「共謀罪」を考える。(1)

 東京新聞は2017年1月6日、「安倍晋三首相は五日、犯罪計画を話し合うだけで処罰対象とする「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を二十日召集の通常国会に提出する方針を固めた。」、と報じた。
また、この背景を、「菅義偉(すがよしひで)官房長官は五日の記者会見で、『共謀罪』法案の通常国会への提出に関して、二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックに向けテロ対策の強化が必要だと主張し『テロを含む組織犯罪を防ぐことは、国民も望んでいる。これまでの国会審議の意見を踏まえ、最終検討している』と述べた。」、とも伝えた。

 緊急かつ重大な課題である『共謀罪』について考える。


 東京新聞は2017年1月19日、「【言わねばならないこと】(86)共謀罪で萎縮 監視社会招く」、と山下幸男弁護士の記事を掲載した。
 山下弁護士の指摘は、次のとおりである。


(1)政府が組織犯罪処罰法改正案を国会に出そうとしている。「共謀罪」を適用する対象の組織的犯罪集団にあたるかどうかは、警察や検察の認定次第だ。犯罪の準備行為を処罰の要件に加えても、条文上は犯罪を話し合って合意すれば、共謀罪が成立する。起訴しなくても警察が逮捕するだけで、その団体に大きなダメージを与えられる。
(2)安倍政権が安保法制で「戦争ができる国」にしようとする中、共謀罪は、沖縄の新基地建設や原発稼働、戦争に反対する人たちを黙らせる武器になる。例えば、ある市民団体のメンバーが国会の壁に「戦争反対」という落書きをしようと相談し、ペンキを買うために現金を引き出したら、建造物損壊の共謀罪が成立し、警察は逮捕できる。
(3)政府はテロ対策に必要だと言うが、この法案を最初に国会に出した二〇〇三年にそんな説明はなかった。たまたま二〇年東京五輪・パラリンピックが近いから、政府はテロ対策という理屈を後付けし、共謀罪の名前を「テロ等準備罪」に変えた。実際に取り締まる対象のほとんどは「等」に含まれる犯罪だろう。
(4)捜査当局が、犯罪の話し合いや合意、準備行為を把握し、共謀罪を適用するには、ある特定の団体の構成員を日常的に監視するしかない。尾行はもちろん、いずれは通信傍受法を改正して盗聴するだろう。共謀罪では密告した人は罪を免除される可能性があるから、互いが監視し、密告し合う社会につながる。
(5)人が人とコミュニケーションし、行動することは、憲法が保障する「表現の自由」「結社の自由」「幸福追求権」に関わる。共謀罪はこうした権利を規制し、萎縮させる。今、共謀罪の新設を許せば、憲法の保障が崩され、何も自由に言えない暗黒の社会になる。


 人が生きていくということは、「人が人とコミュニケーションし、行動することは、憲法が保障する『表現の自由』『結社の自由』『幸福追求権』に関わる。」、ことである。
 確かに、「共謀罪はこうした権利を規制し、萎縮させる。」、ことは間違いない。
 今、私たちは確認しなければならないのは、「共謀罪の新設を許せば、憲法の保障が崩され、何も自由に言えない暗黒の社会になる。」、ということなのだ。




by asyagi-df-2014 | 2017-02-21 08:07 | 共謀罪 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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