山城博治平和運動センター議長の長期拘留を批判する。

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                   (沖縄タイムス2017年1月27日より)

 山城博治平和運動センター議長(以下、山城議長とする)の拘留が、すでに、3カ月を超えている。
沖縄タイムスは2017年1月27日、「沖縄の基地反対リーダー勾留3カ月 これまでの経緯」とし、「沖縄で基地建設反対運動をリードしてきた沖縄平和運動センターの山城博治議長の勾留が3カ月以上に及んでいます。山城議長は、東村高江のヘリパッド建設や名護市辺野古の新基地建設に対する抗議行動で、公務執行妨害などの容疑で逮捕されました。釈放を求める国内外の有識者や市民グループは『反対派リーダーを長期間拘束することで抗議行動を萎縮させようという思惑がある』と指摘します。これまでの経緯をまとめました。」、と詳細に報じた。


 まず、沖縄タイムスは、山城議長の容疑を次のように伝える。
Ⅰ.有刺鉄線2本をペンチで切った疑い
Ⅱ.防衛局職員に打撲を負わせた疑いで再逮捕
Ⅲ.10カ月前の行動で3度目の逮捕


 次に、沖縄タイムスは、この間の経過を、次のように押さえる。

Ⅰ.抗議行動を萎縮させる狙いか
Ⅱ.靴下さえ認めない県警 健康状態が心配
Ⅲ.3カ月以上も続く勾留 批判相次ぐ
Ⅳ.専門家からも釈放求める声
Ⅴ.米紙も報道「ささいな容疑で長期勾留」
Ⅵ.県警「圧力かける意図はない」
Ⅶ.低い勾留率 抗議行動を支援する弁護士は「不当逮捕」
Ⅷ.山城議長、勾留中の胸中は…


 沖縄タイムスは、山城議長の逮捕・長期拘留劇の背景について、「『リーダーである山城さんの狙い撃ちだ』。県幹部は、山城議長逮捕の一報を聞き、不快感を示した。実際、この『狙い』は防衛省関係者の間で以前から語られていた。関係者の一人は、市民らが訓練場内での直接抗議行動を起こし始めた9月下旬『まずは山城氏を逮捕し、反対運動を収束させるべきだ』と周囲に語っていた。」、と示唆する。
 また、「それにしてもなぜ今、10カ月も前の抗議活動に対し、公権力を行使するのか。年内にもキャンプ・シュワブ陸上部分の隊舎工事が再開される。感じられるのは、さまざまな理由をつけて反対派リーダーを長期間拘束することによって、抗議行動を萎縮させ、一般市民との分断を図ろうとの思惑だ。」、と続ける。
 さらに、「国の側にも似た『容疑』がある。防衛局は無許可で貴重な森を切り開き、機動隊員は強制排除で市民に無数の打撲を負わせ、記者を拘束して取材を妨害した。これらを県警は不問にし、正当化さえしている。」、と指摘する。


 沖縄タイムスは、山城議長の長期拘留について、次々と反対の声を載せた。


(1)オーストラリア国立大学のガバン・マコーマック名誉教授ら海外識者10人が「山城博治氏らの釈放を求める」声明を発表。「長期の拘留で山城氏の健康状態は悪化している」と深い懸念を示した。
(2)新基地建設への反対運動に絡んで逮捕、勾留されている人たちに沖縄県警が靴下の差し入れを認めないのは「ひどい」「寒い」と訴える「くつしたdeアクション」が10日、名護署前で開かれた。
(3)作家の落合恵子さんは「山城さんたちに起きたことが明日、ここにいる誰かに起きるかもしれない」と話し、自らの問題として考えようと呼び掛けた。
(4)ルポライターの鎌田慧さんは「微罪での3カ月の勾留は不当で許されない。裁判所が政府の言いなりになって、運動をつぶしている」と指摘。
(5)うるま市の女性(69)は「リーダーを捕まえることで活動を弱める狙いかもしれないが、沖縄は負けない」と憤った。
(6)神戸学院大学の春日勉教授(刑事訴訟法)は「起訴で必要な捜査は終えているはずで、勾留を続ける理由はない。長期間の勾留で抗議運動を弱体化させたい意図を感じる」とも語る。
(7)元裁判官の仲宗根勇さんらは「罪証隠滅や逃亡の恐れがないのに、長期勾留で心身に苦痛を与えている。裁判所は即刻解放すべきだ」と訴えた。
(8)山城議長「速やかに解放すべきだ」 刑事法の研究者41人が声明。
(9)明治大のローレンス・レペタ特任教授が、勾留は日本も批准する「市民的および政治的権利に関する国際規約」が定める未決勾留の例外化原則に反すると指摘。レペタ氏は米国弁護士の資格を持っており、「米政府は何が起きているのか確認する必要がある。病気持ちの高齢男性を閉じ込めておけば、沖縄の人々の決意を強めるだけだ」と語った。
(10)基地反対リーダー長期勾留「沈黙を強いる狙いか」。 米紙ワシントンポストが報道。


 一方、沖縄タイムスは、「圧力かける意図はない」とする沖縄県警の次の対応を伝えた。


(1)県警幹部は「今回は犯罪事実が確認されたので現行犯逮捕した。排除目的ではなく、これまでの警備方針と変わりはない」との認識を示す。
(2)県警は「法と証拠に基づいて適切に対応した。基地に対する抗議行動の参加者に、圧力をかける意図はない」とコメントした。


 また、「不当逮捕」の一面として、「小口弁護士は、抗議の現場で警察官が公務執行妨害容疑の解釈を誤解していた時があったと振り返る。同容疑は職務執行に対し、『暴行や脅迫』がないと成立しない。ところが現場では市民が指示に従わないだけで、警察官が『公務執行妨害になるぞ』と警告する場面があったという。」、との事実を紹介する。


 沖縄タイムスは、最後に、山城議長の「県民の団結で打開していく道はあるものと信じる」、との言葉を紹介してこの記事を締める。


 あらためて、山城博治平和運動センター議長の長期拘留を強く批判する。


 以下、沖縄タイムスの引用。








沖縄タイムス-沖縄の基地反対リーダー勾留3カ月 これまでの経緯-2017年1月27日 08:56


 沖縄で基地建設反対運動をリードしてきた沖縄平和運動センターの山城博治議長の勾留が3カ月以上に及んでいます。

 山城議長は、東村高江のヘリパッド建設や名護市辺野古の新基地建設に対する抗議行動で、公務執行妨害などの容疑で逮捕されました。

 釈放を求める国内外の有識者や市民グループは「反対派リーダーを長期間拘束することで抗議行動を萎縮させようという思惑がある」と指摘します。これまでの経緯をまとめました。

有刺鉄線2本をペンチで切った疑い

“山城議長は17日午後3時半ごろ、北部訓練場内で、ヘリパッド建設工事現場への進入を防ぐために設置されたフェンスの上に張られた有刺鉄線2本を、ペンチのようなもので切って壊した疑いがある。”

・市民運動リーダー逮捕、有刺鉄線2本切った疑い 高江ヘリパッドに反対(2016年10月18日)

“女性はその時の様子について「急な斜面から引きずり降ろし、山城議長から私たち市民を引き離していった。機動隊員の数があまりにも多く怖かった」と振り返る。”

・「連れて行かないで」 急斜面、飛び交う怒号 伏線あったリーダー逮捕(2016年10月18日)

“「リーダーである山城さんの狙い撃ちだ」。県幹部は、山城議長逮捕の一報を聞き、不快感を示した。実際、この「狙い」は防衛省関係者の間で以前から語られていた。関係者の一人は、市民らが訓練場内での直接抗議行動を起こし始めた9月下旬「まずは山城氏を逮捕し、反対運動を収束させるべきだ」と周囲に語っていた。”

・<高江逮捕の背景>工事遅れ、いら立つ国 「狙い撃ち」で反対運動収束図る(2016年10月18日)

防衛局職員に打撲を負わせた疑いで再逮捕

“8月25日、通称「N1裏地区」で工事現場への侵入防止フェンスを設置していた男性職員の腕を強くつかみ、肩をつかんで激しく揺さぶる行為などで頸椎(けいつい)捻挫と右腕打撲のけがを負わせた疑い。”

・山城議長を再逮捕 公務執行妨害・傷害容疑で(2016年10月21日)
・平和運動センターの山城博治議長ら2人を起訴 那覇地検(2016年11月11日)

10カ月前の行動で3度目の逮捕

“逮捕された4人は新基地建設の工事を阻止するため、今年1月28日午後2時5分ごろから30日午前8時41分ごろにかけ、シュワブゲート前にコンクリートブロック1400個余を積み上げ、工事を請け負った業者の資材搬入や沖縄防衛局の業務を妨害した疑い。”

・辺野古で山城議長ら4人を逮捕 威力業務妨害の疑い(2016年11月29日)

抗議行動を萎縮させる狙いか

“それにしてもなぜ今、10カ月も前の抗議活動に対し、公権力を行使するのか。年内にもキャンプ・シュワブ陸上部分の隊舎工事が再開される。感じられるのは、さまざまな理由をつけて反対派リーダーを長期間拘束することによって、抗議行動を萎縮させ、一般市民との分断を図ろうとの思惑だ。”

・社説[山城議長また逮捕]露骨な政治的逮捕劇だ(2016年12月1日)

“国の側にも似た「容疑」がある。防衛局は無許可で貴重な森を切り開き、機動隊員は強制排除で市民に無数の打撲を負わせ、記者を拘束して取材を妨害した。これらを県警は不問にし、正当化さえしている。”

・<記者の視点>警察国家の入り口に・・・辺野古抗議で一斉家宅捜索と市民逮捕(2016年11月30日)

山城議長の逮捕容疑の発生と逮捕日時(表)-沖縄タイムス2017年1月27日より-

靴下さえ認めない県警 健康状態が心配

“オーストラリア国立大学のガバン・マコーマック名誉教授ら海外識者10人が「山城博治氏らの釈放を求める」声明を発表。「長期の拘留で山城氏の健康状態は悪化している」と深い懸念を示した。”

・勾留2カ月「健康状態が心配」 基地反対運動リーダー釈放求め声明(2016年12月18日)

“新基地建設への反対運動に絡んで逮捕、勾留されている人たちに沖縄県警が靴下の差し入れを認めないのは「ひどい」「寒い」と訴える「くつしたdeアクション」が10日、名護署前で開かれた。”

・「靴下の差し入れ認めて」「パンツと一緒」 県警に100人が訴え(2016年12月11日)

“名護署で長いものから短いものまで3種類を示して交渉し、短いものだけが認められた。「山城さんは大病を患ったばかりで足元の冷えが心配だった。大きな勝利だと思う」と喜んだ。”

・勾留中の山城議長へ、靴下の差し入れ実現 県警が認める(2016年12月21日)


3カ月以上も続く勾留 批判相次ぐ

“10カ月前の行動まで持ち出して逮捕を繰り返し、起訴後も証拠隠滅の恐れがあるなどとして釈放が認められていない。機動隊員が抗議する市民を力ずくで強制排除し、市民側からけが人が出ても、おとがめなしなのとは対照的だ。”

・社説[山城議長勾留3カ月]権限濫用の人権蹂躙だ(2017年1月18日)

“作家の落合恵子さんは「山城さんたちに起きたことが明日、ここにいる誰かに起きるかもしれない」と話し、自らの問題として考えようと呼び掛けた。”

・鎌田慧さん、落合恵子さんら呼びかけ 勾留続く山城議長の釈放求める 署名は1万6千筆超(2017年1月13日)

“ルポライターの鎌田慧さんは「微罪での3カ月の勾留は不当で許されない。裁判所が政府の言いなりになって、運動をつぶしている」と指摘。”

・鎌田慧さんら、山城議長の釈放求める署名1万8千筆を提出(2017年1月21日)

“うるま市の女性(69)は「リーダーを捕まえることで活動を弱める狙いかもしれないが、沖縄は負けない」と憤った。”

・「不当な勾留許さない」山城議長釈放求め400人 那覇地裁前(2017年1月17日)

専門家からも釈放求める声

“神戸学院大学の春日勉教授(刑事訴訟法)は「起訴で必要な捜査は終えているはずで、勾留を続ける理由はない。長期間の勾留で抗議運動を弱体化させたい意図を感じる」とも語る。”

・山城議長釈放求め3万9826人の署名 有識者「勾留を続ける理由ない」(2017年1月18日)

“元裁判官の仲宗根勇さんらは「罪証隠滅や逃亡の恐れがないのに、長期勾留で心身に苦痛を与えている。裁判所は即刻解放すべきだ」と訴えた。”

・基地反対運動リーダー勾留2カ月超 「苦痛与えている」元裁判官ら釈放訴え(2017年1月4日)

“「長期勾留は正当な理由のない拘禁」で、憲法違反と指摘している。”

・山城議長「速やかに解放すべきだ」 刑事法の研究者41人が声明(2016年12月30日)

米紙も報道「ささいな容疑で長期勾留」

“明治大のローレンス・レペタ特任教授が、勾留は日本も批准する「市民的および政治的権利に関する国際規約」が定める未決勾留の例外化原則に反すると指摘。レペタ氏は米国弁護士の資格を持っており、「米政府は何が起きているのか確認する必要がある。病気持ちの高齢男性を閉じ込めておけば、沖縄の人々の決意を強めるだけだ」と語った。”

・基地反対リーダー長期勾留「沈黙を強いる狙いか」 米紙ワシントンポストが報道(2017年1月25日)
・山城議長の勾留を伝えるワシントンポスト電子版の記事

県警「圧力かける意図はない」

“県警幹部は「今回は犯罪事実が確認されたので現行犯逮捕した。排除目的ではなく、これまでの警備方針と変わりはない」との認識を示す。”

・沖縄県警「排除目的ではない」(2016年10月18日)

“県警は「法と証拠に基づいて適切に対応した。基地に対する抗議行動の参加者に、圧力をかける意図はない」とコメントした。”

・基地反対リーダー長期勾留「沈黙を強いる狙いか」 米紙ワシントンポストが報道(2017年1月25日)

低い勾留率 抗議行動を支援する弁護士は「不当逮捕」

“小口弁護士は、抗議の現場で警察官が公務執行妨害容疑の解釈を誤解していた時があったと振り返る。同容疑は職務執行に対し、「暴行や脅迫」がないと成立しない。ところが現場では市民が指示に従わないだけで、警察官が「公務執行妨害になるぞ」と警告する場面があったという。”

・高江で逮捕…裁判所に勾留を認められたのは57%(2016年12月30日)
・基地建設抗議の市民、相次ぎ不起訴に 那覇地検(2016年12月29日)

山城議長、勾留中の胸中は…

“「県民の団結で打開していく道はあるものと信じる」”

・「沖縄の苦境打開するには…」 勾留続く山城議長、現在の胸中語る(2016年12月22日)



by asyagi-df-2014 | 2017-02-01 07:52 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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