大阪府豊中市内の国有地が、「森友学園」に小学校用地として不当な価格で売却された問題。(3)-弁護士渡辺輝人のナベテル法蕩記より-

 渡辺輝人さん(以下、渡辺とする)の「弁護士渡辺輝人のナベテル法蕩記」は2017年2月20日、「森友学園の国有地取得の収支」を掲載しました。
 渡辺は、「しかし、いかんせん明らかになった報道が散発的で、経過がわかりにくいのが現状です。そこで、事実経過を表にまとめました。」、とありがたいことにこの事件を理解するために次のようにまとめてくれています。


(1)本物件を巡る出来事
①2010年に豊中市は国から本物件の東側隣地(やや大きめ)を14億2300万円で購入。
②2012年に別の学校法人が本物件を地中埋設物処理費用2億5000万円を織り込んだ上で5億8000万円で購入申し出するも国が「安すぎる」と断る。
①2016年に森友学園が国から本物件を1億3400万円(10年間分割払い)で購入。当初、国有財産の売却であるのにこの金額が非開示情報とされた。


(2)国有地を買ったのに国への収支が現状プラス
①森友学園は梅田駅(大阪駅)まで徒歩含め30分圏内の国有地8770平方メートル(約2660坪)を、約1年間、国から賃借した上、1億3400万円で購入しましたが、本稿執筆時点で、国に対する収支が1億3910万円プラスになっています。原因は国が森友学園に対して「有益費」として約1億3000万円余、建設中の建物が国によって「木質化」の先導事例に選定され約6000万円の補助金を得ている一方、土地の購入費用は頭金を除き10年分割とされたからです。
②今後10年かけて分割で支払う金額の合計が下記の通りであり、この金額について国が本物件に抵当権を設定しています。国が年利1%の低利で金融機関の真似事をしている感があります。そして、建設中の建物に対する補助金も含めると、10年後に全部払い終わった時点でも森友学園の国に対する収支がプラスになる計算です。そしてこの元利合計額が登記簿に記載されている数字に合致します。


(3)1億3000万円余の「有益費」の「返還」を可能にした定期借地契約


①このような取引が可能になった根拠は森友学園の「強い要望」によって締結された2015年5月29日の定期借地契約にあります。ここでは、賃借中に森友学園が土壌汚染、地下埋設物の除去を行い、それによって貸付財産の価格が増大した場合の除去費用を「有益費」とし、国と森友学園が合意した金額を森友学園に「返還」できるとされました(第6条)。実際、森友学園は賃借中の2015年10月16日までに土壌汚染対策法に基づく工事・措置を完了し、2016年3月30日、国から1億3176万円(地下埋設物撤去費8632万4000円と土壌汚染対策費4543万6000円)の「返還」を受けることを合意しました。一方、定期借地契約と同時に締結された「売買予約契約書」で黒塗りにされていた第31条では、森友学園は、土壌汚染・地下埋設物を承知の上で本物件を購入し、これらについて国に対して「瑕疵担保責任」(要するに除去費用)を請求することができないことになっています。森友学園が当初から本物件を時価で購入していた場合、このような「有益費」の「返還」を受けることは困難だったと思われます。
②そもそも、定期借地は、森友学園が本物件を時価で購入できないため、「8年を目途」に内部留保を積み上げ、そのときの時価で購入するためのものでした。しかし、実際の定期借地は1年ほどで終了しており、その間に、むしろ、森友学園が国から多額のお金を得るための手段になっています。これは結果論なのでしょうか。それともこのような「処理スキーム」を指示したり、考えた誰かがいるのでしょうか。追及すべき点だと考えます。


 「(1)本物件を巡る出来事」の数字をみるだけで、そのからくりをきちっと検証する必要があることがわかる。
 ただ、この「(3)1億3000万円余の「有益費」の「返還」を可能にした定期借地契約」については、どうしてこんなことになるのかよく理解できない。
 渡辺弁護士の「以下は『森友学園への不明瞭な国給付』に続く予定。」に期待します。




by asyagi-df-2014 | 2017-02-24 08:12 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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