2017年1月2日の「TOKYO-MXTV」の番組「ニュース女子」。(3)-沖縄二紙、しんぶん赤旗-

 この問題について、しんぶん赤旗は2017年1月7日、「2日放送の東京MXテレビ「ニュース女子」が、沖縄県東村高江のオスプレイパッド建設をとりあげた番組で、反対する人々を『過激派暴力集団』と誹謗(ひぼう)中傷しました。“マスコミが報道しない真実”とのタイトルをつけながら、何者かに雇われているかのように『日当5万円をもらっている』『週休2日』などとでっちあげのコメントを並べました。『反対派の中には中国人や韓国人までいる。なんでこんなやつらまで」と人種差別につながる発言まで飛び出しました。」と報道し、「『これ以上米軍基地をつくらせない』という県民と全国の思いをどうしてもへし折りたいのか。民意に背く安倍政権のもとで、ゆがんだメディアの在り方が問われています。」、と伝えました。
 また、沖縄の二紙はそれぞれの社説で、沖縄タイムスが2017年1月12日「[「沖縄ヘイト」番組]真偽不明 悪意むき出し」、琉球新報が2017年1月13日「ヘイト番組放送 沖縄への偏見拡大恐れる」、とこの問題について論評しました。
沖縄の二紙の論評のまとめはが次のものです。


Ⅰ.事実
(沖縄タイムス)
(1)番組は「マスコミが報道しない真実」と題してジャーナリストの井上和彦氏の取材ビデオが流され、スタジオでゲストらが意見を述べ合った。
(2)ビデオでは「光広」「2万」と書かれた出所不明の茶封筒を示し、高江で反対する人は「日当をもらっている」と決めつける。だが、自腹を切って自主参加しているのがほとんどだ。
(3)ヘイトスピーチ(憎悪表現)に反対する団体「のりこえねっと」は交通費5万円を支給し、本土から高江に「市民特派員」を送っている。公開された要項にも財源はカンパであると書いているにもかかわらず、あえて「分からない」と強調。共同代表で在日3世の辛(シン)淑玉(スゴ)さんを取り上げ「反対運動を扇動する黒幕の正体は?」「韓国人はなぜ反対運動に参加する?」などと悪意に満ちたテロップを流した。辛さんは人権侵害だとして放送倫理・番組向上機構(BPO)に申し立てるという。
(4)こういった情報はネット上には氾濫しているが、放送法の規制を受ける地上波から流れるのは極めて憂慮すべき事態である。


(琉球新報)
(1)東京のローカル局・東京メトロポリタンテレビジョン(東京MX)が、米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対する市民をテロリストに例えるような内容の番組を放送した。住環境や自然環境の破壊を懸念する地域住民や東村高江で抗議行動を続けてきた市民、県民をおとしめる重大な人権侵害だ。見過ごすわけにはいかない。
(2)MXテレビ前で12日、抗議行動があり、参加者は「番組はヘイトスピーチそのもの」などと訴え、謝罪訂正、検証番組の放送を求めた。反対運動の背後にある組織として名指しされた団体は、放送倫理・番組向上機構(BPO)に人権救済を申し立てる考えだ。
(3)問題の番組は2日放送のニュースバラエティー番組「ニュース女子」で、反対する市民をテロップで「過激派デモの武闘派集団『シルバー部隊』 逮捕されても生活の影響もない65~75歳を集めた集団」と説明するなど、根拠なく反対運動を中傷している。
番組出演者からは「テロリストみたいだ」「大多数の人は米軍基地に反対とは聞かない」と一方的に決めつける発言もあった。反対市民に日当が支払われているというデマも、あたかも事実のように伝えた。
(3)驚くことに番組は東村高江での抗議行動の現場を直接取材したわけでない。「反対派の暴力で近寄れない」として、抗議現場から直線距離で約25キロ離れた場所で取材を取りやめたという。反対運動を取り上げるなら現場を取材すべきではないか。理解し難い行動だ。


Ⅱ.問題点
(沖縄タイムス)
(1)ビデオは辺野古新基地建設に反対する人たちを車内から撮影、「過激派デモの武闘派集団シルバー部隊」とテロップを映し、「万一逮捕されても生活に影響が少ない65歳以上のお年寄りを集め、過激デモ活動に従事させているという」とのテロップとナレーションが流れる。テロップやナレーションにする以上、誰からの情報なのかを明示する必要があるのに一切ない。
(2)そもそも、この番組には、なぜ、沖縄の人たちが辺野古や高江で抗議活動をせざるを得ないかの根本的な視点が欠けている。辺野古新基地建設を巡っては選挙で反対の民意が繰り返し示され、世論調査でも反対が賛成を上回っている事実には言及しない。
(3)苛烈な沖縄戦を体験、復帰前の米軍統治下の圧政にあらがい、「これ以上の基地負担はもうできない」という心情にも触れようとしない。


Ⅲ.主張
(沖縄タイムス)
(1)東京のローカル局、東京MXテレビが2日に放送した報道バラエティー番組「ニュース女子」で、高江ヘリパッド建設問題を取り上げた。反対する人たちの声は1人も流されないまま「カメラを向けると襲撃に来る」「テロリストみたい」などと表現。「反対派の中には韓国人はいるわ、中国人はいるわ」と人種差別につながる発言があった。MXテレビは本紙の質問に対し明確な回答をしていない。事実関係の説明を求める。
(2)「ポスト真実」(POST-TRUTH)の時代といわれる。POST-は「後に」「次の」という言葉で、ソーシャルメディアで不正確な情報が繰り返し流され、客観的な事実や真実が重視されない状況を意味する。米大統領選では虚偽情報がネット上を駆け巡った。クリントン氏を標的にしたものが多く、大統領選の結果に影響を与えたとの見方もある。事実ではない情報で敵をつくり、快哉(かいさい)を叫ぶ。民主主義の根幹を揺るがす危険な動きである。


(琉球新報)
(1)沖縄に対する許し難い誹謗(ひぼう)中傷だ。公共の電波を使った沖縄に対するヘイトスピーチ(憎悪表現)と断ずるしかない。なぜこのような番組を制作し、放送したのか明確に説明すべきだ。
(2)番組自体はネット上で流布しているデマの寄せ集めだ。このような番組で、国民の間に沖縄への偏見や無理解が広がることを何よりも恐れる。
(3)ヘリパッドや辺野古新基地の建設に反対する市民、県民は豊かな自然と住みよい生活環境を求めているだけだ。訓練場や新基地建設を強行する政府に異を唱えるだけで「テロリスト」という悪質なレッテルを貼ることは受け入れられない。猛省と、番組によって損なわれた人権の回復をMXテレビに求めたい。


 確かに、「沖縄に対する許し難い誹謗(ひぼう)中傷だ。」(琉球新報)。
 したがって、東京MXは、「なぜこのような番組を制作し、放送したのか明確に説明すべきだ。」(琉球新報)。





by asyagi-df-2014 | 2017-01-23 09:59 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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