決定をしているからです。私は逆にですね、友達やいろんな近しい人が関与している可能性があるんだったら、むしろそれは、ま、注意深くやる。慎重にやる、あるいはやらない、そういう配慮も実は必要だと思いますよ。だって正に、正に、永年の友人。だって、総理が国家戦略特区で規制緩和をしたことで、総理の永年の友人はこれで利益を受けるわけじゃないですか。利益をこれで受けるんですよ。だから、そのことが大きいというふうに思います。」という質問に対しての安倍首相の次のような「答え」です。


「あのね、今、疑惑を掛けたまま終えられますから、ひと言付け加えたいと思いますけどもね、一校、そりゃ反対しますよ。医学部だって、成田の医学部だって、反対しましたよ。医師会は。当然なんですよ、それはね。それ、それを同じ理由であの、それを同じ理由で反対しましたからね、で、そこで、一校のみということを、が、で、一校のみというのが決まったのが成田における医科医大学でありましたね、医大でありますよ。で、同じ事がこっちでも起こっているわけで、そこで私が知っているんであればね、それを止めるべきだ、<指を指しながら>そこで私は、裁量、裁量行使していいんですか。裁量行使して良い訳ないじゃないですか。ということをはっきり申し上げて、えー、答弁を終えさせて頂きたいと思います。」


 このような安倍首相の「答え」は、全く以て意味不明のいうことに尽きます。
 これでは、国会のやり取りの意味が失われている様子が透けて見えます。ただ、残るのは、「勢い」「脅迫」だけです。
 こうした状況について、渡辺弁護士は、「福島議員が、安倍首相に責任があるとも何とも言わず、事実を確認しようとしているのに、それには答えず、自分が働きかけて決めているのであれば責任を取る、と勝手に前のめりな発言をしています。これによって、今日に至るまで、あるはずの関与を認められず、国会が振り回されています。」、と説明しています。
 さらに、渡辺弁護士は、福島議員と安倍首相のやり取り部分について、次のようにまとめています。


(1)国会質問では、質問した側が最後に自らのまとめをして質問時間を締めくくることはよくあるのですが、安倍首相は答弁を求められていないのに、これに答弁に立っています。聞かれたことに答えないのに、言いたいことは言うのも、やはり、行政府の長として、非常に行儀が悪いと考えます。
(2)まずは、国会審議から2ヶ月半も経つのに、議事録がホームページに掲載されていないこと自体、非常に不当でしょう。安倍政権がこの国会質問について、何かを隠したがっていると疑念を持たれても仕方ないのではないでしょうか。
(3)そして、3月13日の段階では、安倍首相は、確証もなしに国会質問をすべきでない、などと述べていました。しかし、その後、この件について「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」等と書かれた文部科学省の内部文書が流出しました。それが本物であり、また、2016年9月から11月にかけてその旨の報告があったことや、安倍政権の首相補佐官の和泉洋人氏や、内閣官房参で、同時に加計学園理事でもあった与木曽功氏から繰り返し働きかけがあった旨、前川喜平・前文部科学次官(1月18日に天下り問題で引責辞任)が何度も証言しています。前川氏は和泉氏が「総理は自分の口からは言えないから私が代わりに言う」と言ったとまで証言しています。自民党の元国会議員である佐藤静雄氏はツイッターで「前川前次官は私が党の文教部会長をやっていた時に多少の付き合いがあった方だが正直で真面目な人だ。出所の分からないペーパーをでっち上げるような人ではない。」と発言しました(5月29日)。自民党の元国会議員である北村直人氏も文科省の内部文書について「ほぼ正確なものだ」と証言しています(5月25日 FNN「北村氏「首相の意向」内容認める」)そして、先週末には文科省のパソコンにも文書が保管されている事実が判明しました。
(4)ところが、これだけ証拠が揃った今日、松野文部科学大臣は、今度は「入手経路が明らかにされておらず、改めて調査を行うことは考えていない」と答弁したようです。具体的な証拠があるのに、入手経路を明らかでなければ答えない、というのは、違法・不当な業務執行を内部者が曝露する、公益通報や、ジャーナリズムを全否定するものであり、また、国民の疑問に対して全く答えになっていないでしょう。安倍首相が「確証」に基づいて追及しろ、と散々言ったところ、これだけの証拠が出てきた以上、事態の核心を知る和泉洋人首相補佐官、木曽功内閣官房参与(加計学園理事)、前川喜平前文科事務次官、加計孝太郎(加計学園理事長)の証人喚問が必要な段階に至っていると思われます。
(5)そして、安倍首相自身、自ら「腹心の友」と呼ぶ友人が代表者を務める学校法人、すなわち利害関係者に対して利益誘導する政治を自らの名で行っており、最低でも深刻な利益相反を引き起こしているはずです。利益相反は、実際に不正が行われたか否かとは関係がありません。「李下に冠を正さず」の言葉の通り、客観的に政治家が利害関係者の利益になる政治を行うこと自体が大きな問題なのです。本来、安倍首相も、国会での証人喚問を免れない立場と思われます。


 渡辺弁護士は、ブログの最後を、「行政は、国民に対して、適法・適正な業務執行をしている旨説明する責任がどこまでもあります。行政府の長である安倍首相以下、質問に答えず、言いたいことだけ言い続けるモラルハザードの状態を、もういい加減、止めて頂きたいと思います。」、と締めています。
 確かに、この家計問題の根本が、「利害関係者に対して利益誘導する政治を自らの名で行っており、最低でも深刻な利益相反を引き起こしているはずです。利益相反は、実際に不正が行われたか否かとは関係がありません。『李下に冠を正さず』の言葉の通り、客観的に政治家が利害関係者の利益になる政治を行うこと自体が大きな問題なのです。」、ということにあることが、福島議員の国会質問で理解できます。




by asyagi-df-2014 | 2017-06-14 05:42 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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