2017年1月2日の「TOKYO-MXTV」の番組「ニュース女子」。(16)-琉球新報社説20170301-

 東京メトロポリタンテレビジョン株式会社は2017年2月27日、ホームページ上に、「番組「ニュース女子」に関する当社見解」を発表した。
 この「見解」の特徴は、(1)BPO放送倫理検証委員会の審議結果を待たずして公開したこと、(2)本番組について会社として次のとおり考えるに至ったこと、の2点にある。
 まず、(1)については、「一部報道機関において、本番組が捏造・虚偽である、沖縄ヘイトである、人権侵害であるなど、本番組の内容や事実、当社が本番組を放送した意図と大きくかけ離れた報道等がなされている現状に鑑み」、と説明されている。
 続いて、(2)については次のとおり説明されている。


①番組内で使用した映像・画像の出典根拠は明確でした。
②番組内で伝えた事象は、番組スタッフによる取材、各新聞社等による記事等の合理的根拠に基づく説明であったと判断しております。
③上記①及び②のとおり、事実関係において捏造、虚偽があったとは認められず、放送法及び放送基準に沿った制作内容であったと判断しております。
④本番組は、当社が直接関与しない制作会社で制作された番組を当社で放送するという持込番組に該当しますが、当社は、放送を行った点において放送責任を負う立場にあり、持込番組であっても内容のチェックを行っています。しかしながら、本番組では、違法行為を行う過激な活動家に焦点を当てるがあまり、適法に活動されている方々に関して誤解を生じさせる余地のある表現があったことは否めず、当社として遺憾と考えております。
⑤番組の考査体制に関し、より番組内容のチェックレベルを向上させるため、考査手順、考査体制に関し更なる検討を行います。
⑥再取材、追加取材をもとに番組を制作し、放送致します。調査及び取材を丁寧に実施するため、数か月の制作期間を経て放送することを予定しています。


 このことについて、琉球新報は2017年2月28日、「沖縄の基地反対運動をテロリストに例えるなどとした内容を放送し問題になっている東京MXテレビの番組『ニュース女子』について、同局が27日、ホームページ上で『事実関係において捏造(ねつぞう)、虚偽があったとは認められず、放送法および放送基準に沿った内容だった』とする見解を発表した。」、と伝えた。
 また、琉球新報は2017年3月1日、「東京MXの見解 事実曲げて開き直るとは」、とこの見解を社説で批判した。
まずは、この社説を要約する。
琉球新報は、最初に、「事実をねじ曲げた番組を反省せず開き直るとはどういうことか。事実を放送する責任を放棄するならば、存在意義さえ疑われる。」、と断定する。
琉球新報は、「東京MXテレビは、1月2日放送の『ニュース女子』について『事実関係において捏造(ねつぞう)、虚偽があったとは認められず、放送法および放送基準に沿った内容だった』との見解を発表した。今後も虚偽を事実として放送すると宣言したに等しい。事実でないことをあたかも事実であるかのように伝えることは『捏造』にほかならない。真実でないことを真実と見せ掛けることは『虚偽』以外の何物でもない。」、と強調して続ける。
琉球新報は、その理由を次のように指摘する。


(1)番組では、米軍北部訓練場のヘリパッド建設反対運動に参加する人たちを「テロリスト」に例え、反対運動で救急車が現場に向かえないなど、数々の「うそ」を流した。にもかかわらず「捏造、虚偽があったとは認められない」と結論付けたのである。承服できない。
(2)東京MXの「放送番組の基準」には「放送を通じてすべての人の人権を守り、人格を尊重する。個人、団体の名誉、信用を傷つけない」とある。ヘイトスピーチ(憎悪表現)などに反対する団体「のりこえねっと」の辛淑玉(シンスゴ)共同代表は、沖縄の基地反対運動を扇動する黒幕であるかのような虚偽の内容で批判された。「放送基準」に反する明らかな名誉棄損(きそん)である。
(3)「放送基準」には「政治、経済、社会生活上の諸問題は公平、公正に取り扱う」ともある。だが、番組を制作したDHCシアターは「犯罪や不法行為を行っている集団を内包し、容認している基地反対派の言い分を聞く必要はない」としている。「放送基準」からも到底認められないはずだ。
(4)東京MXは「違法行為を行う過激な活動家に焦点を当てるがあまり、適法に活動されている方々に関して誤解を生じさせる余地のある表現」があり「遺憾」ともした。「誤解」とは、視聴者が間違った解釈をすることであり、そのことが残念だったと言っているにすぎない。


 最後に、琉球新報は、東京MXテレビに対して、次のように突きつける。


(1)東京MXは再取材して放送することも表明した。事実を追求する姿勢がない現状のままでは、事実に迫る番組は期待できない。
(2)放送は全て事実に基づかなければならない。その常道を踏み外したことを真摯(しんし)に反省し、対策を講じない限り、東京MXは信頼を回復できない。


 この琉球新報の社説の指摘がすべてを物語っている。
 特に、「番組内で伝えた事象は、番組スタッフによる取材、各新聞社等による記事等の合理的根拠に基づく説明であったと判断しております。」、との「東京MX-TV」の見解をひけらかして恥じない輩には、何度でも、高橋哲哉さんの「この問題には「沖縄に対するヘイトスピーチにはふたつの側面がある。ひとつは在日韓国・朝鮮人らに対するのと同じマイノリティーへの差別。もうひとつは基地反対運動への政治的攻撃だ。」、との指摘を噛み締めることを求める。
 政治的攻撃のために、偽りを正当として流す常套手段は、到底認められない。





by asyagi-df-2014 | 2017-03-06 08:22 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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